削除された内容 追加された内容
 
(17人の利用者による、間の40版が非表示)
10行目:
名称は、当初「パワードスーツ」をそのまま使う案もあったが訴訟の懸念もあり、すでに決定していた「機動戦士」という単語の「機動(モービル)」に「スーツ」を付け、間延びを解消するために縮めて「モビルスーツ」とされた{{Sfn|ガンダムエイジ|1999|p=64-65}}。この名称は、富野が自分で造ったと[[高千穂遥]]との雑誌対談で述べている{{Sfn|OUT04|1981|p=52}}。
 
サイズは、当初はパワードスーツと同様に2.5メートル程度が想定されたが、子供にアピールできないとして大型化された。18メートルという身長は、元祖巨大ロボットである[[マジンガーZ]]に戻しただけであるが、当時は[[超電磁ロボ コン・バトラーV|コン・バトラーV]](57メートル)や[[惑星ロボ ダンガードA|ダンガードA]](200メートル)などさらに巨大なロボットが主流であったため、兵器として十分リアルに思えるのではないかと考えられた。また、ほかのメカとの兼ね合いで「絵」として見せられる限界の大きさでもあった{{Sfn|ガンダムエイジ|1999|p=64-65}}。
 
また、MS同士が同じ画面の中で戦う理由付けとして、レーダーを使用不能にする[[ミノフスキー粒子]]が設定された。
 
これまでの巨大ロボットでは、多くの場合コックピットが頭部にあったが、MSのコックピットはほとんどが腹部にあるとされた。これについて、『機動戦士ガンダム』の設定考証を担当したスタジオぬえの[[松崎健一]]は、「人型」にともなう重心位置の関係で、運動しているときに一番動きの少ない部位であるからとしている。ただし一方で、敵から見た場合には狙いやすく、頭部と腹部のどちらがよいのかは実際にMSを造って乗ってみないと分からないと述べている{{Sfn|ロマンアルバム劇場版|1981|p=100}}。
 
モビルスーツの性能といえば現在ではエンジンである核融合炉の出力(=パワー) を表す「ジェネレーター出力」、ロケット噴射などの推進力(=移動力)を現す「スラスター推力」などが代表的なもので、その他にも「センサー有効範囲」、「全高·頭頂高」などがある。 実は、これらの設定は最初から存在していたわけではなく、「[[機動戦士Zガンダム]]」ではじめて登場したものである。「[[機動戦士ガンダム]]」が制作されていた頃には、作品世界観の考証は、裏設定という形で存在したが、モビルスーツ単体の性能の設定を作ることはそれほど重視されておらず、「最高出力2万5千馬力」や、「地上最高歩行速度100キロ」 といったような、子供向けの本や玩具用の設定が一応作られていた程度だった。しかし、高校生~大学生といった高年齢層であったガンダムのファンたちはそれでは飽きたらず、放映終了後もムック「[[ガンダムセンチュリー]]」(みのり書房刊)などをはじめとして積極的にあらゆる設定の考証がなされ、ガンダムを語る上での一つのジャンルとなっていった。このような状況で、よりリアリティのある再デザインされたのが『Zガンダム』という続編を作ってからだった。MSの「出力」に関する数値設定も「kW」という単位で再創作された。それ以降、ガンダムシリーズの他の作品でもモビルスーツのスペックにはより細分化されているが、概ね『Zガンダム』で作られたスペック項目をベースに作成されている<ref>ガンダムの常識 Z&ZZ編 226-227頁 ガンダムあれこれ編 双葉社 (ISBN 978-4-575-30123-6)</ref>。
 
== 宇宙世紀のモビルスーツ ==
『機動戦士ガンダム』をはじめとする「[[宇宙世紀]]」を舞台とする作品において、モビルスーツの「スーツ (SUIT)」は "'''S'''pace '''U'''tility '''I'''nstruments '''T'''actical"(戦術汎用宇宙機器) の略とされる{{Sfn|センチュリー|1981|p=13}}{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=36-37}}{{Efn2|『[[ガンダムセンチュリー]]』で設定された。なお、同書発行直前に公開された劇場版のパンフレットでは、MSの和訳・意訳として「機動宇宙服」{{Sfn|劇場版第1作パンフ|1981}}あるいは「宇宙白兵戦用重機動宇宙服」{{Sfn|哀戦士編パンフ|1981}}が表記されていた。}}。なお、モビルスーツという名称に対して、人間が着用する[[宇宙服]]全般(パイロットスーツ含む)は「'''[[ノーマルスーツ]]'''」と呼称する{{Sfn|ガンダム大事典アニメック|1981|p=122}}。
 
宇宙世紀0065年、[[サイド (ガンダムシリーズ)#サイド3(ムンゾ)|サイド3]]の[[サイド (ガンダムシリーズ)#スペース・コロニー|スペース・コロニー]]国家である[[ジオン公国]]において、レーダーや誘導兵器を使用不能にする[[ミノフスキー粒子]]の特殊効果が発見される{{Sfn|DC一年戦争編|1996|p=63}}。公国軍は0071年に同粒子の散布下における新型兵器の開発に着手{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=63}}、国防省は各兵器メーカーに対して開発を命じている{{Sfn|センチュリー|1981|p=34-36}}{{Efn2|国内に点在する各種工業機器メーカーに秘匿案件として提案要請がおこなわれたとする資料や{{Sfn|MS開発秘録ザクI|2022}}、民間企業に多くの技術士官を派遣し、軍の要求する高性能兵器を民間の大量生産技術で即座に生産する体制を整え、グラナダ工廠など多くの軍需工場を民間企業に開放・払い下げをおこなったとする資料もある{{Sfn|ファクトファイル1|2004|p=15-16}}。}}。いくつかのシステムが提示されるが、要求性能を満たすのは[[宇宙世紀の企業#ジオニック|ジオニック]]社の[[#クラブマン|ZI-XA3]]と、[[宇宙世紀の企業#MIP|MIP]]社の[[ビグロ#MIP-X1|MIP-X1]]のみであった{{Sfn|センチュリー|1981|p=34-36}}。「人型」であるZI-XA3は、テストを視察した[[ザビ家#ギレン・ザビ|ギレン・ザビ]]の冷笑を買ったともいわれるが、総合性能においてMIP-X1を凌ぎ、国防省はZI-XA3の採用を決定する{{Sfn|センチュリー|1981|p=34-36}}。0073年に{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=63}}「モビルスーツ」の呼称とMS-01の型式番号を与えられ、表向きは新型の宇宙用作業機とされるが、引き続き実戦タイプの開発が命じられる{{Sfn|センチュリー|1981|p=34-36}}。開発の要点として、単機での一定の作戦行動時間の維持、移動に関わる動力供給と配置バランス、四肢の稼働をより円滑におこなうための補機設計に絞られる{{Sfn|MS開発秘録ザクI|2022}}。
29 ⟶ 31行目:
; XC
: バンダイの[[アンソロジーコミック]]『[[サイバーコミックス]]01.』(1988年)および『ガンダムジェネレーション1』(1990年)掲載の年表および漫画「STAMPEDE ミノフスキー博士物語」に登場(型式番号:'''X-91''')。
: 宇宙世紀0050年に[[アメリカ航空宇宙局]] (NASA) が開発したとされる人型機動兵器で、[[AMBAC]]システムのテストベッドとされ、航空機を人型にしたような外観である。頭部はザクIIに似ており、AMBAC制御により推進剤をほとんど消費しないためステルス性が高いとされ、のちにジオン軍に接収されたといわれる。なお、機体名称のXCは「ザク」と読み、ザクの名はここから取られているという。
; MS-00
: 『サイバーコミックス』01.および『ガンダムジェネレーション1』掲載の年表に登場。
53 ⟶ 55行目:
『ガンダムセンチュリー』の文字設定が初出で、名称は旭屋出版発行の書籍『機動戦士ガンダム 劇場用アニメ第1作 [[フィルムコミック]]』による{{Sfn|旭屋フィルムコミック1|1996|p=272}}。外観は「初期のMS」としてそれらしいイラストがいくつか発表されているが、いずれも前出の[[#大型二足歩行機|大型二足歩行機]]をイメージソースとしている。明確にZI-XA3/MS-01とされたものとしては、[[ムック (出版)|ムック]]『G20 volume.2』でモデラーの東海村原八が[[#ZI-XA2|ZI-XA2]]や[[ザクI#プロトタイプザク|アーリー・ザク]]とともにデザイン・立体化したものがあり{{Sfn|G20 vol2|1998|p=14-17}}。分冊百科『週刊ガンダム・ファクトファイル』でもこれをもとにしたイラストが掲載された(イラスト:木下ともたけ){{Sfn|ファクトファイル1|2004|p=15-16}}。
 
