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「マギ (漫画)」の版間の差分

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|第2夜||旅立ち||福田道生||高橋英俊||栗原優、折井一雅||10月13日
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2013年10月13日 (日) 14:57時点における版

マギ
ジャンル 少年漫画ファンタジー魔導冒険譚
漫画
作者 大高忍
出版社 小学館
掲載誌 週刊少年サンデー
レーベル 少年サンデーコミックス
発表号 2009年27号 -
巻数 既刊18巻(2013年9月現在)
漫画:マギ シンドバッドの冒険
原作・原案など 大高忍(原作)
作画 大寺義史
出版社 小学館
掲載誌 週刊少年サンデー→裏サンデー
レーベル 裏少年サンデーコミックス
発表号 2013年23号 -
巻数 既刊1巻(2013年9月現在)
アニメ
原作 大高忍
監督 舛成孝二
シリーズ構成 吉野弘幸
キャラクターデザイン 赤井俊文
音楽 鷺巣詩郎
アニメーション制作 A-1 Pictures
製作 マギ製作委員会、MBS
放送局 MBSTBS系列
放送期間 第1期:2012年10月7日 - 2013年3月31日
第2期:2013年10月6日 -
話数 第1期:全25話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

マギ』(Magi: The Labyrinth of Magic)は、大高忍による日本少年漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館2009年27号から連載中。

概要

ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)から移籍してきた大高の移籍後初の作品。『千夜一夜物語』をモチーフにした冒険活劇で、登場人物の名前の一部も『千夜一夜物語』から採られている。話数カウントは「第○夜」(テレビアニメ版も同様)。コミックスの累計発行部数は1巻から16巻で累計1000万部を突破している(2013年4月時点)[1]

2012年10月から2013年3月までテレビアニメが放送され、続編の制作も発表された(詳細は後述)。

また、『週刊少年サンデー』(小学館2013年23号より、登場人物の一人・シンドバッドを主人公とした外伝『マギ シンドバッドの冒険』の連載を開始した。漫画は大寺義史が担当している。

あらすじ

迷宮編
第7迷宮(ダンジョン)の周囲に広がる町、チーシャンに住む若者アリババは、御者のアルバイトをしながら迷宮を攻略し大富豪になることを夢見ていたが、あと一歩を踏み出せずにいた。そんなある日、彼は『ジンの金属器』を探して旅をしているという、謎の少年アラジンと出会う。彼の持つ笛に潜む『ウーゴ君』の力を目の当たりにしたアリババは、アラジンに共同での迷宮攻略を持ち掛ける。
草原編
アリババと共に迷宮を攻略したアラジンだったが、迷宮から送り出された彼が姿を現したのは遠い異国の地に広がる草原だった。そこに暮らす騎馬民族・黄牙(こうが)一族の集落に拾われた彼は、『ルフ』を見ることが出来る老婆に出会う。そして同じ頃、黄牙一族と接触を試みようとする一団があった。
盗賊砦編
アリババによって奴隷の身から解放された少女モルジアナは、故郷暗黒大陸に帰るため、ライラとサアサの所属する隊商と共に、カタルゴ行きの船が出航する沿岸の国バルバッドを目指していた。しかしバルバッドへ向かう道の途中に盗賊が居座っているために、隊商は道程の変更を余儀なくされ、バルバッドへの道は閉ざされてしまう。そこでモルジアナは単身、盗賊団を退治して本来の予定通りバルバッドへと向かうため、彼らの本拠地に乗り込む。
バルバッド編
偶然の出来事から再会したアラジンとモルジアナは、共に旅を続けてきた隊商と別れ、それぞれの目的のため2人でバルバッドを目指す。旅の途中、彼らは商売のためにバルバッドへ向かう途上で盗賊に着る物まで奪われ困窮しているという男・シンに出会い、助けられた礼にと彼の宿泊するホテルへ案内される。そこで何気なくアリババのことを尋ねたアラジンは、『怪傑アリババ』と名乗る盗賊が一味を率いてバルバッドを荒らし回っているという話を聞く。
シンドリア編
実はシンは七海の覇王、シンドバッドだった。彼の治める国、シンドリアに招かれたアラジン達3人は、世界を『堕転』させようとするアル・サーメンの話を聞く。来るべきアル・サーメンとの戦いに備えて修行を始め、着実に力をつけていくアラジン達。そこに皇子の留学のために、煌帝国の一団がシンドリアへとやってくる。その第四皇子、練白龍は、かつてアラジンが命を救った女性の実弟であった。彼は、己のある重大な目的を胸に秘め、シンドリアへとやってきたのだった。
そんな折、アラジンたちの師匠を務める八人将から修業の成果を聞いたシンドバッドは、実戦も兼ねて、「シンドリアの近海に出現した迷宮を、アル・サーメンの勢力に発見・攻略される前に攻略してほしい」という指令を3人に下した。アラジン、アリババ、モルジアナは同行を申し出た白龍とともに、第61迷宮「ザガン」の攻略に向かう。
海賊討伐編
見事ザガンを攻略したアラジン達。しかし、快挙の喜びも冷めやらぬ彼らの前に遂にアル・サーメンが立ちはだかる。同時期、シンドリアにはジュダルが現れ、シンドバッドへ敵対を宣言する。アル・サーメンの強力でおぞましい力の前に自分達の無力さを知ったアラジン達は、自分のすべきこと、目指すもののためにはこのままでいいのか、マギの言う「王」となるには何が必要なのかを考え始める。シンドリアでの滞在の間に起きた彼らの中での変化、そして、国へ帰ることを迷い続けていた練紅玉の決意。 彼らが選んだのは、道は違えど、己の目的のために新たな旅立ちへ出ることだった。アラジン、アリババ、モルジアナ、白龍の4人はそれぞれ別々の目的のためにシンドリアを離れる。目的地であるアクティア王国に向かう途中、海賊「大聖母」の襲撃を受け積み荷を奪われてしまう。さらに、アクティアの港町も襲撃を受け、子供たちが連れ去られていた。子供たちを救うため、迷宮「ザガン」攻略メンバーの4人は沖合にある「大聖母」の砦に乗り込む。
マグノシュタット編
マグノシュタット学院とアル・サーメンの関係を探るためマグノシュタットに留学したアラジンは、1年間で実力を伸ばし優秀特待生になっていた。その中で、レーム帝国のマギ、シェヘラザードの部下である天才魔導士ティトスと出会う。そんなある日、ティトスとルームメイトのスフィントスと共に、5等許可区の国民がマグノシュタットの地下で魔力を吸い上げられていることを知る。そのことを学長であるモガメットに抗議するも想いは通じず、さらに、ティトスの「死にたくない」という気持ちが原因でマグノシュタットとレーム帝国、そして煌帝国を交えた三つ巴の戦争が始まってしまう。

