宅間守のソースを表示

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{{Infobox 犯罪者
|名前 = 宅間 守
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|画像説明 =
|出生名 =
|別名 = 吉岡 守（死刑執行時の姓名）<ref name="東京新聞2004-09-14" />
|生年月日 = [[1963年]][[11月23日]]{{Sfn|大阪地裁|2003}}{{Sfn|岡江晃|2013|p=25}}<ref>{{Cite news|title=夕刊フジ特捜班「追跡」－－児童惨殺事件－－ 心の闇と傷（２）|newspaper=[[夕刊フジ]]|date=2001-06-23|author=水沼宣之|url=http://www.zakzak.co.jp/tsui-sat/tsuiseki/contents/2001_04-09/0623_02.html|accessdate=2021-04-03|publisher=[[産業経済新聞社]]|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210403162831/http://www.zakzak.co.jp/tsui-sat/tsuiseki/contents/2001_04-09/0623_02.html|archivedate=2021年4月3日}}</ref>
|出生地 = {{JPN}} [[兵庫県]][[伊丹市]]<ref name="半生">『読売新聞』2003年8月25日東京朝刊特集面27頁「宅間守被告の半生」（読売新聞東京本社）</ref>
|失踪 =
|没年月日 = {{死亡年月日と没年齢|1963|11|23|2004|9|14}}<ref name="東京新聞2004-09-14" />
|死没地 = {{JPN}} [[大阪府]][[大阪市]][[都島区]][[友渕町]]（[[大阪拘置所]]）<ref name="東京新聞2004-09-14">『[[東京新聞]]』2004年9月14日夕刊一面1頁「池田小事件 宅間死刑囚の刑執行 法務省 異例の早さ 一審確定後1年」（[[中日新聞東京本社]]）</ref>
|死因 = [[刑死]]（[[絞首刑]]）
|遺体発見 =
|墓地 = [[無縁仏]]
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|国籍 = {{JPN}}
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|教育 = [[中卒]]
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|動機 = 社会への憎悪
|罪名 = [[殺人罪 (日本)|殺人罪]]
|有罪判決 = 死刑（[[確定判決|確定]]：[[2003年]][[9月26日]]）<ref name="読売新聞2003-09-27">『[[読売新聞]]』2003年9月27日大阪朝刊一面1頁「付属池田小事件 宅間被告、死刑確定 自ら控訴取り下げ／大阪高裁」（[[読売新聞大阪本社]]）</ref>
|刑罰 = [[日本における死刑]]（絞首刑）
|犯罪者現況 =
|国 = {{JPN}}
|都道府県 = [[大阪府]]
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|死者 = 8人
|負傷者 = 15人
|凶器 = 出刃包丁（刃体の長さ約15.8&nbsp;cm）{{Sfn|大阪地裁|2003|loc=罪となるべき事実}}
|逮捕日 = 2001年6月8日（[[現行犯]][[逮捕 (日本法)|逮捕]]）<ref name="読売新聞2001-06-09大阪一面">『読売新聞』2001年6月9日大阪朝刊一面1頁「大教大池田小殺傷事件 児童8人が死亡 「何もかも嫌に」男供述」（[[読売新聞大阪本社]]）</ref>
|収監場所 = 大阪拘置所<ref name="東京新聞2004-09-14" />
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'''宅間 守'''（たくま まもる、[[1963年]]〈[[昭和]]38年〉[[11月23日]] - [[2004年]]〈[[平成]]16年〉[[9月14日]]）は、[[日本]]の[[無差別殺人]]犯。[[2001年]]（[[平成]]13年）[[6月8日]]に発生した[[附属池田小事件]]の[[犯人]]である<ref name="東京新聞2004-09-14"/>。[[殺人罪 (日本)|殺人罪]]などに問われ、2003年（平成15年）9月26日に[[日本における死刑|死刑]][[判決 (日本法)|判決]]が[[確定判決|確定]]<ref>『[[読売新聞]]』2003年9月27日大阪朝刊一面1頁「付属池田小事件 宅間被告、死刑確定 自ら控訴取り下げ／大阪高裁」（[[読売新聞大阪本社]]）</ref>、2004年9月14日に[[大阪拘置所]]で[[日本における被死刑執行者の一覧|死刑を執行された]]（{{没年齢|1963|11|23|2004|9|14}}）<ref name="東京新聞2004-09-14" />。

