「Solaris」の版間の差分
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'''Solaris'''('''ソラリス''')は[[サン・マイクロシステムズ]]によって開発され、[[UNIX]]として[[Single UNIX Specification|認証を受けた]][[オペレーティングシステム]]である。[[オラクル (企業)|オラクル]]によるサン・マイクロシステムズ買収に伴い、現在の開発は同社が担っている。 |
'''Solaris'''('''ソラリス''')は[[サン・マイクロシステムズ]]によって開発され、[[UNIX]]として[[Single UNIX Specification|認証を受けた]][[オペレーティングシステム]]である。2010年1月27日の[[オラクル (企業)|オラクル]]によるサン・マイクロシステムズ買収に伴い、現在の開発は同社が担っている。 |
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[[プロプライエタリ・ソフトウェア]]であるが、コア部分は[[OpenSolaris]]として[[オープンソース]]化されている。 |
[[プロプライエタリ・ソフトウェア]]であるが、コア部分は[[OpenSolaris]]として[[オープンソース]]化されている。 |
2012年1月7日 (土) 04:51時点における版
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開発者 | オラクル |
---|---|
OSの系統 | UNIX |
開発状況 | 開発中 |
ソースモデル | オープンソース(ただし公開されていない部分もある。#ライセンス参照) |
初版 | 1992 |
最新安定版 | 11.11 / 2011年11月9日 |
プラットフォーム | SPARC、x86 (AMD64、EM64Tを含む)[1] |
カーネル種別 | モノリシックカーネル |
既定のUI | Java Desktop SystemまたはGNOME |
ライセンス | プロプライエタリ |
ウェブサイト | http://www.oracle.com/jp/products/servers-storage/solaris/index.html |
Solaris(ソラリス)はサン・マイクロシステムズによって開発され、UNIXとして認証を受けたオペレーティングシステムである。2010年1月27日のオラクルによるサン・マイクロシステムズ買収に伴い、現在の開発は同社が担っている。
プロプライエタリ・ソフトウェアであるが、コア部分はOpenSolarisとしてオープンソース化されている。
歴史
1990年代初頭、SunはBSDベースだったSunOS 4を UNIX System V Release 4 (SVR4)ベースのものに置き換えた(SVR4はAT&TとSunが共同で開発した)。 元々の名称はSunOS 5.0であったが、 Solaris 2という市場用の製品名もついていた。 遡ってSunOS 4.1.xもSolaris 1と呼ばれるようになったが、 ほとんどの場合Solarisという名前はSVR4ベースのSunOS 5.0以降のものにしか使われない。
SolarisはSunOSオペレーティングシステムに グラフィカル環境(デスクトップ環境を参照)や ONC+などのコンポーネントを加えたものとされている。 Solarisのリリース名にはSunOSのマイナーバージョン名が含まれていて、 例えばSolaris 2.4のコアにはSunOS 5.4が含まれている。 Solaris 2.6以降は"2."の部分がなくなっており、 Solaris 7はSunOS 5.7を、 最新のSolaris 10はSunOS 5.10をそれぞれコアとしている。
商業的な歴史についてはUNIX戦争を参照。
サポートされているアーキテクチャ
SolarisはSPARCアーキテクチャとx86アーキテクチャ(AMD64/EM64Tを含む)をサポートし、 両アーキテクチャで共通のコードベースを使用している。バージョン2.5.1ではPowerPCアーキテクチャ(PRePプラットフォーム)にも移植されたが、それ以降はリリースされていない。Itaniumのサポートは一度は計画されたが、市場導入には至っていない。x86システムでLinuxの実行ファイルをネイティブに実行できるようにするため、Solaris 10にLinux ABIを実装することが計画されている。
Solarisは多数のCPUを搭載したSMPマシンに適していると評されることが多い。またSolaris 7以降は一貫して64ビット SPARCアプリケーションをサポートしている。SolarisはSunのSPARCハードウェアと密接に統合されており、両者は互いに組み合わせで設計・販売されてきた。これにより信頼性の高いシステムを構築することができたが、PCハードウェアによるシステム(x86システム)に比較すると非常に高コストであった。とはいえ、x86システムもSolaris 2.1以降は一貫してサポートされてきており、また、最新のSolaris 10はAMD64を中心に設計されているため、AMD64アーキテクチャベースの64ビット CPUマシンを利用することもできる。
2009年現在、SunはハイエンドではSPARCサーバを中心としながら、ローエンドでは2〜16コアのAMD64ベースのワークステーションやサーバの販売にも重点をおいている。
デスクトップ環境
