江戸の激斗
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ドラマ |
江戸の激斗(えどのげきとう)は、1979年5月31日~1979年12月27日まで、毎週木曜日21:00~21:54にフジテレビ系列で放送された時代劇。全26話。
内容
極悪な盗賊や悪党たちを斬り捨てる為、南町奉行所で極秘に創設された2人の与力と浪人たちによる集団・遊撃隊の活躍を描く。 隊士である浪人たちは腕は立つが、喜怒哀楽も激しい。規則違反を承知で妻がいることを内緒で入隊した者や、個人的な理由で隊を抜けようとする者がいる。
- 遊撃隊とは
安政の幕末期[1]、世情は乱れ盗賊の群れは勢いを増し、町奉行所では手に負えなくなっていた。そこで南町奉行は配下与力の花咲長兵衛と毛間内以蔵に盗賊殲滅のための特別組織の設立を命じた。花咲と毛間内は腕の立つ浪人を金で雇い組織を編成した。報酬は仕事1回につき一人五両。ただし、組織の存在は秘密であり、奉行所に捕らえられた場合は罪人扱いであった。八丁堀周辺に本部がある。この組織が「遊撃隊」である。
主題歌・挿入歌
OP:オリジナルのテーマ曲
ED:本編終了時にどちらか使用される
スタッフ
登場人物詳細
- 花咲長兵衛:小林桂樹
- 南町奉行配下の例繰方与力で、日頃は昼行灯を装いつつ、遊撃隊元締を務めている。奉行からの指令を直接受ける立場で、現場で動く隊士たちの橋渡し的存在。剣の腕前もあり、時には自ら戦闘現場に赴いて戦うこともある。趣味は盆栽と囲碁。
- 温厚な性格で滅多な事では怒りや不満を表には出さず、一歩退いて相手の出方を伺ったり、さりげなく相手を乗せるような腹芸も得意なため、隊士からは名前をもじった「花咲か爺」ならぬ「狸爺」と呼ばれている。表向きはあまり積極さを出さないが、内に秘めた正義感と隊士たちの身を案じる義侠心は人一倍強い。
- 毛間内以蔵:露口茂
- 遊撃隊隊長を務める南町奉行所吟味方与力。年齢は38歳。戦闘時には自らも出動して戦うだけでなく、調査活動などでも隊士たちの指揮を執る。常に冷静沈着で隊士たちにも自らにも厳しく、隊士たちからは非情な鬼隊長に見られているが、内心では隊士たちを信頼しており、どんなに不利な状況でも決して任務遂行をあきらめず戦い抜く熱い心の持ち主でもある。愛妻のるいとは約一年前に死別(子供はいない)。
- 町 藤太:夏木陽介
- 九州黒田藩出身の足軽身分の浪人。隊士たちの中でも年長格で、若い隊士をさりげなくまとめることもあり、毛間内に次ぐ副長的存在でもある。
- 女好きで、女郎屋には用心棒の役目も兼ねて入り浸っている。常に落ち着いて飄々としているが、他の隊士たちが戦いを降りて圧倒的な戦力不足の状況でも単独で花咲と毛間内について戦いに赴く熱い一面もある男(第3話)。花札で占いもできる。戦闘の際は刀と普段は手槍だが、いざという時は短槍になる仕込み槍を用いる他、乗馬も得意。
- 滝 新八郎:柴俊夫
- 小普請組の父を持つ無役の浪人。旗本の家系であるが、八男坊で家督相続とは遠い身の上でもあり、自由奔放に生きることを信条にし、全国を旅していた。明朗快活で気取らない性格の好漢で、久坂とは気が合うらしく一緒につるむことが多い。戦闘の際は額あてを装着し、太刀と脇差を使用する。
- 江藤燐兵:地井武男(第8話を除く)
- 元水戸藩士で、現在の妻であるしまと駆け落ちして脱藩する。生真面目かつ一本気な男で、妻帯者禁制の隊内では妻の存在を、報酬を仕送りしているしまには遊撃隊の任務を秘密にしている。戦闘の際は額あてを装着し、刀と鎖分銅を使用。
- 片倉小助:三浦浩一
