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湯場忠志

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湯場 忠志
基本情報
本名 湯場 忠志
階級 ライト級
スーパーライト級
ウェルター級, スーパーウェルター級
身長 183cm[1]
国籍 日本の旗 日本
誕生日 (1977-01-19) 1977年1月19日(47歳)
出身地 宮崎県北諸県郡三股町
スタイルボクサーファイター
プロボクシング戦績
総試合数 45
勝ち 37
KO勝ち 28
敗け 6
引き分け 2
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湯場 忠志(ゆば ただし、男性、1977年1月19日 - )は、日本プロボクサー宮崎県北諸県郡三股町出身。第47代日本ライト級、第28代日本スーパーライト級、第43代および第45代日本ウェルター級王者。日本王座3階級制覇は同王座複数階級獲得の最多タイ記録[2]。2009年、さらにスーパーウェルター級へ階級を移した。都城レオスポーツジム所属。宮崎日本大学高等学校卒業。

来歴

17歳の時にオスカー・デ・ラ・ホーヤのビデオを観て、そのボクサーとしての紳士的なあり方に近づきたいと考え、ボクシングを習うようになった。高校卒業後、19歳の時にアマチュアの試合に勝利し、ボクシングを本格的に志した[3]

1996年4月14日、プロデビュー戦に4R判定勝利を収めた。2戦目は前博志に4R判定で敗れるも、3戦目に2RKOでリベンジに成功した。

1997年2月15日、青木政孝を1RKOで破り、4連勝で全日本スーパーライト級新人王を獲得した。1999年2月22日に木村登勇を破って日本5位となり、同年9月20日には防衛18度のリック吉村の日本ライト級王座に挑戦した。戦前の予想を覆しダウンを奪ったが、10R引き分けで戴冠はならなかった。

日本王座3階級制覇

ライト級獲得

2000年10月16日、日本ライト級暫定王座小野淳一と争い、6R負傷判定勝利で暫定王者となった。11月、リック吉村が22度目の防衛達成後に正規王座を返上したことにともない、正規王者と認定された。この時期、畑山隆則WBA世界同級王者だったこともあり、この11月には東京で「ライト級は日本に世界チャンピオンがいることだし、来年(2001年)は無理としても、再来年には(世界戦を)やりたいと思っています」と語っている[4]

2001年2月17日、両国国技館で行われた畑山 vs. リック吉村のアンダーで木村登勇と対戦し、負傷引き分けで初防衛を果たした。さらに大久保純斗を退け2度防衛後の9月17日、同王座を返上した。

スーパーライト級獲得

2002年3月23日、横浜アリーナで前田宏行が返上し空位となった日本スーパーライト級王座を足立浄と争い、7RTKO勝利で2階級制覇を成功させた。

2003年2月15日、アルバラート・イシマル(元WBFスーパーライト級王者・PABAスーパーライト級王者)を退けた次の防衛戦を、親交のある佐々木基樹と行った。戦前の予想通りにはならず9RTKOで敗れ、2戦目以来の黒星を喫すると同時に失冠、引退を考えるが6か月後に復帰した。

ウェルター級獲得

2005年1月16日、5連勝で前田宏行が返上し空位となった日本ウェルター級王座を竹中義則と争い、2RTKO勝利で3階級制覇を達成した。同年9月23日、防衛1度の後パシフィコ横浜で行われた大曲輝斎との防衛戦で1R0分40秒KO負けを喫し、失冠となった。

その後、マサ・バキロフ(元PABAウェルター級王者)との対戦ではダウンを奪いながら負傷判定で自身初の2連敗を喫し、引退も考えたが、その8か月後オペティ・タギを相手に復帰を果たし[5]、続く新井恵一との試合で2連勝となった。大曲との再戦が決定したが、大曲が眼筋麻痺の治療のために王座を返上したことにより、6位の古川明裕と王座決定戦を行うことになった。

