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「駄菓子」の版間の差分

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== 歴史 ==
== 歴史 ==
[[江戸]]に[[雑穀]]や[[水飴]]などを材料に使って作り上げ、庶民の[[間食]]として食べられていたのと、安さもあり一文菓子と呼ばれていた<ref>中島久枝人と土地と歴史をたずねる 和菓子』柴田書店 [[2001年]] ISBN 4-388-05882-3</ref>。
禄年間の[[大阪|大坂]]で、当は輸入品であった高価な[[上白糖|砂糖]]を使って作られた上菓子対して、国産の安価な[[黒砂糖]]を使用して作られた菓子を「'''雑菓子'''」と言い、これが駄菓子の起源とされている。その後、[[19世紀]]の[[京阪|京坂]]で初めて「'''駄菓子'''」の名称が登場した{{sfn|森下|2008|pp=294-295|loc=2. 駄菓子の誕生と展開 (1)駄菓子誕生の背景と痕跡}}。また、[[雑穀]]や[[水飴]]などを材料に使って作り上げ、庶民の[[間食]]として食べられていたのと、安さもあり一文菓子と呼ばれていた{{sfn|森下|2008|p=294|loc=2. 駄菓子の誕生と展開 (1)駄菓子誕生の背景と痕跡}}<ref>{{Cite book|和書|author=中島久枝 |authorlink=中島久枝 |title=和菓子 人と土地と歴史をたずねる |year=2001 |month=4 |publisher=柴田書店 |series=柴田ブックス |isbn=4-388-05882-3 |page={{要ページ番号|date=2023年11月}} }}</ref>。


[[地方]]の[[藩]]においては常備食として蓄えていた[[糒]](ほしい)の払い下げを行っていたことから、それを材料とした駄菓子を作り上げ、今も売られる伝統的な[[郷土菓子]]として定着した地方もある。
[[地方]]の[[藩]]においては常備食として蓄えていた[[糒]](ほしい)の払い下げを行っていたことから、それを材料とした駄菓子を作り上げ、今も売られる伝統的な[[郷土菓子]]として定着した地方もある。


現在、駄菓子として売られているものは、[[明治]]からの流れを受け、[[戦後]]に発達したものがほとんどで、その種類も豊富である。また小遣いが少額であることが多い子供でも手が出やすいようにほとんどが10 - 70円程度の極めて安価な価格設定となっている。[[パッケージ]]に児童に人気の[[スポーツ選手]]や[[アニメキャラクター]]を使用する、物によっては[[クジ引き]]が出来、当たりが出れば[[おまけ]]がもらえるといった工夫がされているものもある。
駄菓子という名称は、高級な[[和菓子#用途による分類|上菓子]]の対照としてつけられたもので、[[関西]]地方では'''雑菓子'''(ざつがし)とも称されている。この頃の駄菓子は製造に用いる材料が制限され、高価な白[[砂糖]]などを用いることは許されなかった。


流通経路として、[[昭和]]期には[[駄菓子屋]]が全国の街角に見られ一時代を築いたが、社会事情の変化で現在{{いつ|date=2023年11月}}は少なくなり、近年は[[コンビニエンスストア]]や大型[[ショッピングセンター]]、[[スーパーマーケット]]、菓子専門店チェーンなどに販売の中心が移った。
現在、駄菓子として売られているものは、[[明治]]からの流れを受け、[[戦後]]に発達したものがほとんどで、その種類も豊富である。また小遣いが少額であることが多い子供でも手が出やすいようにほとんどが5~30円程度の極めて安価な価格設定となっている。[[パッケージ]]に児童に人気の[[スポーツ選手]]や[[アニメキャラクター]]を使用する、物によっては[[クジ引き]]が出来、当たりが出れば[[おまけ]]がもらえるといった工夫がされているものもある。

流通経路として、[[昭和]]期には[[駄菓子屋]]が全国の街角に見られ一時代を築いたが、社会事情の変化で現在は少なくなり、近年は[[コンビニエンスストア]]や大型[[ショッピングセンター]]、[[スーパーマーケット]]、菓子専門店チェーンなどに販売の中心が移った。