- 九十九里の貧しい漁村出身。久坂と並んで荒っぽい男で、毛間内ら上役に反発することも多い。久坂よりも寡黙で斜に構えたところがあり、ニヒルで刹那的な気質。遊撃隊の仕事料も博打などですぐに使ってしまうことが多い。妹が身売りされた過去があるためか、女性に対しては不器用な優しさを見せるときもある。身軽で剣術は我流。戦闘の際は額あてと手甲を装着し、袴を履き、刀の他にも棒状の手裏剣を使用し、遠距離の相手を仕留める。
- 篠原道之介:名高達郎(第13話を除く)
- 尾張藩出身の武士であったが、一生を城勤めで終えることに嫌気が差し、自分の力で生きる道を探るため脱藩し、浪人となった。ちぐさという許婚がおり、江戸へやってきた際には傍に置いて欲しいと懇願されたが、遊撃隊士として生きる道を選んだ(第4話)。隊士たちの中でも比較的若いようで、遊撃隊の任務や自らの生き方にも理想を求めている。戦闘の際は額あてと胴あてを装着し、袴を履き、刀の柄頭と鞘の鯉口を連結させ、長柄刀のように使用して戦う。
- 久坂 一:石橋正次
- 薩摩藩士を自称しているが下総天領の農村の出身。短気かつ猪突猛進の暴れ者で、遊撃隊に入る以前から賭場で用心棒稼業をしていた。戦いの際には刀を何本も装備する。がさつで口も悪いが、その分真っ直ぐな熱血漢でもあり情には厚い男。隊士たちとの付き合いもよく、信頼を置かれることが多い。毛間内とは何かと衝突が多いが、内心では互いに理解し合っており、文句を言いつつもしばしば補佐や先鋒役を務める。
- 堺 金吾:左とん平(第4話、第7話~)
- 詳しい素性は不明だが泉州・堺出身の元商人らしく、町人や農夫になりすますことも得意。藤太とは十年来の腐れ縁らしく、いつの間にか彼の長屋に転がり込んでは飯を無断で拝借している。がめつくドケチな性格で、些細な雑用も金に換算して報酬を要求しようとしたりする他、方々で強請やたかりなどもして小金を稼いでいるらしいが、軽い調子で悪人然としておらず憎めない。生死不明になった藤太の長屋に住み着き、生還を祈って陰膳を供え、遊撃隊に自ら入隊を志願する友情を重んじる一面もある。幼少期に継父と不仲だった家庭環境もあってか子供には優しい。戦いはあまり好まないが実は腕も立ち、常に携帯している六角柱状の槍を武器に戦う。第8話以降、藤太に代わって正式にOPに登場する。
- 丸目二郎:古澤一朗
- 初登場ではしまの働く店で無銭飲食をやらかし、隊士からは「頭を丸めて二郎」などとからかわれていたが、根は真面目で朴訥な男。
- おゆき:野平ゆき
- 遊撃隊屯所の雑務を勤める女性。明るく健気な性格で隊士たちから大事にされており、道之助とは相思相愛の仲。
- 戦闘や調査活動に加わることはないが、隊士たちの身を案じる心は人一倍強く、任務で女性が必要な場合には危険を承知で自ら志願することもある。
- 松吉:守田比呂也
- 遊撃隊に属する密偵で、十数人の手下がいる。遊撃隊の攻撃対象となる盗賊や悪党に関する情報収集を一手に引き受けるほか、戦闘の援護に加わることもある。
- 久六:小野ヤスシ
- 遊撃隊に属する密偵で、松吉の手下の一人。寡黙な松吉とは対称的によくしゃべるタイプで、やや心配性。調査活動や戦闘の援護のほか、隊士たちの日常の世話などもこなす。
- しま:服部妙子(第2話、第3話、第12話、第13話)
- 江藤の妻。かつては他人の妻であったが、江藤と惚れ合い駆け落ちして江戸へ。家計を支えるため居酒屋で女中として働いている。妻帯者の入隊は認められない遊撃隊の内規に配慮して江藤が存在を秘密にしている。
- 奉行の声:阪脩
- 長兵衛に指令を下す。
サブタイトルリスト
回 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | ゲスト |
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1 | 壮絶! 遊撃隊 | 保利吉紀 | 高瀬昌弘 | 岡本富士太、武原英子、玉川伊佐男、田中浩、 上野山功一 |
