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上武道路

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バイパス道路
国道17号標識
国道17号
上武道路
路線延長 40.5 km
開通年 1981年 - 2017年
起点 埼玉県熊谷市
主な
経由都市
記事参照
終点 群馬県前橋市
接続する
主な道路
記法
記事参照
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

上武道路(じょうぶどうろ) は、埼玉県熊谷市西別府上武インターチェンジ深谷バイパス分岐)から群馬県前橋市田口町へ至る国道17号バイパスである。上武国道(じょうぶこくどう)とも呼称される。

国道17号 現道は中山道で、埼玉県熊谷市深谷市本庄市・群馬県藤岡市高崎市等を経由して前橋市へ向かう。しかし渋滞が多く、そのバイパスである深谷バイパスも渋滞するため、それらの根本的解決を目的として計画されたのが当バイパスである。地域高規格道路熊谷渋川連絡道路」の一部として整備されるため、熊谷市 - 前橋市間をなるべく短距離で結んでおり、本庄市や高崎市を通らずに群馬県太田市伊勢崎市等を経由する。

群馬県内における最後の未開通区間が2017年3月19日、記念式典実施後、16:30に開通し[1]熊谷バイパス・深谷バイパス・前橋渋川バイパスと合わせ埼玉県鴻巣市から群馬県渋川市に至る上武道路が全通した(ただし、熊谷・深谷バイパスは側道部のみ開通)。

また、埼玉県内全区間と群馬県内国道50号・今井町以北において暫定2車線の区間がある。

路線データ

  • 起点 : 埼玉県熊谷市西別府
  • 終点 : 群馬県前橋市田口町
  • 総延長 : 40.5 km
  • 規格 : 第3種第1級
  • 設計速度 : 80 km/h
  • 道路幅員 : 19.00 m(本線部)
  • 車線幅員
    • 本線部 : 3.5 m
    • 側道部 : 5.0 m
  • 車線数
    群馬県太田市武蔵島町 - 群馬県前橋市今井町(国道50号交点) (約21 km) : 4車線
    上記以外の区間 : 暫定2車線

歴史

建設の背景

東京と群馬方面を結ぶ主要幹線として国道17号の存在が挙げられるが、旧・中山道を辿るルートのため市街地の中心部を通過することが多く慢性的に混雑しており、また道路そのものも熊谷市街地以北 - 埼玉・群馬県境までは対面通行となっているため、交通量と道路状況が合っていないのが現状である。加えて、東京 - 新潟間を結ぶ関越自動車道も、練馬IC - 埼玉・群馬県境間においては川越や東松山方面を通る国道254号と並走しており、国道17号との接点が非常に少ない。これを改善するため、埼玉県内においては市街地の混雑を回避する目的で熊谷バイパス深谷バイパスが建設されたが、さらに東京 - 新潟間の国道におけるショートカットを目的として、群馬県内を斜めに通過するルートが考えられた。これが熊谷渋川連絡道路であり、上武道路は一部となっている。また位置的には関越自動車道と東北自動車道のほぼ中間に存在するため、南北方向の高速道路網が無い地域を補完する目的もある。

年表

  • 1970年度〜 : 国道50号以南 (22.4 km) 事業化。
  • 1975年度〜 : 国道50号以南 (22.4 km) 着工開始。
  • 1981年〜 : 群馬県新田郡尾島町安養寺(現 太田市安養寺町)の国道354号 - 前橋市今井町の国道50号 間が順次開通。
  • 1992年2月20日 : 上武IC - 安養寺(これにより三叉路から立体交差点となる)間が開通。深谷バイパスから国道50号までが結ばれたことで、本来の「“上武”道路」としての機能を果たすようになる。
  • 2000年3月 : 尾島町世良田(現 太田市世良田町) - 佐波郡境町三ツ木(現 伊勢崎市境三ツ木)の区間の立体交差(尾島・境高架橋)が片側1車線の対面通行で完成。
    • さらに北関東自動車道 伊勢崎ICの接続事業として、上淵名上武道下(群馬県道2号前橋館林線との交点) - 今井町(国道50号接続部分)間が4車線化。
    • この時期から、それまで着手されなかった国道50号以北も順次事業化。
  • 2005年3月20日 : 国道50号・今井町 - 前橋市富田町(藤岡大胡線交点)間の本線2車線・国道50号・今井町 - 江木町間の上下線 側道が暫定開通。
  • 2008年6月22日 : 前橋市上泉町の(主)前橋大間々桐生線まで暫定開通。
  • 2009年3月18日 : 伊勢崎市境上淵名 - 太田市安養寺交差点間の地上区間(立体交差部除く)が4車線化。
  • 2010年3月31日 : 太田市阿久津町 - 安養寺交差点間が4車線化。
  • 2012年2月28日 : 群馬・埼玉県境 - 太田市阿久津町間が4車線化。
  • 2012年11月27日 : 淵名高架橋・安養寺高架橋が4車線化。
  • 2012年12月22日 : 前橋市上泉町 - 前橋市上細井町の(主)前橋赤城線 間が暫定開通。
  • 2014年3月20日 : 尾島・境高架橋が4車線化。これにより、群馬・埼玉県境~国道50号・今井町までが完全4車線化された。
  • 2017年3月19日 : 前橋市上細井町 - 前橋市田口町間 (3.5km) の開通に伴い、全線開通[1]