ジオニック社が建築作業用補機として製造する外骨格人型重機をベースに全高10数メートルの人型装甲作業機のプランを提出、承認と同時に試作機の開発を開始する{{Sfn|MS開発秘録ザクI|2022}}。構想から5年{{Sfn|MSVザク編|1984|p=68}}、研究開始から2年後の{{Sfn|MS大全集2003|2003|p=7-8}}宇宙世紀0073年{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=63}}1月<ref name="dev">『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』巻末付録。</ref>に完成。MIP-X1との性能テストでは、宇宙空間での性能こそ一歩譲るものの、アステロイド要塞、月面およびコロニー内において高性能を示し、総合性能では既存の宇宙戦闘機や陸戦兵器をも凌駕しているおり{{Sfn|センチュリー|1981|p=34-36}}、MS-01として採用される。一方で、ZI-XA3は空間作業機として開発され、これに高出力エンジンを取り付けフレームを強化、バーニア・スラスターと火器管制システムを追加して新兵器としたものがMS-01 クラブマンであるとする資料もある{{Sfn|旭屋フィルムコミック1|1996|p=272}}。
 
MSとしての機構はこの時点でほぼ完成しているが、核融合炉の小型化が間に合わず、既存の小型核融合炉を流用している(核分裂型の原子炉ともいわれる{{Sfn|センチュリー|1981|p=34-36}})ため、本体に収まりきらずに背面にはみ出すような形となっている{{Sfn|ファクトファイル1|2004|p=15-16}}。実験機の領域を出るものではなく、ジオニック社はサイド3や月などの関連企業や下請け会社に改良をおこなわせるなどして技術の向上を図っていく{{Sfn|ファクトファイル21|2005|p=23-24}}。
69 ⟶ 71行目:
 
==== MS-04 ====
『ガンダムセンチュリー』の文字設定が初出。要求に対して性能が十分でないと見なされたMS-03に、新型熱核反応炉の搭載をはじめとする改良を加えたもの{{Sfn|センチュリー|1981|p=34-36}}。{{Main|ザクI#プロトタイプザク}}
 
要求に対して性能が十分でないと見なされたMS-03に、新型熱核反応炉の搭載をはじめとする改良を加えたもの{{Sfn|センチュリー|1981|p=34-36}}。{{Main|ザクI#プロトタイプザク}}
{{clear}}
 
