二兎社(にとしゃ)は、永井愛が主宰する日本劇団

概要

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1981年昭和56年)、永井愛大石静によって結成される[1]。二人で結成した理由は「男の人を入れると仕切られちゃうから」[2]。劇団名の「二兎社」は、永井と大石が二人とも卯年だったことから名付けられた[1][2]。永井は脚本出演のほか演出も担当したが、大石は脚本・出演のみで演出は担当しなかった[2]

1991年平成3年)にテレビドラマ脚本家として多忙となった大石が二兎社を離れ[3]、以後は永井が主宰をつとめる演劇ユニットとして活動している[1]

上演作品

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公演日、劇場は東京公演を記載

公演 作品名 作・演出 メインキャスト 公演期間 劇場
 第1回公演  兎たちのパレード  大石静
高橋正篤
   1981年8月28日 - 31日  池袋パモス青芸館
 第2回公演  アフリカの叔父さん  永井愛
花房徹 
   1982年1月28日 - 31日  池袋パモス青芸館
 第3回公演  水曜日の風景  大石静
花房徹
   1982年1月28日 - 31日  池袋パモス青芸館
 第4回公演  私もカメラ〜黒髪先生事件報告〜  永井愛    1983年2月18日 - 28日  池袋パモス青芸館
 第5回公演  VALUE価値  大石静    1983年8月19日 - 29日  池袋パモス青芸館
 第6回公演  ファンレター〜大根役者殺人事件〜  秋本一平
永井愛
 大石静
永井愛
 1984年1月13日 - 22日  銀座みゆき館劇場
 第7回公演  カズオ  永井愛    1984年5月18日 - 22日  池袋パモス青芸館
 第8回公演  女神様のランプ  大石静
永井愛
   1984年8月17日 - 27日  銀座みゆき館劇場
 第9回公演  改訂版カズオ  永井愛  大石静
永井愛
 1985年3月7日 - 16日  銀座みゆき館劇場
 第10回公演  満点の星よ  永井愛   永井愛
五味多恵子
 1985年7月24日 - 28日  銀座みゆき館劇場
 第11回公演  ファンレター〜大根役者殺人事件〜  秋本一平
永井愛
 大石静
永井愛
 1986年1月10日 - 12日  紀伊國屋ホール
 第12回公演  カズオ  永井愛  大石静
永井愛
 1986年10月10日 - 12日  池袋studio 200
   マサコ〜野の花グループの秘密〜  永井愛  永井愛
大石静
1986年10月25日 - 11月3日  新宿シアターモリエール
 第13回公演  私もカメラ〜黒髪先生事件報告〜  永井愛  大石静
永井愛
 1987年3月26日 - 31日  本多劇場
 第14回公演  ヒロスケ〜哀しみの柿の木  永井愛  大石静
永井愛
 1988年9月2日 - 15日  新宿シアタートップス
 第15回公演  転職日記  永井愛  永井愛
くまもと吉成
 1989年2月6日 - 12日  本多劇場
 第16回公演  あなたと別れたい  永井愛  大石静
永井愛
 1990年2月16日 - 3月4日  新宿シアタートップス
 第17回公演  ファンレター〜大根役者殺人事件~  秋本一平
永井愛
 永井愛
森山潤久
 1990年12月5日 - 12日  本多劇場
 第18回公演
(10周年記念公演)
 許せない女  永井愛  大石静
永井愛
 1991年11月2日 - 13日  新宿シアタートップス
 第19回公演  空の耳〜Big meを探せ  永井愛  有福正志
江上真吾
 1992年7月9日 - 143日  本多劇場
 第20回公演  帰ってこない  永井愛  安藤亮子
大久保美貴
 1993年7月8日 - 14日  スペース・ゼロ
 第21回公演  時の物置  永井愛  草村礼子
加藤忠可
 1994年12月2日 - 15日  ベニサン・ピット
 第22回公演  パパのデモクラシー  永井愛  二瓶鮫一
大西多摩恵
 1995年10月30日 - 11月15日  ベニサン・ピット
 第23回公演  僕の東京日記  永井愛  山本龍二
大西多摩恵
 1996年12月5日 - 21日  ベニサン・ピット
 第24回公演  パパのデモクラシー  永井愛  中村方隆
大西多摩恵
 1997年4月2日 - 6日  紀伊国屋サザンシアター
 第25回公演  時の物置  永井愛  草村礼子
高橋長英
 1998年10月8日 - 25日  ベニサン・ピット
 第26回公演  兄帰る  永井愛  立川三貴
浅野和之
 1999年6月25日 - 7月11日  シアタートラム
 第27回公演  萩家の三姉妹  永井愛  余貴美子
南谷朝子
岡本易代
 2000年11月4日 - 19日  シアタートラム
 第28回公演
(20周年記念公演)
 日暮町風土記  永井愛  渡辺美佐子
春日宏美
 2001年12月13日 - 27日  シアタートラム
 第29回公演  新・明暗  原作:夏目漱石明暗
脚本:永井愛
 佐々木蔵之介
山本郁子[要曖昧さ回避]
 2002年10月5日 - 24日  シアタートラム
 第30回公演  萩家の三姉妹  永井愛  渡辺えり子
南谷朝子
岡本易代
 2003年10月11日 - 19日  世田谷パブリックシアター
 第31回公演  新・明暗  原作:夏目漱石『明暗』
脚本:永井愛 
 佐々木蔵之介
山本郁子
 2004年10月22日 - 11月7日  世田谷パブリックシアター
 第32回公演  歌わせたい男たち  永井愛   戸田恵子
近藤芳正
大谷亮介
 2005年10月8日 - 11月13日  ベニサン・ピット
 第33回公演  書く女  永井愛  寺島しのぶ
筒井道隆
 2006年10月2日 - 10月15日  世田谷パブリックシアター
 第34回公演  歌わせたい男たち  永井愛  戸田恵子
近藤芳正
大谷亮介
 2008年2月29日 - 3月23日  紀伊國屋ホール
 第35回公演  かたりの椅子   永井愛  竹下景子
山口馬木也
銀粉蝶
 2010年4月2日 - 4月18日  世田谷パブリックシアター
 第36回公演  シングルマザーズ  永井愛  沢口靖子
吉田栄作
 2011年2月20日 - 3月28日  東京芸術劇場 小1ホール
 第37回公演  こんばんは、父さん  永井愛  佐々木蔵之介
溝端淳平
平幹二朗
 2012年10月26日 - 11月7日  世田谷パプリックシアター
 第38回公演  兄帰る  永井愛  鶴見辰吾
草刈民代
 2013年8月3日 - 9月1日  東京芸術劇場シアターウエスト
 第39回公演  鷗外の怪談  永井愛  金田明夫
水崎綾女
 2014年10月2日 - 26日   東京芸術劇場シアターウエスト
 第40回公演  書く女  永井愛  黒木華
平岳大
木野花
 2016年1月21日 - 31日  世田谷パプリックシアター
 第41回公演  ザ・空気  永井愛  田中哲司
若村麻由美
木場勝己
 2017年1月20日 - 2月12日  東京芸術劇場シアターイースト
 第42回公演    ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ  永井愛  安田成美
眞島秀和
松尾貴史
 2018年6月23日 - 7月16日  東京芸術劇場シアターイースト
 第43回公演  私たちは何も知らない   永井愛  朝倉あき
藤野涼子
 2019年11月29日 - 12月22日  東京芸術劇場シアターウエスト
 第44回公演  ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…  永井愛  佐藤B作
神野三鈴
和田正人
 2021年1月8日 - 31日  東京芸術劇場シアターイースト
 第45回公演  鷗外の怪談   永井愛  松尾貴史
瀬戸さおり
木野花
 2021年11月12日 - 12月5日   東京芸術劇場シアターウエスト
 第46回公演  歌わせたい男たち   永井愛  キムラ緑子
山中崇
相島一之
 2022年11月18日 - 12月11日   東京芸術劇場シアターイースト

