削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
Inoue-hiro (会話 | 投稿記録)
水道事業の民営化について、世界市場および日本国内の動向
19行目:
水道事業を行なう主体は、都道府県では[[水道局]]あるいは企業庁・[[企業局]]の水道部門である。市町村では、水道局・水道部・水道課と呼ばれているほか、上下水道局・建設部などの一部門となっている自治体も多い。複数の市町村にまたがる[[企業団]]や[[組合]]が水道事業を行なう地域もある。近年、水道料金の値上げが多く、その理由として水源地の水利権の高コストや老朽施設の更新、建設時の借入金負担や市町村合併に伴う価格見直しや節水へ意識誘導する目的で単価を上げると言った理由がある。
 
;水道事業の民営化
欧州や米国では水道事業を民間に開放しているところもあり、必ずしも自治体が提供する公共事業とは限らない。こういった事情を考慮して日本でも2000年からの数年間に、水道事業の民営化の可能性が話題となったが、[[ボリビア]]の[[コチャバンバ水紛争]]のような大規模な民営化の失敗例もあり、その後はあまり検討されないでいる。
 
欧州や米国では水道事業を民間に開放しているところもあり、必ずしも自治体が提供する公営事業とは限らない。[[イギリス]]や[[フランス]]、[[オランダ]]等のように水道事業を民間会社が行っているのが一般的な国もあり、これらの国の水道運営会社は世界各国にも進出し[[水メジャー]]と呼ばれている。水メジャーの世界3大企業はフランスの[[w:en:Suez Environnement|スエズ]]、[[w:en:Veolia Environnement|ヴェオリア]]とイギリスの[[w:en:Thames Water|テームズウォーター]]である。歴史的には、[[リヨン]]市の水道事業が民間委託化されたのが[[1853年]]であるが、欧米で民営化が広く行われるようになったのは20世紀に入ってからであった。2008年現在、全世界の水道供給人口50億人のうち、民営化された水道企業が水を供給しているのは4億人である<ref>日本貿易会 月報 2008年2月号 http://www.jftc.or.jp/shoshaeye/contribute/contrib2008_02a.pdf</ref><ref>R25.jp 世界の「水メジャー」って何者? http://r25.jp/b/honshi/a/ranking_review_details/id/1112009042304</ref>。
 
{|
|+ 世界市場での水道企業シェア
!国
!企業名
!給水人口
|-
|{{FRA}}
| [[w:en:Suez Environnement|スエズ]]
|1億2500万人
|-
|{{FRA}}
| [[w:en:Veolia Environnement|ヴェオリア]]
|1億800万人
|-
|{{UK}}
| [[w:en:Thames Water|テームズウォーター]]
|7000万人
|-
|{{FRA}}
| SAUR
|3700万人
|-
|{{UK}}
| [[w:en:United Utilities|ユナイテッド・ユーティリティーズ]]
|2000万人
|}
このような世界の流れを受けて日本でも[[2001年]]に[[水道法]]が改正され、水道事業の包括的な[[民間委託]]が可能となった<ref>厚生労働省 改正水道法の概要 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kaisei/gaiyo/index.html</ref>。また、2025年には世界全体で100兆円の市場となると言われている水道事業には、商社やメーカーだけでなく水道事業のノウハウを持つ自治体の水道局も参入へ向けた行動を起こしている<ref>日経 関西の水処理技術アピール 財界訪中団がフォーラム http://eco.nikkei.co.jp/news/today/article.aspx?id=NN002Y005+13042009</ref>。また、日本国内でも水道の民営化や包括的な委託の受け皿となるべく企業が設立されるとともに、一部の地方都市で実際に包括的な委託を受託した例もある<ref>ジャパンウォーター 三次市から浄水場を全面受託 http://www.japanwater.co.jp/newsrelease/press/2002-1111.html</ref>。
 
しかし、日本国内では大規模な水道事業を民営化したり、運営全てを民間企業に委託(包括的委託)した例は無い。なお、浄水場の運転操作や保守点検等の一部分や、料金徴収など周辺事業を民間委託している例は多数あるが、これらは水道事業に関わる経営判断を含め多くの部分を民間に任せている欧米の方式とは異なっている。
 
日本国内では経済的合理性や海外進出を考える商社やメーカー等の企業育成を考えて、水道企業を民営化したほうがよいとする意見や、水資源の公共性や水道の安定供給・安全性を考えて公営事業のままでよいとする意見など種々ある。また、一部の発展途上国での失敗例([[ボリビア]]の[[コチャバンバ水紛争]]等)を取り上げて民営化に反対する意見もある。
 
== 水源 ==
82 ⟶ 116行目:
 
== 出典 ==
{{reflist}}
<references/>
 
== 関連項目 ==