登場人物

各人物が所持している金属器・眷属器・魔法道具および、その能力も併記する。初期から登場している人物の年齢はおよそ1歳繰り上がっている。

主要人物

アラジン
声 - 石原夏織
本作の主人公。巨大なジンが宿る笛を持つ謎の少年。名前の由来は『アラジンと魔法のランプ』のアラジンから。10歳程度で身長は130cm。趣味は読書。
他のジンが潜む金属器を探し、旅をしている。無邪気で純粋だが思慮深く、争いを好まない性格。見た目通り子供なのかが疑われるほど男性的な欲求に忠実で、「やわらかくて胸の大きい美人なお姉さん」が好み。一方モルジアナをはじめ、筋肉質で硬いお姉さんは対象には入っていない(ただし、モルジアナは友達として好き)。また、ウーゴとの別れの原因となった張本人の紅玉に対してのみ冷たい態度をとる。黄牙一族の長老ババの形見の杖を持ち歩いている。物真似が持ちネタ。
『マギ』と呼ばれる存在であり、杖を媒介してルフの持つ魔力を集め攻撃に用いたり、所持している笛に宿るジン『ウーゴくん』を実体化させるなどの能力を持つ。後に魔法も使えるようになる。体内の魔力保有量は魔導士としては中の上程度だが、マギであるため周囲のルフの力で単純な魔法でも膨大な威力を発揮する。歴史上初めて現れた4人目の『マギ』であり、『アル・サーメン』からは「ソロモンの代行者」と呼ばれるなどまだまだ多くの謎を秘めている。また、この世界の誰とも異なった存在であるらしい。
『聖宮』(アラジンは「がんじょうな部屋」と呼んでいた)にかくまわれていたため、自分自身のことや、社会についてよく知らないことが多い。出身地は不明だが誰も知らない遠いところで、ムスタシム王国と同じような悲劇に見舞われた模様。アリババや長老ババと出会いや別れを経て、徐々に自らのなすべきことや、人同士の繋がり、世界の仕組みを学んでいる。
ジュダルとの対決の後、乱入してきた紅玉の攻撃を受け消滅したウーゴを再生させようと、魔力を使いすぎて意識を失ってしまう。自我のみを聖宮に招かれ、そこで再会したウーゴから助言を受け、彼に別れを告げた。その後、窮地に立たされるアリババたちの元へ帰還し、新たに得た力『魔法』と、ルフの意思を伝える力『ソロモンの知恵』をもって、ジュダルと銀行屋を退ける。
バルバッドでの戦いの後はアリババ、モルジアナとともにシンドリアに身を寄せる。そこでアラジンの素質を見込んだヤムライハを師匠とし、魔法の基礎を修行をする。
謝肉宴の最中、アリババと2人きりになり、彼の決意を聞いた後、自らに課せられた正しい王を導き、世界の闇と「アル・サーメン」の手で堕転させられた「マギ」や「王」の闇を晴らすという「使命」を明かし、アリババに、将来シンドバッドのような王となるだろう、という預言を告げる。
迷宮ザガン攻略後、『闇の金属器』の調査と自ら魔法の勉強を行うため、単身マグノシュタットの学校に入学、『マギ』としての能力を一時封印し、魔法の修行を基礎から始める。当初はルフの力を借りなければ魔導士として最低ランクのコドル6程度の力しか持たなかったが、マグノシュタットで体を鍛え体術の基礎を学び、魔法についても学んだことでわずか2カ月でコドル1にまで成長した。その後、特待生になり、2年生に進級し『ルフの特性と変質』の研究室に入る。
魔導士としては赤魔導士に属し、炎を扱うアリババとは相性が良い。
魔法
灼熱の双掌(ハルハール・インフィガール)
熱魔法。熱で作った白い巨人の両手で攻撃する。極めて単純な魔法だが、マギであるアラジンが放つため、その威力と熱量は甚大。力を封じたばかりのころは、小さな火の玉にまで威力が落ちたが、修行により自分自身の魔力でも従来の力を出せるようになった。重力魔法で作ったウーゴくんを介して放つこともでき、マギとしての力を開放すれば複数体のウーゴくんを用いて長射程で複数放つことも可能。
灼熱の連弾(ハルハール・ラサース)
たくさんの火球を操る熱魔法。ヤムライハの水魔法を参考に作り上げた、「灼熱の双掌」よりも多くの「命令式」を使う複雑な魔法。
蒸発の洗礼(シャラール・ラーキィ)
敵の体内の水分を熱して高温にする熱魔法と水魔法の合わせ技。
水鏡の蜃気楼(シャラール・サラブ)
水蒸気によって光を屈折させ幻影を産む水魔法。最初は自分の周囲だけが有効範囲だったが、マグノシュタットでの修行を経て、城1つを丸ごと映し出せるようになった。
突風(アスファル・リーフ)
マグノシュタットでの修業で会得した風魔法。
光線(フラーシュ)
実戦試験で使った光魔法。
雷電(ラムズ)
実戦試験で使った雷魔法。
重力魔法(ウーゴくん)
アラジンのとっておきの重力魔法。重力で砂をジンの「ウーゴくん」を模した形の巨人の姿にして操る。その力は首席であるティトスの頑丈な防御魔法を砕くほどである。他にも、街並みや人間を砂で作り出すことができる。
共鳴棍(ハディーカ・ハデーカ)
5型魔法と6型魔法の合わせ技。杖の周囲の空気を音魔法で高速振動させる。攻撃範囲は非常に狭いが消費魔力も少なく、通常でも石を粉砕する威力を秘めており同じ位置に攻撃を重ねれば防御魔法すら砕くことができる。マイヤーズに叩き込まれた体術と併用することでさらなる威力を発揮する。