== 現在も売られている伝統的な駄菓子 ==
== 現在も売られている伝統的な駄菓子 ==
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* [[黒棒]] - 黒砂糖風味の棒状の菓子
* [[黒棒]] - 黒砂糖風味の棒状の菓子
* [[カルメ焼き]] - [[南蛮菓子]]
* [[カルメ焼き]] - [[南蛮菓子]]
* [[金平糖]] - マルタ食品など製造。[[ザラメ]]に溶いた[[グラニュー糖]]をかけつつ数日大釜で転がすだけであの形になるが、その回転の加減でまん丸になってしまうため熟練の大技がなす形状
* [[金平糖]] - マルタ食品など製造。[[ザラメ]]に溶いた[[グラニュー糖]]をかけつつ数日大釜で転がすだけであの形になるが、その回転の加減でまん丸になってしまうため熟練の大技がなす形状になっている。
* [[麩菓子]]‐麩を主材料で作った菓子


== 現在売られている駄菓子の種類 ==
== 現在売られている駄菓子の種類 ==
[[ファイル:Hu-gashi,wheat-confectionery,japan.JPG|thumb|150px|ふ菓子]]
[[ファイル:Anko dama.jpg|thumb|right|150px|[[あんこ玉]]]]

カッコ内は備考。
カッコ内は備考。
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* [[水あめ]](カップ入りねりあめ・ねりあめなど)
* [[水あめ]](カップ入りねりあめ・ねりあめなど)
* 三角飴
* 三角飴
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* ラメック(現在市販されていないが東京下町の駄菓子屋もんじゃ店にのみ卸されている)
* ラメック(現在市販されていないが東京下町の駄菓子屋もんじゃ店にのみ卸されている)
* ラーメン屋さん太郎(やきそば屋さん太郎もある)
* ラーメン屋さん太郎(やきそば屋さん太郎もある)
* [[よっちゃん食品工業|らあめんババア]]
* [[よっちゃん食品工業|らあめんババア]](2020年8月31日に生産終了)
* おこづかいラーメン
* おこづかいラーメン
* ヤッターめん
* ヤッターめん
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* [[コリス|ニューフエガム]]
* [[コリス|ニューフエガム]]
* プチガム(プラ容器の色のついたフタが笛になっている)
* プチガム(プラ容器の色のついたフタが笛になっている)
* [[リリー|押し式当たり付き玉ガム]]{{要曖昧さ回避|date=2021年5月}}各種(野球盤・パチンコなどでボタンを押して出た玉ガムの色により当たり)
* 押し式当たり付き玉ガム各種(野球盤・パチンコなどでボタンを押して出た玉ガムの色により当たり)
* 丸金のゼリー
* 丸金のゼリー
* くるくるボーゼリー
* くるくるボーゼリー
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* フライドポテト(他社同等商品[[東豊製菓|ポテトフライ]]16種味)
* フライドポテト(他社同等商品[[東豊製菓|ポテトフライ]]16種味)
* [[リスカ|ハートチップル]](コーンポタージュ・幻の牛丼・下町焼きそば)
* [[リスカ|ハートチップル]](コーンポタージュ・幻の牛丼・下町焼きそば)
[[ファイル:Hu-gashi,wheat-confectionery,japan.JPG|thumb|150px|ふ菓子]]
* [[麩菓子|ふ菓子]](麩菓子)(甘麩)
* [[麩菓子|ふ菓子]](麩菓子)(甘麩)
* [[ボーロ]]([[たまごボーロ]]・[[岩本製菓|ミルクボーロ]])
* [[ボーロ]]([[たまごボーロ]]・[[岩本製菓|ミルクボーロ]])
* [[わたがし]](佐藤製菓など)
* [[わたがし]](佐藤製菓など)
* [[前田製菓|前田のクラッカー]]
* [[前田製菓|前田のクラッカー]]
[[ファイル:Anko dama.jpg|thumb|right|150px|[[あんこ玉]]]]
* [[あんこ玉]]
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* [[きなこ棒]]
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* [[粉末ジュース]](松山製菓 オレンジ・メロン・イチゴ・パイン・グレープ)や[[ニッポー|シャンペンサイダー]]
* [[粉末ジュース]](松山製菓 オレンジ・メロン・イチゴ・パイン・グレープ)や[[ニッポー|シャンペンサイダー]]
* [[カタヌキ]]
* [[カタヌキ]]
* ブタメン
* ペペロンチーノ(東京拉麺)
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== 出典 ==
== 脚注 ==
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=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
* {{Cite journal|和書|author=森下みさ子 |authorlink=森下みさ子 |title=「駄菓子」というテキストを読む : 子ども文化の詩学に向けて |year=2008 |month=7 |publisher=聖学院大学総合研究所 |journal=聖学院大学総合研究所紀要 |volume=43 |issn=09178856 |naid=120006326378 |url=https://serve.repo.nii.ac.jp/records/1202 |format=PDF |accessdate=2023-11-08 |ref={{sfnref|森下|2008}} }}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[菓]] - 駄菓子メーカー
* [[子屋]]
*[[ジャック製菓]]-駄菓子メーカー
* [[駄菓子屋]]<ref>{{Citation|title=駄菓子屋すーさん(爬虫類の居る駄菓子屋さん)【子どもの心の安全基地】|url=https://www.youtube.com/watch?v=o6maSoiVuJg|language=ja-JP|access-date=2022-04-25}}</ref>
* [[紙芝居]] - 街頭紙芝居において駄菓子が売られていた
* [[紙芝居]] - 街頭紙芝居において駄菓子が売られていた
* [[スナック菓子]]
* [[スナック菓子]]
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* [[和菓子#用途による分類]] - 対義語
* [[和菓子#用途による分類]] - 対義語
* [[駄菓子バー]] - 駄菓子とお酒が楽しめるバー
* [[駄菓子バー]] - 駄菓子とお酒が楽しめるバー
* [[だがしかし]] - [[コトヤマ]]による、駄菓子をテーマにした漫画作品およびそれを原作にした[[テレビアニメ]]
* [[だがしかし]] - [[コトヤマ]]による、駄菓子をテーマにした[[漫画]]作品およびそれを原作にした[[テレビアニメ]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
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2023年11月21日 (火) 05:02時点における最新版

