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「サリチル酸」の版間の差分

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'''サリチル酸'''は、[[ベンゼン環]]に[[カルボキシル基]]と[[ヒドロキシル基]]両方を併せ持つ物質で、結晶は無色の針状結晶である。
'''サリチル酸'''は、[[ベンゼン環]]に[[カルボキシル基]]と[[ヒドロキシル基]]両方を併せ持つ物質で、結晶は無色の針状結晶である。


[[1853年]]にマールブルグのヘルマン・コルベ教授はサリチル酸の構造を解明し、その合成法を確立した。ナトリウムフェノキシドに高温、高圧( 100気圧, 125°C), で[[二酸化炭素]]を反応させるとサリチル酸ナトリウムが合成される。サリチル酸ナトリウムに強酸を作用させるとサリチル酸が遊離する。これをコルベ・シュミット反応という。
[[1853年]]にマールブルグのヘルマン・コルベ教授はサリチル酸の構造を解明し、その合成法を確立した。[[ナトリウムフェノキシド]]に高温、高圧( 100気圧, 125°C), で[[二酸化炭素]]を反応させると[[サリチル酸ナトリウム]]が合成される。サリチル酸ナトリウムに強酸を作用させるとサリチル酸が遊離する。これを[[コルベ・シュミット反応]]という。


サリチル酸は天然にも広く認められ、[[植物]](特に果実)内にメチルサリチレートの状態で存在している。植物では、サリチル酸がウイルスやバクテリアなど様々な病原微生物に対する抵抗性(全身獲得抵抗性)を誘導する鍵となる物質として働くことが知られる。分子生物学による植物免疫研究の対象である。
サリチル酸は天然にも広く認められ、[[植物]](特に果実)内にメチルサリチレートの状態で存在している。植物では、サリチル酸がウイルスやバクテリアなど様々な病原微生物に対する抵抗性(全身獲得抵抗性)を誘導する鍵となる物質として働くことが知られる。分子生物学による植物免疫研究の対象である。

2005年1月6日 (木) 20:05時点における版

サリチル酸
名前 サリチル酸 アセチルサリチル酸
(アスピリン)
IUPAC名 2-hydroxybenzoic acid 2-acetoxybenzoic acid
化学式 C6H4(OH)CO2H C6H4(OCOCH3)CO2H
融点 159°C (318°F)  
沸点 211°C (412°F)  
構造式 ファイル:Salicylic acid.png ファイル:Aspirin.png

サリチル酸は、ベンゼン環カルボキシル基ヒドロキシル基両方を併せ持つ物質で、結晶は無色の針状結晶である。

1853年にマールブルグのヘルマン・コルベ教授はサリチル酸の構造を解明し、その合成法を確立した。ナトリウムフェノキシドに高温、高圧( 100気圧, 125°C), で二酸化炭素を反応させるとサリチル酸ナトリウムが合成される。サリチル酸ナトリウムに強酸を作用させるとサリチル酸が遊離する。これをコルベ・シュミット反応という。

サリチル酸は天然にも広く認められ、植物(特に果実)内にメチルサリチレートの状態で存在している。植物では、サリチル酸がウイルスやバクテリアなど様々な病原微生物に対する抵抗性(全身獲得抵抗性)を誘導する鍵となる物質として働くことが知られる。分子生物学による植物免疫研究の対象である。