ボカロPのソースを表示

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{{出典の明記|date=2020年2月16日 (日) 13:09 (UTC)}}
<!--[[ファイル:Hatsune Miku V4X (CV01).webp|thumb|[[初音ミク]]の登場は、日本の音楽シーンに新たな文化をもたらした。（画像はV4Xバージョン）]]-->
'''ボカロP'''（ボカロピー、ボーカロイド・プロデューサー）は、[[VOCALOID]]（ボーカロイド）、[[UTAU]]、[[CeVIO]]（チェビオ）などの音声合成ソフトで楽曲（[[ボカロ (音楽ジャンル)|ボカロ曲]]）を制作して[[動画投稿サイト]]へ投稿する[[音楽家]]を指す名称である。

== 概要 ==
{{Main|ボカロ (音楽ジャンル)|VOCALOID}}
元来、音楽家がポップソングを発表する方法として「歌手に依頼する」または「自ら歌唱する」という2通りが存在したが、[[ヤマハ]]の[[音声合成]]技術「[[VOCALOID]]」の登場により、[[デスクトップミュージック]]（DTM）において、VOCALOIDによるボーカルを使用することが新たな選択肢となった。

[[クリプトン・フューチャー・メディア]]が2007年に発売した音声ライブラリ『[[初音ミク|VOCALOID2 キャラクター・ボーカル・シリーズ01 初音ミク]]』は、その前後に誕生した[[ニコニコ動画]]や[[YouTube]]などの動画投稿サイトで[[同人音楽]]の新たな文化としてムーブメントとなった<ref name=":1">{{Cite web|和書|title=初音ミク：21世紀の音楽革命をもたらした電子の歌姫|url=https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g01038/|website=nippon.com|date=2021-03-26|accessdate=2021-08-09|language=ja}}</ref>。

ボーカロイドを使用し制作された楽曲（ボカロ曲{{Refnest|group="注"|VOCALOID以外の音声合成ソフト（UTAU、CeVIO、初音ミクNT等）を使用して制作された楽曲も、広義の「ボーカロイド文化」の文脈でボカロ曲と呼ばれる場合がある。}}）は若年層を中心に広がりを見せ、主要な音楽チャートや[[カラオケ]]チャートで上位に登場するなど、日本独自の音楽文化として定着している<ref name=":1" />。楽曲の多くはイラストやアニメーションを用いたミュージックビデオ形式で発表されることから、インターネット上で多数のアマチュアユーザーが参加する、[[二次創作]]や[[ユーザー生成コンテンツ]]（UGC）としての広がりを持っていることが特徴として挙げられる<ref>{{Cite web|和書|title=ボーカロイド・初音ミクがもたらす「3つの革命」|url=https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/0710/29/news112.html|website=ITmedia ビジネスオンライン|accessdate=2021-08-09|language=ja}}</ref>。

ボカロPによる同人音楽CDの頒布やリアルの交流の場として、ケットコムが主催する即売会である[[THE VOC@LOiD M@STER]]（通称ボーマス）が2007年以降開催されている<ref>{{Cite web|和書|title=音楽の「ナマ感」伝えたい ボーカロイドイベント主催が語る (1/4)|url=https://ascii.jp/elem/000/000/480/480147/|website=ASCII.jp|accessdate=2021-07-17|language=ja|last=ASCII}}</ref>。

=== 語源 ===
ボーカロイドの略称であるボカロとプロデューサー（Producer）の頭文字を合わせて、ボカロPと呼ばれるようになった。"プロデューサー"という語は、2007年の[[初音ミク]]発売当時、[[ニコニコ動画]]で流行していた[[アイドルマスターシリーズ]]の動画投稿者を、原作ゲーム内のプレイヤーネームを表す「○○P」と呼んでいたことが影響したものである。初音ミクはキャラクター性を押し出したバーチャルアイドルとしての性格を持っていたため、楽曲制作者をアイドルのプロデューサーになぞらえて、一部の動画投稿者を「○○P」、総称を「ボカロP」と呼ぶ慣習が生まれた<ref>{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/music/pp/wadatakeaki/page/3|title=和田たけあき（くらげP）「むしろ2012年の状態が異常だった」 シーンを見つめ続けたボカロPが考える衰退論の真相|accessdate=2020.3.8}}</ref><ref name=":0">{{Cite web|和書|title=ボカロ曲の流行の変遷と「ボカロっぽさ」についての考察（1）初音ミク主体の黎明期からクリエイター主体のVOCAROCKへ|url=https://realsound.jp/2020/08/post-599464.html|website=Real Sound｜リアルサウンド|accessdate=2021-07-17|language=ja}}</ref>。初めて「○○P」と呼ばれるようになったVOCALOID関連の動画投稿者は[[ワンカップP]]とされている<ref name=":0" />{{Refnest|group="注"|2007年9月3日にニコニコ動画に投稿された「初音ミクが来ないのでスネています」という動画に対するコメントが由来となり名付けられた。[[ワンカップP]]の項目も参照。}}。