== 経歴 ==
=== 生い立ち ===
宅間は[[兵庫県]][[伊丹市]]の工場街にある[[ブルーカラー|工員]][[家庭]]の家に生まれた<ref>『[[北日本新聞]]』2001年6月10日朝刊30頁「狙われた教室 上」（北日本新聞社）</ref>。[[小学校]]時代の宅間は[[学級担任|担任]]教諭から手を焼く乱暴者で悪質な[[悪戯|いたずら小僧]]と言われ、たびたび問題行動を起こし、[[幼稚園]]入園前は[[三輪車]]で[[国道]]の中央を走って[[渋滞]]させたり、大きい[[石]]を投げて相手にけがさせる、[[往来を妨害する罪|走っている列車に向かって石を投げる、線路に石を置く悪質な列車妨害]]、[[いじめ|弱いものいじめ]]、[[暴力|暴力行為]]を行ったりしていた<ref name="#1">[[宅間守 精神鑑定書 精神医療と刑事司法のはざまで]]</ref>。[[小学生]]時代の[[あだ名]]は『[[ゴン太|ゴン太くん]]』であり<ref name="#2">{{Cite book|title=Showa heisei nihon no kyoaku hanzai hyaku.|url=https://www.worldcat.org/oclc/1003125116|date=2017.8|publisher=Takarajimasha|isbn=9784800273413|others=Takarajimasha., 宝島社|oclc=1003125116}}</ref>、[[犬]]や[[猫]]などの動物を新聞紙に包んで火をつけて殺害したこともあった。小学校卒業後も問題行為はエスカレートし、本人が事件後鑑定医に語ったところによれば、「好意を抱いていた女子生徒の[[弁当]]に[[精液]]をかけた」こともあるという{{Sfn|片田珠美|2009|p=105}}。大人しくもなく、これらの悪事を繰り返す一方で、他人との協調性は極端に低く、悪仲間との徒党を組むこともできなかった<ref name="#3">宅間守精神鑑定書　精神医療と刑事司法のはざまで</ref>。

小学5年生の時、同級生の女子からパイロットのおじさんの話を聞いて憧れる。その頃、大阪教育大付属池田校の存在を知り、勉強するようになるが、父親は「教育大付属中に入る子は小さなころから、[[家庭教師]]を付けとる。うちは機械工やから違うんだぞ」と諭した。成績は悪かったが、折れることもなく、中学に願書を取りに行くと、願書には内申も必要であった。願書を家に持ち帰り、受験は保護者同伴と母親に伝えると、「そんなん通るはずがないのに受けるだけ無駄や」と突き放され、受験を諦めた<ref>特集「狙われた教室　惨劇への暴走」　（第１部）「受けるだけ無駄や」と母　大教大池田中の受験を断念（２）</ref>。小学生の頃から[[自衛隊]]に強い関心を持っており、「将来は自衛隊入るぞ〜」と大声で叫んだり、一人で軍歌を大声で歌っていたりしたこともあり、高校生になっても周囲の同級生に「俺は自衛隊入るからお前らとはあと少しの付き合いや」と発言していたこともあったという。また、高校時代に停学処分を受けた際、反省文にも「自衛隊は[[内申書]]一切関係なしの一発勝負」などと綴っていたこともあった{{refnest|group="注"|その他、当時の反省文には自身が小学生の頃からの反社会的行動や、[[運転免許証]]を所持していないにもかかわらず[[オートバイ]]を購入したこと、祖母への愛着、[[部落問題]]への批判など十数ページにわたり延々と綴った後、文末には「最後に俺自身の大きな反省点は、先の事を考えて行動せよ。それだけ」で締め括っている。}}。宅間は幼いころから「高学歴・高収入のエリート」に対する屈折した羨望、嫉妬を抱いていた{{Sfn|片田珠美|2009|p=104}}。

=== 初犯と精神科病院への入院 ===
1979年（昭和54年）4月、兵庫県立の工業高校（[[尼崎市]]内<ref name="to"/>）に入学したが<ref name="半生"/>、1981年（昭和56年）3月に2年で中退<ref name="to">『[[富山新聞]]』2001年6月9日朝刊28頁「無言で次々と刺す「何かやるぞ」最悪の事態に 宅間容疑者 異物混入で逮捕歴」（[[北國新聞]]社富山本社）</ref>したあと、定時制高校に編入学するもすぐ退学し、最終学歴は中卒で、高校は2回中退している。数か月間の[[ガソリンスタンド]]での[[アルバイト]]を経て、1981年末、18歳のときに[[航空自衛隊]]に入隊したが、1983年（昭和58年）1月に1年強で除隊処分を受けている{{Sfn|片田珠美|2009|p=105}}。除隊の理由について、鑑定書は「家出した少女を下宿させ、性交渉した」ために懲罰を受けたと記述している{{Sfn|片田珠美|2009|p=105}}。

除隊後、2001年の池田小学校殺傷事件まで約20年近く、宅間は運送会社や[[貨物自動車|トラック]]運転手、引越し業者など十数社にわたる転職を繰り返していたが、いずれも数週間から半年以内で退職している。精神的に荒れ、家族に暴力をふるったり、傷害、暴行などに走り、また[[日本の高速道路|高速道路]]を逆走するなど非行を行うようになった{{Sfn|片田珠美|2009|p=105}}。またこの頃から、知り合いの女性を呼び出しては強引に肉体関係を結ぶことに耽溺するようになっていった<ref name="検察冒頭陳述朝日">『朝日新聞』2001年12月27日東京夕刊3頁「付属池田小の児童殺傷事件 検察側の冒頭陳述要旨」</ref>。

1984年（昭和59年）11月21日、[[マンション]]管理会社に勤務していたときには[[家賃]]の集金と称して{{Sfn|片田珠美|2009|p=106}}大阪市[[東淀川区]]の女性の部屋に上がり込み、顔面を数回殴りつけ、首を絞めるなどして強姦する事件を起こしている{{Sfn|片田珠美|2009|p=106}}<ref name="検察冒頭陳述朝日" />。

