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これまでの巨大ロボットでは、多くの場合コックピットが頭部にあったが、MSのコックピットはほとんどが腹部にあるとされた。これについて、『機動戦士ガンダム』の設定考証を担当したスタジオぬえの[[松崎健一]]は、「人型」にともなう重心位置の関係で、運動しているときに一番動きの少ない部位であるからとしている。ただし一方で、敵から見た場合には狙いやすく、頭部と腹部のどちらがよいのかは実際にMSを造って乗ってみないと分からないと述べている{{Sfn|ロマンアルバム劇場版|1981|p=100}}。
 
モビルスーツの性能といえば現在ではエンジンである核融合炉の出力(=パワー) を表す「ジェネレーター出力」、ロケット噴射などの推進力(=移動力)を現す「スラスター推力」などが代表的なもので、その他にも「センサー有効範囲」、「全高·頭頂高」などがある。 実は、これらの設定は最初から存在していたわけではなく、「[[機動戦士Zガンダム]]」ではじめて登場したものである。「[[機動戦士ガンダム]]」が制作されていた頃には、作品世界観の考証は、裏設定という形で存在したが、モビルスーツ単体の性能の設定を作ることはそれほど重視されておらず、「最高出力2万5千馬力」や、「地上最高歩行速度100キロ」 といったような、子供向けの本や玩具用の設定が一応作られていた程度だった。しかし、高校生~大学生といった高年齢層であったガンダムのファンたちはそれでは飽きたらず、放映終了後もムック「[[ガンダムセンチュリー]]」(みのり書房刊)などをはじめとして積極的にあらゆる設定の考証がなされ、ガンダムを語る上での一つのジャンルとなっていった。このような状況で、よりリアリティのある再デザインされたのが『Zガンダム』という続編を作ってからだった。MSの「出力」に関する数値設定も「kW」という単位で再創作された。それ以降、ガンダムシリーズの他の作品でもモビルスーツのスペックにはより細分化されているが、概ね『Zガンダム』で作られたスペック項目をベースに作成されている<ref>ガンダムの常識 Z&ZZ編 226-227頁 ガンダムあれこれ編 双葉社 (ISBN 978-4-575-30123-6)</ref>。
 