2 | 闇にひそむ牙 | 小野田嘉幹 | 五十嵐淳子、藤岡重慶、梅津栄、山本昌平、 穂高稔、井上博一、岡部正純、木田三千雄 | |
3 | 鉄砲道の決斗 | 星川清司 | 香野百合子、天津敏、榎木兵衛、多宮健二、 小原秀明、都家歌六 | |
4 | 地獄の虫を叩っ斬れ! | 櫻井康裕 | 高瀬昌弘 | 平田昭彦、早乙女愛、堀田真三、夏木順平 |
5 | けもの狩り | 佐藤繁子 | 児玉進 | 高沢順子、井上昭文、大木正司、茜ゆう子、 依田英助 |
6 | 泣くな! 新八郎友を斬れ | 猪又憲吾 | 高瀬昌弘 | 村井国夫、田崎潤、仁和令子、片岡五郎、 大矢兼臣 |
7 | 激流に消えた男 | 保利吉紀 | 児玉進 | 佳那晃子、浜田寅彦、中井啓輔、片桐竜次、 万里昌代、相原巨典、名川貞郎、鹿島信哉 |
8 | 宿場の対決 | 高瀬昌弘 | 森マリア、勝部演之、蟹江敬三、巌金四郎、 小笠原弘、藤山浩二、堺左千夫、粟津號、 松尾文人、大竹修造、熊谷卓三、夏木順平 | |
9 | 非情の罠・群狼を斬れ! | 中村勝行 | 山本迪夫 | 嶋めぐみ、睦五郎、辻万長、村松克巳、 石津康彦、幸田宗丸、北川欽三、中村孝雄、 多田幸男、新井一夫、都家歌六 |
10 | 奪われざるもの | 星川清司 | 高瀬昌弘 | 田中明夫、小栗一也、内田勝正、岡本麗 |
11 | 魔の影 | 珠めぐみ、八木昌子、浦川麗子、根岸一正、 沖田駿一、荻原紀 | ||
12 | 通り雨 | 佐藤繁子 | 小野田嘉幹 | 生田悦子、峰竜太、亀石征一郎、松本敏男、 綾瀬桜、里木佐甫良 |
13 | 名もない男達の詩 | 村尾昭 | 井上孝雄、原田清人、剣持伴紀、二見忠男、 相沢治夫、伊奈貫太 | |
14 | 迷い道 | 佐藤繁子 | 山本迪夫 | 篠ひろ子、平泉征、町田祥子、山本昌平、 信実一徳 |
15 | 帰って来た藤太 | 保利吉紀 | 高瀬昌弘 | 佳那晃子、西沢利明、大前均、倉野章子、 友金敏雄、清水康晴、青木まち子 |
16 | 雪の名なし橋 | 中村努 | 小野田嘉幹 | 藤真利子、佐藤仁哉、佐々木剛、高木二朗、 武内文平 |
17 | みれん花・野盗 暁の襲撃 | 佐藤繁子 | 織田あきら、高桐真、長谷川弘、石山雄大、 加地健太郎 | |
18 | 復讐の狼 | 中村勝行 | 高瀬昌弘 | 沖雅也、永島暎子、川地民夫、うえだ峻、 外山高士 |
19 | 囮・危険な取引き | 山本迪夫 | 佐藤オリエ、蟹江敬三、神田隆、北浦昭義、 鹿島信哉、大矢兼臣、二家本竜巳 | |
20 | 傷だらけの二人 | 保利吉紀 | 児玉進 | 由美かおる、石浜朗、菅貫太郎、市川好朗 |
21 | 日蔭の花を救え | 下飯坂菊馬 | 山本迪夫 | 本阿弥周子、石橋蓮司、住吉道博、高杉玄、 鶴間エリ、木田三千雄 |
22 | 熱い眠りにこころ残して | 佐藤繁子 | 児玉進 | 二ノ宮さよ子、峰岸徹、近藤宏、中庸助 |
23 | 遊撃隊、内部の敵!? | 保利吉紀 | 高瀬昌弘 | 船戸順、稲吉靖司、大下哲矢、相沢治夫 |
24 | 必死の脱出!! | 桜井康裕 | 児玉進 | 石田信之、竹井みどり、小栗一也、山本清、 武藤英司、井上博一 |
25 | 風に舞う必殺四方剣 | 杉村のぼる | 浅野真弓、香川良介、須藤健、北川欽三、 堀田真三 | |
26 | さらば遊撃隊 | 佐藤繁子 | 高瀬昌弘 | 山田吾一、川合伸旺、木村元、夏海千佳子 |
脚注
- ^ 最終話のナレーションでは「安政四年」とある。また隊士たちの台詞から遊撃隊の活動期間は約一年であったことが伺える。
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