「煎茶」の版間の差分
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2013年3月12日 (火) 12:52時点における版
煎茶(せんちゃ)は日本茶の1つ。
概要
しばしば狭義と広義の2つの意味で使われる。狭義の「煎茶」とは日光を遮らずに栽培し、新芽を使い繊細に加工したものである。玉露やかぶせ茶は栽培方法で日光を遮る点、また番茶は大きな葉や茎を使用する点において狭義の煎茶と異なる。広義の「煎茶」とは、茶葉を揉まずに乾燥して粉末にした抹茶(てん茶)に対して、茶葉を湯に浸して(煮出して)成分を抽出する「煎じ茶」のことをいう。
煎茶(広義)
煎茶(せんちゃ)とは緑茶すなわち不発酵茶の一種であるが、蒸熱により茶葉の酵素を失活させて製造する(蒸す)という点で世界的にも珍しい茶であり、生産、消費ともほぼ日本に限られている。ただし、中国茶に近い製法をとる釜炒り茶もある。
当初の「煎茶」は文字通り「煎じる茶」の意味で、茶葉を湯で煮出すことによって成分を抽出するため今日のように急須で手軽に淹れられるものではなかった。中世以降の日本における茶の服用方法には「煎じ茶」と茶葉を臼ですりつぶした「挽茶」があり、当初は摘んだ茶葉を蒸すか湯がくかして酸化酵素の働きを止め日光と「ほいろ」により乾燥させるものだったが、近世には「揉み」の行程が入るようになっていった。現在の煎茶(それまでの煎じ茶とちがい、急須で出せる茶は「だし茶」であるともいわれる)の製法は煎茶の流行とともに普及し、現在の日本茶の主流となっている。
明治時代以降、手揉みにかわる能率的な機械製法が考案され、現在では蒸熱、粗揉、揉捻、中揉、精揉、乾燥の6工程で製造されている。品質としては形状が細く針状のものを良とし、香気は特に一番茶新芽の新鮮な香りを保持したものが良い。また、滋味には特有の旨味と適度な渋みのバランスが重要である。このような品質上の特性を重視することから、その製造工程においては茶葉の短時間の蒸熱とそれに続く低温乾燥というきめ細かな注意が払われている。
煎茶(狭義)
茶葉は一番茶と二番茶の早摘みのものを用いるが収穫前に「棚」に寒冷紗などの覆いをかけて日光を遮る玉露とは異なり、終始露天で栽培される。一般に70℃前後のお湯で淹れ、1〜2分浸出する。甘みと苦み・渋みの調和がとれるのが良いとされる。