== 宇宙世紀のモビルスーツ ==
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{{機動兵器
|名称=モビルワーカー01式<br />MOBILE WORKER MODEL 01
|型式番号=MW-01<ref name="MECHA0201">{{Cite web|和書|url=http://www.gundam-the-origin.net/mechanical/0201.html|title=MECHANICAL 第2話 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト|publisher=[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]|accessdate=2018-01-01}}</ref>
|全高=16.7m(初・後期型<ref name="MECHA0201" />・土木重機型<ref name="hj1910付録-74">「機動戦士ガンダム モビルスーツ大図鑑[宇宙世紀編]Vol.1」『ホビージャパン』2019年10月号付録、ホビージャパン、74頁。</ref>)
|頭頂高=13.88m(初・後期型)<ref name="MECHA0201" /><br />13.9m(コロニー塗装仕様)<ref name="hj1910付録-74" /><br />15.0m(最後期型)<ref name="MECHA0301">{{Cite web|和書|url=http://www.gundam-the-origin.net/mechanical/0301.html|title=MECHANICAL 第3話 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト|publisher=サンライズ|accessdate=2018-01-01}}</ref>
|全幅=14.6m(初・後期型)<ref name="MECHA0201" /><br />14.4m(土木重機型)<ref name="hj1910付録-74" /><br />63.1m(コロニー塗装仕様)<ref name="hj1910付録-74" /><br />11.4m(最後期型)<ref name="MECHA0301" />
|搭乗者=オルテガ(初期型)<br />マッシュ(後期型)<br />ランバ・ラル(後期型)<br />シャア・アズナブル(土木重機型)
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{{機動兵器
|名称=ブグ<br />BUGU
|型式番号=MS-04<ref name="MECHA0400">{{Cite web|和書|url=http://www.gundam-the-origin.net/mechanical/0400.html|title=MECHANICAL 第4話 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト|publisher=サンライズ|accessdate=2018-01-01}}</ref>
|頭頂高=17.5m<ref name="MECHA0400" />
|全幅=9.3m<ref name="MECHA0400" />
|武装=MS用マシンガン<ref name="HG_BUGU">{{Citation|title=プラモデル「ブグ(ランバ・ラル機)」付属解説書|publisher=バンダイ|series=1/144スケールモデル HG ORIGIN}}</ref><br />ヒート・ホーク<ref name="HG_BUGU" /><br />シールド<ref name="HG_BUGU" /><br />MS用バズーカA2型<ref name="MECHA0501">{{Cite web|和書|url=http://www.gundam-the-origin.net/mechanical/0501.html|title=MECHANICAL 第5話 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト|publisher=サンライズ|accessdate=2018-01-01}}</ref><br />ザクII用シールド×2(ククルス機)
|搭乗者=ランバ・ラル<br />ククルス・ドアン
}}
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: 一年戦争において、宇宙世紀における主力兵器の座を確立したMSは、その後も発展を続けていく。以下に述べる第5世代までのMSを、その後の[[#第2期モビルスーツ|第2期MS]]に対して「第1期MS」と呼ぶ{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。
:; {{Anchors|第1世代モビルスーツ}}第1世代モビルスーツ
:: のちの第2世代MSの登場に際し、それ以前のMSが分類されたものである{{Sfn|ジ・アニメΖ1|1985|p=96-97}}。機体構造は、ジオン公国軍が開発したMSは(フレームレス・)[[モノコック]]、連邦軍のMSは[[モノコック#航空機|セミ・モノコック]]を採用している{{Sfn|センチュリー|1981|p=4541}}。後者のほうがやや構造重量が大きいものの、装甲板がいくつかの共通パネルに分割されているため、交換が容易である{{Sfn|センチュリー|1981|p=4541}}。
:: 装甲材は、公国軍MSはおもに超硬スチール合金(「超[[高張力鋼]]」とも呼ばれるが、前者に名称統一されている{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=449-451}})が使用されているが、連邦軍のV作戦によって開発されたMSにはより堅牢な[[ガンダリウム合金#ルナ・チタニウム合金|ルナ・チタニウム合金]]が採用され、同機体群の高性能化の一端を担っている。しかし、量産には向かない材質であるため、ジムなどほかの機体にはチタン・セラミック複合材が使用されている{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=449-451}}。
:; {{Anchors|第2世代モビルスーツ}}第2世代モビルスーツ
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:; {{Anchors|第4世代モビルスーツ}}第4世代モビルスーツ
:: 飛躍的に出力の向上した熱核反応炉と{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}、メガ・コンデンサーによる直結型メガ粒子砲{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=76}}(ハイ・メガ・キャノン{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}})を搭載した[[ニュータイプ]] (NT) パイロット対応MSを指す{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}。[[サイコミュ]]の安全性が高く、高度なNT能力をもたないパイロットにも操縦可能な点も条件として挙げられる{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}。[[ネオ・ジオン#アクシズ(ネオ・ジオン)|ネオ・ジオン]]軍が開発した[[ドーベン・ウルフ]]や[[ネオ・ジオンの機動兵器#ゲーマルク|ゲーマルク]]を代表に{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}、0088-0089年の[[第一次ネオ・ジオン抗争]]後半に登場する大型MS群がこれに該当する{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}。敵対する[[エゥーゴ]]側では、[[サイコミュ#バイオセンサー|バイオセンサー]]を搭載した[[ΖΖガンダム]]がこれに当たるが{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}、同機は第3世代MSの要素も満たしている{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=76}}。第3世代MSと同様に、コストと運用上の問題からそのほとんどがワンメイク機であるが{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}、以降も戦局を決定する戦闘に投入されている{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=42}}。なお、0093年の[[第二次ネオ・ジオン抗争]]に実戦参加した[[νガンダム]]や[[サザビー (ガンダムシリーズ)|サザビー]]は第4世代MSであるとする説と、第2世代MSとする説がある{{Efn2|第4世代ともいわれるがNT専用の第2世代であるとする資料{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}、第4世代の傑作機とする資料{{Sfn|ガンダム事典|2007|p=115}}、直結式大出力メガ粒子砲内蔵の有無からνガンダムを第2世代、サザビーを第4世代とする資料がある{{Sfn|ファクトファイル73|2006|p=23-26}}。}}。
:: その性能は「怪物」「恐竜的進化」といっていいものであるが、高コスト化と機体の複雑化という問題も露見しており、第一次ネオ・ジオン抗争後には生産性や整備性の面から開発例が激減{{Sfn|MSバイブル40|2020|pp=26-31}}。主力MSはシンプルな第2世代タイプに回帰している{{Sfn|MSバイブル40|2020|pp=26-31}}。
:; {{Anchors|第5世代モビルスーツ}}第5世代モビルスーツ
:: 小型化された[[ミノフスキー粒子#ミノフスキー・クラフト|ミノフスキー・クラフト]]を搭載し、非変形での単独飛行を可能としたMSを指す{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。0105年に実戦投入された[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#Ξガンダム|Ξガンダム]]と[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#ペーネロペー|ペーネロペー]]がこれに当たる{{Sfn|ガンダム事典|2007|p=120}}。大気圏内でのMSの運用を一変させると考えられていたが、破格の高コストや機体の著しい大型化のために普及していない{{Sfn|MSヒストリカ5|p=32}}。
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:: なお、第2期MSを第5世代MSに分類する資料もある{{Sfn|ファクトファイル91|2006|p=23-26}}。
; 第2期モビルスーツ
: 宇宙世紀0100年代以降、新規に開発された15メートル級の小型MSを指す{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。宇宙世紀0120年代から少なくとも0150年代までは、第2期MSが主力となっている。開発経緯については、{{See|[[ヘビーガン#設定解説|ヘビーガン(設定解説)]]|[[ガンダムF90 (架空の兵器)#設定解説|ガンダムF90(設定解説)]]}}
: スペック面の特徴としては、旧来型MSより小型かつ軽量な機体、高出力なジェネレーターとスラスター、旧来機に劣らない火力型MSの兵装などがある。これらによりパワーウェイトレシオ([[#スペック(諸元)|後述]])や姿勢制御バーニアの搭載数では第1期MSを上回っている。結果、第2期MSは旧来型MSと同等以上の火力を維持しつつ、より強力なパワーや機動・運動性を発揮したする{{Sfn|週刊MSバイブル18|2019|p=18}}。
: 技術的には、[[ビームシールド]]や[[ミノフスキー粒子#改良型ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉|改良型ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉]]が標準的装備として普及した他、[[サイコフレーム#マルチプル・コンストラクション・アーマー|MCA構造]]、マイクロハニカム技術、そして[[ガンダムF91#バイオ・コンピューター|バイオ・コンピューター]]など[[サナリィ]]が[[フォーミュラ計画|Fシリーズ]]に採用した高度革新技術も次第に標準化されたようである{{Sfn|週刊MSバイブル18|2019|p=24}}。
; その後のモビルスーツ
: 0169年を舞台とする漫画『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム#機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST|機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]』では、コロニー間の紛争状態の長期化によってMSの製造や維持が難しくなっており、既存の第1期・第2期MSの数機種を「ミキシング・ビルド」したものが主流となっている。{{main|[[機動戦士クロスボーン・ガンダムの登場兵器#DUST|機動戦士クロスボーン・ガンダムの登場兵器 (DUST)]]}}
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また、上記までのように手足で操作するのではなく、[[サイコミュ]]を介することによってパイロットの思考をダイレクトに機体モーションへと反映するシステムを搭載した[[Ζガンダム#Ζガンダム3号機P2型(レッド・ゼータ)|レッド・ゼータ]]、[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]、ユニコーンガンダムなどの機体も開発されている。
 