事件後、被害者の女性が警察に告訴したことを察知した宅間は、12月12日、母親をともない精神科を受診。「[[幻聴]]が聞こえる。だれかに陥れられる気がする」などと医師に言い、母親にも宅間に暴力を振るわれているとの旨の嘘を言わせて入院した。病院側は、当初は[[神経症|不安神経症]]との診断を下したが、宅間の虚偽の供述を信じ、のちに「[[統合失調症]]」と診断書や警察の照会への回答に記載している。一方、[[閉鎖病棟]]へ入れられ入院生活に不満を感じた宅間は、翌1985年（昭和60年）1月4日に5階屋上から隣接する車庫の屋上へ飛び降りて、開放性下顎骨および上顎骨骨折の重傷を負い<ref name="検察冒頭陳述朝日" />、その後遺症も残った<ref name="#1"/>。宅間は後に母親に宛てた手紙でも、入院したのは[[日本の警察|警察]]から強姦事件で追及されるのを回避するためで、5階から飛び降りたのは「親に嫌がらせをするため」であったと記している{{Sfn|片田珠美|2009|p=106}}。退院後、宅間は「世間への復讐心」から、さらに犯罪性向を強め、通り魔的な傷害や器物損害などを日常的に繰り返すようになる。後に精神鑑定を担当した医師は、このことが社会や勝ち組への[[ルサンチマン]]を強めた可能性を指摘している<ref name="#3"/>。

初犯の強姦事件では結局、[[大阪地方検察庁]]が派遣した医師に「性格異常であって、理非分別能力はある」と診断され、1986年（昭和61年）11月に[[懲役]]3年の[[実刑]][[判決 (日本法)|判決]]が確定。1989年（平成元年）3月11日まで[[刑務所]]に服役したが、服役中には両親との面会や手紙で、病院から飛び降りて骨折したのは母親が退院に関して協力してくれなかったためであるとし、その責任を取って出所後の生活費を出すように要求した。だが父親は、宅間に全く反省が見られないことからこれを拒否し、宅間の私物を下取りに出した金を本人に手渡しして[[勘当]]することを伝えた<ref name="検察冒頭陳述朝日" />。

また宅間は、刑務所出所後にダンプやトラックの運転手を務めていた際、二件の危険運転致死事故を起こしたと後の精神鑑定で証言している。山奥で産業廃棄物をダンプで運ぶ仕事をしていた時に、前の車に対して[[あおり運転|煽り運転]]をしたところ、下りカーブで急ブレーキを踏みスピンしたダンプが対向のトラックと衝突し、運転手が数日後に死亡した。この件では「相手の車が割って入って来た」と嘘をついて、それ以上捜査されることはなかった。また首都高速の付近でトラックの運転をしていた際に、乗用車に対して煽り運転を繰り返しているうちに相手の車が側壁に衝突し、運転手が死亡した。すぐにその場を去ったため、事件として露見することはなかったという<ref>[[宅間守 精神鑑定書 精神医療と刑事司法のはざまで]] p150</ref>。

=== 数度の結婚 ===
[[1990年]]（平成2年）3月、宅間は[[看護婦]]と肉体関係を持とうと考え、看護婦試験合格者名簿の名前から調べた番号に電話を掛けることを繰り返す内に、19歳年上の女性と知り合った。そこで泌尿器科の医師であると嘘をついて接近し、肉体関係を結んだのち、6月14日に強引に結婚（1回目の結婚）。しかし直後に医師でないことが露見し、26日には離婚。10月12日には19歳年上の女性と結婚するが（2回目の結婚）、[[1993年]]（平成5年）9月に再度の強姦事件を起すなどしたため、翌[[1994年]]（平成6年）9月21日に離婚した<ref name="検察冒頭陳述朝日" />。

また、[[1995年]]（平成7年）11月27日には、バス運転手をしていて知り合った44歳年上の女性と財産目当ての養子縁組をしたが、宅間が暴力を振るい金を取るなどしたため、[[1997年]]（平成9年）1月7日に協議離縁している。一方、[[1996年]]（平成8年）12月15日にはお見合いパーティーで2歳年上の女性と知り合っており、離婚歴を隠した上で執拗に結婚を迫った。この女性は乗り気ではなかったが、「結婚しなければ、お前を殺して私も死ぬ」などと言われたり、実家の住所を調べ上げられたりしていたため、周囲への迷惑を考えて1997年（平成9年）3月30日に結婚（3回目の結婚）。しかし妻は、宅間の粗暴な振る舞いや暴力を受けたり、周囲とトラブルを起こす宅間の姿を見るなどした上、過去の[[養子縁組]]の件を知ったため、離婚を決意した<ref name="検察冒頭陳述朝日" />。

[[1998年]]（平成10年）10月18日には、お見合いパーティーで3歳年下の女性と知り合い、その後結婚（4回目の結婚）。しかし[[1999年]]（平成11年）に後述の薬物混入事件を起したため、同年3月31日に離婚した<ref name="検察冒頭陳述朝日" />。

