細川 満国(ほそかわ みつくに)は、室町時代前期の武士備中国浅口郡伊予国宇摩郡分郡守護細川野州家初代当主。

 
細川満国
時代 室町時代前期
生誕 不明
死没 不明
官位 下野守
幕府 室町幕府 備中浅口郡伊予宇摩郡分郡守護
主君 足利義持
氏族 細川京兆家細川野州家
父母 父:細川頼元、母:赤松則祐
兄弟 満元満国宇都宮基綱
持春
テンプレートを表示

略歴

編集

細川京兆家7代当主で室町幕府管領細川頼元の子として誕生。兄・満元と同様、3代将軍・足利義満より偏諱を受けて満国と名乗る。

備中浅口郡・伊予宇摩郡のほか、摂津国丹波国にも領地を持っていた。特に備中には勢力を扶植し、応永14年(1407年)に鴨山城を築城し基盤を築いた。しかし、それ以外の所領では国人との関係がうまくいかなかったらしく、子の持春の代になるとさらに悪化することになる。

系譜

編集

野州家系図

編集

細川氏の項にある系図は非常に巨大で、諸家入り混じり、養子関係などの複雑さから把握しにくいところがある。

そこで参考までに野州家の系図を別途作成した。また理解の助けとする為に京兆家典厩家の系図も添えている。野州家の当主となった人物は太字で表記し、他家へ養子入りした(家督となったも含む)、あるいは他家から入った人物は名前の下に斜体で記している。

斜体の下に書かれた ( ) は入った先である。また〈 〉は特記事項となる。基本的に年齢が高い程に左に寄せているが、満元・満国のように一部該当しないかもしれないところもある。

   頼元
    ┃                           【京兆家】
    ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 
   '満国'                           満元
 〈野州家初代〉                        ┃
    ┃                            ┣━━┳━━━━━━━━┓
   持春                           持元 持之          持賢
    ┃                                 ┃        〈典厩家初代〉
    ┣━━┳━━┓                        ┣━━┓       ┣━━┓
   教春 政国  賢春                       勝元 成賢      成賢 政国 
    ┃ (典厩家)                          ┃ (典厩家)         ┃ 
    ┣━━┳━━━━━━━━━┓              ┣━━┓            ┃
   勝之  政春           春倶             勝之 政元           政賢
  (京兆家) ┃         (細川賢春)                ┃            ┃
         ┣━━┳━━┓    ┣━━┓          ┏━━╋━━┓       ┣━━┓
        高国 晴国 通政    尹賢 高基        高国 澄之 澄元       澄賢 尹賢
      (京兆家) ┃〈のち輝政〉(典厩家)           ┃       ┃        ┃   ┃
              ┃  ┃                     ┣━━┓  ┃        ┃   ┣━━┓
             通薫 通薫                    稙国 氏綱 晴元      晴賢 氏綱 藤賢
         (細川通政) ┃                             ┃         (細川高国)
                  ┃                             ┃
                 元通                           昭元(信良)
               〈浅口に改姓〉

 注:京兆家政元の養子である澄之五摂家九条政基の子。澄元細川阿波守護家義春の子。

 主要参考文献
 古野貢「庶流守護による分国支配構造」『中世後期細川氏の権力構造』(吉川弘文館、2008年)