宇宙世紀0105年を描いた劇場アニメ『[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ]]』では、MSには「ニュータイプは存在しない」「ニュータイプが生まれる要素を少しでも排除する」という(連邦軍側の)意図が反映され、AIによる操縦補助が進められている{{Sfn|ハサウェイメカ&ワールド|2022|p=92}}。AIロックモードでは、AIが敵機との距離を逆算してロックオンが可能になるまでの時間を算出し(全天周囲モニターにはバーの長さで表示される)、ロック前段階で戦術的に優先される攻撃順を指示(提案)するため、パイロットはそれに従って攻撃するだけでよい{{Sfn|ハサウェイメカ&ワールド|2022|p=92}}。ただし、より素早く、精度の高い操作を求めるパイロット([[ハサウェイ・ノア]]など)は、このAI機能をオフにしている{{Sfn|ハサウェイメカ&ワールド|2022|p=92}}。
そして『[[機動戦士ガンダムF91]]』で描かれる宇宙世紀0123年には、バイオ・コンピューターを用いることでセンサー情報を直接的にパイロットに伝達、パイロットの記憶や感情を取り込む思考制御だけでなく、パイロットが求める情報を機体側からパイロットのイメージへと直感的に提示する双方向性機能を持つ、[[フォーミュラ計画#ガンダムF91|ガンダムF91]]が[[サナリィ]]において開発されるに至っている。また同年代における[[アナハイム・エレクトロニクス]]では、[[クロスボーン・バンガード]]から技術提供を受けたネオ・サイコミュにより、上述のレッド・ゼータやユニコーンガンダムと同様に手足を使わずに操作が可能な[[シルエットフォーミュラプロジェクト#ネオガンダム|ネオガンダム(1号機)]]を開発している。
 