最初のSolarisのデスクトップ環境はOpenWindowsだったが、 Solaris2.5でCDEが採用され、 Solaris 10ではGNOMEベースのJava Desktop Systemとなっている。
また、有料版だけでなく無料版にも、ATOKやリコーフォント等の商用ソフトウェアが入っている。
ライセンス
Solarisのソースコードの一部は、OpenSolarisプロジェクトからCommon Development and Distribution License(CDDL)の下でオープンソースとして公開されている。 CDDLはOSIが承認したライセンスで、公開されているソースコードは、使用料が無料であり、無保証で非独占的な利用が可能である。頒布にあたって、ソフトウェアを実行可能なコード形式で提供する場合は、CDDLに従ってソースコードの提供が義務づけられており、CDDLのコピーを添付しなくてはならない。ただし、Free Software Foundationの GPLと似ている部分があるが、互換ではないと考えられている。
OpenSolarisは2005年6月14日にSolarisの開発コードから誕生し、 バイナリ版とソースコード版を無料でダウンロードできるようになった。 すでにXenサポート等の新しい機能が OpenSolarisプロジェクトに追加されており、 Sunは将来のSolarisはOpenSolarisから派生したものをリリースすると表明している。
OS本体を無料化する一方でパッチのダウンロードは一部が有料化されている。
OracleによるSun買収後の2010年4月に、90日の試用後は商用利用では有償のサポート契約が必須、個人利用、開発用途では無料。[1]
2010年8月以降、ソースコードをオープンにしながらの開発をやめ、snv_147というバージョン以降のソースコードの公開は停止している。 同時期にCDDLで公開されているSolarisのソースコードの一部をベースにある程度の互換性をもつコミュニティベースでオープンソースのIllumos Projectが派生している。このライセンスはCDDLを中心にBSDLで配布されているモジュールも含む。
バージョン
Solarisのバージョンは以下の通りである:
Solarisのバージョン | SunOSのバージョン | リリース日 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
Solaris 11 | SunOS 5.11 | 2011年11月9日 | IPS(新パッケージマネージャ)、COMSTAR(iSCSIターゲット)、Crossbow(ネットワーク仮想化)、ZFSの強化(重複排除機能、暗号化など)、Solaris Containersの強化(リソースの仮想化機能や、制限機能の強化)、その他 |
Solaris 10 | SunOS 5.10 | 2005年1月31日 | x64(AMD64/EM64T)サポート, DTrace (Dynamic Tracing), Solaris Containers, Service Management Facility (SMF), NFSv4, 最小特権セキュリティモデルの追加。sun4mアーキテクチャとクロックが200MHz以下のUltraSPARC Iプロセッサのサポート終了。EISAデバイス/EISAベースPCのサポート終了。Java Desktop System(GNOMEベース)をデフォルトのデスクトップとして採用。Solaris 10 1/06では、ブートローダとしてGRUBを採用(x86)、iSCSIサポート追加。Solaris 10 6/06ではZettabyte File System(ZFS)追加。 |
Solaris 9 | SunOS 5.9 | 2002年5月28日(SPARC), 2003年2月6日(x86) | iPlanet Directory Server, Resource Manager, Solaris Volume Manager, 拡張ファイル属性, Linux互換性サポートを追加。OpenWindowsの削除。sun4dアーキテクチャのサポート終了。最終リリースはSolaris 9 9/05。 |
Solaris 8 | SunOS 5.8 | 2000年2月 | マルチパスI/O、IPv6、IPsec。ロールベースアクセス制御(RBAC)を追加。sun4cアーキテクチャのサポート終了。最終リリースはSolaris 8 2/04。 |
Solaris 7 | SunOS 5.7 | 1998年11月 | 64-bit UltraSPARCのサポート。メタデータのロギング機能(UFS logging)追加。MCAサポートの終了(Intelプラットフォーム)。 |
Solaris 2.6 | SunOS 5.6 | 1997年7月 | Kerberos 5, PAM, TrueType fonts, WebNFS, 大規模ファイルサポート。 |
Solaris 2.5.1 | SunOS 5.5.1 | 1996年5月 | PowerPCプラットフォームをサポートする唯一のリリース。Ultra Enterpriseサポート追加。ユーザID・グループID(uid_t, gid_t)の32ビット化。 |
Solaris 2.5 | SunOS 5.5 | 1995年11月 | 最初のUltraSPARCのサポート。CDE, NFSv3, NFS/TCPのサポート。sun4(VME)のサポート削除。 |
Solaris 2.4 | SunOS 5.4 | 1994年11月 | SPARC/x86の最初の統合リリース。OSF/Motifランタイムをサポート。 |