魔法道具
魔法のターバン
アラジンが普段から頭に巻いているターバン。聖宮でウーゴから貰ったもの。広げると、樽を十数個乗せられるほどの大きさになる。『おなかの力』を分け与えることでゆっくりと飛ぶことができる。留め具である赤い宝石が本体で、そこが無事ならば布地自体が破壊されても修復することができる。後に、単独ならば身につけるだけでもターバンを広げずに飛行能力を貸してもらえるようになった。
ウーゴくん
声 - 森川智之
アラジンの持つ笛の金属器に潜む青い体のジン。聖宮の番人。アラジンの大切な友達。巨体だが、首から上は別空間にあり、笛から出られない。詳細な能力は現時点では不明だが、実体化した上での肉弾戦を得意とし、難敵には両腕に熱魔法を込めた必殺の掌打を繰り出す。後に、この戦闘スタイルはいつかアラジンが自分で魔法を使えるようになるための練習も兼ねていたと判明する。実体化には膨大な魔力が必要で、マギであるアラジンの力を持ってしても1日に3回実体化するのが限界。実はアラジンのジンではなく彼の魔力とは独立した存在であり、他のジンからは「あなた様」「珍しいお方」などと敬われている。非常にシャイな性格のため、ほとんどの女性には少し触れられるだけでもときめきの余りに気絶し、倒れてしまう。この弱点は慣れることで克服できるようで、モルジアナには触れても平気になった。また、どんな願いも一つだけ叶える能力を持ち、アラジンは「ウーゴくんと友達になる」という願いを叶えてもらっている。
ジュダルとの戦いの最中にアラジンの制御が利かなくなり、逆流する運命によってアラジンが殺されるのを防ぐため、暴走する形で止めを刺そうとするものの、乱入してきた紅玉の攻撃を受け消滅してしまう。その後、笛に残された最期の力で意識を失ったアラジンを異空間に呼び再会し、彼に助言と忠告を与え別れを告げた。
アリババ・サルージャ
声 - 梶裕貴田村睦心(幼少期)
本作のもう一人の主人公。迷宮攻略を目指している少年。名前の由来は『アリババと40人の盗賊』のアリババから。17歳で身長は168cm。太りやすい体質。煙草が苦手で、酒のために何度かひどい目に遭っている[注 1]。また、モテないことをやや気にしている。
一見するといい加減で軽薄なように見えるが、正しいと思ったことをやり通す頑固な性格で、いつも、必要以上に背負わなくてもいい責任を1人で背負おうとし、誰かのために自分のすべてを捧げて何かを成そうとする心優しき少年であり、その一面をアラジンに『王の器』として見出される。アモンからも、他人のために命をすり減らすたびに周囲の淀んだルフを心地よい流れに変えると評される。
ブドウ酒を運搬する荷車の運転手であったが、仕事中に多大な借金を負い、返済の望みを懸けて出会ったばかりのアラジンと共に第7迷宮『アモン』を攻略。迷宮脱出後はアラジンと離れ離れになるが、迷宮攻略によって得た財宝のほとんどを費やして、チーシャン領主の支配下にあった奴隷解放と今後の生活の保障をし、彼らにある伝言を託して単身で故郷バルバッドへと旅立った。
貧民街の出身だが、実はバルバッド先王が侍女との間に儲けた第三王子。母の死後国王に引き取られ、将来は嫡子の補佐役となるべく、語学、剣術、経済学などをはじめ、多岐にわたり徹底した帝王学の教育を受けて育った。そのため、バルバッド地方の王宮剣術を得意としている。しかし、病床にあった国王の死と、それを招いた事件とに責任を感じて再び野に下り、現在に至る。
バルバッド帰国後、カシムに請われる形で『霧の団』の頭領に祭り上げられ、義賊として活動していた。バルバッドにやってきたアラジン達と再会し、一時はカシムへの義理から対立するもモルジアナのとりなしで和解。カシムと袂を分かち、シンドバッドの許で特訓し、武器化魔装を身につけた。王朝の解体を成功させクーデターを実行したカシムたちと王宮で激突。アラジンの力でカシムとルフ同士の対話を行うことで、互いの心の内を知って和解できた。しかし、もっと早く皆に助けを求めていればカシムは死なずに済んだと後悔している。
戦いの後はアラジン、モルジアナとともにシンドリアへ身を寄せ、カシムを利用したアル・サーメンと戦うため、シャルルカンを師匠とし、剣術と武器化魔装の修行を行い、師の剣の峰で攻撃を受け流す技術を身につけた。
体内の魔力の量は並より少し上程度とそれほど多いというわけではないため、「ジン」を多く従えることはできない。
後に、アラジンに自らのアル・サーメンに対する考えと、彼らと戦う決意を示す。そしてアラジンから、彼の「使命」と将来シンドバッドのような王になるだろう、という預言を告げられた。
武器化魔装を数日でマスターする才能を持っていたが、ソロモンの知恵によりカシムのルフが体内に入ったことで魔力の質が変質し、そこから先の段階に進むことができなくなってしまったうえ、体内で2つの魔力が暴走する車裂き寸前の非常に危険な状態となっていた。そのためレームへ渡り剣闘士をしながらヤンバラの元で魔力操作の修行を受けることとなり、ガルダとの戦いの中でカシムの遺志を悟り魔力が統合された。その後は腕を上げ、レームとマグノシュタットの戦争ではムーに頼み込み客分としてレーム軍に同行、アラジンがレーム軍と交戦を開始したことを察し彼の元に駆けつけた。