80行目:
{{機動兵器
|名称=モビルワーカー01式<br />MOBILE WORKER MODEL 01
|型式番号=MW-01<ref name="MECHA0201">{{Cite web|和書|url=http://www.gundam-the-origin.net/mechanical/0201.html|title=MECHANICAL 第2話 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト|publisher=[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]|accessdate=2018-01-01}}</ref>
|全高=16.7m(初・後期型<ref name="MECHA0201" />・土木重機型<ref name="hj1910付録-74">「機動戦士ガンダム モビルスーツ大図鑑[宇宙世紀編]Vol.1」『ホビージャパン』2019年10月号付録、ホビージャパン、74頁。</ref>)
|頭頂高=13.88m(初・後期型)<ref name="MECHA0201" /><br />13.9m(コロニー塗装仕様)<ref name="hj1910付録-74" /><br />15.0m(最後期型)<ref name="MECHA0301">{{Cite web|和書|url=http://www.gundam-the-origin.net/mechanical/0301.html|title=MECHANICAL 第3話 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト|publisher=サンライズ|accessdate=2018-01-01}}</ref>
|全幅=14.6m(初・後期型)<ref name="MECHA0201" /><br />14.4m(土木重機型)<ref name="hj1910付録-74" /><br />63.1m(コロニー塗装仕様)<ref name="hj1910付録-74" /><br />11.4m(最後期型)<ref name="MECHA0301" />
|搭乗者=オルテガ(初期型)<br />マッシュ(後期型)<br />ランバ・ラル(後期型)<br />シャア・アズナブル(土木重機型)
138行目:
{{機動兵器
|名称=ブグ<br />BUGU
|型式番号=MS-04<ref name="MECHA0400">{{Cite web|和書|url=http://www.gundam-the-origin.net/mechanical/0400.html|title=MECHANICAL 第4話 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト|publisher=サンライズ|accessdate=2018-01-01}}</ref>
|頭頂高=17.5m<ref name="MECHA0400" />
|全幅=9.3m<ref name="MECHA0400" />
|武装=MS用マシンガン<ref name="HG_BUGU">{{Citation|title=プラモデル「ブグ(ランバ・ラル機)」付属解説書|publisher=バンダイ|series=1/144スケールモデル HG ORIGIN}}</ref><br />ヒート・ホーク<ref name="HG_BUGU" /><br />シールド<ref name="HG_BUGU" /><br />MS用バズーカA2型<ref name="MECHA0501">{{Cite web|和書|url=http://www.gundam-the-origin.net/mechanical/0501.html|title=MECHANICAL 第5話 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト|publisher=サンライズ|accessdate=2018-01-01}}</ref><br />ザクII用シールド×2(ククルス機)
|搭乗者=ランバ・ラル<br />ククルス・ドアン
}}
157行目:
: 一年戦争において、宇宙世紀における主力兵器の座を確立したMSは、その後も発展を続けていく。以下に述べる第5世代までのMSを、その後の[[#第2期モビルスーツ|第2期MS]]に対して「第1期MS」と呼ぶ{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。
:; {{Anchors|第1世代モビルスーツ}}第1世代モビルスーツ
:: のちの第2世代MSの登場に際し、それ以前のMSが分類されたものである{{Sfn|ジ・アニメΖ1|1985|p=96-97}}。機体構造は、ジオン公国軍が開発したMSは(フレームレス・)[[モノコック]]、連邦軍のMSは[[モノコック#航空機|セミ・モノコック]]を採用している{{Sfn|センチュリー|1981|p=4541}}。後者のほうがやや構造重量が大きいものの、装甲板がいくつかの共通パネルに分割されているため、交換が容易である{{Sfn|センチュリー|1981|p=4541}}。
:: 装甲材は、公国軍MSはおもに超硬スチール合金(「超[[高張力鋼]]」とも呼ばれるが、前者に名称統一されている{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=449-451}})が使用されているが、連邦軍のV作戦によって開発されたMSにはより堅牢な[[ガンダリウム合金#ルナ・チタニウム合金|ルナ・チタニウム合金]]が採用され、同機体群の高性能化の一端を担っている。しかし、量産には向かない材質であるため、ジムなどほかの機体にはチタン・セラミック複合材が使用されている{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=449-451}}。
:; {{Anchors|第2世代モビルスーツ}}第2世代モビルスーツ
165行目:
:; {{Anchors|第4世代モビルスーツ}}第4世代モビルスーツ
:: 飛躍的に出力の向上した熱核反応炉と{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}、メガ・コンデンサーによる直結型メガ粒子砲{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=76}}(ハイ・メガ・キャノン{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}})を搭載した[[ニュータイプ]] (NT) パイロット対応MSを指す{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}。[[サイコミュ]]の安全性が高く、高度なNT能力をもたないパイロットにも操縦可能な点も条件として挙げられる{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}。[[ネオ・ジオン#アクシズ(ネオ・ジオン)|ネオ・ジオン]]軍が開発した[[ドーベン・ウルフ]]や[[ネオ・ジオンの機動兵器#ゲーマルク|ゲーマルク]]を代表に{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}、0088-0089年の[[第一次ネオ・ジオン抗争]]後半に登場する大型MS群がこれに該当する{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}。敵対する[[エゥーゴ]]側では、[[サイコミュ#バイオセンサー|バイオセンサー]]を搭載した[[ΖΖガンダム]]がこれに当たるが{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=46}}、同機は第3世代MSの要素も満たしている{{Sfn|EBグリプス戦争編|1989|p=76}}。第3世代MSと同様に、コストと運用上の問題からそのほとんどがワンメイク機であるが{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}、以降も戦局を決定する戦闘に投入されている{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=42}}。なお、0093年の[[第二次ネオ・ジオン抗争]]に実戦参加した[[νガンダム]]や[[サザビー (ガンダムシリーズ)|サザビー]]は第4世代MSであるとする説と、第2世代MSとする説がある{{Efn2|第4世代ともいわれるがNT専用の第2世代であるとする資料{{Sfn|MS回顧録|1999|p=205}}、第4世代の傑作機とする資料{{Sfn|ガンダム事典|2007|p=115}}、直結式大出力メガ粒子砲内蔵の有無からνガンダムを第2世代、サザビーを第4世代とする資料がある{{Sfn|ファクトファイル73|2006|p=23-26}}。}}。
:: その性能は「怪物」「恐竜的進化」といっていいものであるが、高コスト化と機体の複雑化という問題も露見しており、第一次ネオ・ジオン抗争後には生産性や整備性の面から開発例が激減{{Sfn|MSバイブル40|2020|pp=26-31}}。主力MSはシンプルな第2世代タイプに回帰している{{Sfn|MSバイブル40|2020|pp=26-31}}。
:; {{Anchors|第5世代モビルスーツ}}第5世代モビルスーツ
:: 小型化された[[ミノフスキー粒子#ミノフスキー・クラフト|ミノフスキー・クラフト]]を搭載し、非変形での単独飛行を可能としたMSを指す{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。0105年に実戦投入された[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#Ξガンダム|Ξガンダム]]と[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#ペーネロペー|ペーネロペー]]がこれに当たる{{Sfn|ガンダム事典|2007|p=120}}。大気圏内でのMSの運用を一変させると考えられていたが、破格の高コストや機体の著しい大型化のために普及していない{{Sfn|MSヒストリカ5|p=32}}。
170 ⟶ 171行目:
:: なお、第2期MSを第5世代MSに分類する資料もある{{Sfn|ファクトファイル91|2006|p=23-26}}。
; 第2期モビルスーツ
: 宇宙世紀0100年代以降、新規に開発された15メートル級の小型MSを指す{{Sfn|DC Vガンダム|1999|p=66-67}}。宇宙世紀0120年代から少なくとも0150年代までは、第2期MSが主力となっている。開発経緯については、{{See|[[ヘビーガン#設定解説|ヘビーガン(設定解説)]]|[[ガンダムF90 (架空の兵器)#設定解説|ガンダムF90(設定解説)]]}}
: スペック面の特徴としては、旧来型MSより小型かつ軽量な機体、高出力なジェネレーターとスラスター、旧来機に劣らない火力型MSの兵装などがある。これらによりパワーウェイトレシオ(出力重量比。単位重量あたりの出力・推力[[#スペック(諸元)|後述]])や姿勢制御バーニアの搭載数では第1期MSを上回っている。結果、第2期MSは旧来型MSと同等以上の火力を維持しつつ、より強力なパワーや機動・運動性を発揮したする{{Sfn|週刊 ガンダム・モビルスーツ・MSバイブル18|2019|p=18}}。
: 技術的には、[[ビームシールド]]や[[ミノフスキー粒子#改良型ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉|改良型ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉]]が標準的装備として普及した他、[[サイコフレーム#マルチプル・コンストラクション・アーマー|MCA構造]]、マイクロハニカム技術、そして[[ガンダムF91#バイオ・コンピューター|バイオ・コンピューター]]など[[サナリィ]]が[[フォーミュラ計画|Fシリーズ]]に採用した高度革新技術も次第に標準化されたようである{{Sfn|週刊MSバイブル18|2019|p=24}}。
; その後のモビルスーツ
: 0169年を舞台とする漫画『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム#機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST|機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]』では、コロニー間の紛争状態の長期化によってMSの製造や維持が難しくなっており、既存の第1期・第2期MSの数機種を「ミキシング・ビルド」したものが主流となっている。{{main|[[機動戦士クロスボーン・ガンダムの登場兵器#DUST|機動戦士クロスボーン・ガンダムの登場兵器 (DUST)]]}}
177 ⟶ 179行目:
: 0223年を舞台とする実写ドラマ『[[G-SAVIOUR]]』ではMSが運用されており、頭頂高は第2期MSよりやや大型の16-18メートル程度となっている。主推進器(スラスター)推力が以前のMSより格段に上昇しており、特殊なシステムを用いずに単独での長時間飛行が可能となっている。また、議会軍の主力MSである[[G-SAVIOURの登場兵器#ブグ/BUGU|ブグ]]には腰部のフロント・アーマーに外装式推進機を追加装備するためのジョイントが設置されている{{Sfn|小説Gセイバー上|2000|p=211}}。
: また、MSを無人機化したモビル・ウェポン (MW) の運用が試みられている。同型のMS(有人機)を隊長機とし、その司令をもとに自律行動をとる{{Sfn|小説Gセイバー上|2000|p=135-138}}。本編ののちの出来事を描いたゲーム版『G-SAVIOUR』に登場する[[G-SAVIOURの登場兵器#レイブン|レイブン]]は、ほぼ完全な単独自律行動がおこなえる。
 
=== スペック(諸元) ===
高さや重量、ジェネレーター出力、スラスター推力といったスペック表記は、その機動兵器の性能傾向を示している。戦闘での優劣に影響を与える数値の一覧ではあるが、勝敗は状況による部分も大きく絶対的な指針ではない{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
 
MSのスペックは、基本的には所有する政府や軍が公表しているものだが、公的なアナウンスを行わない傾向にある反連邦組織の所属MSの場合、開発企業や情報を入手した連邦政府(軍)が公表、またはリークすることもある。時代や区分によってスペック表の項目は異なるが、頭頂高、本体重量、全備重量、ジェネレーター出力、スラスター推力、装甲材質、武装はほぼ例外なく公表(リーク)される。スペックは、戦略環境やドクトリンの変化により時代ごとに重視される項目も異なっている。それでも「頭頂高と本体重量は小さく、出力・推力は大きいほどいい」とされるのが一般的である{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
 
