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インボランタリー・アップグレード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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インボランタリー・アップグレード (involuntary upgrade) またはオペレーショナル・アップグレード (operational upgrade) とは、旅客機搭乗手続きの際、オーバーブッキングなど航空会社側の都合によって、座席がエコノミークラスからビジネスクラスなど、より上位のクラスに変更されること。略してインボラともいう。2クラス以上の機材でエコノミー客しか予約がない場合にシートだけビジネスの席が選べる、いわゆる「ビジネスクラス開放」とは別である。

通常のアップグレードの場合は乗客側が希望し、運賃の差額を現金で支払ったりマイルを使用したりして上位クラスに変更するが、インボランタリー・アップグレードの場合は航空会社側からの申し出によるものであるため、乗客側の負担は不要である。

どの乗客をアップグレードさせるかは、多くの場合航空会社の現場による判断に委ねられるが、「普通運賃もしくは上位運賃クラス」「自社や同じ航空連合のマイレージサービス上級会員」などの乗客が優先される[1]傾向にあるが、その場での判断であるため、決定的な基準は存在しない[2]。航空会社によって対応は異なるが、ビジネスクラスの乗客であれば本来利用できる空港ラウンジを使用できない、機内食はエコノミークラスと同等などの制約がある場合がある。 近年ではインターネットによる事前チェックインを認める航空会社が増えているため、アップグレードの宣言がなされるタイミングは多様になってきており、インターネットチェックインを実行した段階で報知されるケースや、チェックインカウンター、搭乗ゲートと多彩である。なお、搭乗券の混同を避けるため、アップグレード時は、旅客の目の前でアップグレード前の搭乗券を破り捨てることも多い[3]

アップグレードさせても定員オーバーの場合は、希望者を募り補償金を払った上で、別の便に振り替えることになるが、非常に稀なケースである。

脚注

  1. ^ 映画「ハッピー・フライト」ではインボランタリー・アップグレードに関するシーンが存在する
  2. ^ というよりも基準が存在するということを証明することが客観的に不可能である
  3. ^ 実際には顧客呼出情報(ページング情報)がコンピューターに登録され、アップグレード前の搭乗券を搭乗改札で端末に読み取らせるとエラーになるよう事前に処理していることがほとんどである

関連項目