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パッションフルーツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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クダモノトケイソウ
パッションフルーツの果実
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ビワモドキ亜綱 Dilleniidae
: スミレ目 Violales
: トケイソウ科 Passifloraceae
: トケイソウ属 Passiflora
: クダモノトケイソウ edulis
学名
Passiflora edulis Sims
英名
Passion fruit

パッションフルーツ(和名:クダモノトケイソウ(果物時計草))は、アメリカ大陸の亜熱帯地域を原産とするトケイソウ科果物である。

名称

和名は時計のように見える特徴のある花のトケイソウの仲間で、果物を実らせるである事に由来する。花の雌蘂が張り付けの十字架に、5本の雄蘂が打たれた釘に、花を取り巻く副花冠がイバラの冠に、10枚の花弁及び萼が一人消えた師弟に例えられ、Passion fruit(キリストの受難の果実)の英語名が付けられた。本場ブラジルではMaracujá(マラクジャ)と呼ぶ。中国語名は英語名の音に当てた百香果(パイシャングォ、拼音: Bǎixiānggǔo注音: ㄅㄞˇ ㄒㄧㄤ ㄍㄨㄛˇ)。

植物学上の特徴と分布

500種類以上もあるトケイソウ科の仲間で、南米を中心に分布している。 熟したパッションフルーツは球状又は卵形で、堅い表皮は滑らかで黄色か濃紫色、赤色など、内部にはスイカの種ほどの大きさの種を多く含み、黄色いゼリー状の果肉と果汁がある。 果汁及び果肉は強い香気をもつものが多い。

栽培

現在では、実を食用とする数十種の中から選抜され品種改良された種が、世界の熱帯から亜熱帯地域の広範囲で栽培されている。ブラジルが最大の生産国で、その周囲の中南米での栽培が主流になっている。近年、ミャンマー北部のゴールデントライアングルでケシアヘン)の代替作物として栽培が増えており、ヨーロッパ市場へ進出している。 また、台湾など東南アジア圏でも栽培されている。

日本では、古くは奄美を中心とした南西諸島や東京の島嶼部、近年では鹿児島県沖縄県を中心に栽培されている(栽培面積・生産高ともに鹿児島県が日本一)が、熊本県岐阜県栃木県福島県など各地でハウス栽培が盛んになっている。特に岐阜県は、本州の積雪地帯でありながら、露地栽培に成功。民間有志が夏一作型の栽培方法を確立し、2010年は関市だけで2haを超える作付が見込まれている。うち1ヶ所は団地化し、露地栽培としては全国有数規模のパッションフルーツ農園(1ha余)が誕生する。 国内の栽培は概ね紫玉、黄玉、中間交配種の3つに分かれ、生食用では甘みの強い紫玉の需要が多い。黄玉は性質強健で果汁の多い物が多く、世界的に加工用原料としての栽培が多い。

日当たりと水やりさえ欠かさなければよく育ち、比較的栽培の容易な植物なので、家庭菜園にも向いている。日本では、暖地を除けば、冬は室内に入れるなどの越冬対策は必要である。 収穫は通常完熟して自然落下したものを回収する(もしくは軽く触れると落下する程度)。

食利用

そのままスプーンですくって種ごと食べることが多い。追熟(皮の表面が皺になる程度)すると甘みが増す。 東南アジアなどでは、多くはそのまま果肉をスプーンを使い、掻き出して食べる。現地ではは噛まずに喉ごしを楽しむ人々も多い。

国内では、生食以外、希釈用のジュースジャムとして特に南西諸島での人気が高い。 世界の生産量9割が加工品として利用されており、香料ジュースなどとして流通している。主に他のジュースの香り付けやケーキゼリーなどの洋菓子類、カクテルベース等需要が急増中である。

最近は、認知症予防や歯周病予防、ダイエットに効果が期待される有用成分が注目を集めており、利用拡大が見込まれている。

ギャラリー

パッションフルーツが登場する事柄など

外部リンク