ウェルター級再獲得

2007年4月20日、古川明裕と日本ウェルター級王座決定戦を行い、開始早々から立て続けにダウンを奪って1R1分32秒でKO勝ち。日本王座に復帰した[6]。同年12月6日に行われた牛若丸あきべぇ(現・渡部あきのり)との2度目の防衛戦では、開始早々ダウンを奪われたものの直ぐに2度ダウンを奪い返し、1R1分30秒KO勝ちで防衛に成功した[7]。2007年度プロ・アマチュア年間表彰選手選考会で努力賞・KO賞の両賞に選出された。

2008年4月20日、地元宮崎県体育館で行われた防衛戦で沼田康司に4RKO負けを喫し、王座を失った[8]。この試合では顎を2か所骨折し、ブランクを余儀なくされたが、11月16日に復帰戦の決定発表とともに現役続行を表明した。この後は東京やタイでの練習を増やし、体幹トレーニングなども採用した[9]

2009年1月22日、4階級目となるスーパーウェルター級に階級を上げ、寺田千洋に1RKO勝利を収めて再起を果たした。同年5月19日、スーパーウェルター級8回戦で日本同級7位として日本ミドル級5位・OPBFミドル級12位の中堀智永と戦い、ボディへの一撃で自身初の2戦連続となる1RKO勝利を収めた[10]。11月3日には都城市で行われた都城レオスポーツ主催興行で日本スーパーウェルター級6位・OPBF同級13位としてミドル級を主戦場とする戸高不乱拳大樹とスーパーウェルター級8回戦で対戦し、3RTKO勝利を収めた[11]

2010年2月22日、OPBFスーパーウェルター級8位・日本同級4位として、OPBFミドル級11位・日本ウェルター級6位の渡部あきのりと2年2か月ぶりの再戦をスーパーウェルター級8回戦で行い、初回は攻勢をとりながら2Rからはペースを譲る展開となったが、5Rに左アッパーから連打をまとめて、この回TKO勝利を収めた[12]。同年6月29日、チャーリー太田の持つ日本スーパーウェルター級王座への挑戦者決定戦として行われた同級8回戦で、同2位として6位の西禄朋と対戦。2Rにダウンを奪い、この回TKO決着により再起後5連続KO勝利とし、挑戦権を獲得した[13][14]

2010年9月4日、WBA世界スーパーウェルター級13位のチャーリー太田が持つ日本スーパーウェルター級王座とOPBF東洋太平洋同級王座に日本1位・OPBF4位として挑戦。8R終了時点の採点はドローであったものの終盤にポイントを失い、プロ45戦目にして初めて12Rを戦って0-3の判定負けを喫したが、試合直後に現役続行の意思を表明した[15][16]