=== 小学校での薬物混入事件 ===
[[1993年]]（平成5年）、宅間は30歳のとき非常勤の[[地方公務員]]になり、[[伊丹市交通局|伊丹市営バス]]の運転手（1993年から1997年まで）やクリーンセンターでのゴミ収集（1997年のみ）、[[伊丹市立池尻小学校]]の用務員（1998年と1999年）などを務めていた<ref name="to" />が、この間も市バスの運転を務めている最中に乗客の女性に「香水のにおいがくさい」ことを理由に女性の顔につばを吐きかけたうえに、言いがかりをつけてトラブルを起こし[[懲戒解雇]]されている。{{Sfn|片田珠美|2009|p=107}}。小学校で用務員を務めていた際には、ごみを収集場所に持ってきた児童に「入れ方が悪い」と大声で怒鳴ることもあり、児童が校長に、宅間を辞めさせるよう頼んだこともあったという<ref name="朝日38頁0609">『朝日新聞』2001年6月9日東京社会面38頁「宅間容疑者 中学から家庭内暴力 父親語る 空自除隊後、職を転々」</ref>。[[1998年]]（平成10年）10月には、別れた妻を殴った[[傷害罪|傷害]]容疑で[[逮捕 (日本法)|逮捕]]されている<ref name="読売新聞2001-06-09"/>。

[[1999年]]（平成11年）3月12日、池尻小学校の用務員を務めていた宅間は、小学校教諭らが飲む茶に[[精神安定剤]]を混入させる事件を起こし、同月14日に傷害容疑で[[伊丹警察署]]に逮捕され、翌15日に[[書類送検]]された<ref name="混入讀賣">『読売新聞』1999年3月15日大阪夕刊社会面19頁「伊丹の小学校薬物混入事件 技能員を傷害容疑で逮捕／兵庫」（読売新聞大阪本社）</ref>。調べによると宅間は12日正午、技能員室で精神安定剤入りの数錠の錠剤を急須の茶に溶かして飲んだが、約40分後に昼食を摂るため部屋に入ってきた教員が同じ急須にポットの湯を注ぎ足すと、宅間は精神安定剤が混ざっていることを知っていたにもかかわらず、そのまま教員らの湯呑みに茶を注いだ。約1時間半後になって、教員4人が目まいや口の痺れ、眠気などを訴えて、その後3日間入院した<ref name="混入讀賣" />。

逮捕された宅間は調べに対し「妻から別れ話を切り出されたうえ、職場でもうまくいっておらず、視線を冷たく感じていた。教諭四人にうらみはないが、うっぷんをはらそうと、軽い気持ちでお茶を出してしまった」<ref name="混入讀賣" />「先生達に無視され家族とも上手くいかず、人間関係による鬱憤を晴らしたかった」<ref name="to" />と話している。

校長は、宅間に怒鳴られた児童から苦情があったことを述べた上で「本人が家庭や仕事で悩んでいたようなので、何度か話し相手になって励ましてきたが残念」と述べている。14日に開いた臨時全校集会では、宅間の逮捕には触れなかったが「皆さんに心配をかけた」と頭を下げ、「命を大切に、明るく安全な学校を作りましょう」と話した<ref name="混入讀賣" />。しかし宅間は「[[刑事責任]]を問えない」として刑事処分は受けず{{Sfn|片田珠美|2009|p=108}}、[[神戸地方検察庁|神戸地検]]により不起訴処分となった<ref>『読売新聞』1999年4月3日大阪朝刊35頁</ref>。その後、宅間は同年4月12日付で[[分限処分|分限免職]]となり<ref name="読売新聞2001-06-08大阪一面">『読売新聞』2001年6月8日大阪夕刊一面1頁「包丁男、児童7人刺殺 教室に乱入し次々襲う 大阪教育大池田小」（読売新聞大阪本社）</ref>、精神保健福祉法に基づき、兵庫県内の精神病院へ[[措置入院]]させられ（精神分裂病と診断）、本事件を起こすまで4回にわたり、入退院を繰り返した<ref name="読売新聞2001-06-09">『[[読売新聞]]』2001年6月9日東京朝刊一面1頁「大阪の児童殺傷事件 惨劇15分、4教室で次々 死亡児童8人に」（[[読売新聞東京本社]]）</ref>。また、同年11月には民家に忍び込んだとして住居侵入容疑で逮捕され、本事件直前の2001年（平成13年）2月には[[暴行罪|暴行]]・[[器物損壊罪|器物損壊]]容疑で書類送検されている<ref name="読売新聞2001-06-09"/>。

=== 事件直前の動向 ===
その後ふたたび職を転々とするが、そのたびに暴行事件などを起こしたため長続きしていない{{Sfn|片田珠美|2009|p=109}}。2000年（平成12年）11月からは池田市内の建設資材販売会社でトラック運転手を務めていたが、信号待ちで並んだ車の女性に「目が合った」とつばを吐きかけたり、前方に割り込んだ車を蹴るといった問題を起こし、2001年（平成13年）2月に懲戒解雇となっていた<ref name="朝日38頁0609" />。事件当時住んでいたマンションでも、入居直後から「にらみつけられた」「つばを吐きかけられた」といったクレームが住民から寄せられており、大家は強制退去してもらうことを検討していたという<ref name="朝日38頁0609" />。

十数社の職歴のうち、ある程度長続きした（1年以上）のは航空自衛隊と非常勤の地方公務員の2か所のみであり、それ以外はいずれもおよそ半年以内で退職したり懲戒解雇をされたりしている。また、初犯の強姦事件を除き、15回もの逮捕歴があったが、心神喪失を理由に[[不起訴処分]]になっている。