リーディング公演

作品名 作・演出 キャスト 公演期間 劇場
 走り去る人たち  永井愛  飯田芳
尾身美詞
神田青
添野愛
川清瀬やえこ
窪真理 小林亮太
十代修介
白木孝宜
須藤蓮
髙橋美帆
塚本小百合
本田慎
毛利悟巳
安川まり
吉田悟郎(五十音順)
 2019年2月3日  東京芸術劇場シアターウエスト
 立ち止まる人たち  永井愛  安藤瞳
伊島空
西原やすあき
堺小春
鈴木陽丈
竪山隼太
土居志央梨
原田樹里
真魚
山本直寛(五十音順)
 2020年3月29日 - 4月下旬(予定)
″ 公式YouTubeチャンネルにて無料配信[注 1]
 
振り返る人たち 永井愛 池岡亮介

池田遼

池辺光完

石川瑠華

稲村梓

瀬戸さおり

多田直人

中山慎悟

松本祐華

湯川玲菜(五十音順)

2021年3月27日 - 3月28日 東京芸術劇場シアターイースト

受賞歴

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  • 1995年
    • 第50回文化庁芸術祭大賞 公演部門(『パパのデモクラシー』)
  • 1998年
  • 2000年
  • 2001年
    • 第1回バッカーズアワード 演劇奨励賞(『日暮町風土記』)
  • 2005年
    • 第5回朝日舞台芸術賞 グランプリ(『歌わせたい男たち』)
    • 第13回読売演劇大賞 最優秀作品賞(『歌わせたい男たち』)
  • 2017年
    • 第25回読売演劇大賞 優秀作品賞(『ザ・空気』)

脚注

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注釈

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  1. ^ 当初、同月28日・29日の上演を予定していたが、新型コロナウイルスの流行による都の自粛要請を受け全公演が中止となったため事前に収録された映像の無料配信が行われた。

出典

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  1. ^ a b c 二兎社について”. 二兎社. 2019年11月23日閲覧。
  2. ^ a b c ペリー荻野「脚本家に聞こう! : インタビュー 大石静」『脚本家という仕事 : ヒットドラマはこうして作られる』、東京ニュース通信社(発売: 徳間書店)、2019年2月、16-17頁、ISBN 978-4-19-864791-9 
  3. ^ ペリー荻野「脚本家に聞こう! : インタビュー 大石静」『脚本家という仕事 : ヒットドラマはこうして作られる』、東京ニュース通信社(発売: 徳間書店)、2019年2月、23-24頁、ISBN 978-4-19-864791-9 

外部リンク

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