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運動エネルギー回生システム

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運動エネルギー回収システム(うんどうエネルギーかいしゅうシステム、Kinetic Energy-Recovery System)は、自動車レースのフォーミュラ1(F1)において2009年シーズンからの導入が検討されているシステムの総称。KERSの略称で呼ばれることも多い。

概要

近年の原油価格の高騰や、地球温暖化問題に絡んで省エネエコロジーに関する世間の関心の高まりから、通常の自動車等と比べてもより多くの化石燃料を消費する[1]モータースポーツに対する風当たりが強まることを恐れた国際自動車連盟(FIA)が、環境保護アピールの一策として導入を発表した。また2007年シーズンからエンジン開発にホモロゲーションが適用され、シーズン中のエンジン開発がほとんど困難となったことに対し、F1に参戦している自動車メーカーの不満が高まったため、新たな技術開発の可能性を提示することでそれらメーカーの不満を抑える目的もあるとされる。

基本構造としては、いわゆる回生ブレーキを導入して電気的にエネルギーを溜める方式と、フライホイールに余剰な運動エネルギーを蓄える方式の2方式が有力とされている。

ただ、現在各チームがテストを進めている中で、2008年7月にはヘレスサーキットにおいてBMWザウバーのメカニックがKERS搭載マシンに触れて感電する事故が起きたり、レッドブル・レーシングのファクトリーでKERSのテスト中に煙と有毒ガスが発生するなど[2]、KERSの開発中の事故が続出していることから、安全性を疑問視する意見も有り、安全性が確保できるまでKERSの導入を延期すべきだとの意見も出てきている。F1関係者の間でもKERSの2009年導入開始に対しては賛否両論があり、予定通りKERSが使われるかどうかは微妙な情勢となってきている。

脚注

  1. ^ F1の場合、エンジンの燃費は、2008年現在平均で約1.5km/l程度であると言われる。
  2. ^ KERSの問題をチームが協議 - F1-Live.com