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[[1970年]]に海上保安庁に引き渡され、本格的な稼働を開始した。本船は所属は海上保安庁であったが、実際の運用に当たっては[[科学技術庁]](当時)が調整する形で各研究機関が共同利用するという方式を取っていた。この点は[[海洋研究開発機構]]で保有・運用を行う形の後継機「[[しんかい2000]]」・「[[しんかい6500]]」とは異なる。このため、「しんかい」は'''海上保安庁が保有した唯一の潜水艇'''となっている。運用は母船の「'''乙女丸'''」に搭載され(乙女丸は民間からの傭船)、調査地点で着水・潜行する方式であった。 |
[[1970年]]に海上保安庁に引き渡され、本格的な稼働を開始した。本船は所属は海上保安庁であったが、実際の運用に当たっては[[科学技術庁]](当時)が調整する形で各研究機関が共同利用するという方式を取っていた。この点は[[海洋研究開発機構]]で保有・運用を行う形の後継機「[[しんかい2000]]」・「[[しんかい6500]]」とは異なる。このため、「しんかい」は'''海上保安庁が保有した唯一の潜水艇'''となっている。運用は母船の「'''乙女丸'''」に搭載され(乙女丸は民間からの傭船)、調査地点で着水・潜行する方式であった。 |
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本船は日本近海で海底地形地質調査、漁場調査、荒天状態での海面下海象(海流、水温、塩分濃度、地場)などの海洋調 |
本船は日本近海で海底地形地質調査、漁場調査、荒天状態での海面下海象(海流、水温、塩分濃度、地場)などの海洋調 |
2017年4月2日 (日) 11:23時点における版
しんかい | |
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船首方向から見た"しんかい" | |
基本情報 | |
船種 | 深海探査艇 |
船籍 | 日本 |
所有者 | 海上保安庁 |
建造所 | 川崎重工業神戸造船所 |
経歴 | |
起工 | 1968年 |
進水 | 1970年 |
竣工 | 1970年 |
就航 | 1970年 |
処女航海 | 1970年 |
引退 | 1977年 |
最後 | 1976年 |
現況 | 呉市海事歴史科学館で保存 |
要目 | |
トン数 | 91 t |
全長 | 16.5 m (54 ft) |
幅 | 5.5 m (18 ft) |
高さ | 5.0 m (16.4 ft) |
推進器 | 電動機 |
速力 | 2.2ノット |
潜航深度 | 600 m |
搭載人員 | 乗員4名 |
その他 | 潜航時間: 10時間 |
しんかいは海上保安庁が保有していた有人潜水調査艇。日本で初めて建造された本格的な有人深海調査艇である。
概要
1969年、川崎重工業で建造された。建造に当たっては、旧日本海軍の潜水艦建造技術も参考にされたという。実用最高深度は600mである。
1970年に海上保安庁に引き渡され、本格的な稼働を開始した。本船は所属は海上保安庁であったが、実際の運用に当たっては科学技術庁(当時)が調整する形で各研究機関が共同利用するという方式を取っていた。この点は海洋研究開発機構で保有・運用を行う形の後継機「しんかい2000」・「しんかい6500」とは異なる。このため、「しんかい」は海上保安庁が保有した唯一の潜水艇となっている。運用は母船の「乙女丸」に搭載され(乙女丸は民間からの傭船)、調査地点で着水・潜行する方式であった。
神戸市東灘区深江南町の基地から、海洋調査に出向いていた。基地は閉鎖されたが、地下の旧基地跡から海に出る水路は、閉鎖されずに現存している。[要出典]
本船は日本近海で海底地形地質調査、漁場調査、荒天状態での海面下海象(海流、水温、塩分濃度、地場)などの海洋調 査に従事し、多くの成果を上げた。しかし、本船と母船の「乙女丸」がともに老巧化したため、1977年1月に廃船となった。これに加え、日本の領海が3海里から12海里に広がってより調査範囲を広げる必要が出てきたため、後継機として「しんかい2000」が開発されることになり、「しんかい」が退役して4年後の1981年に就役している。
退役後は長らく広島県呉市の海上保安大学校に保存展示されてきたが、2005年に同じ呉市にオープンした呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)に隣接する敷地(屋外)に移され、保存展示されている。
主要諸元
- 全長 16.52m
- 幅 5.53m
- 深さ 5m
- 喫水 4m
- 排水量 90.88t
- 最大潜行深度 600m
- 速力
- 水中最大 2.24ノット、実用 1.5ノット
- 水上最大 2.35ノット
- 航続時間
- 水中最大速力にて 4.6 時間
- 水中実用速力にて 10 時間
- 曳航速度 5ノット
- 乗員数 4 名
- 空気清浄能力 48 時間
その他
小松左京原作の『日本沈没』(1973年公開の映画版)に登場する潜水艇「わだつみ」は、当時日本で唯一の深海調査艇だった本船をモデルとしている。ただし、「わだつみ」の潜行深度は1万m(設計上は10万m)と設定されている。
出典
- 束原和雄「潜水調査船「しんかい」」(PDF)『写真測量』第12巻第1号、1973年、40-45頁、doi:10.4287/jsprs1962.12.40、ISSN 0549-4451、OCLC 2241814。