アモン
声 - 柴田秀勝
第7迷宮の主、厳格と礼節の精霊。髭を蓄えた筋骨隆々で威圧感のある老人の姿で実体化する。炎を操る力を持つ。
アリババが「ザガン」の攻略に向かうと「ワシの何が不満だというんじゃい」と言ってやる気をなくすなど見かけによらず嫉妬深い一面もある。
自分のところまで辿り着いたアラジンとアリババを迷宮完全攻略者と認めた後、アリババが初めて商売の交渉で手に入れたナイフへとその身を宿す。しかし、ジュダルと黒い「ジン」との戦いの最中、金属器であるナイフの刀身を破壊され機能を失う。その後、シンドバッドがかつてバルバッド先王から預かっていた王家に伝わる宝剣がアリババに託され、修行を重ねて宝剣がアリババの身に馴染んだ瞬間、その宝剣に再びその身を宿した。
炎の壁(ほのおのかべ)
アモンが生み出した巨大な炎を使い、壁を作る。作中ではバルバッド国軍からの逃走に使われた。しかし、この技はジンの使い方の本質ではない。
アモンの剣 (アモール・サイカ)
武器化魔装。高熱によってどんなものでも切り裂く防御不能の大剣。ただし、アリババの身の丈に合わない大きさで具現化したことで得意の剣術を最大限に駆使できず、その上魔力消費も激しいという欠点がある。
アモンの宝剣
武器化魔装を自らの魔力で抑え込み、元の宝剣の形まで収束させた形。これにより、王宮剣術の腕前を十分に発揮できるようになった。
モルジアナ
声 - 戸松遥
本作のヒロイン。狩猟民族『ファナリス』出身の、赤髪の少女。名前の由来は『アリババと40人の盗賊』に登場するアリババに仕える女奴隷のモルジアナから。イメージモデルはうさぎ。
当初は整った顔立ちをしているものの無表情で無愛想だったが、奴隷身分から解放されてからは表情が少しずつ豊かになってきている。
苛立つと地団太を踏んで地面を大きくへこませる癖がある。気丈で優しく、よく気が利く。14歳で身長は148cm。筋トレが趣味で、アドリブが苦手。
海で泳いだことがないため泳げない。見た目は普通の少女だが、遠距離からでも瞬時に相手に接近し垂直な壁さえ駆け上ることが可能な強靭な脚力に加え、落とし穴の底から漂う死臭や、見えない場所に隠れている者の体臭さえ嗅ぎ分ける、犬並みに鋭い嗅覚を備えている。
脚力には劣るものの腕力も相当なものでアリババくらいの人間なら軽々投げ飛ばせる。咆哮で、凶暴な暗黒大陸の猛獣や迷宮生物たちを恐れ慄かせ、視覚の使えない暗闇では咆哮をソナー代わりに使ったこともある。
気配察知にも優れているようで、シンドリアの森の中でマスルールと修行の最中であっても、彼と同じく、遠くの王宮にシンドバッドが帰還したことに気が付くほど。
暗黒大陸で出会ったトランの民からトラン語を学び、簡単な会話程度ならトラン語でできるようになった。
アモンには強い生命力の持ち主として評価されていた。しかし、体内の魔力が少ないため、眷属器で大技を使うと魔力の使い過ぎで自力で回復できないほどに衰弱してしまう。
元はジャミルの奴隷。アリババによって奴隷の身から解放された後は恩人であるゴルタスの言葉を胸に、故郷カタルゴへの帰郷を志す。カタルゴへと向かう船が出るためバルバッドを目指し、バルバッドを通るライラとサアサの商隊に加わり商隊旅を始める。
バルバッド入りを妨げていた採掘砦の盗賊団を壊滅させようと潜入し、再び奴隷にされかけたがゴルタスのルフに励まされ危機を脱出。解放されてしばらくの間は幼少時より植え付けられたトラウマで悩まされていたが、これを機に克服している。
その際に砦で捕らえられていたアラジンと再会し、後にバルバッドではアリババと合流する。戦いの後はアラジン、アリババとともにシンドリアに身を寄せる。
そこでアル・サーメンの話を聞き、故郷へ向かうよりもアラジンたちと戦うことを選び、同郷であるマスルールを師匠とし、格闘の稽古を積む。
また、魔法を使う敵との戦いではあまり役に立てていなかったことを気にしており、シンドバッドから眷属器を持つことを提案され眷属器を使ってアラジンたちの「羽」になることを決意する。白龍の励ましがきっかけで再び暗黒大陸へと向かう決意を固める。
大聖母を討伐した後、天山高原へ向かう白龍から告白されるが、気持ちの整理がつかず断っている。その後、故郷カタルゴに辿り着くもファナリスはおらず、探索のために降りた大峡谷の谷底でユナンと出会う。
炎翼鉄鎖(アモール・セルセイラ)
アモンの眷属器。その身に馴染んだ金属として奴隷時代に身に着けていた「大切な人々の恩義の積もった誇らしい品」である足枷をシンドリアの金工職人に加工してもらい、鎖付きの腕飾りとしたもの(本来は足飾りだが、鎖が蹴りに邪魔であるため)。暗黒大陸で太陽の象徴として信仰されている「火の鳥」の模様が刻まれている。ザガン攻略中に発動。
長く伸ばした鎖を腕のように操って周囲の壁に突き刺し、反動を使って空中を移動することができる。さらに、敵に鎖を絡み付かせ高熱を発して焼き尽くす攻撃もできるが、この技は魔力を大量消費するうえにモルジアナは元々魔力が少ないため乱発は出来ない。

