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{{生物分類表
|色 = pink動物界
|名称 = キノドン犬歯<br>Cynodontia
|画像 = [[ファイル:Cynognathus_BWCynodontia2.jpgpng|250px|キノグナトゥス]]
|画像キャプション = [[キノグナトゥス]]の復元想像図
|地質時代 = [[ペルム紀]]後期
|地質時代2 = [[完新世]]([[現代 (時代区分)|現代]])
|界 = [[動物|動物界]] {{sname|en|Animal|Animalia}}
|門 = [[脊索動物|脊索動物門]] {{sname|en|Chordate|Chordata}}
|亜門 = [[脊椎動物|脊椎動物亜門]] {{sname|en|Vertebrate|Vertebrata}}
|階級なし = [[四肢動物単弓類|四肢動物上単弓綱]] {{sname|en|TetrapodSynapsid|TetrapodaSynapsida}}
|上目階級なし = [[弓類|]] {{sname|en|Synapsid|SynapsidaTherapsida}}
|目 = [[獣弓類|獣弓目]] {{sname||Therapsida}}
|目階級なし = [[獣歯類]] {{sname|en|Theriodont|Theriodontia}}
|亜目階級なし = '''キノドン亜目犬歯類''' [[w:Cynodont|Cynodontia]]
|学名 = '''Cynodontia'''<br />{{AU|[[リチャード・オーウェン|Owen]], [[1861年|1861]]}}
|和名 = 犬歯類 (けんしるい)
|下位分類名 = [[目 (分類学)|下目]] , [[科 (分類学)|科]]
|下位分類 = <center>本文参照</center>
* {{sname||Epicynodontia}}
** [[真犬歯類]] {{sname||Eucynodontia}}
*** [[プロバイノグナトゥス類]] {{sname||Probainognathia}}
}}
 
'''キノドン類'''(キノドンるい、'''Cynodont''' あるいはキノドン亜目、Cynodontia)は、[[四肢動物]] - [[単弓類|単弓綱]] - [[獣弓類|獣弓目]]の[[分類群]]の一つ。広義には[[哺乳類]]を含む。命名の成り立ちは「犬(cyn-)の歯(odont-)」。
'''キノドン類'''(キノドンるい、Cynodontia)あるいは'''犬歯類''' (けんしるい) は、[[獣歯類]]に属する[[脊椎動物]]の一群である。
 
==名称==
語源は「[[犬]](cyn-)の歯(odont-)」。
 
==進化史==
[[File:Skelton of Procynosuchus delaharpeae.jpg|thumb|240px|left|[[プロキノスクス]]の骨格標本。[[国立科学博物館]]の展示。]]
キノドン類は[[絶滅]]した[[ゴルゴノプス亜目]]および[[テロケファルス亜目]]とともに、[[獣歯類]]というクレードに分類される。その起源は[[古生代]][[ペルム紀]]後期、獣弓類テロケファルス亜目に近いグループから派生したといわれている。最も古いキノドン類は、2億4,800万年 - 2億4,500万年前に生息した''[[w:Charassognathus|Charassognathus]]''および[[ドヴィニア]]と呼ばれる生物であった。次いで現れたのが、[[プロキノスクス]]である。この生物は、[[カワウソ]]のように水中生活に適応していたのではないかといわれている。これらの種がペルム紀に生息していたが、他に圧されて目立つ存在ではなかった。主要なニッチは他の種に占められていたので、水際などへと生活の場を求めたと思われる。
<!--★英語版に「Charassognathus」という生物が最古のキノドン類であるとありました。どなたか翻訳出来る方、訳をお願いします-->
 
ペルム紀末から[[三畳紀]]初頭にかけ([[P-T境界]])、[[パンゲア大陸]]の完成の影響により発生した超大型の[[ホットプルーム]]「スーパー・プルーム」がドーム状の押し上げとなって地上に達することでシベリアに大噴火が起こり、これによって大規模な環境破壊が引き起こされた。地上は高温にさらされ、それまで30%近くあった酸素濃度が大きく低下した。この[[大量絶滅]]によって地球上の生命の9割が淘汰された。高温を避け、低酸素の環境にも耐える能力を持った生物のみ([[気嚢]]システムを持つ鳥の祖先である[[恐竜]]のさらなる祖先含む)が地上では生きながらえること出来できたのだった。それには穴居性が大きく関わっていると思われる。同じく生き延びた[[ディキノドン類]]も、こうした性質を持つものがいた。
 