戦績

プロボクシング:45戦37勝 (28KO) 6敗 (3KO) 2分

日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 1996年4月14日 勝利 4R 判定 吉田康成 (中内) 日本の旗 日本 プロデビュー戦
2 1996年6月22日 敗北 4R 判定 前博志 (広島) 日本の旗 日本
3 1996年8月16日 勝利 2R 0:29 KO 前博志 (広島) 日本の旗 日本
4 1996年10月5日 勝利 1R 1:50 KO 大野一 (冷研鶴崎) 日本の旗 日本 西部日本スーパーライト級新人王トーナメント決勝戦
5 1996年11月2日 勝利 3R 1:25 KO 池田直樹 (畑中) 日本の旗 日本 中日本・西部日本スーパーライト級新人王対抗戦
6 1996年12月9日 勝利 6R 判定 江村昌之 (江坂) 日本の旗 日本 全日本スーパーライト級新人王西軍代表決定戦
7 1997年2月15日 勝利 1R 2:32 KO 青木政孝 (山神) 日本の旗 日本 全日本スーパーライト級新人王決定戦
8 1997年4月26日 勝利 5R 2:09 KO 桑名竜一 (トヤマ) 日本の旗 日本
9 1997年8月3日 勝利 8R 判定 吉村保徳 (三松スポーツ) 日本の旗 日本
10 1997年11月18日 勝利 2R 3:01 KO 池畑泰士 (陽光アダチ) 日本の旗 日本
11 1998年4月26日 勝利 8R 判定 タタ・アバスタス フィリピンの旗 フィリピン
12 1998年9月27日 勝利 7R 1:37 KO 赤峰大士 (大分) 日本の旗 日本
13 1999年2月22日 勝利 10R 判定 木村登勇 (八戸帝拳) 日本の旗 日本
14 1999年9月20日 引分 10R 判定 リック吉村 (石川) 日本の旗 日本 日本ライト級タイトルマッチ
15 1999年11月28日 勝利 2R 2:27 KO ドドング・バサロ フィリピンの旗 フィリピン
16 2000年4月25日 勝利 10R 判定 戸田憲士 (オークラ) 日本の旗 日本
17 2000年10月16日 勝利 6R終了 負傷判定 小野淳一 (新日本木村) 日本の旗 日本 日本ライト級暫定王座決定戦/正規王座昇格
18 2001年2月17日 引分 5R 1:57 負傷判定 木村登勇 (横浜光) 日本の旗 日本 日本王座防衛1
19 2001年7月9日 勝利 4R 1:17 TKO 大久保純斗 (草加有沢) 日本の旗 日本 日本王座防衛2/返上
20 2001年11月11日 勝利 2R 1:15 KO 大塚晃司 (福岡帝拳) 日本の旗 日本
21 2002年3月23日 勝利 7R 1:33 TKO 足立浄 (ハラダ) 日本の旗 日本 日本スーパーライト級王座決定戦
22 2002年7月20日 勝利 9R 3:01 KO アルバラート・イシマル (北陸石丸) 日本の旗 日本 日本王座防衛1
23 2002年11月30日 勝利 1R 1:59 KO チョドチョイ・13コインタワー タイ王国の旗 タイ
24 2003年2月15日 敗北 9R 2:40 TKO 佐々木基樹 (協栄) 日本の旗 日本 日本王座陥落
25 2003年8月2日 勝利 7R 1:17 KO レックス・マルサン フィリピンの旗 フィリピン
26 2003年11月15日 勝利 1R 1:54 KO 陳京哲 大韓民国の旗 韓国
27 2004年1月17日 勝利 2R 1:29 TKO 盧錫根 大韓民国の旗 韓国
28 2004年4月17日 勝利 10R 判定3-0 北川純 (いわき協栄) 日本の旗 日本
29 2004年9月21日 勝利 2R 0:36 KO チャイナライ・ウアサンパン タイ王国の旗 タイ
30 2005年1月16日 勝利 2R 1:07 TKO 竹中義則 (尼崎亀谷) 日本の旗 日本 日本ウェルター級王座決定戦
31 2005年4月17日 勝利 1R 2:39 TKO 阪東竜 (三迫) 日本の旗 日本 日本王座防衛1
32 2005年9月23日 敗北 1R 0:40 KO 大曲輝斎 (ヨネクラ) 日本の旗 日本 日本王座陥落
33 2006年2月8日 敗北 9R 2:21 負傷判定0-3 マサ・バキロフ ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン
34 2006年10月3日 勝利 3R 1:36 KO オペティ・タギ フィジーの旗 フィジー
35 2007年1月21日 勝利 4R 1:08 KO 新井恵一 (高崎) 日本の旗 日本
36 2007年4月20日 勝利 1R 1:32 KO 古川明裕 (ワールド日立) 日本の旗 日本 日本ウェルター級王座決定戦
37 2007年8月18日 勝利 7R 1:51 負傷判定3-0 新井雅人 (18古河) 日本の旗 日本 日本王座防衛1
38 2007年12月6日 勝利 1R 1:30 KO 牛若丸あきべぇ (協栄) 日本の旗 日本 日本王座防衛2
39 2008年4月20日 敗北 4R 2:13 KO 沼田康司 (トクホン真闘) 日本の旗 日本 日本王座陥落
40 2009年1月22日 勝利 1R 3:07 KO 寺田千洋 (新日本タニカワ) 日本の旗 日本
41 2009年5月19日 勝利 1R 2:38 KO 中堀智永 (本多) 日本の旗 日本
42 2009年11月3日 勝利 3R 0:32 TKO 戸高不乱拳大樹 (ミサイル工藤) 日本の旗 日本
43 2010年2月22日 勝利 5R 1:05 TKO 渡部あきのり (協栄) 日本の旗 日本
44 2010年6月29日 勝利 2R 2:21 TKO 渡西禄朋 (川崎新田) 日本の旗 日本 日本スーパーウェルター級挑戦者決定戦
45 2010年9月4日 敗北 12R 判定0-3 チャーリー太田 (八王子中屋) アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 日本・OPBF東洋太平洋スーパーウェルター級タイトルマッチ
テンプレート

