ポルシェ・907
ポルシェ・907 | |
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907(ショートテール) | |
ボディ | |
ボディタイプ | 2ドア クーペ |
駆動方式 | MR |
パワートレイン | |
エンジン |
ポルシェ901/21 2.0L 空冷F6 SOHC ポルシェ771/1 2.2L 空冷F8 DOHC |
変速機 | 5速MT |
前 |
前 ダブルウィッシュボーン 後 上Iアーム/下逆Aアーム、ツインラジアスアーム |
後 |
前 ダブルウィッシュボーン 後 上Iアーム/下逆Aアーム、ツインラジアスアーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,300mm |
全長 | 4,839mm |
全幅 | 1,720mm |
全高 | 940mm |
車両重量 | 590kg |
系譜 | |
先代 | ポルシェ・910 |
後継 | ポルシェ・908 |
ポルシェ907(Porsche 907 )はFIA規定のグループ6用に開発され、1967年にデビューしたプロトタイプレーシングカーである。
概要
ポルシェは910を主力として戦いつつ、重点レースのル・マン24時間レースに向けて907を開発した。おもにエアロダイナミクスの追求を課題として、シュトゥットガルト工科大学とフォルクスワーゲン工場の風洞で実験を行った。
水平対向エンジンは910と同じく2リッター6気筒と2.2リッター8気筒の2タイプ。シャーシの構造も変わらないが、右コーナーの多い時計回りのサーキットに適すよう、ステアリング位置が左側から右側に変更された。
ボディは高速用のロングテールを前提としてデザインされ、906のロングテールよりも一体化したフォルムとなった。操縦席のルーフは910よりも低く狭くなり、ウィンドシールドは傾斜の緩やかな形状となった。リアフェンダー上の吸気口は無くなり、テール後端のシュノーケル型ダクトからギアボックス冷却気を取り入れた。910よりも空気抵抗が14%減少し、ル・マン本戦では最高速が30km/h近く向上した。
1968年にはロングテールに加え、テクニカルコース用で全長4,020mmのショートテールボディも製作された。エンジンは2.2リッター8気筒のみを使用し、オイルクーラーの位置がノーズ先端付近に移動されている。
レース戦績
1967年
1967年4月のル・マン・テストデーで初公開され、6月の本戦で6気筒の907/6が実戦デビュー。ジョー・シフェール/ハンス・ヘルマン組が総合5位に入賞し、前年に続き性能数値賞(Index of Parformance )を獲得した。
1968年
1968年シーズンは3リッターマシン908が登場するまで、8気筒の907/8がワークスの主力マシンとして使用された。国際メーカー選手権開幕戦デイトナ24時間レースにはロングテールで出場し、ヴィック・エルフォード/ヨッヘン・ニーアパッシュ組[1]が優勝。2位・3位の907とともに3台横に並んでチェッカーフラッグを受け、前年フェラーリが演じた「デイトナフィニッシュ」を再現した。
第2戦セブリング12時間レースよりショートテールを投入し、シフェール/ヘルマン組が優勝(ワンツーフィニッシュ)。第5戦タルガ・フローリオではヴィック・エルフォード/ウンベルト・マリオーリ組が逆転優勝し、メーカーとして3連覇を達成した。
第6戦では908が初優勝し、以後907はバックアップ戦力に廻された。最終戦ル・マン24時間レースではプライベーターの907ロングテールがワークスの908を抑えて2位を獲得した。
脚注
- ^ ロルフ・シュトメレンとジョー・シフェール、ハンス・ヘルマンも途中ハンドルを握っている。
参考文献
- 檜垣和夫 『ポルシェ906/910/907/908/917』 二玄社<SPORTCAR PROFILE SERIES 1>、2006年