チーシャン

ジャミル
声 - 諏訪部順一皆川純子(少年期)
チーシャンの領主。21歳、身長177cm。
高貴な風貌の美青年だが、実際は傲慢で歪んだ性格。王族ではないが、支配階級に育ったために一通りは剣術などの心得があるほか、奴隷の扱いを何より得意とする。10年前、「先生」と呼んでいた者に「マギ」の到来を予告されたため、いずれは迷宮を攻略して自身が王位に就かんとする野心を抱いている。第7迷宮へ入ったアラジンのことを予告されていたマギだと思い(実際にはそのマギとはジュダルのことだった)、自らも多くの奴隷を引き連れて迷宮攻略に乗り出すが、モルジアナやゴルタス以外の奴隷とははぐれてしまう。アラジンを人質に取るもアリババに嵌められて窮地に陥るが、なんとか宝物庫に現れる。しかし、モルジアナの動きを魔力弾で封じたアラジンに「そんなに大した人じゃないと思う」と言われたことで心を折られて幼児退行を起こし、ゴルタスに担がれながら「アモン」の奥へ姿を消した。
「先生」の教育により黒の器の素養を見せていたが、アモンには贋作であると判断されていた。
ゴルタス
声 - 勝沼紀義
ジャミルが「アモン」に連れ込んだ奴隷の一人。左眼だけに穴が空いた鉄板状の仮面を着けた巨漢。過去に負った怪我のため、あまり喋ることができなくなっている。ジャミルの命令で何人もの人間を斬り続けており、その罪の意識から「アモン」脱出を拒否すると、モルジアナに故郷へ帰るよう告げて彼女の足枷の鎖を断ち切り、ジャミルを連れて崩壊する「アモン」の奥に姿を消した。
部族特有の赤毛の装飾が施された刀を持ち、黄牙編終盤で黄牙一族出身と明らかになった。

黄牙一族

ババ
声 - 沢田敏子
本名はチャガン・シャマン。黄牙一族100余名の集落で長を務める老婆。
黄牙一族第155代大王の孫娘。かなりの高齢のため盲目だが、ルフを見ることで周囲の状況は把握できる。
魔法使いだが、体内の魔力は少なく階級は「占い師」程度。村民からはババ様と慕われている。
普通の人には見えないルフを見ることができ、アラジンに黄牙の村に伝わるマギの物語を語った。
呂斉の策略により闇討ちされるが、最期に自分の命を懸けて一族の暴走を止め、白瑛に一族と自分の意志を託した。形見の杖は現在アラジンが使用している。
ドルジ
声 - 近藤孝行
黄牙一族の戦士。山裾に倒れていたアラジンを保護した。トーヤに淡い好意を寄せる。黄牙の戦士であることを誇りに思っている。幼少期はウサギをも怖がる臆病者だったが、今では一人前の戦士に成長した。
再登場するまでの間に白瑛の志に共感し眷属となっており、黄牙眷属部隊の騎馬隊長を務めている。
トーヤ
声 - 神田朱未
平和を望む黄牙一族の少女。ババの孫。ドルジの幼馴染。気を失っていたアラジンを介抱してくれた。
奴隷狩りの被害にあったが、ドルジによって救出される。
ボヤン
声 - 小島英樹
黄牙の村の青年。ドルジと同年代の友達のうちのおもしろい人止まりの方。バートルと共にドルジの獲物の鹿を運んできた。
白瑛の志に共感し眷属となっている。
バードル
声 - 松本忍
黄牙の村の青年。ドルジと同年代の友達のうちのチャラい方。付き合っている女の子がいる。ボヤンと共にドルジの獲物の鹿を運んできた。
白瑛の志に共感し眷属となっている。