; 頭頂高・全高
: 頭頂高は足底から頭部の先端まで(人間の身長に相当)、全高は頭頂部より高い位置にあるパーツを含む高さである。全高は頭部アンテナなどを含む場合と含まない場合があり、一定していない{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
: 頭頂高は被発見率や被弾率に直結する数値である上、重量の大小にもつながるため、小さい方が望ましい{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
; 本体重量・全備重量
: 本体重量はMSそのものの重量、全備重量は戦闘装備時の重量。ザクIIやガンダムのように複数の装備形態がある機体の全備重量は、標準装置時のものとされる{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
: 全備重量から本体重量を引いた数値は「[[ペイロード (航空宇宙)|ペイロード]](積載量)」を示す。この数値が大きいほど重武装か、あるいは作戦行動時間が長い傾向になる。第4世代MSまでは20~30t前後、第2機MSは10前後という例が多い{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
; ジェネレーター出力
: ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉の出力。非MS機動兵器の場合、旧型核融合炉や燃料電池の出力を示すこともある。この数値が高いMSは、パワーや搭載ビーム兵器の出力に秀でる傾向にある{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
: ΖガンダムやΖΖガンダムといった複数のジェネレーター(反応炉)を備える機体の場合、その合計値が表記されている{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
; スラスター推力
: 搭載するスラスター群(推進器。通常は熱核ジェット / ロケット・エンジン)の推進力の合計値を表し、「スラスター総推力」とも表記される。スラスター各基の推進力と搭載数が併記される場合もある。機動性や加速力に直結しうるスペック{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
; [[パワーウェイトレシオ]]
: 「出力重量比」とも呼ばれ、ジェネレーター出力を全備重量で割った数値。高いほど効率的にエネルギーを使用できる機体といえる{{Sfn|ファクトファイル96|2006|p=21-24}}。
; [[推力重量比]]
: スラスター推力を全備重量で割った数値で、高いほど機動性や運動性に秀でる{{Sfn|ファクトファイル96|2006|p=21-24}}。重量1tに対するスラスター推力が1000kgをこえるMSは理論上、1G環境下で飛行可能{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
: Ζガンダムや第2期MSで重視されたスペックで、極めて軽量な第2期MSの推力重量比は、突出して高くなっている{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
; センサー有効半径
: ミノフスキー粒子の散布環境下において、センサー類が機能する距離を表す。モノアイなどの光学センサーは、センサー有効半径以上の距離でも機能するが、遠望時は視界が狭くなる。[[ハイザック#アイザック|アイザック]]や[[ジェガン#EWACジェガン|EWACジェガン]]といった偵察用MSは、特に高い数値を示す{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
; 装甲材質
: 装甲に使用されるマテリアル。「[[ガンダリウム合金]]」や「チタン合金セラミック複合材」といった形で表記される。MSの装甲は軍事機密に属する部分が大きいためか、対弾性を示す具体的な数値は不明{{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
; 姿勢制御系
: 姿勢制御に関するスペック表記として、'''アポジ・モーター数'''(姿勢制御バーニア数)がある。MSの姿勢変換・維持に用いる小型ロケット・モーターの搭載数で、第4世代MSまでは10 - 20基前後、宇宙世紀0120年代頃までの第2期MSは50 - 80基前後の機体が多い。宇宙世紀0080年代前期に見られた姿勢制御関連のスペックとしては、「180°姿勢変換」がある(単位はsec=秒){{Sfn|週刊MSバイブル10|2019|p=24-27}}。
 
=== 動力源・駆動方式 ===
188 ⟶ 218行目:
上記はいずれも推進剤が不可欠であるが、第2期MSでは推進剤が不要(熱核反応炉の燃料は必要)で原理的には亜光速までの加速が可能とされる[[ミノフスキー粒子#ミノフスキー・ドライブ|ミノフスキー・ドライブ]]といったミノフスキー物理学系推進器が登場している。
 
宇宙空間での姿勢制御は、機体各所に配置されたサブ・スラスター(「[[バーニアスラスタ|バーニア]]」あるいは「[[アポジキックモーター|アポジモーター]]」とも呼ばれる)のほかに、人型であることを活かして四肢を動かすことによる反作用を利用した "[[AMBAC]]" を併用することで、推進剤の消費を抑えている。
 
=== 操作 ===
203 ⟶ 233行目:
また、上記までのように手足で操作するのではなく、[[サイコミュ]]を介することによってパイロットの思考をダイレクトに機体モーションへと反映するシステムを搭載した[[Ζガンダム#Ζガンダム3号機P2型(レッド・ゼータ)|レッド・ゼータ]]、[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]、ユニコーンガンダムなどの機体も開発されている。
 
宇宙世紀0105年を描いた劇場アニメ『[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ]]』では、MSには「ニュータイプは存在しない」「ニュータイプが生まれる要素を少しでも排除する」という(連邦軍側の)意図が反映され、AIによる操縦補助が進められている{{Sfn|ハサウェイメカ&ワールド|2022|p=92}}。AIロックモードでは、AIが敵機との距離を逆算してロックオンが可能になるまでの時間を算出し(全天周囲モニターにはバーの長さで表示される)、ロック前段階で戦術的に優先される攻撃順を指示(提案)するため、パイロットはそれに従って攻撃するだけでよい{{Sfn|ハサウェイメカ&ワールド|2022|p=92}}。ただし、より素早く、精度の高い操作を求めるパイロット([[ハサウェイ・ノア]]など)は、このAI機能をオフにしている{{Sfn|ハサウェイメカ&ワールド|2022|p=92}}。
そして『[[機動戦士ガンダムF91]]』で描かれる宇宙世紀0123年には、バイオ・コンピューターを用いることでセンサー情報を直接的にパイロットに伝達、パイロットの記憶や感情を取り込む思考制御だけでなく、パイロットが求める情報を機体側からパイロットのイメージへと直感的に提示する双方向性機能を持つ、[[フォーミュラ計画#ガンダムF91|ガンダムF91]]が[[サナリィ]]において開発されるに至っている。また同年代における[[アナハイム・エレクトロニクス]]では、[[クロスボーン・バンガード]]から技術提供を受けたネオ・サイコミュにより、上述のレッド・ゼータやユニコーンガンダムと同様に手足を使わずに操作が可能な[[シルエットフォーミュラプロジェクト#ネオガンダム|ネオガンダム(1号機)]]を開発している。
 
そして『[[機動戦士ガンダムF91]]』で描かれる宇宙世紀0123年には、バイオ・コンピューターを用いることでセンサー情報を直接的にパイロットに伝達、パイロットの記憶や感情を取り込む思考制御だけでなく、パイロットが求める情報を機体側からパイロットのイメージへと直感的に提示する双方向性機能を持つ、[[フォーミュラ計画#ガンダムF91|ガンダムF91]]が[[サナリィ]]において開発されるに至っている。また同年代における[[アナハイム・エレクトロニクス]]では、[[クロスボーン・バンガード]]から技術提供を受けたネオ・サイコミュにより、上述のレッド・ゼータやユニコーンガンダムと同様に手足を使わずに操作が可能な[[シルエットフォーミュラプロジェクト#ネオガンダム|ネオガンダム(1号機)]]を開発している。
 
=== 武装 ===
224 ⟶ 256行目:
水中行動時、マニピュレーターの代わりに固定式の格闘武装(大抵は巨大な爪)を装備していることが多い(爪の他にも、ロケットランチャーやビーム砲を腕部に内蔵しているケースも頻繁に見受けられる。従って大抵の場合、こうしたモビルスーツの腕部は「手」としての機能を成さない)。
 
ただし、またそれ以外では、一方、ライフルのストックで殴りかかるという現実の歩兵戦で多用されている戦法も『[[機動戦士Ζガンダム]]』以降は全く使われなくなった(ビームライフルが破損し使用不能になってしまう)。特殊な例としては[[グフ]]に装備されたヒートロッドが存在するが、装備した機体の種類は少数に留まっている。その一方で、ショルダーアタック戦法は、[[マラサイ]]から[[ギラ・ドーガ]]、[[クロスボーン・バンガードの機動兵器#デナン・ゾン|デナン・ゾン]]へとその無骨な外観とともに継承されている。
 