=== 事件から死刑執行まで ===
{{Main|附属池田小事件}}
そして宅間は2001年6月8日、附属池田小に侵入して1年生・2年生の児童8人を[[出刃包丁]]で刺殺し、15人（児童13人および教職員2人）を負傷させる事件を起こした{{Sfn|大阪地裁|2003|loc=罪となるべき事実}}。宅間は[[大阪府警察|大阪府警]]の警察官によって[[現行犯]][[逮捕 (日本法)|逮捕]]され<ref name="読売新聞2001-06-08大阪一面">『読売新聞』2001年6月8日大阪夕刊一面1頁「包丁男、児童7人刺殺 教室に乱入し次々襲う 大阪教育大池田小」（読売新聞大阪本社）</ref>、[[殺人罪 (日本)|殺人罪・殺人未遂罪]]などで[[大阪地方検察庁]]から[[大阪地方裁判所]]へ[[起訴]]された<ref>『読売新聞』2001年9月15日大阪朝刊一面1頁「大教大池田小児童ら殺傷 宅間容疑者を起訴 大阪地検「責任能力は完全」と判断」（読売新聞大阪本社）</ref>。

宅間は2003年（平成15年）8月28日に大阪地裁刑事第2部（[[川合昌幸]]裁判長）で[[日本における死刑|死刑]][[判決 (日本法)|判決]]を言い渡されたが<ref>『読売新聞』2003年8月28日大阪夕刊一面1頁「池田小児童殺傷事件 宅間被告に死刑判決 冒頭に暴言、退廷／大阪」（読売新聞大阪本社）</ref>、開廷直前に不規則発言をして退廷させられており、[[主文]]は被告人である宅間が退廷させられた直後に読み上げられた<ref>『朝日新聞』2003年8月28日東京夕刊第一社会面23頁「「最後に言わせてえな」宅間被告に死刑 メモ掲げ 何度も叫ぶ 退廷時、遺族ののしる」（朝日新聞東京本社） - 『朝日新聞』縮刷版 2003年（平成15年）8月号1375頁</ref>。宅間は判決前から弁護団に対し、死刑判決が出ても控訴しないことを求めており、弁護団内部では「宅間の意向に反して控訴すべきではない」という意見も上がっていたが、最終的には「第一審で死刑を確定させるべきではない」として、弁護団独自の判断で控訴する方針を決め<ref>『読売新聞』2003年8月20日大阪夕刊第二社会面12頁「付属池田小事件 死刑判決なら控訴 宅間被告弁護団が方針／大阪地裁」（読売新聞大阪本社）</ref>、宅間本人に「取り下げるのは自由だが、ゆっくり考えるように」と伝えた上で、9月10日付で[[大阪高等裁判所]]へ[[控訴]]した<ref>『読売新聞』2003年9月10日大阪夕刊一面1頁「大教大付属池田小児童殺傷事件 宅間被告弁護団が控訴 本人「取り下げ」焦点」（読売新聞大阪本社）</ref>。しかし宅間は同月26日付で控訴を自ら取り下げ、[[審級|第一審]]の段階で自ら死刑を[[確定判決|確定]]させた<ref name="読売新聞2003-09-27">『[[読売新聞]]』2003年9月27日大阪朝刊一面1頁「付属池田小事件 宅間被告、死刑確定 自ら控訴取り下げ／大阪高裁」（[[読売新聞大阪本社]]）</ref>。宅間は主任弁護士への手紙で「6か月以内、出来れば3か月以内の死刑執行を望みます」と記し<ref name="朝日0914死刑1頁">『朝日新聞』2004年9月14日東京夕刊社会面1頁「宅間死刑囚に刑執行 大阪、池田小児童殺傷 判決から1年」（[[朝日新聞東京本社]]）</ref>、6か月以内に死刑を執行されなかった場合、「精神的に苦痛を受けた」として[[国家賠償請求権|国家賠償請求訴訟]]を起こす準備も行っていた。また、今の境遇になったのは過去に入院した精神病院や家族のせいであるとして、「どうせ死刑になるんだったら一矢を報いたい」と、賠償請求訴訟を起こすことも考えていたという<ref name="朝日0914死刑14頁">『朝日新聞』2004年9月14日東京夕刊社会面14頁「宅間死刑囚 身勝手な動機 最後まで 謝罪の意思も見えず」</ref>。

死刑確定後の2003年12月中旬<ref name="読売新分20040914"/>、[[日本における死刑囚|死刑確定者（死刑囚）]]となった宅間は支援者の女性（当時30歳代）と[[獄中結婚]]した<ref>『読売新聞』2003年12月27日東京夕刊第二社会面18頁「児童殺傷事件の宅間死刑囚が結婚」（読売新聞東京本社）</ref>。女性の両親は宅間との獄中結婚について猛反対だったため、実家に迷惑をかけないために、まず同じ死刑廃止活動をしている仲間との養子縁組を行って苗字を変えた上で結婚し<ref>[[小野一光]]「なぜ死刑囚・宅間守の妻になったか」#1「あの世で子どもをしばいてやる」出刃包丁で児童8人を次々と殺害…死刑が確定した“夫”と30代女性が獄中結婚した理由」『[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]』2021年12月号</ref>、宅間は「吉岡」に改姓した<ref name="東京新聞2004-09-14"/>。このほか、[[愛知県]]出身の既婚女性から告白を受けており、その女性とも文通を行っていた<ref>『サイゾー』2004年11月号</ref>。

