コンテンツにスキップ

S.Yairi

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Touchatyleb (会話 | 投稿記録) による 2021年2月4日 (木) 08:09個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

S.yairi中国語: 雅依利)は、中華人民共和国の企業である大連龍音楽器有限公司が所有するギターブランド。本稿では、かつて同ブランドを有していた日本の企業である矢入楽器製造及び同社が所有していた同一のブランドについても言及する。

矢入楽器製造のS.Yairi

矢入楽器製造株式会社
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
愛知県名古屋市
設立 1935年
業種 製造業
事業内容 楽器の製造・販売
テンプレートを表示

矢入楽器製造株式会社は、かつて愛知県名古屋市に所在したアコースティックギターの製造会社で、自社ギターブランドであるS.Yairi(エスヤイリ)の製造・販売を行っていた。

概要

矢入楽器製作所(のちのヤイリギター)の創業者である矢入儀市の弟である矢入貞夫により1938年(昭和13年)に名古屋市で創業され、3年後となる1938年にギターの製造を開始した[1]マーティンを手本とし[2]谷村新司井上陽水など著名なミュージシャンにも愛用された。

1965年には貞夫の息子である矢入寛がアメリカ合唱国への3年間のギター留学を経て製造及び研究部門に加入することとなった[2]

1970年からはモーリス楽器製造アイルランドのローデンなど同業他社のOEM製造も手掛けた[3]

しかし、フォークソングブームに陰りが見えアコースティックギターの売り上げが落ち込むこととなり、1982年(昭和57年)に倒産した[4]

キョーリツコーポレーションのブランドとしてのS.Yairi

2000年(平成12年)に株式会社キョーリツコーポレーションにより、矢入寛による監修のもとS.Yairiブランドのが復活することとなった[5]。廉価モデルを中国製とし、高額なモデルは日本国内のギター製造メーカー製造を委託していた。

大連龍音楽器有限公司のブランドとしてのS.Yairi

大連龍音楽器有限公司
Dalian Longyin Musical Instruments co.,ltd
種類 株式会社
本社所在地 中華人民共和国の旗 中国
大連市大連経済技術開発区遼河東路118号
外部リンク 公式ウェブサイト
(英語)公式ウェブサイト
テンプレートを表示
大连龙音乐器有限公司
各種表記
繁体字 大连龙音乐器有限公司
簡体字 大連龍音樂器有限公司
英文 Dalian Longyin Musical Instruments co.,ltd
テンプレートを表示

矢入寛は2000年に大連nにて大連龍陰木製品有限公司を設立し、2003年3月26日に大連龍楽器有限公司を設立し、ギターの製造技術を現地の職人への教え始めた。[1]

その2年後となる2005年7月6日、S.Yairiブランドのギターが復活することとなり、同年10月より中国国内の楽器展覧会に出展されるようになり、そのブランドが認知されるようになった。[1]

その後S.Yairiブランドギターは有限公司キョーリツコーポレーションにより日本における販売を前提とされたものであったが、2009年に大連龍音楽器有限公司中華人民共和国国内における正式な販売総代理店となり、中華人民共和国内での販売が正式に開始されることとなった。[1]

略歴

K.Yairiブランド及びヤイリギターとS.Yairi

K.Yairiブランドを展開するヤイリギターは、その成立からS.Yairiブランドとは全く別のものである。当初のブランド所有者である矢入楽器製造はヤイリギターの親族による経営であったが、創業時から全く別の事業体である。ヤイリギターは「矢入楽器製造とは無関係であり、当時の代表の間でもお互いに干渉しないという約束が交わされている」としている[7]

また、キョーリツコーポレーションのブランドである現S.Yairiもヤイリギターとの関係は一切ない[7]

脚注

  1. ^ a b c d e S.Yairi 雅依利品牌介绍(中国語)”. 2021年1月23日閲覧。
  2. ^ a b Amazon.co.jpのS.Yairiショップページ”. 2021年1月23日閲覧。
  3. ^ S.Yairi英語サイトのaboutページ”. 2021年1月23日閲覧。
  4. ^ K.Yairiの偽物にご注意下さい”. 2021年1月23日閲覧。
  5. ^ S.Yairiについて(キョーリツコーポレーション)”. 2021年1月23日閲覧。
  6. ^ 矢入楽器製造株式会社の法人番号情報”. 2021年1月23日閲覧。
  7. ^ a b ヤイリギター製と誤解を与えるような表記の他社製品にご注意ください。”. 2021年1月23日閲覧。

外部リンク