煌帝国

練白瑛(れん はくえい)
声 - 水樹奈々
煌帝国、初代皇帝の第三子、第一皇女。迷宮攻略者。21歳、身長169cm、趣味は裁縫、特技は馬術、弱点は料理、好きなタイプは強い男性。
口元にほくろがあり、後に傷も増える。西征軍北方駐屯兵団の将軍であるが、その平和主義的な考えから一部の部下からは信頼が得られず軽く見られており、自身も将軍という立場と平和への望みの板挟みに苦しんでいる。一方で迷宮攻略者としての胆力と精神力に高い戦闘力を持つ。アラジンからは、「痛いほどに迷いがない」ルフをしているといわれる。平和主義的な考えは敗残兵に父親(初代皇帝)を殺されたことから発しているが、それが実母・玉艶による暗殺であることは知らない。
白龍に自分で何でもできるようにと料理なども仕込んだ、母親代わりのような存在である(しかし、本人の料理の腕は弟と従者を殺しかけたレベルのまずさ)。黄牙一族を傘下に収める交渉のため彼らのもとを訪れた際にアラジンと出会う。彼との語り合いの末「誰も殺さず傘下に加える」ことを約束するが、呂斎の企みにより一族から敵意を向けられ、その際口元に傷を負う。しかし、アラジンとの約束を守り反撃せずババ様の意志を引き継ぐ。帰り道で呂斎とその部下達に暗殺されそうになるがアラジンに救われる。
魔装時の姿は、原作では突風に隠れて見えないが、アニメでは槍のように柄が長くなった金属器を携え、薄桃色の衣装を肩下に纏いパイモンと同じ装飾品を付けている。
約半年後は天山西部に拠点を構え、眷属となった黄牙一族を従えていたが、皇帝の死により白龍と共に帰国。その際、白龍から父と兄たちの死の真相を伝えられた。
パイモン
声 - 大原さやか
第9迷宮の主、混沌と狂愛の精霊。白瑛と契約している。非常にナイスバディな女性の姿で実体化する。風を操る力を持ち、白瑛の所持する扇に宿っている。
多産型のジンで、ドルジを始めとする百余名もの眷属を作り出している。
李青舜(り せいしゅん)
声 - 瀬戸麻沙美
白瑛の部下であり眷属。白瑛とは旧知の仲。白瑛とともに迷宮を攻略した。双剣術を得意とし、眷属器『双月剣』を扱う。17歳、身長158cm。詩吟が趣味で、虫が苦手。
白龍とも仲が良く昔馴染み。共に武術の稽古を行うこともある。少し前までは年齢に見合った関係だったが、白龍に身長を越されたことを気にしている。
練白龍(れん はくりゅう)
声 - 小野賢章
白瑛の実弟で同じく初代皇帝の皇子だが、現在は二代皇帝(練紅徳)の第四皇子という立場で、シンドバッドの前では紅徳を義父と呼ぶ。顔の半分を火傷の痕でおおわれているため、右は青で左は灰色のオッドアイ。姉の白瑛からは自分で何でもできるように仕込まれたため、料理が得意。そんな母親代わりである白瑛のことを、ただ1人の大切な姉弟として大切に思っている。16歳、身長165cm。
性格は至って真面目だが、小さなことでも思い悩んでしまうため、アリババからは「まじめすぎて意外とめんどくさい」と言われる。特技は槍術で青龍偃月刀のような槍を扱う。魔力操作の一種である「」を使うことができる。冗談が弱点。ジュダルから才能を見込まれており、自身も力を欲していたが、「組織」と深くつながっているジュダルの手を借りるわけにはいかないという理由で煌帝国にいるうちは迷宮の攻略に行っていなかった。
白瑛のほかに2人の実兄がいたが、アル・サーメンから自分を守ってどちらも死亡し、自身もその時顔に火傷を追う。この時、暗殺の首謀者が実母の玉艶であることを知り、「煌帝国を滅ぼし、母を殺す」という目的に取りつかれるようになる。
煌帝国の留学生としてシンドリアを訪れ、シンドバッドとの会談を強く望んでいた最中、アラジンとアリババの2人とも出会い、姉の命を救ったアラジンに感謝の意を示す。シンドバッドにのみ自分の真の目的を明かすが、彼からは世界を学ぶように諭され、アラジンたちと共に行動するように命じられた。後に、迷宮攻略の指令が下ったアラジンたちに同行を申し出て、ともに第61迷宮「ザガン」攻略へと向かい、攻略に成功しザガンと契約する。このとき、体内に入り込んでいたイスナーンの復活に伴い、左腕を肘の先から失ったため、以降は木製の義手をつけている。
当初は、自分の責任を果たすために自分一人の力で迷宮攻略をやり遂げようとして自らの力不足に悩んでおり、その姿は『霧の団』時代のアリババに酷似していた。また、自国が占領下にあっても不甲斐なさを感じているように見えないバルバッド王族たちに不信感を抱いていた。しかし、無力感から一行に当たってしまったとき、アリババの涙ながらの説得を受け和解し、彼への軽薄でいい加減だという評価を改めた。