そして『[[機動戦士ガンダムF91]]』で描かれる宇宙世紀0123年には、バイオ・コンピューターを用いることでセンサー情報を直接的にパイロットに伝達、パイロットの記憶や感情を取り込む思考制御だけでなく、パイロットが求める情報を機体側からパイロットのイメージへと直感的に提示する双方向性機能を持つ、[[フォーミュラ計画#ガンダムF91|ガンダムF91]]が[[サナリィ]]において開発されるに至っている。また同年代における[[アナハイム・エレクトロニクス]]では、[[クロスボーン・バンガード]]から技術提供を受けたネオ・サイコミュにより、上述のレッド・ゼータやユニコーンガンダムと同様に手足を使わずに操作が可能な[[シルエットフォーミュラプロジェクト#ネオガンダム|ネオガンダム(1号機)]]を開発している。
 
=== 武装 ===
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『[[機動戦士ガンダムSEED]]』、『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』の舞台となる「[[コズミック・イラ]]」の世界において、モビルスーツの元となった起源は人類初の[[コーディネイターとナチュラル|コーディネイター]]である[[機動戦士ガンダムSEEDの登場人物#ジョージ・グレン|ジョージ・グレン]]が木星探査船「[[コズミック・イラの艦船およびその他の兵器#ツィオルコフスキー|ツィオルコフスキー]]」に搭載した外骨格補助動力装備の宇宙服とされている<ref>『1/144 HG モビルジン』バンダイ、2003年4月発売、組立説明書。</ref>。
 
それ以前にはやはり人間に装着する[[パワードスーツ]]が戦場で活躍していたが<ref name="novelastray1">千葉智宏『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 1』角川スニーカー文庫、2003年9月1日初版発行、162-163頁。(ISBN 4-04-429701-0)</ref>、[[コズミック・イラ|C.E.]]65年になるとザフトは史上初のMS試作1号機「[[ジン (ガンダムシリーズ)#ザフト設定解説|ザフト]]」{{Refnest|group="注"|この名称は、バンダイ『1/100 MGフリーダムガンダム』付属解説書の記述による<ref>『マスターグレード 1/100 フリーダムガンダム』バンダイ、2004年7月発売、組立説明書。</ref>。}}を完成させる。C.E.70年2月14日の血のバレンタイン事件によって地球軍の核の脅威を認識したザフトがNJを実戦投入したことにより、以降(NJの電波妨害効果によって)有視界での戦闘が主体となり、有視界接近戦用兵器MSが戦闘の主力となることが想定され、MSの研究開発が進められていった<ref>『電撃データコレクション 機動戦士ガンダムSEED 上巻』メディアワークス、2004年10月15日初版発行、74-76頁。(ISBN 4-8402-2817-5)</ref>。
 
