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「二次レーダー」の版間の差分

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[[ファイル:ASR/SSRレーダー(航空科学博物館).jpg|サムネイル|一次レーダーと二次レーダーを組み合わせた空港監視レーダー]]
'''二次レーダー'''(にじレーダー、Secondary Surveillance Radar;SSR)は、発信源(質問側、インタロゲーター)から発した質問信号に、航空機等(応答側)に搭載された応答システム([[トランスポンダ]]が応答してき質問信号を受信して、必要な情報をる[[レーダー]]システム。
'''二次レーダー'''(にじレーダー、Secondary Surveillance Radar, SSR)は、質問側となる発信源から質問信号に対し、応答側の航空機などが搭載する[[トランスポンダ]]が応答した信号を受信して、必要な情報をる[[レーダー]]システムである


[[電波]]の物理的な反射を利用した[[一次レーダー]]目標から反射して戻ってくる受信信号が非常にくなるため、発信源は大きな[[電力]]が必要となり、非常にな器材が必となる。しかし、目標側にトランスポンダ(自動応答送信機を搭載する、発信源に戻ってくる信号の電力レベルを飛躍的に大きくすることができ、安価遠距離まで目標とらることができるレーダーシステムが構築可能る。
[[電波]]の物理的な反射を利用した[[一次レーダー]]は目標から反射して得られる受信信号が、発信源は大きな[[電力]]な器材る。目標側に自動応答送信機となるトランスポンダを搭載すると、発信源は受信信号の電力レベル大きく得られ、安価遠距離をえるレーダーシステムが構築で。目標がトランスポンダを搭載しないと二次レーダーはシステムとして成立せず、目標を捉えられない
ただし、目標にトランスポンダを搭載していないと二次レーダーはシステムとして成立せず、目標をとらえることができないことになる。
このため航空機は、トランスポンダを搭載することが義務付けられており、[[航空交通管制|航空管制業務]]で用いられるレーダーはほとんど二次レーダーシステムを利用している。


一定以上の大きさの航空機は二次レーダー用トランスポンダとしてSIF(Selective Identification Feature)を搭載し、[[航空交通管制|航空管制業務]]で用いる。
== システム ==

使用されるアンテナは回転する1次レーダーアンテナの上に質問アンテナとアンテナ台に固定された無指向性のサイド・ロープ抑圧(SLS)アンテナが使用される。また質問波(モード・パルス)は1030MHzで送信され、応答波(コード・パルス)は1090MHzで送信される、質問波には2パルスと3パルスの2つの方式があり、2パルスの場合最初のP1のパルスはSLSアンテナから発信し最後のP3パルスは質問アンテナから発信され、3パルスの場合は最初のP1と最後のP3パルスは質問アンテナから発信され間のP2パルスはSLSアンテナから発信される、それによりP1パルスとP3パルスとの間の時間間隔の違いによりモードA(ATC用)とモードC(高度用)の2つのモードが二次レーダーから発信される、それにより自機のトランスポンダから割り当てられた4桁の応答コードと高度を2個のフレーミングパルスと12個の情報パルスで構成された応答波で送信して質問アンテナの受信アンテナで受信して管制室のATCレーダースコープに一次レーダーの機影とともに4桁の応答コードと高度を表示する。<ref>『航空電子装備(上巻)』、P222~P224 日本航空技術協会</ref>トランスポンダによる応答は自動的に行われ、トランスポンダが質問波を受信してから応答波を送信するまでの時間と応答信号は厳密に定義されているので、質問側は応答側の距離と方向を知ることができる。また、[[航空機]]側から個別コードを発信することで、一次レーダーでは知ることができない、所属、高度、速度、付加価値的な航空機の状態を質問側で知ることができる利点もある。
== SIFシステム ==
回転する一次レーダーアンテナの上に取り付けられた質問アンテナと、アンテナ台に固定された無指向性のサイド・ローブ抑圧(SLS)アンテナを使用する。

