コンテンツにスキップ

オルベテッロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オルベテッロ
Orbetello
オルベテッロの風景
プロモントリオから見たオルベテッロ
オルベテッロの紋章
紋章
行政
イタリアの旗 イタリア
トスカーナ州の旗 トスカーナ
県/大都市 グロッセート
CAP(郵便番号) 58010 58015
市外局番 0564
ISTATコード 053018
識別コード G088
分離集落 Albinia, Ansedonia, Fonteblanda, Giannella, Quattro Strade, San Donato, Talamone
隣接コムーネ #隣接コムーネ参照
公式サイト リンク
人口
人口 14186 人 (2024-01-01 [1])
人口密度 62.5 人/km2
文化
住民の呼称 Orbetellani
守護聖人 聖ビアージョ (San Biagio)
祝祭日 2月3日
地理
座標 北緯42度26分22秒 東経11度12分45秒 / 北緯42.43944度 東経11.21250度 / 42.43944; 11.21250座標: 北緯42度26分22秒 東経11度12分45秒 / 北緯42.43944度 東経11.21250度 / 42.43944; 11.21250
標高 3 (0 - 354) [2] m
面積 226.98 [3] km2
オルベテッロの位置(イタリア内)
オルベテッロ
オルベテッロの位置
グロッセート県におけるコムーネの領域
グロッセート県におけるコムーネの領域 地図
イタリアの旗 ポータル イタリア
テンプレートを表示

オルベテッロ: Orbetello)は、イタリア共和国トスカーナ州グロッセート県にある、人口約14,200人の基礎自治体コムーネ)。

ローマの北西約120kmに位置するオルベテッロの潟湖は、戦間期のイタリアにおいて水上飛行場として利用され、大西洋横断飛行の出発地などイタリア空軍の航空イベントの舞台となった。オルベテッロの集落は、潟湖中央の砂州上に立地する。

地理

[編集]

位置・広がり

[編集]

グロッセート県南部、マレンマ英語版地方に属するコムーネである。オルベテッロの集落は、県都グロッセートから南南東へ約37km、州都フィレンツェから南へ約148km、首都ローマから北西へ約120kmの距離にある。

コムーネの領域はティレニア海に面しており、南西部にはオルベテッロ潟英語版が広がっている。潟湖の対岸(プロモントリオ)はモンテ・アルジェンターリオである。

隣接コムーネ

[編集]

隣接するコムーネは以下の通り。

地勢

[編集]

本土側から、プロモントリオに向かって3本の砂州が伸びる。西北側(Giannella砂州)と東南側(Feniglia砂州)の2本によってプロモントリオと本土が結ばれており、もともとは島であったプロモントリオを陸繋島にしている。中央の砂州と堤防(土手道)によってオルベテッロ潟は2つに分けられており、西側の潟湖を Laguna di Ponente、東側の潟湖を Laguna di Levante と言う。オルベテッロ潟湖一帯は、重要な自然保護区であり、1976年にラムサール条約登録湿地となった[4]

気候分類・地震分類

[編集]

オルベテッロにおけるイタリアの気候分類 (itおよび度日は、zona C, 1260 GGである[5]。 また、イタリアの地震リスク階級 (itでは、zona 4 (sismicità molto bassa) に分類される[6]

主要な集落

[編集]

オルベテッロの中心集落はコムーネの南部、潟湖に突き出した中央の砂州の上に位置している。コムーネ中部、アルベーニャ川河口にはアルビニア (it:Albiniaの集落がある。

このほか、コムーネ北部の沿岸部にフォンテブランダ (it:Fonteblandaとタラモネ (it:Talamoneがある。コムーネ南部のアンセドニア (it:Ansedoniaは、ローマ共和政初期の植民市コーサ (Cosaに起源を持つ。また、コムーネ西部のプロモントリオ側にはジャンネッラ (it:Giannellaがある。

歴史

[編集]

古代

[編集]

オルベテッロはエトルリア人の居住地であった。植民市コーサ (Cosaを築いたローマ人は、紀元前280年頃にオルベテッロ一帯をその支配下に収めた。紀元前225年には、現在のタラモーネ付近で、ローマ人とガリア人テラモンの戦いが行われている。