死刑確定から1年足らずの[[2004年]]（平成16年）9月14日、宅間（当時の姓名は「吉岡守」）は[[野沢太三]][[法務大臣]]の発した[[死刑執行命令]]により、収監先の[[大阪拘置所]]で[[日本における被死刑執行者の一覧|死刑を執行された]]（{{没年齢|1963|11|23|2004|9|14}}）<ref name="東京新聞2004-09-14"/>。宅間の希望通り確定から約1年、事件発生から数えても約3年という早期で死刑執行がなされた<ref name="朝日0914死刑14頁">『朝日新聞』2004年9月14日東京夕刊社会面14頁「宅間死刑囚 身勝手な動機 最後まで 謝罪の意思も見えず」</ref>。刑事訴訟法では死刑判決が確定してから6か月以内に法務大臣が死刑執行を命令し、それから5日以内に死刑を執行することが規定されているが、実際には戦後の一時期を除いて確定から半年で執行された事例はないとみられており<ref name="信濃毎日新聞20040914"/>、当時は死刑確定から執行まで約7、8年かかるのが通例とされていた<ref name="読売新分20040914"/>。また1977年の法務省の国会答弁によれば1972年から1976年に死刑を執行された死刑囚の確定から執行までの平均期間は5年6か月とされていること、2000年以降宅間以前に死刑を執行された死刑囚はいずれも確定から執行まで4年以上経過していたことから、宅間の死刑執行は異例の早期執行と報じられており{{Efn2|宅間より2年前の2002年9月に死刑を執行された死刑囚2人（[[熊本大学生誘拐殺人事件]]の犯人ら）はいずれも確定から4年余りで死刑を執行されており、彼ら2人については「異例のスピード執行」と指摘されていた<ref name="読売新分20040914"/>。}}<ref name="信濃毎日新聞20040914"/>、実際に当時10年間では最短とされていた<ref name="読売新分20040914">『読売新聞』2004年9月14日東京夕刊一面1頁「付属池田小事件 宅間死刑囚に死刑執行 確定から1年、異例の早さ」（読売新聞東京本社）</ref>。宅間の場合は現場で現行犯逮捕されており、罪を認めている（[[冤罪]]の可能性がない）ことや、自ら早期の執行を求めていたこと<ref name="信濃毎日新聞20040914">『[[信濃毎日新聞]]』2004年9月14日夕刊2頁「宅間死刑囚死刑執行 解説 制度存続 強い意志 法務省 真意説明する責任」（信濃毎日新聞社）</ref>、また被害者・遺族の被害感情の強さ、本人が贖罪の意思を示していないことなどが、早期執行に至った要因と見られている<ref>『朝日新聞』2004年9月14日東京夕刊第一総合面1頁「宅間死刑囚に刑執行 確定から1年 大阪・池田小児童殺傷」（朝日新聞東京本社）</ref>。

執行当日の朝食は摂取することが許されなかったが、宅間は執行直前に刑務官から受け取った煙草とリンゴジュースをゆっくり味わってから死刑台に消えていったという。死亡時刻は8時16分だった{{Sfn|年報・死刑廃止|2005|p=100}}。宅間が最期に残し、妻が死刑執行後に[[刑務官]]から伝えられた言葉は「ありがとうって、僕が言ってたって伝えてください」とされている{{Sfn|年報・死刑廃止|2005|p=100}}。妻に対しては感謝の気持ちを表すまでには至ったものの、事件によって犠牲になった[[被害者]]の児童やその遺族への謝罪は最期まで一切なかったとされる。また同日には[[福岡拘置所]]で、別の死刑囚1人の死刑も執行されている{{refnest|group="注"|当時59歳の元暴力団組長で、1988年（昭和63年）に部下の組員を保険金目的で殺害、口封じに他の組員2人も殺害したほか短銃を強盗するなどし、11の罪に問われていた。1999年（平成11年）3月に最高裁が上告を棄却し死刑が確定<ref name="朝日0914死刑1頁" />。}}<ref name="朝日0914死刑1頁" />。なお、葬儀は[[マスコミュニケーション|マスコミ]]が押しかけることと、費用面など経済的事情もあり難航し、信者ではなかったが[[大阪市]]内の[[キリスト教]]関係の施設で行われたという{{Sfn|佐久間哲|2005|p=27}}。

== 家系・家族とその環境 ==
宅間の先祖は旧[[薩摩藩]]の[[貧困]]家庭である下級[[藩士|武士]]で{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=25}}、宅間の[[家系]]では事件発生前まで代々誇りにしていた。宅間家の男子にも代々受け継がれ{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=25}}、[[法律]]や[[日本の警察|警察]]関係の仕事を行う者が多かった{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=25}}。

