重量ポンド毎平方インチ

圧力または応力の単位

重量ポンド毎平方インチ(じゅうりょうポンドまいへいほうインチ、pound-force per square inch)は、ヤード・ポンド法での圧力応力単位であり、ヤード・ポンド法では最も一般的に使われる。日本では、特殊の計量(ヤード・ポンド法を参照)の場合の他は使用することができない。

重量ポンド毎平方インチ
記号 psi, lbf/in2
FPS重力単位系
圧力応力
SI (正確に)6894.76 Pa(日本の計量法
定義 1 in2 の面積あたり 1 lbf の力がかかる圧力・応力
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1重量ポンド毎平方インチは、1平方インチの面積につき1重量ポンド (lbf) のがかかる圧力・応力と定義される。0.45359237kg/ポンド × 9.80665m/s2 / 0.0254m / 0.0254m の計算により、約6894.757293168Paである。また、1 atm(1気圧)は約 14.6995747psi1psi は約 0.068029179atm である。

なお、日本の計量法では、6894.76Paと定義している[1]

略称及び単位記号

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厳密に論ずる場合を除き、不正確で推奨はされないがポンド毎平方インチ (pound per square inch) と呼ぶことが多い。略称はpsi(ピーエスアイ、プサイ)。

単位記号は lbf/in2または psi、あるいは不正確だが lb/in2である。日本の計量法では、lbf/in2のみが認められていて、psiは使用することはできない[2]

測定対象による呼び名

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測定対象により、特別な呼び名がある。

  • psia (psi absolute) -- 絶対圧。ゲージ圧にその地域での大気圧を足したもの。「プサイア」とも読む[3]
  • psig (psi gauge, psi on gauge) -- ゲージ圧。大気圧との差。「プサイグ」とも読む[4]
    • psivg (psi vented gauge) -- difference between the measuring point and the local pressure.
    • psisg (psi sealed gauge) -- difference between a chamber of air sealed at atmospheric pressure and the pressure at the measuring point.
  • psid (psi difference) -- 差圧。2つの圧力の差。

1000 psi を ksi と呼ぶ。重量キロポンド毎平方インチ (kilopound-force per square inch)、あるいは、キップ毎平方インチ (kip per square inch) の略である。キップとはキロポンド kilopound の略で、(「重量」を付けることなく)1000 重量ポンドを意味する。

材料科学と機械工学に関する文章の中で時折見られ、一般に応力ヤング率を指定するのに用いられる。

実例

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  • 海面における大気圧 - 14.7 psia
  • 普通乗用車のタイヤ - 32~41 psig
  • ブレーキの空気溜 - 90〜120 psig
  • 充填済のスクーバタンク - 3000 psig

出典

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  1. ^ 計量単位令 別表第七(第八条関係) 第11号、第12号
  2. ^ 計量単位規則 別表第六(第2条関係) 「圧力」の欄・「応力」の欄
  3. ^ 「プサイア」、二村隆夫 監修『丸善 単位の辞典』2002年 丸善
  4. ^ 「プサイグ」、二村隆夫 監修『丸善 単位の辞典』2002年 丸善

関連項目

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力学の単位の3つのアプローチ[1][2]
基本単位 力・長さ・時間 重さ・長さ・時間 質量・長さ・時間
(F) F = ma = wa/g F = ma/gc = wa/g F = ma = wa/g
重さ (w) w = mg w = mg/gcm w = mg
単位系 BG GM EE M AE CGS MTS SI(MKS)
加速度 (a) ft/s2 m/s2 ft/s2 m/s2 ft/s2 Gal m/s2 m/s2
質量 (m) slug slug lbm kg lb g t kg
力 (F) lb kgf lbF kgf pdl dyn sn N
圧力 (p) lb/in2 at PSI atm pdl/ft2 Ba pz Pa
圧力の単位
パスカルSI単位) バール 工学気圧 気圧 トル psi
1 Pa N/m2 = 10−5 bar 10.2×10−6 at 9.87×10−6 atm 7.5×10−3 Torr 145×10−6 psi
1 bar = 100000 Pa ≡ 106 dyn/cm2 ≈ 1.02 at ≈ 0.987 atm ≈ 750 Torr ≈ 14.504 psi
1 at = 98066.5 Pa = 0.980665 bar kgf/cm2 ≈ 0.968 atm ≈ 736 Torr ≈ 14.223 psi
1 atm = 101325 Pa = 1.01325 bar ≈ 1.033 at p0 = 760 Torr ≈ 14.696 psi
1 Torr ≈ 133.322 Pa ≈ 1.333×10−3 bar ≈ 1.360×10−3 at ≈ 1.316×10−3 atm ≡ 1 mmHg ≈ 19.337×10−3 psi
1 psi 6894.757 Pa 68.948×10−3 bar ≈ 70.307×10−3 at ≈ 68.046×10−3 atm 51.7149 Torr ≡ 1 lbf/in2
  1. ^ Lindeburg, Michael R. (2011). Civil Engineering Reference Manual for the Pe Exam (英語). Professional Publications. ISBN 1591263417
  2. ^ Wurbs, Ralph A. Fort Hood Review Sessions for Professional Engineering Exam (PDF). 2011年8月15日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2011年10月26日閲覧