ジンの入手および煌帝国を滅ぼす際の協力をシンドバッドに要請するという2つの目的を果たした後は、白瑛と合流するべく天山西部へと向かうことを決める。途中までアラジン達と行動を共にした際の大聖母との戦いで彼らにも自分の目的を明かすが、その思想が受け入れられることはなく、想いを寄せるようになったモルジアナにも半ば強引に迫るも拒絶され、諦めきれないまま帰還した。
白瑛との合流後は、金属器の力を振るい数々の戦で活躍するも、力に任せた無慈悲な戦いを繰り返している。
その後ジュダルの手引きで仇である玉艶と対峙するものの敗れ、ジュダルに堕転を勧められる。
ザガン
声 - 高橋広樹
第61迷宮の主、忠節と清浄の精霊。孔雀の羽のような装身具をつけた若者の姿で実体化する。大地と生命を司る力を持つ。
迷宮攻略者の中で最も魔力の量が多く、自分の能力と相性のいい「魔力操作能力」を持つ白龍と契約し、白龍の槍に宿る。
自分可愛さに簡単に人を裏切る面を持つ人間を嫌っているため、マギ以外の人間にはとことん冷淡な態度をとる。だが、白龍にそういった一面がなく、姉と同様に痛いほどまっすぐなルフを持っていることも彼と契約した理由の一つである。また、アモンとも仲が悪い。
金属器に直接触れた植物の力を呼び覚ます能力を持ち、魔力操作能力と合わせて魔力を植物内に送り込んでおくことで魔力が切れるまでは遠隔操作をすることも可能。さらに半身まで魔装が進むと、空気中の菌類や単細胞生物をも成長させ眷属として操ることができる。
降龍木蓮衝(ザウグ・モバレーゾ)
左手の義手を爆発的に成長させ、龍の形に変形させて操る。
操命弓(ザウグ・アルアズラー)
武器化魔装した金属器を弓として、魔力で成長させた生物を矢として射る。この生物は防御魔法を破壊できる。
練紅玉(れん こうぎょく)
声 - 花澤香菜
煌帝国、二代皇帝の第八皇女。迷宮攻略者。特技は剣術。「ジンの金属器」使いであり、魔装も習得している。アブマドと政略結婚するためにバルバッドにやってきた際、シンドバッドに一目惚れした。作者の担当から「老け顔」と言われているため、ジュダルからは「ババア」と呼ばれているが、実年齢は17歳。身長163cm。
母親が遊女であるため地位は高くなく、政治的決定権は強くない。周りからも遠巻きにされていたが紅炎とジュダルに見出され、武人として生きようと思っていた。そのため紅炎を慕っている。かなり勝気で誇り高い性格だが、その実、仲間思いであり、年相応の女性らしさや、色恋沙汰に直面するとすぐに赤面したり泣きだしたりしてしまう純情さを持つ。また、皇族育ちとして性的に下世話な話題などには疎い[2]。そうした面もあってか、お付きの官女や配下の兵士からは慕われており、夏黄文の計略の片棒を担いでいた兵士も、彼をあっさり裏切っていた。趣味はおしゃれ。友達が欲しいと思っているが、友達作りが苦手。しかし、シンドリア逗留中に自分と同じ出自を持つアリババと初めての友達となった。
煌帝国来訪中のシンドバッドに辱められたと思い、その真偽を確かめるため、白龍とともにシンドリアを訪れる。その後、無実が明らかになった後はシンドバッドに素直に謝罪し、そのままシンドリアに逗留する。
初恋が一方的なものだと自覚しており、シンドバッドとの手合わせを機に自分の初恋に区切りをつけた。シンドリアとの戦争には金属器を使わないと決め、煌帝国へ帰っていったが手合わせの際にシンドバッドに暗示を受けた模様。
ヴィネア
第45迷宮の主、悲哀と隔絶の精霊。紅玉と契約している。水を操る力を持ち、紅玉の髪飾りに宿っている。本来は魚のような姿をしていると推測される。全身魔装すると髪の色が変わる。
水神召海(ヴァイネル・ガネッザ)
極大魔法。巨大な津波を起こす。海上戦で使えばシンドリアの艦隊を壊滅させると言われるほどの威力を持ち、海のルフから魔力を集めればそれだけの力を出してもまだ余力を残すことができる。
夏黄文(か こうぶん)
声 - 鈴村健一
紅玉の付き人で、彼女が幼いころから仕えてきた。煌国北軒州の寒村に生まれ、「科選」試験を優秀な成績で突破し、官吏として登用される。紅玉とともに迷宮を攻略した。紅玉を煌帝国西域進出の道具として策謀しているが、一方で、紅玉の望みを叶えられないことを心苦しく思っている。眼鏡のような刺青があるため、ジュダルからは「メガネ」と呼ばれる。25歳、身長183cm。