武士だった宅間の[[曽祖父]]は、[[明治維新]]の直後に[[丁髷]]を落として[[日本の警察官|警察官]]に就任し、[[鹿児島県]]から[[奄美大島]]に渡ったあと、[[大阪]]・[[河内国|河内]]へ移住した{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=26}}{{Sfn|今枝弘一|2008|p=}}。宅間の祖父は、宅間の父親が17歳になった年の春に死去している{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=26}}。宅間の父親は[[尋常小学校]]で学歴を終え（高等小学校とも<ref>{{Cite web |url=https://shueisha.online/culture/186562?page=5 |title=「ワシは『死んでくれ、死んでくれ』と心の中で叫んでいた」実父さえも苦悩した附属池田小事件・宅間守の狂気。子猫3匹を溺殺、傷害・強姦で収監、親の性生活に口出し… {{!}} 集英社オンライン {{!}} 毎日が、あたらしい |access-date=2024-02-13}}</ref>）、宅間家一家の大黒柱として、幼い兄弟を含む6人の家族を養ってきた{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=25}}。

宅間の父親は、宅間の祖父と幼いころから自宅の庭で[[木刀]]を打ち合っていたといい{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=26}}、「自分は[[薩摩国|薩摩]]武士だ」との強烈な[[自尊心|プライド]]を生涯持ち続けていた{{Sfn|今枝弘一|2008|p=}}。父親によれば「『誰にも迷惑をかけない』というのは、大きな私のテーマでありました{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=27}}」と語っている。また、「（宅間家の男子は）何代にも渡って厳しい[[修身]]教育（[[道徳]]）を受けてきたため{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=2527}}、（宅間家の男子は）『真の[[侍|サムライ]]たれ』{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=27}}と教育された。ワシも父親に厳しくそれを仕込まれたし、どんな出身地や[[身分]]にも関係なく『[[教育ニ関スル勅語|教育勅語]]』というものがあった{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=27}}。これがあったから日本人はちゃんとしとったんですよ{{Sfn|新潮45編集部|2002|p=27}}」という。父親は極めて平凡な頑固親父で、人生の勝利者にはなり得なかったが自分の人生にプライドを持っていたという{{Sfn|今枝弘一|2008|p=}}。

宅間の父親は、家に生活費を入れないで酒ばかり飲み、家族全員に対して暴力を振るったり、家族の前で刃物を振り回し、これが原因で母親は別居をしていたことがあった{{Sfn|片田珠美|2009|p=103}}。宅間自身も父親から[[児童虐待|虐待]]を受けて育った（なお、父親自身も虐待や[[ネグレクト|育児放棄]]されて育っていた様子である）。宅間は暴力をふるう父親を憎悪し、寝ている間に[[包丁]]で刺殺してやろうと思ったこともあると述懐している{{Sfn|片田珠美|2009|p=103}}。宅間が自衛隊を退職して非行に走るようになると親子関係はさらに悪化し、取っ組み合いをして父親が宅間を何度も石で殴打する出来事もあった{{Sfn|片田珠美|2009|p=105}}。事件後、父親は宅間のことを「物事が上手くいかないとすべて人のせいにする人間」と評している{{Sfn|片田珠美|2009|p=115}}。

宅間の母親は、家事、育児が苦手であり、家事のほとんどは父親が担当し、一種のネグレクト状態であったと指摘される{{Sfn|片田珠美|2009|p=103}}。宅間を身ごもった時、母親は妊娠を喜ぶ父親に対して「あかんわ、これ、堕ろしたいねん私。あかんねん絶対」と語っていたという<ref> 新潮45　2001/12</ref><ref name="#2"/>{{Sfn|片田珠美|2009|p=103}}。また、[[母乳]]をあげることも嫌がっていたことからも分かるように、宅間の母親は宅間には全く愛情を注がなかったうえに、宅間が中学を受験する際には、「お前なんか産まれてこなければよかった」と罵詈雑言を浴びせられたと、事件後に宅間の[[マンション]]から押収されたノートに書かれていた{{Sfn|片田珠美|2009|p=104}}。

宅間は両親に対して、けんかをした際に「[[ヤクザ]]を使ってお前らの生活滅茶苦茶にしてやる」「死ぬまで苦しめてやる」と語っていた{{Sfn|片田珠美|2009|p=106}}。

宅間には7歳歳上の実兄が一人いたが、破綻した実弟の存在に心を病み、1999年3月の42歳時に[[自殺|首吊り自殺]]している{{Sfn|今枝弘一|2008|p=}}（頸動脈を出刃包丁で切ったとも<ref>{{Cite web |url=https://shueisha.online/culture/186562?page=5 |title=「ワシは『死んでくれ、死んでくれ』と心の中で叫んでいた」実父さえも苦悩した附属池田小事件・宅間守の狂気。子猫3匹を溺殺、傷害・強姦で収監、親の性生活に口出し… {{!}} 集英社オンライン {{!}} 毎日が、あたらしい |access-date=2024-02-13}}</ref>）。宅間の母親も長期にわたって心を病み、[[精神病院]]に数十年以上入院生活し、2016年（平成28年）末に亡くなった<ref name="#2"/>{{Sfn|今枝弘一|2008|p=}}。父親は事件後マスコミや周囲の人間から批判を受けて命を狙われる危険性もあったため自宅前にパトカーが常駐していた時期もあった。これらのバッシングを受けて逃避するために父親は酒に溺れて入院していたが、獄中の宅間は「[[宮崎勤]]の父のように自殺して欲しかった」と語っている<ref>{{Cite book|title=Hito o koroshite mitakatta : Nagoya daigaku joshi gakusei satsujin jiken no shinso.|url=https://www.worldcat.org/oclc/931926886|date=2015.9|publisher=Kadokawa|isbn=9784041033913|others=Ichihashi, Fumiya., 一橋, 文哉|oclc=931926886}}</ref>。その後宅間の父は[[2019年]]（[[令和]]1年）に体調を崩し[[2020年]]（令和2年）4月に[[肺癌|肺がん]]により88歳で死去した。

