コンテンツにスキップ

ロバート・クラウアー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ロバート・ウェイン・クラウアーRobert Wayne Clower1926年2月13日 - 2011年5月2日)は、アメリカ合衆国経済学者ケインズ経済学の研究に関する理論家の代表的な1人。1986年より南カリフォルニア大学教授。(和文では、クラウワーと書く人もいる。)

略歴

[編集]

業績

[編集]
  • クラウアーのケインズ経済学に対する貢献は、ケインズ経済学のミクロ的基礎づけ英語版を提案したこと、ならびにケインズ経済を貨幣経済特有の不均衡過程であると捉え、二重決定仮説を提唱したことである。
  • ケインズ経済学のミクロ的基礎づけとは、ケインズ経済学の性質が各家計や各企業などのミクロ的な主体の行動から導き出されなければならないことを主張するものである。
  • また二重決定仮説とは、貨幣経済の下では、観念的な需要と実際の有効な需要とが乖離し、企業は自らの生産物に対する有効な需要が不足するために労働者を雇用することができないが、逆に労働者は自らの労働に対する有効な需要が存在しないために企業の生産物を購入することができないという悪循環に容易に陥ってしまうことを指摘したものである。クラウアーは、分権的な貨幣経済の自己組織化・自己調整能力を徹頭徹尾疑い続けた。

著作

[編集]
  • "An Investigation into the Dynamics of Investment", 1954, AER.
  • Introduction to Mathematical Economics, with D.W. Bushaw, 1957.
  • "On the Invariance of Demand for Cash and Other Assets" with M.L. Burnstein, 1960, RES.
  • "The Keynesian Counterrevolution: A theoretical appraisal", 1965, in Hahn and Matthews, editors, Theory of Interest Rates.
  • "A Reconsideration of the Microfoundations of Monetary Theory", 1967, Economic Inquiry.
  • "What Traditional Monetary Theory Really Wasn't?", 1969, Canadian JE.
  • "Say's Principle: What it means and doesn't mean", with A. Leijonhufvud, 1973, Intermountain ER.
  • "Reflections on the Keynesian Perplex", 1975, ZfN.
  • "The Coordination of Economic Activities: A Keynesian Perspective", with A. Leijonhufvud, 1975, AER.
  • "The Anatomy of Monetary Theory", 1977, AER.
  • "The Transactions Theory of the Demand for Money: A reconsideration", with P.W. Howitt, 1978, JPE.
  • "Economics as an Inductive Science", 1994, Southern EJ.
  • Economic Doctrine and Method, 1995.
  • "Taking Markets Seriously: Groundwork for a Post Walrasian macroeconomics", with P.W. Howitt, 1996, in Colander, editor, Beyond Microfoundations.

関連項目

[編集]