== メジャーシーンへの広がり ==
*2008年8月に[[livetune]]がアルバム『[[Re:package]]』をビクターエンタテインメントからリリースし、初音ミクを使用した音楽CDがメジャーレーベルから発売された初めての事例となった<ref>{{Cite web|和書|title=初音ミク誕生10周年 「世界初」「世界一」の記念碑2作を一斉配信|url=https://www.oricon.co.jp/news/2096478/full/|website=ORICON NEWS|accessdate=2021-07-17}}</ref>。翌年の2009年には[[supercell (クリエイター集団)|supercell]]がソニー・ミュージックからメジャーデビュー、同年にポニーキャニオン傘下の[[エグジットチューンズ|EXIT TUNES]]から[[EXIT TUNESボカロコンピシリーズ|コンピレーションアルバム]]の展開が開始され、一般の音楽業界への進出が顕著なものとなりはじめた<ref>{{Cite web|和書|title=asahi.com（朝日新聞社）：世界に広がる仮想歌姫「初音ミク」　新進クリエーターに迫る - ＹｏｕＴｕｂｅ連動　初音ミクの世界|url=http://www.asahi.com/special/hatsune/TKY200903200212.html|website=www.asahi.com|accessdate=2021-07-17}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=初音ミク、オリコン4作同時ランクイン|url=https://www.oricon.co.jp/news/64769/full/|website=ORICON NEWS|accessdate=2021-07-17}}</ref>。
*2010年代になると、小説家としても活動するボカロPが登場するようになった。[[じん|じん（自然の敵P）]]は、自身の発表した楽曲をメディアミックス作品の『[[カゲロウプロジェクト]]』として展開している<ref>{{Cite web|和書|title=じん（自然の敵P）が体現する新しいプロデューサー像 物語作家として音楽を作るプロセスとは？|url=https://realsound.jp/2014/09/post-1206.html|website=Real Sound｜リアルサウンド|accessdate=2021-07-17|language=ja}}</ref>。他にも、[[Mothy|mothy_悪ノP]]や[[てにをは (音楽家)|てにをは]]などが自身の楽曲を原作とした小説を発表している。
*ボカロPの一部には、[[米津玄師|ハチ]]（米津玄師）や[[須田景凪|バルーン]]（須田景凪）のように、ボカロPとして活動した後、[[シンガーソングライター]]として活動したり<ref>{{Cite web|和書|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000023281.html|title=ボカロP“バルーン”ことシンガーソングライターの須田景凪とコラボ「INVISIBLE ART IN PUBLIC by au vol.3 須田景凪」のプラットフォームとしてSTYLYが採用 |accessdate=2020.3.8}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://realsound.jp/2019/05/post-367891_1.html|title=米津玄師、ボカロ曲初投稿から10年 ハチ楽曲に見るクリエイティブの原点|accessdate=2020.3.8}}</ref>、[[wowaka]]や[[n-buna]]のように、[[ロックバンド]]のメンバーとして活動する場合もある<ref>{{Cite web|和書|url=https://rockinon.com/news/detail/166353|title=【知りたい】wowakaの6年ぶりボカロ曲“アンノウン・マザーグース”までを貫く世界観とは?|accessdate=2020.3.8}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://okmusic.jp/news/184298|title=【ヨルシカ】ボカロPのn-bunaによる新プロジェクトが始動|accessdate=2020.3.8}}</ref>（中にはじんや[[ナユタン星人]]、[[和田たけあき]]のように、ボカロ作曲と楽曲提供、更には歌唱も並行して行うボカロPもいる）。
*2018年に米津玄師<ref>[https://fujinkoron.jp/articles/-/2602　米津玄師とヨルシカ ～〈ボカロP〉から全世代へ。ネット発クリエイターの躍進]</ref>、2020年、2021年には[[Ayase]]が[[YOASOBI]]のメンバーとして[[NHK紅白歌合戦]]に出場した<ref>{{Cite web|和書|title=YOASOBI、「夜に駆ける」から『NHK紅白歌合戦』出場、1st EP『THE BOOK』発売までの軌跡を徹底解説|url=https://realsound.jp/2021/01/post-692464.html|website=Real Sound｜リアルサウンド|accessdate=2021-08-09|language=ja}}</ref>。また[[2021年]]には[[歌い手]]としても活動する[[まふまふ]]が出場した。