中世・近世

[編集]

中世、オルベテッロはアルドブランデスキ家 (Aldobrandeschi familyの所領であり、14世紀にオルヴィエートに代わった。ピティリアーノオルシーニ家とオルヴィエートとの間に紛争が繰り返されたのち、シエーナ共和国の支配下に入った。16世紀の半ば、スペインの傀儡国家であるプレシディ領 (State of Presidiの一部となり、その首都がおかれた。

1646年には、西仏戦争中の戦闘であるオルベテッロの戦い (Battle of Orbetelloが、オルベテッロ潟周囲で行われた。

近代・現代

[編集]

その後トスカーナ大公国領となり、以後1860年のイタリア統一までその支配下にあった。

ファシスト政権下、オルベテッロ潟はイタリア空軍の重要な航空イベントの舞台となった。イタロ・バルボ空軍大臣自ら率いるサヴォイア・マルケッティ S.55の編隊は、1930年にはブラジルへの大西洋横断飛行 (it:Crociera aerea transatlantica Italia-Brasileに、1933年にはアメリカ合衆国への大西洋横断飛行 (it:Crociera aerea del Decennaleに、いずれもオルベテッロ潟から出発している。

社会

[編集]

人口推移

[編集]

自然・環境

[編集]

オルベテッロ潟英語版(Laguna di Orbetello)は、ラムサール条約の定める「国際的に重要な湿地」に登録されている[4]イタリアのラムサール条約登録地一覧も参照。

交通

[編集]
潟湖上の土手道を走るSS440。かつては鉄道が走っていた。
オルベテッロ=モンテ・アルジェンタリーオ駅
オルベテッロ=モンテ・アルジェンタリーオ駅

道路

[編集]

ピサとローマを結ぶ鉄道幹線で、欧州自動車道路としても指定されているSS1(国道1号線アウレリア街道)が市域を南北に縦貫する。ティレニア海の海岸沿いに南下したSS1は、潟湖東岸を走り、アンセドニア北方に至る。市域北部のアルビニアではSS1からSS74とSS323が分かれている。SS440はSS1から西へ分岐して砂洲上にあるオルベテッロの集落を貫き、ポルト・サント・ステーファノに至る。

欧州自動車道路
国道

鉄道

[編集]

ピサとローマを結ぶ鉄道幹線であるピサ=リヴォルノ=ローマ線が市域を南北に縦貫している。

かつて、オルベテッロ=モンテ・アルジェンタリーオ駅からは、モンテ・アルジェンターリオのポルト・サント・ステーファノやポルト・エルコーレとを結ぶ鉄道路線 (it:Ferrovia Orbetello-Porto Santo Stefanoがあったが、第二次世界大戦で破壊され、その後再建されなかった。

脚注

[編集]
  1. ^ Popolazione residente per sesso, età e stato civile al 1° gennaio 2024” (イタリア語). 国立統計研究所(ISTAT). 2024年5月20日閲覧。メニューでVista per singola areaを選択。Anno:2024, Ripartizione:Centro, Regione:Toscana, Provincia:Grosseto, Comune:Orbetello を選択
  2. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Popolazione residente - Grosseto (dettaglio loc. abitate) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2013年3月30日閲覧。
  3. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Superficie territoriale (Kmq) - Grosseto (dettaglio comunale) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2013年3月30日閲覧。
  4. ^ a b Laguna di Orbetello” (英語). Ramsar Sites Information Service. Ramsar Convention Secretariat. 2016年12月8日閲覧。
  5. ^ Tabella dei gradi/giorno dei Comuni italiani raggruppati per Regione e Provincia”. 新技術エネルギー環境局(ENEA) (2011年3月1日). 2017年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月20日閲覧。
  6. ^ classificazione sismica aggiornata al aprile 2023” (xls). https://rischi.protezionecivile.gov.it/it/sismico/attivita/classificazione-sismica/. イタリア市民保護局. 2023年12月16日閲覧。

外部リンク

[編集]