絶滅を免れたキノドン類は、空白となった生態系を埋めるべく、速やかに適応放散していった。[[トリナクソドン]]などのガレサウルス類は、腹部の[[肋骨]]を退化させ、[[腹式呼吸]]を行うことができる[[横隔膜]]を獲得していた。これによりかれらは低酸素の環境を乗り切ること出来できたと思われる。このグループの特徴としては、進化するにつれ頭頂孔が消失し、後頭顆が1対となる。肋骨が胸部のみになり、胸腔と腹腔に分かれる。また、不完全ながらも直立歩行を獲得している、などである。そしてもう一つ。顎を構成する骨のうち、歯骨の拡大が大きく進んだことが挙げられる。
 
特に進化した種では、この骨が関節骨と[[方形骨]]によって構成された顎関節に接触、鱗状骨([[側頭骨]]の一部)との新たな関節が形成されている。後の哺乳類などを含む、ユーキノドン類である。その中から、[[キノグナトゥス]]など有力な捕食者や[[ディアデモドン]]、[[トラベルソドン]]など植物食に適したもの、小型で哺乳類に似た[[トリティロドン類]]、イクチドサウルス類などが現れている。三畳紀を通じて複数の系統で何度も大型化しており、肉食の種では前期に[[キノグナトゥス]]や[[ガレサウルス]]、中期には[[チニクオドン]]、後期では [[トルシキノドン]] が発見されている。植物食の種では前期から中期に[[ディアデモドン]]、中期 - 後期に[[エクサエレトドン]]が発見されている。
 
この傾向が更に進み、関節骨と[[方形骨]]が顎から外れ、[[耳小骨]]となっているのが哺乳類である。かつてはこの顎関節の特徴により哺乳類が定義されていたが、近年は原始的なグループが外され、[[哺乳形類]]とされるようになった。最古の哺乳類(哺乳形類?)といわれる[[アデロバシレウス]]は、2億2500万年前に生息していた。しかし、三畳紀後期、再び中程度の大量絶滅が地球を襲い、キノドン類は[[トリティロドン類]]や哺乳類など、ごく少数の系統を除いて絶滅した。
 
[[ジュラ紀]]以降、キノドン類は大型動物の[[ニッチ]]を[[恐竜]]など大型[[爬虫類]]に奪われ、小型のままであった。ただし、[[中生代]]においても、数の上では哺乳類は恐竜を大きく上回っていたと考えられている。その一方で、[[オリゴキフス]]等のトリティロドン科は次第に数を減らしていく。そして[[白亜紀]]前期、石川県で発見された歯の化石が、その最後の記録である。ちなみに、カナダの6,000万年前の地層から「{{仮リンク|クロノペラテス|en|Chronoperates}}(時の放浪者)」と呼ばれる、キノドン類のものと思われる顎の断片が発見されている。しかし否定的な意見もあり、その正体は不明のままとなっている。
 
それ以降については、[[哺乳類]]の項を参照。
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==特徴==
[[ファイル:Bienotherium yunnanense.JPG|thumb|left|[[ビエノテリウム]]頭部骨格]]
キノドン類は、現在の哺乳類が持つ特徴の大半をすでに有していた。異歯性は顕著であり、頭蓋骨は後頭部でオーバーハングしている。また、すでに初期段階において体毛を獲得していたと思われる。また、テロケファルスを除く獣弓類には存在しなかった骨性二次口蓋も、初期段階においてすでに獲得していた。これは、咀嚼と同時に呼吸が出来できことを示している。つまり、それだけ大量の酸素を必要としていたわけであり、すでに彼らは恒温性を獲得しつつあったのではないかと思われる。これは、身体を丸め、眠った姿のまま化石化したキノドン類の化石からもえる。彼らのその姿勢は現在の小型哺乳類と同様、体温を逃さぬためのものだったと思われる。初期獣歯類であるゴルゴノプス類の化石の吻部にすでに[[洞毛]]の痕跡が認められることからも、すでにかれらは[[体毛]]も獲得していたと思われる。
 
