痛快!河内山宗俊

『痛快!河内山宗俊』（つうかい! こうちやまそうしゅん）とは1975年10月6日から1976年3月29日まで、フジテレビで放送された時代劇。製作は勝プロダクション。

概要

1974年のテレビ作品『座頭市物語』で気を吐いた勝新太郎が、新たなる飛躍を目指して自ら率いる勝プロの製作で主演した作品。勝の実兄の若山富三郎が、勝演じる河内山宗俊を陰ながら支える遠山金四郎の役でセミレギュラー出演している。

あらすじ

時は老中・水野忠邦の天保の改革で倹約令がしかれ、市民が束縛されていた天保年間。力なき市民を牛耳る権力悪に対して、真っ向から挑んだ男がいた。権力者に対して強請り集りをして金儲けをしている数奇屋坊主の河内山宗俊である。宗俊は、力強い仲間たちを率いて法で裁けぬ巨悪を強請り集りで裁き、力なき庶民を救うべく大活躍する。

出演者

• 河内山宗俊：勝新太郎

ねり塀小路に住む数奇屋坊主。剛胆で曲がったことの嫌いな性格だが、幕府の中では強請り集りをする厄介者扱いされている。

• お滝：草笛光子

河内山と長いつきあいの女将。河内山に思いを寄せている。

• 片岡直次郎：ヒデ

河内山の手下で、旗本の出らしい元武士。帯刀はしていない。

• 丑松：火野正平

河内山の手下。故郷に母親がおり、見栄を張って「士分に取り立てられて殿様になった」と嘘をついたこともある。

• お千代：桃井かおり(第3話、第4話、第6話を除く)

河内山が助けたことから仲間になる若い女性。茶屋女として働いている。

• 金子市之丞：原田芳雄(第4話、第5話、第7話を除く)

河内山の敵にも味方にもなる浪人。河内山からは「金子市」と呼ばれている。

• 森田屋清蔵：大滝秀治（第4話から）

河内山の後ろ盾を買って出ている豪商。河内山の手助けをしたり、河内山に協力を依頼することもある。

• 西山玄斉：小松方正 （第1・4・16・26話）

河内山の上司に当たる人物。河内山が亡くなったという芝居を打った時には、香典を1両しか持ってこなかった。

• 鳥居耀蔵：岸田森 （第22・26話）

老中・水野の腹心。

• 遠山金四郎：若山富三郎(第5話、第7話)

江戸北町奉行。河内山に助力をする。

• 水野忠邦：山村聰(第1話、第4話)

時の筆頭老中。厄介者の河内山に目をかけ、うまく扱う。

• ナレーター：勝田久

スタッフ・挿入歌

• 監督：三隅研次、工藤栄一、黒田義之、森一生、太田昭和、大洲斎、勝新太郎、安田公義、斎藤武市
• 脚本：直居欽哉、東條正年、笠原和夫、野上龍雄、中村努、高橋二三、星川清司、岩元南、桜井康浩、田口耕三、尾中洋一
• 撮影：宮川一夫ほか
• 音楽：青山八郎
• 挿入歌：『いつの日か人に語ろう』作詞：有馬三恵子／作曲：中村泰士／編曲：あかのたちお／歌：出門英

サブタイトル

話数	タイトル	監督	脚本	ゲスト出演
第1話	一世一代の大芝居	三隅研次	直居欽哉	名和宏、穂高稔、須藤健、長谷川弘、浅香春彦、中村錦司
第2話	ねり塀小路がひと肌脱いだ	工藤栄一	東條正年	小川知子、江幡高志、遠藤太津朗、成瀬正孝
第3話	ここ一番の大勝負	黒田義之	笠原和夫	松山省二、服部妙子、草薙幸二郎、阿藤海、弘松三郎、堀勝之祐、木村元
第4話	祭ばやしに男が賭けた	森一生	野上龍雄	高品格、津山登志子、小池朝雄、林ゆたか
第5話	親孝行なさけのかけ橋	三隅研次	中村努	小峰千代子、常田富士男、上野山功一、長谷川弘、橘家円平、志賀勝
第6話	米が仇の八百八町	太田昭和	東條正年	睦五郎、三条泰子、伊藤高、城所英夫
第7話	御祝儀放免	三隅研次	高橋二三	花沢徳衛、須賀不二男、鈴木瑞穂、飯沼慧、小林伊津子、高橋仁
第8話	三途の川は空っ風	太田昭和	直居欽哉	赤座美代子、戸浦六宏、村松克巳、潮建志
第9話	罠にはまった中仙道	大洲斎	星川清司	大谷直子、河津清三郎、井上博一、八木喬、成瀬正孝
第10話	鬼より怖い奴がいた	工藤栄一	岩元南	川地民夫、垂水悟郎、柴田美穂子、松丸登志乃
第11話	男が泣いたわらべ唄	森一生	桜井康浩	富田仲次郎、剣持伴紀、三浦リカ、金井大、遠山欽
第12話	ぬれ手に油の三万両	黒田義之	中村努	河原崎建三、赤塚真人、今井健二、池田駿介、山西道広
第13話	鯉が命の子守唄	太田昭和		吉沢京子、名和宏、高野真二、谷口完、松井康子、牧冬吉、海野かつを
第14話	鉄火肌一番まとい	黒田義之	直居欽哉	林与一、本阿弥周子、竜崎一郎、田口計、小瀬格
第15話	地獄に花をつみに行く	勝新太郎	田口耕三	緒形拳、村上冬樹、竹下景子、川口恒、山下雄大
第16話	夜明けに消えた男星	安田公義		石原裕次郎、富川澈夫、外山高士、須賀不二男
第17話	火と燃えよ恋のかよい路	太田昭和	尾中洋一	宇津宮雅代、高橋長英、江幡高志、西田良、石山雄大、志賀勝
第18話	雪に舞う女の絵草紙			十朱幸代、浜田寅彦、松山照夫、佐々木孝丸
第19話	見果てぬ夢の宝の山	斎藤武市	中村努	森本レオ、渡辺外久子、沼田曜一
第20話	おれとあいつの忘れがたみ	工藤栄一	星川清司	小沢栄太郎、蟹江敬三、守田学哉
第21話	妻恋い、母恋い風ひとつ	太田昭和	尾中洋一	藤村志保、清水紘治、中井啓輔、杉野公子
第22話	桃の節句に雪を見た	黒田義之	田口耕三	由美かおる、津川雅彦、中村公三郎
第23話	真っ赤に咲いた想い花	勝新太郎	星川清司	范文雀、小俣真紀、石橋蓮司、富田浩太郎、勝部演之、奈三恭子
第24話	手玉にとられた鬼三匹	安田公義		加賀まりこ、和田幾子、玉川伊佐男、成瀬昌彦、村田吉次郎
第25話	桜吹雪江戸の夕映え	勝新太郎	尾中洋一	野川由美子、江見俊太郎
第26話	無頼六道銭	太田昭和	直居欽哉 中村努	多々良純、水森亜土、長谷川弘

備考

• 実在する河内山宗俊（宗春）は文化文政時代の人物であるが、本作の時代設定はそれよりあとの天保年間であり、実在の宗春は本作の設定の時期にはすでに死去している（文政6年没）。
• 本作の登場人物は、宗俊の死後に創作された『天保六花撰』（二代目松林伯圓・作）に登場する人物とほぼ同名である（三千歳を除く）。

関連項目

• 河内山宗春 - 主人公・河内山宗俊のモデルとされる実在の人物。
• 片岡直次郎 - 本作に登場する実在の人物。
• 天保六花撰 - 本作の基になった作品。

フジテレビ系 月曜21時台
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