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TS抜き

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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TS抜きとは、地上デジタル放送BSデジタル放送をパソコンに録画するときにCCIを付加しないこと、およびそれができるチューナーを指す。

由来

TS抜きという言葉は、パソコンにテレビ番組を録画したときの形式がMPEG2-TSであることに由来する。語尾のTSを取ってTS抜きと呼ばれるようになった。

概要

日本のデジタル放送は無限にコピー(ダビング)されることを防ぐためCCIというコピー制御情報が付加されている。これを付加せずに録画することをTS抜きと言う。TS抜きができるチューナー(以下TS抜きチューナー)を用いて録画した番組は編集やダビング(コピー)にダビング10などが適用されず、自由にこれらのことが可能である。

経緯

TS抜きという言葉は、最初のTS抜きチューナー、Friioによって生まれた。このFriioは、まずデジタル放送に用いられる暗号化技術であるMULTI2の復号化は通常通り行い、その後CCIをかけず直接ディスクに映像を保存する仕組みであった。しかし、このFriioには当初MULTI2を復号化する機能自体はあったものの復号化するソフトウェアがなく復号化することはできなかった。その後、このMULTI2を復号化するソフトウェアが融有志により開発され、それをBonDriverと言った。これを皮切りに、様々なメーカーからTS抜きチューナーが発売された。

問題

B-CASカード問題

TS抜きチューナーもMULTI2の復号化は通常通り行わなければ映像を取り出すことができないため一部の例外を除きB-CASカードが必要である。しかしTS抜きチューナーは無限に録画番組のコピーやインターネットへのアップロードができてしまうテレビ業界にとっては不都合なチューナーである。そのためB-CASカード(以下カード)は付属していない。これを入手しようとして中古機器購入やカードの紛失を理由にカードを再発行しようとする事が多いが、これはB-CAS社との契約違反となる。

また、他の不要になった機器からカードを抜き取り使用することや中古のカードをインターネットオークションなどで購入して使用することも契約違反である。そのため事実上TS抜きチューナーを使用すること自体が契約違反となる。ただしあくまでも契約違反であり法律違反ではない。

B-CASカードを使用せずにTS抜きチューナーで視聴や録画などを行う事ができるソフトウェアも存在する。しかしこれらを使用すると法律に抵触する可能性があり、使用は自己責任で行うこと。

チューナー

TS抜きができるチューナーは各社から発売されており、一般の人でも簡単かつ通常のチューナーと同じくらいの価格で購入できる。

出典