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デジタイズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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デジタイズ: Digitize)とは、オブジェクト画像信号(通常アナログ信号)を離散的な値で表現すること。デジタイズされた結果を「デジタル表現」あるいは「デジタル画像」「デジタル形式」などと呼ぶ。

概要

アナログ信号は、時間的にも値としても連続的に変化する。しかし、デジタル信号はどちらの観点からも離散的であり、デジタイズは本来の信号の近似でしかない。しかし、アナログ信号が通常情報成分だけでなくノイズ成分を含むことを考えれば、デジタイズによって必ず情報が失われるとは言えない。

デジタル信号は整数の数列として表される。デジタイズでは、一定間隔(サンプリング周波数)でアナログ信号を読み取り、その時点の値を整数化する。このような読み取りを標本化と呼び、また読み取った値を8ビットあるいは16ビットのような範囲で表現することを量子化と呼ぶ。デジタイズを行う電子回路をアナログ-デジタル変換回路と呼ぶ。

整数列をアナログ信号に戻すことで本来の信号の近似が得られる。この変換を行う電子回路をデジタル-アナログ変換回路と呼ぶ。この近似の正確性はサンプリング周波数ビット深度によって決定される。

「デジタイズ」という用語は、音声だけでなく写真ビデオなどをスキャンしてコンピュータに取り込むことも指す。写真の場合、サンプリング周波数は画像の解像度dpi)に相当する。デジタイズは画像を電気通信で転送可能にしたり、コンピュータで処理できるようにする主な手法と言える。

地理情報システムでは、地理的な特徴をデジタイズしてビットマップ画像にする。電子地図は様々な地理的画像や地図をデジタイズすることで作成される。

また、ペンタブレットなどの画像情報を入力する機器を総称してデジタイザ(Digitizer)と呼ぶ。

アナログからデジタルへ

現在では、音楽の録音はほとんど全てデジタイズを伴う。約50万本のInternet Movie Databaseにある映画のうち、約10%がDVD上にデジタイズされている。2006年現在、世界中の全文書の約5%がデジタイズされている。[1]

フィクション

サイエンス・フィクションでは、人間をコンピュータ内に送り込むためにデジタル信号化することを「デジタイズ」と呼ぶことがある。その場合、何故かその人間が現実世界から消え、コンピュータ内の世界に現われることが多い(例えば、映画『トロン』など)。

関連項目

参考文献

  1. ^ New York Times; 2006年5月14日 ; Scan This Book!