== 主なボカロP ==
{{See|ボカロPの一覧}}
=== ニコニコ動画で1000万再生を達成したボカロP ===
[[ニコニコ動画]]では、ボーカロイド楽曲のミュージック・ビデオの再生回数が1000万回を達成すると「VOCALOID神話入り」と呼ばれるタグが付けられる。『』内は1000万再生を達成した楽曲名。
*[[鶴田加茂|ika]]『[[みくみくにしてあげる♪【してやんよ】]]』
*[[supercell (クリエイター集団)|ryo]]『[[メルト (supercellの曲)|メルト]]』『ワールドイズマイン』
*[[WhiteFlame|黒うさP]]『[[千本桜 (曲)|千本桜]]』
*[[米津玄師|ハチ]]『[[OFFICIAL ORANGE|マトリョシカ]]』『[[砂の惑星 (ハチの曲)|砂の惑星]]』『[[ドーナツホール]]』
*[[DECO*27]]『モザイクロール』『ゴーストルール』『[[ヒバナ (DECO*27の曲)|ヒバナ]]』
*[[wowaka]]『ワールズエンド・ダンスホール』『ローリンガール』『アンノウン・マザーグース』『[[裏表ラバーズ]]』
*iroha（sasaki）『炉心融解』
*[[cosMo@暴走P|cosMo（@暴走P）]]『[[初音ミクの消失]]（LONG VERSION）』
*[[Orangestar]]『[[アスノヨゾラ哨戒班]]』
*[[kemu]]『[[六兆年と一夜物語]]』
*[[れるりり]]『[[脳漿炸裂ガール]]』
*[[164 (音楽家) |164]]『天ノ弱』
*[[n-buna]]『[[ウミユリ海底譚]]』
*[[doriko]]『ロミオとシンデレラ』
*[[みきとP]]『[[ロキ (曲)|ロキ]]』

=== シンガーソングライターとして活動しているボカロP ===
（）内は、ボカロPとしての名義。
*[[米津玄師]]（ハチ）
*[[40mP|イナメトオル]]（40mP）
*[[荒井洋明]]（シグナルP）
*[[蝶々P|一ノ瀬ユウ]]（蝶々P）
*[[須田景凪]]（バルーン）
*[[キタニタツヤ]]（こんにちは谷田さん）
*[[john (ミュージシャン)|TOOBOE]]（john）
*[[Lanndo]]（ぬゆり）
*[[神山羊]]（有機酸）
*[[岩見陸]]（ナナホシ管弦楽団）
*[[工藤大発見]]（ピノキオピー）
*[[栗山夕璃]]（蜂屋ななし）
*ヤマモトガク（Peg）
*遼遼（ルワン）
*[[seeeeecun]]（しーくん）

[[syudou]]、[[すりぃ]]、[[Guiano]]、[[カンザキイオリ]]、[[R Sound Design]]など、名義を変えずにシンガーソングライター活動（自身の楽曲のセルフカバー等）をしているボカロPもいる。
{{See|Category:歌うP}}

