コンテンツにスキップ

オースゴールストラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
町並み
1950年から1965年まで使用されていた市章

オースゴールストラン (Åsgårdstrand) は、ノルウェーヴェストフォル県ホルテン英語版基礎自治体にある町。古くは独立した自治体の名称でもあった。

概要

[編集]

オスロ・フィヨルドの西岸にあり、オスロからは南に100km、ホルテンの町から10km南、トンスベルグから10km北に位置する。

2007年以降、観光都市の指定を受けている。これにより、海沿いの商店主は、週の全日店を開くことが許される。観光都市の指定を受けるためには、観光客の数が住民の数を大幅に上回る必要がある。

アート・ギャラリー、ホテル、小売店、カフェ、銀行、パブなどがある。夏季限定のバーやレストランなどもある。小学校が1校、幼稚園がいくつかある。

毎年6月には、夏至を祝って、海辺で花火大会が催される。

地名

[編集]

Åsgård農場(古ノルド語形はÁsgarðr)に属する浜(strand)という意味である。農場名のうちásは山の尾根という意味であり、garðrは農場という意味である。

歴史

[編集]
エドヴァルド・ムンク『夏の夜のオースゴールストラン』(1904年)。

オースゴールストランは、1650年からトンスベルグに属する商業中心地であり、1660年からはHolmestrandに属した。19世紀初頭からは、オランダなどへの材木の輸出港として栄えた。しかし、帆船時代の終わりに伴い、衰えた。

1837年、基礎自治体として成立した。初代首長は、商人・船主のAnders Riddervoldであった。

次第に、画家・芸術家が集まるようになり、1880年代からは、エドヴァルド・ムンククリスチャン・クローグハンス・ヘイエルダールなど、世界的に有名な画家たちが、ここを訪れたり、住んだりするようになった。芸術家たちにとっては、デンマークスカーゲン英語版と並んで人気の土地となった。

1920年代から、レジャー、レクリエーションの場所として人気が高まった。国内外から富裕層が訪れた。

1965年1月1日、オースゴールストラン自治体と、当時のBorre自治体ほかが統合されて、Borre基礎自治体となった。合併の時点で、オースゴールストラン自治体の人口は、わずか488人であり、ノルウェーで最小の基礎自治体であった。

著名な人物

[編集]
  • Hans Anton Apeness (1842–1930) オースゴールストラン出身の材木商。フランスカレーに、彼の名前を冠した通りがある。
  • Einar Thorstein Diesen (1894–1962) オースゴールストラン出身のキャスター。
  • Jahn Ekenæs (1847–1920) オースゴールストランに住んだ画家。
  • Øivin Holst Grimsgaard (1900–1989) オースゴールストラン生まれの建築家。
  • Hans Heyerdahl (1857–1913) オースゴールストランに住んだ画家。
  • Jens Kristensen (1975–) オースゴールストラン生まれのイラストレーター。
  • Per Lasson Krohg (1889–1965) オースゴールストラン生まれの画家。
  • Ingerid Paulsen Kuiters (1939–) オースゴールストラン在住のイラストレーター。
  • Svein Døvle Larssen (1928–) 地元紙Tønsbergs Bladの前編集者。
  • エドヴァルド・ムンク (1863–1944) オースゴールストランのサマーハウスで過ごした画家。
  • Ola Abrahamsson (1883–1980) オースゴールストランのサマーハウスで過ごした画家。オースゴールストランに、彼の名前を冠した通りがある。
  • Nils Johan Semb (1959–) 1998年から2003年まで、ノルウェーのナショナル・サッカー・チームのヘッド・コーチ。オースゴールストラン在住。

外部リンク

[編集]

座標: 北緯59度21分 東経10度28分 / 北緯59.350度 東経10.467度 / 59.350; 10.467