==== 遠隔操作兵器 ====
234 ⟶ 266行目:
現実世界において中〜遠距離兵器として頻繁に用いられる[[ミサイル]]は、(モビルスーツで白兵戦を行う意義の関係からか)モビルスーツ用の主武装としてはあまり用いられない。特に宇宙世紀作品群においてはミノフスキー粒子によって、[[レーダー]]が使えなくなっている場合が多いためである(このミノフスキー粒子という存在自体が、モビルスーツによる白兵戦を必然のものとするために創作されたものである)。ただし、小型のミサイルを固定火器やオプション武装として装備しているモビルスーツは、世界観、時代を問わず比較的多い。その母艦となる艦船等も対艦、対空ミサイル兵装を普通に装備しており、また使用しているため、「電波妨害」の設定が影響した具体的場面描写は皆無に近い。
 
他に、鳥や昆虫を捕まえる[[鳥黐]]を原型としているトリモチランチャーがあり、[[モビルスーツ]](MS)の指の第一関節部分に5–6弾{{要出典|date=2023年1月}}装填される。粘着性の物質で、[[宇宙世紀]]0087年に勃発した[[グリプス戦役]]では、[[スペースコロニー]]簡易修復に使われる場面が多かった。対MS戦闘にも使用でき、関節部に付着させて行動を制限させることができる。また、『[[機動戦士Ζガンダム]]』(TV版第1話、劇場版「星を継ぐ者」)において人間に対し、動きを制限して拘束するための非致死性兵器として使用されることもあった。同じ素材の物で、名称が異なる物が多数存在する。トリモチランチャーという名称では、主にMSに装備される。代表的なMSは[[リック・ディアス]]など。時代が変わると、[[ダミーバルーン]]へ移り変わってゆくが、『[[機動戦士Vガンダム]]』でも使用された場面があった。
 
まれに[[戦略]]兵器として、[[核兵器]]あるいはこれに匹敵する破壊力を持った兵器がモビルスーツによって運用されることがある。宇宙世紀では[[一年戦争]]初期に[[ザクII]]C型が核を運用したが、後に[[一年戦争#南極条約の締結|南極条約]]によってこの種の大量破壊兵器の使用が禁じられた。しかし[[ガンダム開発計画]]において[[ガンダム開発計画#ガンダム試作2号機(サイサリス)|ガンダム試作2号機]]が核攻撃用モビルスーツとして開発され、[[デラーズ・フリート]]によって核弾頭ごと強奪されたあげく実際に連邦軍艦隊への襲撃に使用されてしまった。核以外でも[[化学兵器]]である毒ガスが、一年戦争初期のコロニー攻撃などにおいてモビルスーツによって使用されている。
243 ⟶ 275行目:
前者の例としては『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊]]』での極東方面コジマ大隊基地や『機動戦士ガンダム』の宇宙要塞[[ソロモン (ガンダムシリーズ)|ソロモン]]などが挙げられる。
 
後者の例としては『機動戦士ガンダム』の[[ホワイトベース]]や[[ジオン公国の艦船およびその他の兵器#ドロス|ドロス]]、『Ζガンダム』の[[アーガマ (ガンダムシリーズ)|アーガマ]]、『逆襲のシャア』の[[ラー・カイラム]]などが挙げられる。これらはモビルスーツを発進させるための[[カタパルト]]や着艦のためのデッキ、および整備のための諸設備を備えている。
 
=== 飛行能力 ===
270 ⟶ 302行目:
 
== 『ガンダムW』におけるモビルスーツ ==
『[[新機動戦記ガンダムW]]』の「コロニー歴([[アフターコロニー]])」世界におけるモビルスーツ (Mobile Suit) は、 "'''M'''anipulative '''O'''rder '''B'''uild and '''I'''ndustrial '''L'''abors '''E'''xtended '''Suit'''" の略で、「建設および工業労働用有腕式拡充型(宇宙)服」の意味である<ref>『新機動戦記ガンダムW MSエンサイクロペディア』一迅社、2007年12月1日初版発行、8-9頁。(ISBN 978-4-7580-1090-0)</ref>。レーダー技術の発達が進み、従来の誘導兵器を用いた近代戦が衰退する中で<ref>『1/60 ウイングガンダムゼロ』バンダイ、1995年10月、組立説明書。</ref>これを軍事転用し、開発された新たな機動兵器となる<ref>『電撃データコレクション 新機動戦記ガンダムW 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2012年2月、66頁。(ISBN 978-4-04-886314-8)</ref>。一方また、アニメーション本編第14話や小説版、世界観で大きな力を持つロームフェラ財団が人型ゆえの憧憬や恐怖、人間臭さを考慮し導入したとする媒体もみら説明さている<ref>神代創『新機動戦記ガンダムW OPERATION2 矜持』角川書店、1996年8月、162-163頁。ISBN 978-4044177027</ref>。
 
なお、自動で敵味方識別及び攻撃等、一切の操作を行えるモビルスーツは[[モビルドール]](MOBILE DOLL, MOBILE Direct Opertional Leaded Laborの略)と呼ばれている。
315 ⟶ 347行目:
 
== 『ガンダムSEED』におけるモビルスーツ ==
『[[機動戦士ガンダムSEED]]』、『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』の舞台となる「[[コズミック・イラ]]」の世界において、モビルスーツの元となった起源は人類初の[[コーディネイターとナチュラル|コーディネイター]]である[[機動戦士ガンダムSEEDの登場人物#ジョージ・グレン|ジョージ・グレン]]が木星探査船「[[コズミック・イラの艦船およびその他の兵器#ツィオルコフスキー|ツィオルコフスキー]]」に搭載した外骨格補助動力装備の宇宙服とされている<ref>『1/144 HG モビルジン』バンダイ、2003年4月発売、組立説明書。</ref>。
 
それ以前にはやはり人間に装着する[[パワードスーツ]]が戦場で活躍していたが<ref name="novelastray1">千葉智宏『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 1』角川スニーカー文庫、2003年9月1日初版発行、162-163頁。(ISBN 4-04-429701-0)</ref>、[[コズミック・イラ|C.E.]]65年になるとザフトは史上初のMS試作1号機「[[ジン (ガンダムシリーズ)#ザフト設定解説|ザフト]]」{{Refnest|group="注"|この名称は、バンダイ『1/100 MGフリーダムガンダム』付属解説書の記述による<ref>『マスターグレード 1/100 フリーダムガンダム』バンダイ、2004年7月発売、組立説明書。</ref>。}}を完成させる。C.E.70年2月14日の血のバレンタイン事件によって地球軍の核の脅威を認識したザフトがNJを実戦投入したことにより、以降(NJの電波妨害効果によって)有視界での戦闘が主体となり、有視界接近戦用兵器MSが戦闘の主力となることが想定され、MSの研究開発が進められていった<ref>『電撃データコレクション 機動戦士ガンダムSEED 上巻』メディアワークス、2004年10月15日初版発行、74-76頁。(ISBN 4-8402-2817-5)</ref>。
 
[[コズミック・イラ#第1次連合・プラント大戦(C.E.70-72)|第1次連合・プラント大戦]]における[[プラント (ガンダムシリーズ)|プラント]]と[[地球連合 (ガンダムシリーズ)|地球連合]]との対立激化の中で、プラントの軍事組織[[プラント (ガンダムシリーズ)#ザフト|ザフト]]は新兵器としてモビルスーツ「[[ジン (ガンダムシリーズ)|ジン]]」を実戦投入した。その後の両者の衝突においてモビルスーツ1機で[[モビルアーマー#『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ|モビルアーマー]]3機ないし5機の戦力に匹敵するとされている<ref>『機動戦士ガンダムSEED MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年7月1日初版発行、10-13頁。(ISBN 978-4-7580-1108-2)</ref>。またザフトは、四足獣型モビルスーツである[[バクゥ]]、[[バクゥ#ラゴゥ|ラゴゥ]]や水陸両用型モビルスーツ[[ザフトの機動兵器#グーン|グーン]]、[[ザフトの機動兵器#ゾノ|ゾノ]]を開発しており、それらのモビルスーツは局地での戦闘で大きな戦果をあげている。
324 ⟶ 356行目:
 