昭和の駄菓子 昭和なつかし博覧会 2007年2月17日明石市立文化博物館

駄菓子(だがし)とは、茶席や贈答にも使われる高級菓子に対し、主に子供向けに製造販売される、安価な菓子のことである。

歴史[編集]

元禄年間の大坂で、当時は輸入品であった高価な砂糖を使って作られた上菓子に対して、国産の安価な黒砂糖を使用して作られた菓子を「雑菓子」と言い、これが駄菓子の起源とされている。その後、19世紀京坂で初めて「駄菓子」の名称が登場した[1]。また、雑穀水飴などを材料に使って作り上げ、庶民の間食として食べられていたのと、安さもあり一文菓子と呼ばれていた[2][3]

地方においては常備食として蓄えていた(ほしい)の払い下げを行っていたことから、それを材料とした駄菓子を作り上げ、今も売られる伝統的な郷土菓子として定着した地方もある。

現在、駄菓子として売られているものは、明治からの流れを受け、戦後に発達したものがほとんどで、その種類も豊富である。また小遣いが少額であることが多い子供でも手が出やすいようにほとんどが10 - 70円程度の極めて安価な価格設定となっている。パッケージに児童に人気のスポーツ選手アニメキャラクターを使用する、物によってはクジ引きが出来、当たりが出ればおまけがもらえるといった工夫がされているものもある。

流通経路として、昭和期には駄菓子屋が全国の街角に見られ一時代を築いたが、社会事情の変化で現在[いつ?]は少なくなり、近年はコンビニエンスストアや大型ショッピングセンタースーパーマーケット、菓子専門店チェーンなどに販売の中心が移った。

現在も売られている伝統的な駄菓子[編集]

現在売られている駄菓子の種類[編集]

ふ菓子
あんこ玉

カッコ内は備考。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 森下 2008, pp. 294–295, 2. 駄菓子の誕生と展開 (1)駄菓子誕生の背景と痕跡.
  2. ^ 森下 2008, p. 294, 2. 駄菓子の誕生と展開 (1)駄菓子誕生の背景と痕跡.
  3. ^ 中島久枝『和菓子 人と土地と歴史をたずねる』柴田書店〈柴田ブックス〉、2001年4月、[要ページ番号]頁。ISBN 4-388-05882-3 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]