[[コズミック・イラ#第1次連合・プラント大戦(C.E.70-72)|第1次連合・プラント大戦]]における[[プラント (ガンダムシリーズ)|プラント]]と[[地球連合 (ガンダムシリーズ)|地球連合]]との対立激化の中で、プラントの軍事組織[[プラント (ガンダムシリーズ)#ザフト|ザフト]]は新兵器としてモビルスーツ「[[ジン (ガンダムシリーズ)|ジン]]」を実戦投入した。その後の両者の衝突においてモビルスーツ1機で[[モビルアーマー#『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ|モビルアーマー]]3機ないし5機の戦力に匹敵するとされている<ref>『機動戦士ガンダムSEED MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年7月1日初版発行、10-13頁。(ISBN 978-4-7580-1108-2)</ref>。またザフトは、四足獣型モビルスーツである[[バクゥ]]、[[バクゥ#ラゴゥ|ラゴゥ]]や水陸両用型モビルスーツ[[ザフトの機動兵器#グーン|グーン]]、[[ザフトの機動兵器#ゾノ|ゾノ]]を開発しており、それらのモビルスーツは局地での戦闘で大きな戦果をあげている。
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=== 操作(ガンダムSEED) ===
コズミック・イラのモビルスーツに関して、作中においてレバーやペダルを用いた描写が確認できる。一方で、『ガンダムSEED』第28話劇中シーン(リマスター版26話)や小説版における該当の場面で、キラ・ヤマトが語るところによれば、[[シナプス#電気シナプス|シナプス]]融合による[[ブレイン・マシン・インターフェース|神経接続]]によを行って操縦いると説明されており、新しい量子サブルーチンを構築したことやイオンポンプの分子構造を書き換えたことでナチュラルでは戦闘が行われえなかったM1アストレイが運用可能となっている<ref>後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED 4 舞い降りる剣』角川スニーカー文庫、2003年11月1日初版発行、335-336頁。(ISBN 4-04-429104-7)</ref>{{Refnest|name="ce-bmi"|group="注"|ガンダムSEED第28話劇中シーンで、キラ・ヤマトが語るところによる}}。この、コズミック・イラのモビルスーツにおいては生体組織を模したバイオ系コンピュータが使用されているとした説明もみられる<ref name="SEEDの理"/>{{Refnest|group="注"|設定を担当した森田繁は、作中で「[[脳幹]]が高温で溶ける」、「[[リンゲル液]]で冷却する」といった旨の台詞は取り入れたものの、掘り下げる事は無かったと語っている<ref name="SEEDの理">森田繁「SEEDの理」『月刊ニュータイプ』2004年2月号、角川書店、36-39頁。</ref>。}}。[[コーディネイターとナチュラル|コーディネイター]]の身体能力を基準に造られたザフト製のモビルスーツは、大半のナチュラルでは元々戦闘における運用実績が無いこともあって操作が困難であった。ナチュラルがナチュラル用OSを搭載していないMSを操縦できないのは、インターフェイスの複雑さ故に、常人の脳神経が持つ処理能力ではその膨大なパイロットワークをこなせないからであり、操縦を可能にするにはシステムのイオンポンプを神経接続速度をナチュラルのそれに合わせてやらねばならない{{Refnest|name="ce-bmi"|group="注"|}}<ref group="注">アニメ『ガンダムSEED』第2話では([[:en:Central_pattern_generator|CPG]]の再設定ができなかったため)イオンポンプを制御モジュールに直結することによって戦闘可能なレベルまで調整したが、そのデータを見たムウからは「あんなもんが俺に……てか、普通の人間に扱えるかよ!」と評されている
 
アニメ『ガンダムSEED』第2話ではOSが未完成であった[[ストライクガンダム]]に対し、[[:en:Central_pattern_generator|CPG]]の再設定ができなかったため疑似皮質のイオンポンプを制御モジュールに直結することによって戦闘可能なレベルまで調整したが、そのデータを見たムウからは「あんなもんが俺に……てか、普通の人間に扱えるかよ!」と評されている。
 
