削除された内容 追加された内容
m →‎事件の発生年について: 前日修正漏れの話し言葉(「い」抜き言葉)(「ら」抜き言葉)「してない」「させれる」→「していない」「させられる」に訂正。
→‎事件の発生年について: 新旧民法で趣旨が重複している部位を分離。(あと『悪魔の設計図』の富豪は読み直したら名前に「次郎」って入っているので、次男坊で家督相続じゃない可能性もあるので削除。)
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=== 事件の発生年について ===
本作は、一個人の遺言状が惨劇を引き起こす物語となっているが、この遺言状の法的効力については種々の問題点が指摘されており<ref group="注釈">例えば、{{Cite | 和書 | last = 遠藤 | first = 正敬 | chapter = 佐兵衛の遺言は有効か? | title = 犬神家の戸籍: 「血」と「家」の近代日本 | publisher = 青土社 | isbn = 978-4-7917-7395-4 | date = 2021-10-12 | page = 51-54}}</ref>、特に[[民法 (日本)|民法]]の[[遺留分|遺留分制度]]の前提となる[[相続#相続分|法定相続分]]が[[1947年]](昭和22年)に施行された[[日本国憲法]]の下で改正された<ref group="注釈">松子・竹子・梅子はそれぞれ、相続財産の6分の1(静馬や祝子が佐兵衛の子として法的に認定できない場合)を遺言にかかわらず取得できる。(ただし松子たちが認知を受けている場合)</ref>ことにより問題が大きくなっているため、事件発生年が問題とされることがある。原作では事件の起きた年を「昭和2×年」とぼかしているが、改正民法は1948年(昭和23年)1月1日から施行されており、また、佐清と静馬がいたビルマについては、1947年(昭和22年)に復員が進み、朝日新聞では8月27日に「南方残留同胞の引揚は目下着々と進み…最近の消息によると、ビルマ地区はほとんど完了…」、10月30日には、「東南アジアには今や日本人は1人も残留していない」と伝えた<ref>{{Cite journal|和書|author=[[増田弘]] |date=2013-03 |url=https://toyoeiwa.repo.nii.ac.jp/records/487 |title=日本降伏後における南方軍の復員過程 : 1945年~1948年 |journal=現代史研究 |publisher=東洋英和女学院大学現代史研究所 |volume=9 |pages=1-159 |naid=120005556880 |accessdate=2023-09-19 |CRID=1050564287797060736 |ref=harv}}</ref>。このことから、1947年(昭和22年)が事件発生年であると推定できる。
 
なお、旧民法(明治民法)の場合は戸主の財産は法定推定家督相続人(前戸主の直系卑属)が全額相続することが最優先され(旧民法970条)、これは血縁関係・性別・嫡出か否か・年齢で1人が自動的に決定され、故人の遺言は無視されるためそもそも本作のような状況にならない。ただし、すべての子供の認知をしていない場合は子供たちは戸主とは法律上赤の他人で母親の私生児となるので「法定推定家督相続人はいない」ということにされ、第979条の「法廷推定家督相続人がいない場合は戸主は家督相続人を指定できる」が適応され、遺言で赤の他人にも相続をさせられるようになる<ref group="注釈">本作と同じ作者の1938年(昭和13年)の作品『悪魔の設計図』は、このような設定で、「ある富豪が認知していない子供4人(息子1人、娘3人)について、女3人で遺産を頭割り、ただし全員死亡している場合は男が全額相続するという遺言状を作って事件が起きる」という話になっている。</ref><ref>旧民法の原文は [https://law-platform.jp/file/129089d/129089_131009 明治民法(明治29・31年)](法律情報基盤- Legal Information Platform -)を参照。</ref>
 
ただし、新旧どちらの場合でもこれは'''松子・竹子・梅子が佐兵衛に子供として認知を受けている場合'''の話であり、認知をしていない場合は2023年版ドラマであったように子供たちは法律上佐兵衛赤の他人になるため、新民法では遺留分・旧民法では法定推定家督相続人が生じず、遺言状で遺産すべてを特定の人物に渡すことも可能になる(旧民法では979条で明記)。<ref>旧民法の原文は [https://law-platform.jp/file/129089d/129089_131009 明治民法(明治29・31年)](法律情報基盤- Legal Information Platform -)を参照。</ref>。
 
ただし、下に示すように登場人物の年齢は[[1949年]](昭和24年)を基準に設定されている。