=== 動力源・駆動方式(ガンダムSEED) ===
モビルスーツの動力源やその運用可能時間は重要な問題となっている。コズミック・イラ71年当時のモビルスーツは、宇宙世紀のモビルスーツとは違い核融合炉は実用化されておらず、ザフトの散布した[[ニュートロンジャマー]]によって[[核分裂反応]]炉が使用不可であるため、ほとんどの機体が[[二次電池|バッテリー]]駆動である。そのため機体の稼動時間制限や母艦との連携が非常に重要なファクターになっている。劇中でも多くの機体、取り分けビーム兵器やPS装甲等の高出力の装備を有する機体は幾度となくバッテリー切れによる帰艦を余儀無くされている。なお、予備バッテリーを搭載しているストライカーパックやシルエットを新たに換装することによって帰艦せずとも電力を供給できる。
 
後に、ニュートロンジャマーを無効化する[[ニュートロンジャマー#ニュートロンジャマーキャンセラー|ニュートロンジャマーキャンセラー]](劇中では「Nジャマーキャンセラー」と省略され表現される)を搭載することにより、核分裂エンジンを使用することが可能になったモビルスーツも登場する。それらのモビルスーツは、バッテリー駆動の機体では搭載できないような大出力の兵器を使用することが可能であるため、他のモビルスーツと比較して格段に戦闘力が高い。その一方、撃墜された時に核爆発を起こし周囲を巻き込むリスクがあり{{Refnest|アニメ『ガンダムSEED』第50話では、プロヴィデンスがフリーダムに撃墜された際に核爆発を起こし、近辺にあったジェネシスのミラーブロックを破壊しつつ逃げ遅れたフリーダムを大破させている
また、Nジャマーキャンセラーを搭載した核ミサイルも撃墜された際に核爆発を起こしている。|group="注"}}、このリスクを回避するには撃墜される前に手動でNジャマーキャンセラーをオフにする必要がある。
 
[[コズミック・イラ#第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦|第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦]]終結後、[[コズミック・イラ#ユニウス条約締結|ユニウス条約]]により核エンジンの軍事目的における使用が禁止されたため、コズミック・イラ73年(『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』)において、難民という形で流出したオーブの技術により各勢力のバッテリー性能が大幅に向上した他、[[プラント (ガンダムシリーズ)#ザフト|ザフト]]は母艦からモビルスーツに無線で電力を供給できる[[デュートリオンビーム送電システム]]を開発、[[インパルスガンダム|インパルス]]を始めとする「[[ザフトの機動兵器#セカンドステージシリーズ|セカンドステージモビルスーツ]]」に採用される。ただし、この頃[[オーブ連合首長国|オーブ]]において核エンジンを動力とする[[フリーダムガンダム|フリーダム]]がそのままの状態で復元され、実戦でも使用されているが、作中でこの件が問題にされたことはなかった{{Refnest|ユニウス条約は地球連合とプラント間の停戦条約であるためCE73年10月(この時点でフリーダムは復元済み)に地球連合と同盟を締結するまでオーブには適用されておらず、またフリーダムの所有者であるキラがオーブ軍に編入したのはユニウス条約の形骸後かつフリーダムの撃墜後であるオペレーション・フューリー後なため問題にならないのは自然である。同様の理由で、ドレッドノートイータやテスタメント(カイト所有)といった個人が所有している核エンジン搭載機も問題になっていない。|group="注"}}。小説版においては、戦後の混乱の最中、フリーダムの資料は破棄されたものとして扱われている{{Refnest|group="注"|これは停戦に貢献した三隻同盟のスタッフが戦後に責任を追及されぬよう、アイリーン・カナーバが取り計らったものであるとタリア・グラディスは見解している<ref name="d-novel2"/>。}}<ref name="d-novel2">後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 2 さまよう眸』角川スニーカー文庫、2005年7月1日初版発行、335頁。(ISBN 978-4044291099)</ref>。『SEED』の劇中でもフリーダム、ジャスティスが核エンジンを搭載していることはザフト内でも秘匿されていたような描写が見られる{{Refnest|アニメ『ガンダムSEED』第36話では、アスランが自身へ譲渡されるジャスティスに核エンジン(厳密にはNジャマーキャンセラー)が搭載されていることを聞かされた際に「プラントは全ての核を放棄すると!」と怒りながら返している。|group="注"}}
 
この頃地球連合軍が強奪した[[ガイアガンダム|ガイア]]等のモビルスーツにもデュートリオンビーム受信システムが搭載はされていたが、地球連合軍にデュートリオンビーム送電システムのノウハウや設備が無かったため、バッテリーのみでの駆動で運用されていた模様である。その後、地球連合軍の核攻撃などでユニウス条約が事実上形骸化したため、核エンジンとデュートリオンシステムという2つのジェレネーターのハイブリッド化によって出力増加と半無限の持続時間の確保が図られ、[[デスティニーガンダム|デスティニー]]をはじめとするザフトの新型モビルスーツに搭載された。クライン派の[[フリーダムガンダム#ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]やインフィニットジャスティスも、このハイブリッド機構により従来の数倍の出力を得ることに成功している{{Refnest|このハイブリッド機構により、フリーダムの時はエネルギー供給が間に合わずフェイズシフトがダウンしてしまった数kmレベルでのMA-X200 ビームソードの延長を実現している。|group="注"}}
 
現実世界の[[原子力発電]]は[[臨界状態|臨界]]により連続発生する[[核分裂反応]]の熱で水を煮沸させ[[タービン]]を回転させるタイプが主流であるが、コズミック・イラ世界の原子炉では[[MHD発電]]を採用し、炉からの熱エネルギーを電力に直接変換している<ref>『機動戦士ガンダムSEED OFFICIAL FILE メカ編vol.3』講談社 2003年9月9日第一版発行 29頁。(ISBN 4063347702)</ref>。艦船の動力源は開戦以前は原子力を採用していたものの、Nジャマーによってそれらが無効化されたため、旧式のガスタービン<ref>『機動戦士ガンダムSEED DESTINYモデル VOL.2 DESTINY MSV編』ホビージャパン、2006年3月31日初版発行、158頁。(ISBN 4-89425-415-8)</ref>や太陽光発電を用いたものが散見され、推進器にはレーザー[[原子力推進#核パルス推進|核融合パルス推進]]を用いているとされる<ref group="注">資料によっては核融合炉の実用化がなされていない世界観であるにも関わらず、艦船に核融合炉を採用しているとするものも存在する</ref>。
340 ⟶ 373行目:
 
