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→‎2023年版: 「不存在」を言及する理由が解りにくくなっていたので補足
→‎あらすじ: 「それぞれ母親の違う娘が3人」に注釈「横溝の次女・野本瑠美は、本作について「わたしが生まれる前の我が家の状況が、舞台となっている」と述べている。横溝の父・宜一郎には3人の妻(最初の妻、横溝の実母である2番目の妻の波摩、その後妻で横溝の継母である浅恵)にそれぞれ子供がいた」を出典とともに追記。
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== あらすじ ==
昭和20年代のとある年(具体的な年が分からない点は[[#事件の発生年について|後述]])の2月、那須湖畔の本宅で[[長野県|信州]]財界の大物・犬神佐兵衛(いぬがみさへえ)が裸一貫の身から興した製糸業で築いた莫大な財産を残し、家族に見守られながら他界した。その[[遺産]]の配当や事業[[相続]]者を記した[[遺言状]]は、一族全員が揃った場で発表されることになっており、長女松子の一人息子佐清(すけきよ)の戦地からの[[復員]]を待つところとなっていた。佐兵衛は生涯に渡って正妻を持たず、それぞれ母親の違う娘が3人{{Efn|横溝の次女・野本瑠美は、本作について「わたしが生まれる前の我が家の状況が、舞台となっている」と述べている<ref>{{Cite book|和書|title=探偵小説の鬼 横溝正史 謎の骨格にロマンの衣を着せて |chapter=家族が語る横溝正史 作品に寄せてエピソードいろいろ (1) 「犬神家の一族」野本瑠美 |page=80 |series=別冊太陽 |publisher=[[平凡社]]|date=2024-04-11}}</ref>。横溝の父・宜一郎には3人の妻(最初の妻、横溝の実母である2番目の妻の波摩、その後妻で横溝の継母である浅恵)にそれぞれ子供がいた<ref>{{Cite book|和書|author=横溝正史 |editor=[[日下三蔵]] |title= 横溝正史エッセイコレクション2 横溝正史の世界 横溝正史読本 |chapter=『横溝正史の世界』「書かでもの記」より |pages=40–44 |publisher= [[柏書房|柏書房株式会社]] |date=2022-06-05}}</ref>。}}、皆婿養子をとり、さらにそれぞれに息子が1人ずついたが、お互いが反目し合っていた。
 
同年10月、金田一耕助は東京から単身で犬神家の本宅のある那須湖畔を訪れた。犬神家の顧問弁護士を務める古館恭三の法律事務所に勤務する若林豊一郎から、「近頃、犬神家に容易ならざる事態が起こりそうなので調査して欲しい」との手紙を受け取ったためであった。那須ホテルを宿泊拠点とした金田一は、湖畔から犬神家の豪邸を望んでいたところ、犬神家に寄寓している野々宮珠世の乗っているボートが沈みかかっているのを目撃し、犬神家の下男の猿蔵とともに珠世を救出する。ボートには穴が開けられており、猿蔵の語るところによると、珠世が何者かに狙われたのはこれで3度目だという。その後、金田一がホテルに戻ったところ、若林が何者かによって毒殺されていた。知らせを聞いて駆けつけた古館の語るところによると、どうやら若林は犬神家の誰かに買収されて、法律事務所の金庫に保管している佐兵衛の遺言状を盗み見てしまったらしい。先行きに不安を感じる古館の依頼で、金田一は犬神家の[[遺産相続]]に立ち会うこととなった。