=== 骨格の特徴 ===
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: ごく初期の種では一個であるが切れ込みが入っている。中期以降の種は一対。
; 下顎
: 歯骨が拡大し、筋突起が発達する。[[哺乳形類]]以降の種は、歯骨のみとなる。中期以降の種では、二生歯性となる。これは、咀嚼機能が発達し、上下の歯が杵と臼のように働かねばならなくなったためと思われる。
; 顎関節
: 初期の種は[[方形骨]]と関節骨で形成されているが、チニクォドン科では歯骨と麟状骨が接触して二重関節となる。哺乳形類以降は[[方形骨]]と関節骨は顎関節から外れ、ジュラ紀の哺乳類においてそれぞれ[[砧骨]]と[[槌骨]]へと変化している。
; 骨性二次口蓋
: ペルム紀の種では、中央に溝があるなど不完全。三畳紀以降は左右が完全に癒合。
57 ⟶ 65行目:
: [[肩甲骨]]・[[前烏口骨]]・[[烏口骨]]・[[上鎖骨]]・[[鎖骨]]・[[間鎖骨]]の6種の骨からなる。このうち、肩甲骨と烏口骨が内骨格性肩帯の主要な構成要素となっていく([[主竜類]]の系統では肩甲骨と前烏口骨)。後、哺乳類段階で上鎖骨、[[獣亜綱]]に至る段階で前烏口骨、間鎖骨が消失。烏口骨が肩甲骨に癒合している。
; [[脊柱]]
: [[トリナクソドン]]段階において、[[頸椎]]のうち[[環椎]][[棘突起]]が縮小。[[軸椎]]との干渉が無くなり頭部の回転が可能になった。また、胸部以外の[[肋骨]]が縮小。頸椎、[[胸椎]]、[[腰椎]]などへの分化の途上にある。腰部の肋骨が縮小したことで、胴をねじること出来できようになった。
; [[四肢]]
: 初期の種では、爬行あるいは中腰という形態をとる。[[腰帯]]に関しては、ガレサウルス類およびユーキノドン類においては、不完全ながらも直立歩行を獲得した。ただし、[[肩帯]]は未だ[[上腕骨]]が垂直には遠い位置にある。これが垂直になるのは哺乳類段階に入ってからである。
 
==習性==
少なくない種類が地下に巣穴を掘って暮らしており、中には複数の巣穴がまとまって発見された事例もある<ref>Vertebrate burrow complexes from the Early Triassic Cynognathus Zone (Driekoppen Formation, Beaufort Group) of the Karoo Basin, South Africa(Gideon H Groenewald:2001)</ref>。
 
==系統==
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===下位分類===
 
[[ファイル:Procynosuchus BW.jpg|thumb|rigth|[[プロキノスクス]]]]
 
[[ファイル:Thrinaxodon BW.jpg|thumb|rigth| [[トリナクソドン]]]]
 
[[ファイル:Exaeretodon BW.jpg|thumb|rigth|[[エクサエレトドン]]]]
 
[[ファイル:Tritylodon BW.jpg|thumb|rigth|[[トリティロドン]]]]
 
[[ファイル:Oligokyphus BW.jpg|thumb|rigth|[[オリゴキフス]]]]
[[ファイル:Diademodon.jpg|thumb|[[ディアデモドン]]]]
 