=== 操作(ガンダムSEED) ===
コズミック・イラのモビルスーツに関して、作中においてレバーやペダルを用いた描写が確認できる。一方で、『ガンダムSEED』第28話劇中シーン(リマスター版26話)や小説版における該当の場面で、キラ・ヤマトが語るところによれば、[[シナプス#電気シナプス|シナプス]]融合による[[ブレイン・マシン・インターフェース|神経接続]]によを行って操縦いると説明されており、新しい量子サブルーチンを構築したことやイオンポンプの分子構造を書き換えたことでナチュラルでは戦闘が行われえなかったM1アストレイが運用可能となっている<ref>後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED 4 舞い降りる剣』角川スニーカー文庫、2003年11月1日初版発行、335-336頁。(ISBN 4-04-429104-7)</ref>{{Refnest|name="ce-bmi"|group="注"|ガンダムSEED第28話劇中シーンで、キラ・ヤマトが語るところによる}}。この、コズミック・イラのモビルスーツにおいては生体組織を模したバイオ系コンピュータが使用されているとした説明もみられる<ref name="SEEDの理"/>{{Refnest|group="注"|設定を担当した森田繁は、作中で「[[脳幹]]が高温で溶ける」、「[[リンゲル液]]で冷却する」といった旨の台詞は取り入れたものの、掘り下げる事は無かったと語っている<ref name="SEEDの理">森田繁「SEEDの理」『月刊ニュータイプ』2004年2月号、角川書店、36-39頁。</ref>。}}。[[コーディネイターとナチュラル|コーディネイター]]の身体能力を基準に造られたザフト製のモビルスーツは、大半のナチュラルでは元々戦闘における運用実績が無いこともあって操作が困難であった。ナチュラルがナチュラル用OSを搭載していないMSを操縦できないのは、インターフェイスの複雑さ故に、常人の脳神経が持つ処理能力ではその膨大なパイロットワークをこなせないからであり、操縦を可能にするにはシステムのイオンポンプを神経接続速度をナチュラルのそれに合わせてやらねばならない{{Refnest|name="ce-bmi"|group="注"|}}<ref group="注">アニメ『ガンダムSEED』第28話では[[M1アストレイ]]側の代謝速度を40%向上させる事で対応させた。第27話においては同じインターフェイスであれば、その操縦能力は高度な脳神経を持つコーディネイターがナチュラルを圧倒する事をエリカ・シモンズが「明々白々なことである」と語っている。しかし映像作品ではない「公式外伝」であるASTRAYシリーズでは、作業目的ならばナチュラルにでも問題なく操作が出来、また訓練よってコーディネイターと遜色ない戦闘を行う事が出来る事が描写されている。</ref>ほか、[[人工知能]]によるアシスト<ref>プラモデルキット「HG ガンダムアストレイ レッドフレーム(フライトユニット装備)」解説</ref>や予め動作パターンを入力し、システム側がパイロットに対応する<ref>千葉智宏『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 1』角川スニーカー文庫、2003年9月1日初版発行、188-189頁。(ISBN 4-04-429701-0)</ref>等幾つかの補助手段を講じる必要性がある。そのため[[地球連合 (ガンダムシリーズ)|地球連合軍]]は[[ストライクガンダム|ストライク]]の実戦データをもとに[[コーディネイターとナチュラル|ナチュラル]]でも操作できるモビルスーツのOS(オペレーティングシステム)を開発するまで、モビルスーツ普及に支障をきたすこととなる。他の世界観のモビルスーツも[[人工知能]]などによる操作補助がなされているとされるが、コズミック・イラ作品群では特にOSなどを重要な要素として描いている
 
アニメ『ガンダムSEED』第2話ではOSが未完成であった[[ストライクガンダム]]に対し、[[:en:Central_pattern_generator|CPG]]の再設定ができなかったため疑似皮質のイオンポンプを制御モジュールに直結することによって戦闘可能なレベルまで調整したが、そのデータを見たムウからは「あんなもんが俺に……てか、普通の人間に扱えるかよ!」と評されている。
 
第27話においては同じインターフェイスであれば、その操縦能力はコーディネイターがナチュラルを圧倒する事をエリカ・シモンズが「明々白々なことである」と語っている。しかし、ナチュラルのクローンであるクルーゼがエースパイロットと呼ばれるほどの腕前を持っていたり、映像作品ではない「公式外伝」であるASTRAYシリーズでは、作業目的ならばナチュラルにでも問題なく操作が出来、また訓練よってコーディネイターと遜色ない戦闘を行う事が出来る事が描写されている。ほか、[[人工知能]]によるアシスト<ref>プラモデルキット「HG ガンダムアストレイ レッドフレーム(フライトユニット装備)」解説</ref>や予め動作パターンを入力し、システム側がパイロットに対応する<ref>千葉智宏『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 1』角川スニーカー文庫、2003年9月1日初版発行、188-189頁。(ISBN 4-04-429701-0)</ref>等幾つかの補助手段を講じる必要性がある。そのため[[地球連合 (ガンダムシリーズ)|地球連合軍]]は[[ストライクガンダム|ストライク]]の実戦データをもとに[[コーディネイターとナチュラル|ナチュラル]]でも操作できるモビルスーツのOS(オペレーティングシステム)を開発するまで、モビルスーツ普及に支障をきたすこととなる。他の世界観のモビルスーツも[[人工知能]]などによる操作補助がなされているとされるが、コズミック・イラ作品群では特にOSなどを重要な要素として描いている。
 
その一方、全ての操作が神経接続のみによって行われているわけではなく,機体の起動をはじめ、[[フェイズシフト装甲]]やNジャマーキャンセラーのオンオフ、ビーム兵器のトリガー、スラスターの出力等のような人体にはない挙動に関しては物理的なインターフェース{{Refnest|作中描写では、機体の起動およびPS装甲やNジャマーキャンセラーのオンオフは点灯によりオンオフ状態が分かる正方形状の物理ボタン、ビーム兵器のトリガーはスラストレバーに取り付けられた物理ボタン、スラスターはスラストレバーおよびペダル、自爆は右側リストレストに収納されたテンキーによって行われていた。また、物理キーボードも搭載されており、キラやアスランはOSの調整、シンはインパルスの合体シーケンスに使用していた。|group="注"}}を用いている。
 
コックピット内のモニターは前面に1枚{{Refnest|アニメ『ガンダムSEED』第34話の描写より、頭部のメインカメラが損傷した際にブラックアウトするのはこのモニターのみ。|group="注"}}かつ両側面に2枚用意された機体が多く、全天周囲モニターは核エンジン搭載機のみに限られる。
 
=== 武装(ガンダムSEED) ===
地球連合軍では、汎用モビルスーツのバックパックを砲戦仕様のもの(代表例としては[[ストライクガンダム|ストライク]]の[[ストライカーパック#ランチャーストライカー|ランチャーストライカー]]、[[ザクウォーリア]]のガナーウィザード、[[ストライクダガー#ダガーL|ダガーL]]や[[ウィンダム (ガンダムシリーズ)|ウィンダム]]に装備可能な[[ストライカーパック#ドッペルホルン連装無反動砲|ドッペルホルン連装無反動砲]]などがある)に換装することで支援機体としての運用性を確保する方法が一般的であるため、地球連合軍による換装システム確立以前の機種である[[ザフトの機動兵器#ザウート|ザウート]]とその後継機である[[ザフトの機動兵器#ガズウート|ガズウート]]、[[バスターガンダム|バスター]]とその量産型[[ストライクダガー#バスターダガー|バスターダガー]]や[[カラミティガンダム|カラミティ]]を除けば、支援モビルスーツという分類のモビルスーツ自体がほとんど存在しない。
 
また、[[オールレンジ攻撃#ガンバレル|ガンバレル]]や[[オールレンジ攻撃#ドラグーン・システム|ドラグーン・システム]]といった遠隔操作兵器が登場し、これらは有線ないし無線(量子通信)で操作される。しかし操縦者に超人的な空間認識能力を要求するため、限られた人間にしか扱えなかった。しかし、後にシステムに改良が加えられある程度の操作性の普遍化成功させ、量子インターフェースの改良も行われレスポンスが大幅に向上ている
 
そのほか、[[地球連合 (ガンダムシリーズ)|地球連合軍]]が[[ウィンダム (ガンダムシリーズ)|ウィンダム]]に核ミサイルを搭載しプラント攻撃を図ったが、これはザフトの[[ニュートロンジャマー#ニュートロンスタンピーダー|ニュートロンスタンピーダー]]によって阻止されている。
 
