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芋俵

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芋俵(いもだわら)は落語の演目名 四代目、五代目柳家小さんが得意とした。

あらすじ

二人の盗賊が、とある大店に盗みに入る相談をしていた。

「どうだい、ここは芋俵を使ってやろうじゃねえか。」「どうすんだ。」「なあに、芋を入れるんじゃねえ。芋の代わりに人を入れて、その店へかついでいくんだ。」「ほう。」「で、何か忘れ物でもしたとか言って『少々、ご面倒様ですがこの芋俵預かっちゃあくれませんか。』とかいうんだよ。」「それで」「そうして、わざと芋俵を家に置いておけば夜になってもまさか外に置いとくわけにもいかねえ。家ン中にしまう。で、みんなが寝入った頃を見はらかって、俵から出てきた奴が閂をはずして、おいらが入るって寸法さ。どうでえ。」「なるほどオ。うめえこと考えやがったなあ。・・・だが、それじゃあ、俵に閉入るのがいるなあ。」

そこで、二人は与太郎を仲間に引き入れ、俵の中に入れてしまう。計画通りに俵を家の中に入れたまではよかったが、あろうまいことか、店の小僧が、俵を逆さまに置いてしまう。与太郎「・・・あれ。こまったなあ。上得逆さまだあ。動けねえ。おいおい。何とかしてくれ。」とこぼしていると、さっきの小僧と下女が「おいしそうなお芋だ。一つや二つ食べたってかまやしねえだろう。」と、俵の中に手を入れてきた。「おい。そう、お尻を撫ぜ廻さないでおくれ・・・あ、手が股ぐらに入ってきやがった、あはは、くすぐったくていけねえ・・・・」

と我慢しようと力んだはずみに放屁。

「ああ、気の早いお芋だ。」


概略

手軽な長さと単純なストーリーで、笑いも多く取れるので寄席でよく演じられる。四代目小さんが人形町末広で演じた時は、淡々とした語り口で、客があまりうけないままサゲになってしまったが、小さんが高座を退いた後、果たして客席からじわりと笑いがおこりだし、しまいにはみんな笑い出して次の演者が高座に上がれなくなり、居合わせた弟子の五代目小さんは「こうやってあとから笑いをとるのが、真の落語なんだ。」と感心した。

参考文献

川戸貞吉編 「落語大百科1」冬青社 2001年 ISBN4-924725-70-6 C0074