質問信号のモード・パルスは1,030[[メガヘルツ]](MHz)で、応答信号のコード・パルスは1,090MHzで送信される。質問信号は2パルスと3パルスの2方式があり、2パルスは最初のP1パルスがSLSアンテナから、最後のP3パルスが質問アンテナから発信される。3パルスは最初のP1と最後のP3パルスが質問アンテナから、P1 - P3間のP2パルスがSLSアンテナから発信される。P1パルスとP3パルスの時間間隔の違いにより、[[航空交通管制]](ATC)用のモードAと高度用のモードCの2つの質問信号が二次レーダーから発信される。質問信号を航空機の無指向性のATCアンテナで受信したトランスポンダは、4桁の応答コードと自機の高度を2つのフレーミングパルスの間に挟む12個の情報パルスで構成された応答信号を、同じATCアンテナで送信する。質問側は受信した応答信号を一次レーダーの機影とともに4桁の応答コードと高度を表示する<ref>『航空電子装備(上巻)』、P222~P229 日本航空技術協会 1989年</ref>。

トランスポンダによる応答は自動的に行われ、トランスポンダが質問信号を受信してから応答信号を送信するまでの時間と応答信号は厳密に定義されており、質問側は応答側の距離と方向を知ることができる。発着が多い空港周辺空域を管理するターミナル管制は、二次レーダーが得た飛行情報をターミナルレーダー情報処理システム(Automated Radar Terminal System, ARTS)で処理し、4桁の応答コードの他に便名・高度・速度など航空機の状態を得る。


== 脚注 ==
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<div class="references-small"><references /></div>
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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** [[3次元レーダー]]
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[[pl:Wtórny radar dozorowania]]
[[sr:Sekundarni radar]]

2022年2月28日 (月) 10:25時点における最新版

一次レーダーと二次レーダーを組み合わせた空港監視レーダー

二次レーダー(にじレーダー、Secondary Surveillance Radar, SSR)は、質問側となる発信源からの質問信号に対し、応答側の航空機などが搭載するトランスポンダが応答した信号を受信して、必要な情報を得るレーダーシステムである。

電波の物理的な反射を利用した一次レーダーは目標から反射して得られる受信信号が微弱で、発信源は大きな電力や高額な器材を要する。目標側に自動応答送信機となるトランスポンダを搭載すると、発信源は受信信号の電力レベルが大きく得られ、安価に遠距離を捉えるレーダーシステムが構築できる。目標がトランスポンダを搭載しないと二次レーダーはシステムとして成立せず、目標を捉えられない。

一定以上の大きさの航空機は二次レーダー用トランスポンダとしてSIF(Selective Identification Feature)を搭載し、航空管制業務で用いる。

SIFシステム

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回転する一次レーダーアンテナの上に取り付けられた質問アンテナと、アンテナ台に固定された無指向性のサイド・ローブ抑圧(SLS)アンテナを使用する。

質問信号のモード・パルスは1,030メガヘルツ(MHz)で、応答信号のコード・パルスは1,090MHzで送信される。質問信号は2パルスと3パルスの2方式があり、2パルスは最初のP1パルスがSLSアンテナから、最後のP3パルスが質問アンテナから発信される。3パルスは最初のP1と最後のP3パルスが質問アンテナから、P1 - P3間のP2パルスがSLSアンテナから発信される。P1パルスとP3パルスの時間間隔の違いにより、航空交通管制(ATC)用のモードAと高度用のモードCの2つの質問信号が二次レーダーから発信される。質問信号を航空機の無指向性のATCアンテナで受信したトランスポンダは、4桁の応答コードと自機の高度を2つのフレーミングパルスの間に挟む12個の情報パルスで構成された応答信号を、同じATCアンテナで送信する。質問側は受信した応答信号を一次レーダーの機影とともに4桁の応答コードと高度を表示する[1]

トランスポンダによる応答は自動的に行われ、トランスポンダが質問信号を受信してから応答信号を送信するまでの時間と応答信号は厳密に定義されており、質問側は応答側の距離と方向を知ることができる。発着が多い空港周辺空域を管理するターミナル管制は、二次レーダーが得た飛行情報をターミナルレーダー情報処理システム(Automated Radar Terminal System, ARTS)で処理し、4桁の応答コードの他に便名・高度・速度など航空機の状態を得る。

脚注

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  1. ^ 『航空電子装備(上巻)』、P222~P229 日本航空技術協会 1989年

関連項目

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