=== バンドや音楽グループのメンバーとして活動しているボカロP ===
（）内はボカロPが所属するグループ名。
*[[ryo]]（[[supercell]]）
*[[wowaka]]（[[ヒトリエ]]）
*[[亜沙]]（[[和楽器バンド]]）
*[[宮田“レフティ”リョウ|レフティモンスターP]]（[[イトヲカシ]]）
*[[halyosy]]（absorb）
*[[n-buna]]（[[ヨルシカ]]）
*[[ぷす]]（[[ツユ]]）
*[[Ayase]]（[[YOASOBI]]）
*[[阿部尚徳|とく]]（[[GARNiDELiA]]）
*[[DECO*27]]（[[LOVE LASTS FOREVER]]）
*[[Giga (作曲家)|ギガP]]（[[REOL]]）
*黒うさP（[[WhiteFlame]]）
*[[堀江晶太 (音楽家)|kemu]]（[[PENGUIN RESEARCH]]）
*ラムネ/村人P（[[サイダーガール]]）
*石風呂（[[ネクライトーキー]]）
*[[コヤマヒデカズ|ナノウ]] （[[CIVILIAN]]）
*[[マイキ|マイキP]]（[[ラトゥラトゥ]]）
*[[ユリイ・カノン]]（[[月詠み]]）
*koyori（[[空白ごっこ]]）
*[[Misumi]]（[[DUSTCELL]]）
*[[針原翼]]（空白ごっこ）
*[[れをる]]（REOL）
*[[ツミキ]]（[[NOMELON NOLEMON]]）
*[[栗山夕璃|蜂屋ななし]]（Van de Shop）
*[[Chinozo]]（niKu）

== ボカロPがリリースした著名な作品 ==
歌唱に[[ボーカロイド]]を用いているシングル及びアルバムのみを記載（[[EXIT TUNES]]などからリリースされるボーカロイド楽曲のコンピレーションアルバムは除く）。いずれのボカロPも自作品がニコニコ動画内で「伝説入り」（100万回以上再生）している。
*[[supercell (アルバム)|supercell]]（ryo/supercell）
*[[Re:package]]（kz/[[livetune]]）
*[[花束と水葬]]、[[OFFICIAL ORANGE]]（ハチ）
*アンハッピーリフレイン（wowaka）
*[[相愛性理論]]、愛迷エレジー、[[ラブカレンダー]]、Conti New、[[GHOST]]、アンドロイドガール、アンデッドアリス、MANNEQUIN（DECO*27）
*41m、だんだん早くなる（40mP）
*[[メカクシティデイズ]]、[[メカクシティレコーズ]]（じん）
*[[PANDORA VOXX]]（kemu）
*厨病激発ボーイ（[[れるりり]]）
*世界征服、マイネームイズラヴソング、CYNICISM（[[Neru]]）
*カーテンコールが止む前に、花と水飴、最終電車、月を歩いている（n-buna）
*[[未完成エイトビーツ]]、[[SEASIDE SOLILOQUIES]]（[[Orangestar]]）
*ナユタン星からの物体X、ナユタン星からの物体Y、ナユタン星からの物体Z、ナユタン星からの物体N（[[ナユタン星人]]）
*Corridor、Marble、apartment（バルーン）
*troy（[[神山羊|有機酸]]）
*plotoplan、Outer Sample（ぬゆり）
*BLUE ENDING NOVA、ネオドリームトラベラー、ふたりの（[[はるまきごはん]]）
*ベノマ、ダーリンシンドローム（[[かいりきベア]]）
*[[コインロッカーベイビー]]、フライドアイ（[[MARETU]]）
*人間劇場（ユリイ・カノン）
*白紙（カンザキイオリ）
*NOMAN、SHIMNEY（[[煮ル果実]]）
*最悪、必死、キュートなカノジョ（[[ syudou ]]）
*パンデミック（すりぃ）
*ヘイトフル、スクラップファーム（[[柊キライ]]）
*[[幽霊東京]]、[[MIKUNOYOASOBI]]（Ayase）
*ねむるまち（[[くじら (作曲家)|くじら]]）
*The Deluge（[[Chinozo]]）
*KING、Kanaria.code（[[Kanaria]]）

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}

== 関連項目 ==

* [[Studio One (ソフトウェア)|Studio One（ソフトウェア）]]
* [[デスクトップミュージック|DTM]]
* [[The VOCALOID Collection]]
{{VOCALOID}}
{{日本の音楽}}
{{DEFAULTSORT:ほかろひい}}
[[Category:VOCALOID]]
[[Category:VOCALOIDを用いている音楽家|*]]
[[Category:音楽プロデューサー]]
[[Category:ニコニコ動画]]
[[Category:インターネットの文化]]
[[Category:日本の音楽]]