獲得タイトル

  • 第43回全日本スーパーライト級新人王西軍代表
  • 第43回全日本スーパーライト級新人王
  • 第47代日本ライト級王座(2度防衛後、返上)
  • 第28代日本スーパーライト級王座(1度防衛)
  • 第43代日本ウェルター級王座(1度防衛)
  • 第45代日本ウェルター級王座(2度防衛)

脚注

  1. ^ 湯場の国内4階級制覇ならず 読売新聞 2010年9月4日閲覧
  2. ^ 五代登前田宏行に並ぶ記録。詳細は複数階級制覇 (ボクシング)#日本王座における複数階級制覇を参照。
  3. ^ 宮崎西ロータリークラブ週報抜粋 第2351回例会/ゲスト:湯場忠志 2008年2月8日閲覧
  4. ^ 「トップボクサー語録2000 - 湯場忠志」『日本ボクシング年鑑2001』 ボクシング・マガジン編集部編、日本ボクシングコミッション日本プロボクシング協会協力、ベースボール・マガジン社、2001年3月10日発行 ISBN 4-583-03633-7、10頁。
  5. ^ 「湯場選手、再起の試合を応援!!」のウラ話 UMKテレビ宮崎 2006年10月7日放送分
  6. ^ 湯場、92秒で王座復帰-日本ウェルター級戦月刊ボクシングワールド」オフィシャルサイト 2007年4月20日閲覧
  7. ^ ダウン喫し、気合入った-逆転KOの王者湯場 「月刊ボクシングワールド」オフィシャルサイト 2007年12月6日閲覧
  8. ^ 湯場3度目の防衛ならず 宮崎日日新聞 2008年4月21日閲覧
  9. ^ スーパーウエルター級・湯場、挑む 初の4階級制覇 朝日新聞 2010年9月4日閲覧
  10. ^ ボクシング 日本スーパーウエルター級 湯場/1回KO勝ち 2試合連続 4階級制覇へ前進 宮崎日日新聞 2009年5月20日閲覧
  11. ^ 湯場、故郷でTKO勝ち ボクシングニュース「Box-on!」 2009年11月4日閲覧
  12. ^ スリル再び 湯場、渡部を5回TKO撃退 ボクシングニュース「Box-on!」 2010年2月24日閲覧
  13. ^ チャーリー“東洋”初防衛 湯場は2回で挑戦権獲得 ボクシングニュース「Box-on!」 2010年6月29日閲覧
  14. ^ 湯場が王座挑戦権獲得 日本Sウエルター級8回戦 西日本新聞 2010年6月30日閲覧
  15. ^ 湯場、国内初の4階級制覇ならず (1/2)(2/2) サンケイスポーツ 2010年9月4日閲覧
  16. ^ チャーリー、湯場の大記録阻む 小差判定勝ち ボクシングニュース「Box-on!」 2010年9月4日

関連項目

外部リンク

空位
前タイトル保持者
リック吉村
第47代日本ライト級王者

暫定:2000年10月16日 - 2000年11月27日
正規:2000年11月27日 - 2001年9月17日(返上)

空位
次タイトル獲得者
木村登勇
空位
前タイトル保持者
前田宏行
第28代日本スーパーライト級王者

2002年3月23日 - 2003年2月15日

次王者
佐々木基樹
空位
前タイトル保持者
前田宏行
第43代日本ウェルター級王者

2005年1月16日 - 2005年9月23日

次王者
大曲輝斎
空位
前タイトル保持者
大曲輝斎
第45代日本ウェルター級王者

2007年4月20日 - 2008年4月20日

次王者
沼田康司