Solaris 2.3 | SunOS 5.3 | 1993年11月 | OpenWindows 3.3がNeWSからDisplay PostScriptへ変更。SunViewサポートの削除(SPARCのみ)。 |
Solaris 2.2 | SunOS 5.2 | 1993年5月 | sun4dアーキテクチャのサポート追加。 |
Solaris 2.1 | SunOS 5.1 | 1992年12月(SPARC), 1993年5月(x86) | sun4/sun4mアーキテクチャのサポート追加。最初のx86版のリリース。 |
Solaris 2.0 | SunOS 5.0 | 1992年6月 | 準備的なリリース。sun4cアーキテクチャしかサポートしなかった。 |
Solaris 7はすでに出荷されていない。2008年8月までサポートされていた。 Solaris 8は2007年2月に出荷停止となったが、2012年3月末までサポートされる。 Solaris 2.6以前のバージョンはサポートされていない。
各バージョンの詳細は[2](英文)を参照。 リリース履歴はSolaris 2 FAQ[3](英文)にも記載がある。 サポート終了日は[4](英文)を参照。
現行のSolarisの特徴的な機能として、 DTrace・Doors・Service Management Facility・Solaris Containers ・Solaris Multiplexed I/O・Solaris Volume Manager・ZFSが挙げられる。
Solaris 10以降のアップデート履歴
アップデート名 | リリース日 | 主な変更・追加点 |
---|---|---|
Solaris 10 3/05 | 2005年3月 | Java Desktop System]、Unicode Version 4.0 サポートの追加、x86 システムにおける64 ビットのサポート及びSunVTS のサポートの追加 |
Solaris 10 1/06 | 2006年1月 | x86システムにおいてGrub ベースのブートへの変更、Sun Update Connectionの追加 |
Solaris 10 6/06 | 2006年6月 | ZFSの統合、PostgreSQL・RealPlayer等の標準添付、PDAサポートの追加。 |
Solaris 10 11/06 | 2006年11月 | |
Solaris 10 8/07 | 2007年8月 | |
Solaris 10 5/08 | 2008年5月 | |
Solaris 10 10/08 | 2008年10月 | |
Solaris 10 05/09 | 2009年5月 | |
Solaris 10 10/09 | 2009年10月 | |
Solaris 10 9/10 | 2010年9月 | |
Solaris 10 8/11 | 2011年9月 | Oracle Solaris 10 8/11 としてリリース。 |
この他、開発・早期評価版であるSolaris Expressでのリリースを区切りとして追加または変更されている機能が多数ある。各リリースの詳細な概要説明は Sun Microsystems Documentation Solaris 10の概要 を参照されたい。
開発リリース
Solarisのコードベースは1980年代後半に開発が開始されて以来、 絶え間ない改良が加えられてきた。 Solaris 10といった各々のバージョンは そのリリースの前後にメインの開発コードから切り放され、 リリース以降は派生プロジェクトとしてメンテナンスされる。 派生したプロジェクトに対する更新は 次の公式なメジャーリリースがあるまで年に数回行なわれる。
2006年現在では、開発版のSolarisはOpenSolarisから派生しており Nevadaと名付けられている。
2003年に新しいSolarisの開発プロセスが導入され、 Solaris Expressという名前で 開発版の月ごとのスナップショットをダウンロードできるようになった。 これによりだれでも新しい機能を試したり、 OSの品質・安定性をテストできるようになり、 次期の公式Solarisリリースを促進させることとなった。
Solaris ExpressはOpenSolarisプロジェクトよりも前に開始されたため、 もともとはバイナリのみを提供するプログラムであったが、 現在ではOpenSolaris開発者向けのSolaris Express: Community Releaseと呼ばれるバージョンが存在した(現在は配布をしていない)。
Solaris 11の機能先出し版として、2010年11月に、Solaris 11 Expressがリリースされている。
脚注
- ^ Solaris、ライセンス変更とSystem Z移植の中止
- ^ “SunOS & Solaris Version History”. UC Berkeley Open Computing Facility. 2006年9月10日閲覧。
- ^ Casper Dik (April 26, 2005). “What machines does Solaris 2.x run on?”. Solaris 2 FAQ. 2006年9月10日閲覧。
- ^ “EOSL - Solaris Operating System Retirement End Of Life Matrix”. Sun Microsystems, Inc. 2007年6月26日閲覧。