== 関連項目 ==
* [[附属池田小事件]]
* [[日本における死刑囚の一覧 (2000-2009)]]
* [[日本における被死刑執行者の一覧]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
<references group="注"/>
=== 出典 ===
{{Reflist|20em}}

== 参考文献 ==
=== 刑事裁判の判決文 ===
* {{Cite 判例検索システム|ref={{SfnRef|大阪地裁|2003}}|事件番号=平成13年(わ)第5006号・平成13年(わ)第5245号|裁判年月日=2003年（平成15年）8月28日|裁判所=[[大阪地方裁判所]]|法廷=刑事第二部|裁判形式=判決|判例集=『[[判例時報]]』第1837号13頁、『[[TKC]]ローライブラリー』（LEX／DBインターネット）文献番号：28095012|事件名=建造物侵入、殺人、殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反、傷害、暴行、器物損壊被告事件【著名事件名：大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件判決】|判示事項=被告人が、A小学校に侵入して多数の子どもたちを殺害しようと企て、出刃包丁1丁と文化包丁1丁を隠し持ち、A校敷地内に侵入した上、8名の子どもを殺害するとともに、13名の子ども及び2名の教諭に対し加害行為に及んだ事案で、被告人の刑事責任能力の存在を認めた上で、被告人の刑事責任がこの上なく重大であり、罪刑の均衡、一般予防、特別予防などの見地からも、法が定める最も重い刑をもって処断する以外ないとし、被告人を死刑に処した事例。}}
** [[裁判官]]：川合昌幸（[[裁判長]]）・畑口泰成・渡辺英夫
** 判決主文：被告人を死刑に処する。押収してある出刃包丁1丁（平成14年押第2号の2）及び文化包丁1丁（同号の3）を没収する。
*** [[検察官]]：都甲雅俊
*** [[弁護人]]：戸谷茂樹（主任弁護人）・大槻和夫・横山耕平（いずれも[[国選弁護制度|国選弁護人]]）

=== 書籍 ===
* {{Cite book|和書|author=一橋文哉|authorlink=一橋文哉|title=宮﨑勤事件－塗り潰されたシナリオ－|year=2003|month=9|publisher=[[新潮文庫]]|isbn=978-4-10-142624-2|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author=今枝弘一|url= https://www.shinchosha.co.jp/ebook/E621351/ |title=池田小児童惨殺犯|publisher=[[新潮社]]|year=2008|month=8|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author=[[岡江晃]]|title=[[特別:転送/page/2783178|宅間守 精神鑑定書 精神医療と刑事司法のはざまで]]|publisher=[[亜紀書房]]|year=2013|month=5|isbn=978-4-7505-1310-2|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author=片田珠美|authorlink=片田珠美|url= https://www.shinchosha.co.jp/ebook/E018081/ |title=無差別殺人の精神分析|series=[[新潮選書]]|year=2009|month=5|isbn=978-4-10-603637-8|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|title=オウム事件10年 年報・死刑廃止2005|publisher=[[インパクト出版会]]|date=2005-10-08|pages=100-104|ref={{SfnRef|年報・死刑廃止|2005}}|authors=（編集委員：岩井信・江頭純二・菊池さよ子・[[菊田幸一]]・笹原恵・島谷直子・高田章子・永井迅・[[安田好弘]]・深田卓） / （協力：フォーラム90実行委員会・国分葉子）|editor=年報・死刑廃止編集委員会|url=http://impact-shuppankai.com/products/detail/145|edition=第1刷発行|isbn=978-4755401572|NCID=BA73512470|id={{国立国会図書館書誌ID|000007926932}}|chapter=死刑をめぐる状況2004 宅間守さんの妻からメッセージ}}
* {{Cite book|和書|author=佐久間哲|title=死刑に処す－現代死刑囚ファイル－|publisher=[[自由国民社]]|year=2005|month=11|isbn=978-4426752156|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|editor=「新潮45」編集部|editor-link=新潮45|url= https://www.shinchosha.co.jp/book/123914/|title=殺ったのはおまえだ－修羅となりし者たち、宿命の9事件|series=[[新潮文庫]]|year=2002|month=11|isbn=978-4-10-123914-9|ref={{Sfnref|新潮45編集部|2002}} }}
* {{Cite book|和書|author=日高恒太朗|authorlink=日高恒太朗|series=別冊歴史読本 5|title=殺人百科データファイル|publisher=[[新人物往来社]]|year=2005|month=1|isbn=978-4404033055|ref=harv}}278-279頁。
* {{Cite book|和書|author=森達也|authorlink=森達也|title=死刑－人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う。－|publisher=[[朝日出版社]]|year=2008|month=1|isbn=978-4255004129|ref=harv}}
{{DEFAULTSORT:たくま まもる}}
{{Normdaten}}
[[Category:スプリーキラー]]
[[Category:刑死した日本の人物]]
[[Category:障害を持つ人物]]
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[[Category:日本の性犯罪者]]

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