* †[[w:Charassognathus|Charassognathus]]
* †[[ドヴィニア科]] [[w:Dviniidae|Dviniidae]] : [[ドヴィニア]]
* †[[プロキノクス科]] [[w:Procynosuchidae|Procynosuchidae]] : [[プロキノスクス]]
* Epicynodontia
** †[[ガレサウルス科]] [[w:Galesauridae|Galesauridae]]
87 ⟶ 98行目:
**** [[キノグナトゥス科]] [[w:Cynognathidae|Cynognathidae]] : [[キノグナトゥス]]
**** ディアデモドン科 (Diademodontidae):[[ディアデモドン]]
**** [[トリラコドン]]科 (Trirachodontidae)
**** [[トラヴァーベルソドン科]] [[w:Traversodontidae|Traversodontidae]] : [[トラヴァーベルドン]] , [[エクサエレトドン]]
**** [[トリティロドン科]] [[w:Tritylodontidae|Tritylodontidae]] : [[オリゴキフス]] , [[トリティロドン]]
*** [[プロバイグナトゥス類]] [[w:Probainognathia|Probainognathia]]
**** †Lumkuia
**** †[[w:Ecteninion|Ecteninion]]
**** †[[チニクドン科]] [[w:Chiniquodontidae|Chiniquodontidae]]
**** †[[プロバイグナトゥス科]] [[w:Probainognathidae|Probainognathidae]]
**** †[[イクチドサウルス類]] [[w:Ictidosauria|Ictidosauria]]
***** [[トリテレドン科]] [[w:Tritheledontidae|Tritheledontidae]]
100 ⟶ 111行目:
***** [[哺乳類]] [[w:Mammal|Mammalia]]
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
 
==参考文献==
{{Wikispecies|Cynodontia|キノドン亜目}}
{{Commonscat|Cynodontia|キノドン亜目}}
* [[金子隆一 (SFサイエンスライター)|金子隆一]] 『哺乳類型爬虫類 : ヒトの知られざる祖先』 [[朝日新聞社]]〈朝日選書〉、1998年、ISBN 4-02-259709-7。
* [[遠藤秀紀]] 『哺乳類の進化』東京大学出版会、2002年、ISBN 978-4-13-060182-5。
* [[富田幸光]]文、伊藤丙雄、岡本泰子イラスト 『絶滅哺乳類図鑑』 [[丸善]]、2002年、ISBN 4-621-04943-7。
* J・C・マクローリン作・画 『消えた竜 : 哺乳類の先祖についての新しい考え』 [[小畠郁生]]・平野弘道訳 [[岩波書店]]、1982年。
* https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0218791 (三畳紀後期から発見された肉食性キノドン類について)
* https://twitter.com/rex_toyo/status/1057233986068537345?s=19 (キノドン類の四肢について)
 
{{Paleo-stub}}
==参考文献==
* [[金子隆一 (SF)|金子隆一]] 『哺乳類型爬虫類 : ヒトの知られざる祖先』 [[朝日新聞社]]〈朝日選書〉、1998年、ISBN 4-02-259709-7。
* 遠藤秀紀 『哺乳類の進化』東京大学出版会、2002年、ISBN 978-4-13-060182-5。
* 富田幸光文、伊藤丙雄、岡本泰子イラスト 『絶滅哺乳類図鑑』 [[丸善]]、2002年、ISBN 4-621-04943-7。
* J・C・マクローリン作・画 『消えた竜 : 哺乳類の先祖についての新しい考え』 小畠郁生・平野弘道訳 [[岩波書店]]、1982年。
 
{{DEFAULTSORT:きのとんるい}}
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[[Category:獣弓目]]
[[Category:獣歯類]]
[[Category:1861年に記載された化石分類群]]
{{Paleo-stub}}
 
[[ca:Cinodont]]
[[da:Cynodontia]]
[[de:Cynodontia]]
[[el:Κυνοδόντια]]
[[en:Cynodont]]
[[es:Cynodontia]]
[[fi:Kynodontit]]
[[fr:Cynodontia]]
[[gl:Cynodontia]]
[[hu:Cynodontia]]
[[it:Cynodontia]]
[[nl:Cynodonten]]
[[pl:Cynodonty]]
[[pt:Cinodontia]]
[[ru:Цинодонты]]
[[simple:Cynodont]]
[[zh:犬齒獸亞目]]