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「中村吉右衛門 (2代目)」の版間の差分

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=== テレビ ===
=== テレビ ===
*[日本テレビ]『右門捕物帖』 - 近藤右門役
*[[日本テレビ]]『右門捕物帖』 - 近藤右門役
*[NHK]『武蔵坊弁慶』 - 武蔵坊弁慶役 
*[[NHK]]『武蔵坊弁慶』 - 武蔵坊弁慶役 
*[[フジテレビ]]『鬼平犯科帳』 - 長谷川平蔵役
*[[フジテレビ]]『鬼平犯科帳』 - 長谷川平蔵役
*[[テレビ東京]]『忠臣蔵~決断の時~』 - 大石内蔵助役
*[[テレビ東京]]『忠臣蔵~決断の時~』 - 大石内蔵助役

2006年3月13日 (月) 17:08時点における版

2代目中村 吉右衛門なかむら きちえもん1944年5月22日 - )は、東京都千代田区麹町出身の歌舞伎役者、俳優早稲田大学第一文学部仏文学科中退。日本芸術院会員。
本名は、藤間久信から初代の養子になり波野姓に。さらに本名を波野辰次郎と改名。これは初代の本名と全く同一である。脚本家としての筆名は、松 貫四まつ かんし)。これは初代の祖先にあたる狂言作者の名と同一である。

歌舞伎では、堂々たる体躯、陰影に富む演技をもって義太夫狂言立役の第一人者として活躍。世話物から新歌舞伎喜劇にいたるまで芸域が広い。特に、後述するように、「勧進帳」や「義経千本桜」などでの武蔵坊弁慶役が十八番で、1986年NHK新大型時代劇武蔵坊弁慶」でも、主人公・弁慶役を演じた。また、テレビでの当たり役、時代劇シリーズ「鬼平犯科帳」で演じた主役・鬼平こと長谷川平蔵の成功によって、お茶の間でもお馴染みの顔となった。絵画やスケッチを描くのが上手く、画集を出版したほか、画廊で個展も開いている。

経歴・芸歴

五代目市川染五郎(後の八代目松本幸四郎・初代白鸚/本名:藤間順次郎)の次男として生まれる。出生時の本名は藤間久信(ふじまひさのぶ)。兄は現在の松本幸四郎 (9代目)(前名:六代目市川染五郎/本名:昭暁・てるあき)。母・正子は初代中村吉右衛門の一人娘。父中村吉右衛門 (初代)は一人娘の正子に 婿養子を取ろうと考えており、なかなか嫁に行くことを許さなかったが、いよいよ結婚する際、正子は「男子を二人は産んで、そのうちの一人に吉右衛門の名を継がせます」と約束し、見事その通り二人の男の子を生んだ。その約束に基づき、久信は初代吉右衛門の養子となり、波野久信(なみのひさのぶ)となる。

1948年、中村萬之助を名乗って初舞台。この芸名は吉右衛門の祖先・萬屋吉右衛門(よろずやきちえもん)にちなんだものだった。吉右衛門は、孫である萬之助を「坊」と呼び、目に入れても痛くないほど可愛がったが、こと、芝居にのこと となるとその性格は一変し、非常に厳しい師匠になり、ヤンチャな萬之助を一括することもしばしばだったという。

1954年、養父・初代吉右衛門が死去。1955年、萬之助は「山姥」の怪童丸の演技で毎日演劇賞を受賞。天才俳優として注目される一方、思春期の頃は、実の母が戸籍上は義姉にあたるという複雑さなどから自己確立に悩む日々であったという。

1961年、実父(当時・八代目幸四郎)と兄(当時・六代目染五郎)と共に、松竹から東宝に移籍。1964年「さぶ」(原作:山本周五郎)で、兄演じる二枚目の主役・栄二に対し、朴訥なさぶを好演(同じく兄弟共演で1968・1975年にも再演)するなど、歌舞伎以外の舞台公演や、またテレビドラマ映画にも進出。

1966年、二代目吉右衛門を襲名。母方の祖父であり養父である先代の本名・波野辰次郎(たつじろう)も継ぐ。襲名後は歌舞伎以外の舞台公演「太宰治の生涯」、「風林火山」など、テレビドラマでは「有間皇子」(1966)、「ながい坂」(1969/山本周五郎作品)、「右門捕物帖」(1969/全26回)などにそれぞれ主演。映画では近松門左衛門作品の映画化「心中天網島」(1969/篠田正浩監督)で主役・紙屋治兵衛を好演して高い評価を得る。

1970年代以降も歌舞伎および、テレビなどで活躍。1980年からはテレビで、時代劇「斬り捨て御免!」に主演(82年まで3シリーズ製作)。1986年にはNHK新大型時代劇武蔵坊弁慶」(全32回)で主役・弁慶を熱演して好評を得た。映画では「お吟さま」(78)で高山右近を演じ、ヒロインの相手役をつとめる。1989年には「利休」(徳川家康役)に出演。 

1989年、池波正太郎原作「鬼平犯科帳」4度目のテレビドラマ化にあたって、火付盗賊改方長官・長谷川平蔵役として主演。好評を得て、同年から1998年まで毎年、8シリーズと数本のスペシャル版を製作、その後2001年のスペシャル版放映もあわせ、全138本の長期人気シリーズとなり、吉右衛門にとって鬼平役が文句なしの当たり役となった(奇しくも、実父である八代目幸四郎も、かつての初代版鬼平犯科帳で、長谷川平蔵を演じていた)。

歌舞伎では「勧進帳」、「義経千本桜」などの武蔵坊弁慶、「菅原伝授手習鑑」の松王丸、「俊寛」の俊寛、「天衣紛上野初花」の河内山宗俊、「假名手本忠臣蔵」の大星由良助などが当たり役。2003年にはテレビ「忠臣蔵・決断の時」で、長年のラヴコールに応えてテレビで初めて大石内蔵助を演じ、重厚な演技を見せた。なお、テレビ時代劇の「忠臣蔵」物では、1989年のテレビ東京の新春12時間ワイド時代劇「大忠臣蔵」(原作:森村誠一「忠臣蔵」)などにも出演している。

「弁慶」、「鬼平」などのテレビ時代劇での活躍や、歌舞伎での充実した仕事ぶりにより、実に幅広い分野で活躍する兄・幸四郎に劣らぬ存在感を発揮し続ける名役者である。  

年譜

受賞歴

主な出演作

歌舞伎

テレビ

  • 日本テレビ『右門捕物帖』 - 近藤右門役
  • NHK『武蔵坊弁慶』 - 武蔵坊弁慶役 
  • フジテレビ『鬼平犯科帳』 - 長谷川平蔵役
  • テレビ東京『忠臣蔵~決断の時~』 - 大石内蔵助役

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外部リンク