=== 大気圏突入能力(ガンダムSEED) ===
[[フェイズシフト装甲]]を搭載した一連のガンダムシリーズ、とりわけ核エンジン搭載機は、これを活用することで機体の過熱を抑え、パイロットに負荷をかけずとも単機での大気圏突入が可能である。
 
CE73年になると、[[フェイズシフト装甲]]も核エンジンも搭載していない量産機であるザクウォーリアでも単機での大気圏突入が可能となった。また、CE73年末期に登場したストライクフリーダムおよびインフィニットジャスティスは前方に盾等を構え断熱圧縮の高熱を防がなくとも{{Refnest|フェイズシフト装甲および核エンジンを搭載したフリーダムが大気圏に突入する際には、盾を前方に構えつつ廃熱板でもある両翼を展開していた。VPS装甲を搭載したインパルスも突入時には前方に盾を構えている。|group="注"}}大気圏突入が可能である。
 
== 『ガンダム00』におけるモビルスーツ ==
408 ⟶ 451行目:
 
=== 動力源・駆動方式(ガンダムAGE) ===
本作のメカニックデザイナー寺岡賢司が言うには 「プラズマ流体システムを想定しており、プラズマ化されたヘリウムや水素を充電したプラズマバッテリー」で、MSをほぼ無給油で長時間動かすほどの性能を持つことを想定したという。SF考証担当の白土晴一は「動力源のようなイメージはなかった」と言った<ref>『機動戦士ガンダムAGEメカニック&ワールド』双葉社、2013年3月2日。p.31 (ISBN 978-4-575-46472-6)</ref>。動力源について特別に語られるシーンはほぼ見受けられないが、作業用のモビルスタンダード「デスペラード」については、水素エンジンを搭載している設定となっている。
 
=== 武装(ガンダムAGE) ===
452 ⟶ 495行目:
=== 大気圏突入能力(オルフェンズ) ===
本来は単独での大気圏突入能力を持ってはいないが、ガンダムバルバトスが単独での大気圏突入を余儀なくされた状況で、倒したMSを盾にして機体を守り無事生還するという荒業を見せた。
 
== 『水星の魔女』におけるモビルスーツ ==
『[[機動戦士ガンダム 水星の魔女]]』の世界におけるモビルスーツ(MS)は、様々な企業体によって開発されていることが明言されており、中でも「ベネリットグループ」に属するジェターク・ヘビー・マシーナリー、ペイル・テクノロジーズ、グラスレー・ディフェンス・システムズ、シン・セー開発公社といった企業が主に登場している。これらベネリットグループの機体は、グループが運営する学園「アスティカシア専門高等学園」に持ち込まれ、それぞれの企業のトップの関係者である学生が運用し、熾烈な開発競争が繰り広げられている。また、本編中から21年前の「水星の魔女 PROLOGUE」では、オックス・アース・コーポレーションやヴァナディース機関といった、ベネリットグループに属さない組織で「GUND-ARM(ガンダム)」が開発されていたが、人体に多大な害をもたらすことを理由に開発が禁止された経緯がある。
 
=== 操作(水星の魔女) ===
従来のシリーズ同様にレバーやペダルによって操作を行うが、パイロットの身体に「パーメット」という新種の元素を流入させることにより、機体とパイロットをリンクさせる「パーメットリンク」というシステムが用いられている。パーメットを過度に流入させることは人体に大きなダメージを与えることになるため、監査組織「カテドラル」が設けた規定により流入量は厳しく制限されている。
作中における「ガンダム」は、宇宙での生活によって人体に生じる障碍を克服するための義体化技術「GUND(ガンド)」を操縦システムに転用した機体「GUND-ARM(ガンド・アーム)」を指す。パーメットを大量にパイロットの身体に流入させることにより優れた機動性を発揮したが、黎明期に多数の廃人を生み出してしまったことで公式には開発が禁止された。しかし、それから21年後にあたる作中の年代においても、ガンダムであることを偽って極秘裏に開発、もしくは運用を続けている組織が存在する。
 
=== 武装(水星の魔女) ===
宇宙空間での実弾使用がスペースデブリを生むという理由から、宇宙で運用されるMSにはビーム兵器が多く普及しているが、地球上でも運用される機体には、ミサイルなどの実弾兵器を装備しているものも存在している。また、アスティカシア高等専門学園で行われるモビルスーツ同士の決闘の際には、実戦時よりも出力を落とした緑色のビームが使用される。
無線誘導兵器やオールレンジ攻撃用の端末は、単なる攻撃用としてではなく、自在に動く盾としての機能を持つもの、攻撃が当たった箇所を機能停止させるものなど、様々な用途を持った端末が登場している。
 
== 脚注 ==
483 ⟶ 537行目:
** {{Cite book|和書 |date=1985-08-25 |title=ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム |publisher=近代映画社 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ジ・アニメΖ1|1985}} }}
** {{Cite book|和書 |author=皆川ゆか|authorlink=皆川ゆか|date=2007-11-16 |title=講談社コミックボンボンデラックス 総解説ガンダム事典 ガンダムワールドU.C.編 |publisher=講談社 |isbn=978-4-06-372390-8 |ref={{SfnRef|ガンダム事典|2007}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2022-08-03 |title=グレートメカニックスペシャル 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ メカニック&ワールド |publisher=双葉社 |isbn=978-4-575-46536-5 |ref={{SfnRef|ハサウェイメカ&ワールド|2022}} }}
*分冊百科
** {{Cite book|和書 |date=2004-09-21 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=[[デアゴスティーニ・ジャパン]] |volume=第1号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ファクトファイル1|2004}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2005-03-08 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=[[デアゴスティーニ・ジャパン]] |volume=第21号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ファクトファイル21|2005}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2006-02-28 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=[[デアゴスティーニ・ジャパン]] |volume=第73号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ファクトファイル73|2006}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2006-07-04 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=[[デアゴスティーニ・ジャパン]] |volume=第91号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ファクトファイル91|2006}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2006-08-08 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=デアゴスティーニ・ジャパン |volume=第96号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ファクトファイル96|2006}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2010-9-24 |title=ガンダムMSヒストリカ Vol.5 |publisher=講談社 |volume=Vol.5 |isbn=978-4-06-370083-1 |ref={{SfnRef|MSヒストリカ5}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2013-08-06 |title= 週刊 ガンダム パーフェクト・ファイル |publisher=[[デアゴスティーニ・ジャパン]] |volume=第98号 |isbn=<!--なし--> |ref= {{SfnRef|パーフェクト・ファイル98|2013}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2019-0604-1823 |title=週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル |publisher=[[デアゴスティーニ・ジャパン]] |volume=第1810号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|週刊 ガンダム・モビルスーツ・MSバイブル1810|2019}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2019-06-18 |title=週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル |publisher=デアゴスティーニ・ジャパン |volume=第18号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|週刊MSバイブル18|2019}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2020-03-31 |title=週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル |publisher=デアゴスティーニ・ジャパン |volume=第40号 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|週刊MSバイブル40|2020}} }}
* 雑誌
** {{Cite journal |和書 |journal=月刊OUT |issue=1981年4月号 |publisher=みのり書房 |ref={{SfnRef|OUT04|1981}} }}
506 ⟶ 564行目:
** {{Citation|和書 |date=1984-03 |title=1/144 MS-06F ザクマインレイヤー |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|1/144マインレイヤー|1984}} }}
* ウェブサイト
** {{Cite web |和書|author=[[小田雅弘]] |url=https://tamashii.jp/special/kaihatsuhiroku/zeon/ms-05b.html |title=MS-05B ザクI MS開発秘録 | ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E. |website=魂ウェブ |publisher=創通・サンライズ |accessdate=2022-11-24 |ref={{SfnRef|MS開発秘録ザクI|2022}} }}
 
== 関連項目 ==