路線状況

埼玉県と群馬県の県境「利根川」には新上武大橋が架かる。に関わらず交通量が多く、夜間はトラックの往来が激しい。路面は1981年に開通した区間は一般的にアスファルトを使用しているが、1992年に開通した区間は新上武大橋を除き、静粛性を高めるためにコンクリートとなっている[注釈 1]

新上武大橋の群馬県側には上下線ともに休憩施設(尾島パーキングエリア)があり、トイレが設置されている。昼・夜に関わらず長距離トラックドライバーの仮眠場所とされているが、2012年3月30日に前橋方面に3kmほどの太田市粕川町に「道の駅おおた」が開設された。

4車線化拡幅工事を順次進めている。太田市安養寺町 - 伊勢崎市境下渕名 間の跨道橋などの部分 (2.5km) は2012年11月27日に、伊勢崎市・太田市境の尾島境立体 (1.7km) は2014年3月20日にそれぞれ4車線化され、これにより群馬県内では利根川から前橋市今井町の国道50号交差部にかけての約21kmが完全4車線化された[2]。最後の未開通区間となる前橋市上細井町 - 前橋渋川バイパス間は、用地買収と工事が進められており、2016年度の開通予定とされていた[3]

2016年10月6日、未開通区間の建設現場で鉄鋼スラグに類似する不純物が発見され、安全確認のため、12月4日まで工事が中断されていた[4]。群馬県による調査の結果、この不純物は現場に元々埋没していたものではなく、工事で使用された天然砕石の採掘作業時に鉄鋼スラグが混入し持ち込まれたものであることが確認された[5]

鉄鋼スラグの問題はあったが、予定通り2016年度内の2017年3月19日に全線開通した[1]

道の駅

道の駅おおた

交通量

2005年度(平成17年度道路交通センサスより)

平日24時間交通量(台)

  • 深谷市石塚1006 : 23,262
  • 伊勢崎市三和町2717 : 45,594
  • 前橋市荒口町 : 6,400
  • 前橋市富田町 : 5,564
  • 前橋市江木町 : 2,351

地理

通過する自治体

交差する道路

  • 上側が起点側、下側が終点側。左側が上り側、右側が下り側。
  • 交差する道路の特記がないものは市道
交差する道路 交差する場所 東京から
(km)
国道17号〈深谷バイパスさいたま行田方面 - 埼玉県 熊谷市 上武IC
埼玉県道263号弁財深谷線 深谷市 本田ヶ谷
埼玉県道127号深谷飯塚線 堀米
群馬県道275号由良深谷線 群馬県 太田市 -
群馬県道298号平塚亀岡線 阿久津
群馬県道142号綿貫篠塚線(旧国道354号 安養寺
群馬県道69号大間々世良田線 上武世良田
群馬県道312号太田境東線例幣使街道 小角田西
国道354号(東毛広域幹線道路 伊勢崎市 境三ッ木
群馬県道292号伊勢崎新田上江田線 大国神社東
群馬県道291号境木島大間々線
群馬県道2号前橋館林線 上渕名上武道下
群馬県道39号足利伊勢崎線 流通団地前
群馬県道68号桐生伊勢崎線 あずま跨道橋
群馬県道293号香林羽黒線 三和跨道橋
北関東自動車道 伊勢崎IC
群馬県道73号伊勢崎大間々線 国道462号 赤城見大橋
- 群馬県道103号深津伊勢崎線 聖苑入口
群馬県道103号深津伊勢崎線 華蔵寺公園(北)入口
群馬県道114号苗ヶ島飯土井線 前橋市 飯土井町
群馬県道74号伊勢崎大胡線 江龍跨道橋
国道50号 今井第一跨道橋
群馬県道40号藤岡大胡線 富田第一跨道橋
群馬県道76号前橋西久保線 富田第二跨道橋
群馬県道3号前橋大間々桐生線 亀泉高架橋
群馬県道4号前橋赤城線 上細井町
群馬県道151号津久田停車場前橋線 青柳町 -
国道291号[6] 国道17号現道(前橋市街・高崎方面) 田口町南 -
国道17号 現道〈前橋渋川バイパス〉(渋川方面)

接続するバイパスの位置関係

さいたま行田方面) - 深谷バイパス - 上武道路 - 前橋渋川バイパス - (沼田方面)

脚注

注釈

  1. ^ 補修した部分はアスファルトにされている

出典

関連項目

外部リンク