コンテンツにスキップ

サドル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。202.89.85.77(会話) による 2006年3月23日 (木) 16:42個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎関連項目)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

イスラム世界特有の称号・人名のサドル(sadr)についてはサドル (イスラム)を、はくちょう座γ星(サドル)はシェダルを参照。


サドル(Saddle)とは一般に乗用自転車オートバイ等の二輪車で人のを載せる部位、または状態を言う。山岳用語では山の稜線の凹んだ馬の背。日本語では鞍(くら)の文字を当てる。

乗馬用サドル

動物の骨格は物を運ぶ目的用には進化しておらず馬の背とは形状の異なる人の尻や物を運搬する器具の畚(もっこ)等と動物の背中を拘束させるために発生した。現代の乗馬のサドル(鞍)は馬の背中中央の緩やかに凹んだ馬の背と呼ばれる部分にクッション性が良く吸水性の優れた毛布やマット等を被せた後に鞍を載せ、腹帯と呼ぶ10cm程度の幅広の帯を用いて鞍と馬の胴体を固定する。日本の近代以前では木製の鞍が存在したが、近代以降の鞍は圧倒的に皮製が多い。

乗馬用の鞍。右は腹帯

乗馬目的に応じて鞍の種類は総合鞍・障害鞍・馬場鞍等があり形状・重量は異なるがいずれも腹帯を用いて馬の胴体と固定する。尻を載せる部分の両側には腿(もも)や膝(ひざ)が触れる位置にはフラップと呼ばれる垂れが取りつく。

競馬等の競争種目で用いる障害鞍では一般に「鞍上(あんじょう)の」と表現される騎乗中の騎手は両膝で馬の胴体を押え、鞍に尻を載せることは少ないため尻を載せる部分は形骸化した形状を保つのみであり、さらに馬の負担を避けることもあり一般的な乗馬に用いる総合鞍に比べて著しく軽量化が図られている。

騎馬民族は幼い頃より馬に親しみ、いわゆる人馬一体で鞍を用いずに乗馬できるが、馬の背の断面は丸く滑りやすいため、経験のない者が鞍を付けない馬に座ることまでは出来ても、馬が動き出した途端に滑り落ちることが多い。

サドルステッチ

サドルステッチ(Saddle stich)とは皮革製品全般で用いられる縫製技術の一つ。接合する皮革にあらかじめ糸を通す部分の穴を空け、糸を表・裏から8の字状に縫い合わせた縫い目を指す。片側の糸が破断しても容易に解れる(ほつれる)ことがなく耐久性が非常に高い。

現代の高名な皮革製品ブランドの多くは創業時に乗馬用の皮革製品を扱っていた馬具(ばぐ)専門企業が多い。馬具が期待する耐久性や機動性を実現するために培ってきた用途に応じた材質の選別等のノウハウや馬具特有の縫製技術を受け継ぎ、親子数代にわたって使い継がれる耐久性のある高品質な製品を提供している。

サイドサドル

サイドサドル(Side saddle)とは、乗馬の際に騎乗者の頭部及び胴体を進行方向に向けず、横向きに坐り頭部のみを進行方向に向ける女性固有の騎乗姿勢を言う。

関連項目

自転車

自転車を構成する部品の一つで、人の尻を載せる。古くは金属フレームに皮を被せたものであったが、近年では合成樹脂製のものがある。サドルの金属フレームにはコイル・スプリングが取り付き凹凸の激しい路面の衝撃を和らげる機能を有する。

また、軽量化を追及するロードレーサー用のサドルとして、カーボンファイバーの板一枚で形成された、重量100グラムを切る超軽量サドルも存在する。この場合、製品によっては乗車する人の体重制限を設けているものもある。

オートバイ

オートバイを構成する部品の一つで、人の尻を載せる。一般的に車長・車幅のほぼ中央で進行方向に対して燃料タンクの直後に位置する。近年、オートバイのサドルは一般にはシートと呼ばれることが多く、クッション性のあるスポンジを芯材とし合成皮革で覆われているが、単座の場合は前記自転車と同様のコイル・スプリングが取り付いた仕組みのものがある。

関連項目