アリババと40人の盗賊
アリババと40人の盗賊(アラビア語: علي بابا、ペルシア語: علیبابا)は、『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)の中の話の一つである。
Maxfield Parrish(1909年)
主人公のアリババの「ババ」という語はアラビア語・ペルシャ語で「お父さん」の意である。
概要
『千夜一夜物語』は、18世紀のフランスの東洋学者アントワーヌ・ガランがフランス語に翻訳しヨーロッパに広く紹介されたが、『アリババと40人の盗賊』の話はその元となったアラビア語・ペルシャ語の原本が見当たらなかったことから、ガランの創作もしくは、アレッポのマロン派教徒から口伝えで聞いた物語を挿入したものという説がある。
あらすじ
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
貧乏な青年アリババは、山で薪を拾っている最中に四十人の盗賊たちが奪った宝を隠しているのを偶然目撃した。隠し場所の扉を塞ぐ岩が「開けゴマ」の言葉と共に開き、「閉じよゴマ」の言葉と共に閉じていく。その一部始終を見ていたアリババは早速隠れ家に忍び込み財宝を手に入れ家に帰った。
かくしてアリババは大金持ちになったが、アリババからその理由を無理矢理聞き出した大金持ちで強欲な彼の兄がその隠れ家に忍び込んだ。ところが宝に夢中になって扉を開ける合言葉を忘れてしまい、戻って来た盗賊たちに見つかりバラバラに切り刻まれて殺されてされてしまう。
アリババは、兄の死体を持ち帰り仕立て屋の老人に縫い合わせてもらい葬儀を行った。一方、宝と死体が持ち出されたことに気付いた盗賊たちは、もう一人の犯人を捜していた。そしてアリババにたどり着いた彼らは彼を殺そうとするが、逆に聡明な女奴隷モルジアナの機転で返り討ちにされてしまった。盗賊たちの財宝はアリババ達の手で貧しい人たちに分け与えられた。