また、第28話では新しい量子サブルーチンを構築することにより[[M1アストレイ]]側の代謝速度を40%向上させる事で対応させた。第27話においては同じインターフェイスであれば、その操縦能力は高度な脳神経を持つコーディネイターがナチュラルを圧倒する事をエリカ・シモンズが「明々白々なことである」と語っている。しかし、ナチュラルのクローンであるクルーゼがエースパイロットと呼ばれるほどの腕前を持っていたり、映像作品ではない「公式外伝」であるASTRAYシリーズでは、作業目的ならばナチュラルにでも問題なく操作が出来、また訓練よってコーディネイターと遜色ない戦闘を行う事が出来る事が描写されている。</ref>ほか、[[人工知能]]によるアシスト<ref>プラモデルキット「HG ガンダムアストレイ レッドフレーム(フライトユニット装備)」解説</ref>や予め動作パターンを入力し、システム側がパイロットに対応する<ref>千葉智宏『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 1』角川スニーカー文庫、2003年9月1日初版発行、188-189頁。(ISBN 4-04-429701-0)</ref>等幾つかの補助手段を講じる必要性がある。そのため[[地球連合 (ガンダムシリーズ)|地球連合軍]]は[[ストライクガンダム|ストライク]]の実戦データをもとに[[コーディネイターとナチュラル|ナチュラル]]でも操作できるモビルスーツのOS(オペレーティングシステム)を開発するまで、モビルスーツ普及に支障をきたすこととなる。他の世界観のモビルスーツも[[人工知能]]などによる操作補助がなされているとされるが、コズミック・イラ作品群では特にOSなどを重要な要素として描いている。
 
その一方、全ての操作が神経接続のみによって行われているわけではなく,機体の起動をはじめ、[[フェイズシフト装甲]]やNジャマーキャンセラーのオンオフ、ビーム兵器のトリガー、スラスターの出力等のような人体にはない挙動に関しては物理的なインターフェース{{Refnest|作中描写では、機体の起動およびPS装甲やNジャマーキャンセラーのオンオフは点灯によりオンオフ状態が分かる正方形状の物理ボタン、ビーム兵器のトリガーはスラストレバーに取り付けられた物理ボタン、スラスターはスラストレバーおよびペダル、自爆は右側リストレストに収納されたテンキーによって行われていた。また、物理キーボードも搭載されており、キラやアスランはOSの調整、シンはインパルスの合体シーケンスに使用していた。|group="注"}}を用いている。
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** {{Cite book|和書 |date=1985-08-25 |title=ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム |publisher=近代映画社 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ジ・アニメΖ1|1985}} }}
** {{Cite book|和書 |author=皆川ゆか|authorlink=皆川ゆか|date=2007-11-16 |title=講談社コミックボンボンデラックス 総解説ガンダム事典 ガンダムワールドU.C.編 |publisher=講談社 |isbn=978-4-06-372390-8 |ref={{SfnRef|ガンダム事典|2007}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2022-08-03 |title=グレートメカニックスペシャル 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ メカニック&ワールド |publisher=双葉社 |isbn=978-4-575-46536-5 |ref={{SfnRef|ハサウェイメカ&ワールド|2022}} }}
*分冊百科
** {{Cite book|和書 |date=2004-09-21 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=[[デアゴスティーニ・ジャパン]] |volume=第1号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ファクトファイル1|2004}} }}
539 ⟶ 548行目:
** {{Cite book|和書 |date=2019-04-23 |title=週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル |publisher=デアゴスティーニ・ジャパン |volume=第10号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|週刊MSバイブル10|2019}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2019-06-18 |title=週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル |publisher=デアゴスティーニ・ジャパン |volume=第18号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|週刊MSバイブル18|2019}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2020-03-31 |title=週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル |publisher=デアゴスティーニ・ジャパン |volume=第40号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|週刊MSバイブル40|2020}} }}
* 雑誌
** {{Cite journal |和書 |journal=月刊OUT |issue=1981年4月号 |publisher=みのり書房 |ref={{SfnRef|OUT04|1981}} }}
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** {{Citation|和書 |date=1984-03 |title=1/144 MS-06F ザクマインレイヤー |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|1/144マインレイヤー|1984}} }}
* ウェブサイト
** {{Cite web |和書|author=[[小田雅弘]] |url=https://tamashii.jp/special/kaihatsuhiroku/zeon/ms-05b.html |title=MS-05B ザクI MS開発秘録 | ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E. |website=魂ウェブ |publisher=創通・サンライズ |accessdate=2022-11-24 |ref={{SfnRef|MS開発秘録ザクI|2022}} }}
 
== 関連項目 ==