特技は人心掌握(自称)。他国に嫁いだ紅玉の子の後見人となり当地の国権を掌握するのが目的だったが、バルバッドでは王政の廃止、シンドリアではヤムライハの魔法と紅玉を哀れに思った部下の裏切りにより頓挫する(かねてより思考がダダ漏れであるため出世できないと言われていた)。紅玉のわがままに弱い。
治癒効果のあるヴィネアの眷属器の所有者でもあり、それを使用して重傷を負ったジュダルに応急処置を施した。
練紅炎(れん こうえん)
声 - 中村悠一
煌帝国で比類なき最強の将軍である二代皇帝の第一皇子で、『炎帝』とも呼ばれている。三つの金属器を所持しており、シンドバッドに次ぐ『複数迷宮攻略者』となる。その性格は白龍曰く野心家。西征総督としてバルバッドに派遣され、そこから一気に西方侵略を果たそうとしている。
趣味である歴史の研究の末、この世界の人々が一つの言語を使用しているのは通じ合えずに争い滅びることがないようにするためだという考えに至り、一人の王が世界を統一する必要性を見出した。
練紅明(れん こうめい)
声 - 日野聡
煌帝国第二皇子。迷宮攻略者。痘痕の目立つ陰気な顔をしている。生活力が皆無で他人にやってもらわないと何もできないうえ、金属器がなければ戦闘力もない[2]
練紅覇(れん こうは)
声 - 柿原徹也
煌帝国第三皇子。身長158cm、18歳。迷宮攻略者。趣味は美容。好きなタイプは個性的な女性。中性的な容姿をしており露出度の高い衣装を纏う。外見とは裏腹に戦闘狂。紅炎、紅明とは異母兄弟に当たりそのことを少し引け目に思っている。連れている侍女は魔道を得るうえで体を腐食させてしまった者たちで、施設の片隅でうずくまっていたところを助け召し抱えた。皇子らしい我が儘も目立つが、一方で腐食した体を持つ自分の侍女を「キレイ」だと賞し甘やかす面も。
マグノシュタットに煌帝国への服従を強いるため、そこへ向かう途中にアラジンと出会い、旅に同行する。
如意練刀(にょいれんとう)
金属器。通常でも紅覇の背丈ほどもある大刀だが、大きさを自在に変えることができる。ただし、巨大化させすぎると重量のために扱いが難しくなるため、敵を斬る瞬間だけ巨大にしている。
練紅徳(れん こうとく)
煌帝国の二代皇帝にして、初代皇帝の弟。前皇帝が暗殺されたために皇位についた。愚昧でアル・サーメンからは組しやすいと考えられており、ジュダルからはブタ野郎呼ばわりされている。
世界の統一が果たされる前に突如病のため崩御する。
練玉艶(れん ぎょくえん)
煌帝国初代皇帝の妻で、白瑛・白龍の生母。初代皇帝の死後、二代皇帝紅徳の妻となる。現在48歳だが、実年齢にそぐわぬ若々しさを誇る。
正体はアル・サーメンの魔女であり、全身魔装した白龍をやすやすと倒すほどの実力者。夫や息子たちを暗殺させ、与しやすい紅徳に寝返った。
紅徳の死後は大陸の平定までの臨時という名目で第三代皇帝の座に収まる。
練白徳(れん はくとく)
未だ謎多き煌帝国初代皇帝。弟は二代皇帝の紅徳。表向きはその苛烈さゆえに敗残国の手の者に殺害されたことになっているが、白雄・白蓮と同様、妻である玉艶の企てにより命を落とす。
練白雄(れん はくゆう)
声 - 平川大輔
白龍の実兄で煌帝国、初代皇帝の第一子。かつての皇帝候補だったがアル・サーメンの魔術師たちに襲撃され、実母が自分たちの暗殺を仕組んでいたことや父の死の真相を白龍に伝え自らの命を犠牲にして炎に包まれた建物から彼を逃がした。
練白蓮(れん はくれん)
白龍の実兄で煌帝国、初代皇帝の第二子。アル・サーメンの魔術師たちに襲撃され、兄と共に抵抗するも殺害された。
李青龍(り せいりゅう)
帝国の右将軍。長い髭を蓄えた眼帯の男。
周黒彪(しゅう こくひょう)
帝国の左将軍。
ジュダル
声 - 木村良平
煌帝国の神官で、『マギ』の1人。18歳、身長173cm。冷酷かつ攻撃的な性格をしており、かなりの戦闘狂。名前は千夜一夜物語の『ジュダルとその兄』より。
自らが出現させた迷宮を勝手に攻略していたシンドバッドとは顔見知りで、かつては共に世界征服をしようと彼を勧誘していた。戦争が好きで、将軍たちに力を与えるために迷宮攻略を斡旋しており、結果として煌帝国は中原を制覇した。堕転し黒く染まったマギなので、黒いルフによって力を増す。その背後にはアル・サーメンの存在があり、煌帝国の建国時から組織の者たちと共に国政に関与している。様々な魔法を使い、複数の魔法を同時に使うこともできる。初代皇帝や紅炎のような強い人間が好きだが、一方で紅徳のことは嫌っていた。空中散歩が趣味で、野菜が苦手。
バルバッドにやってきて『霧の団』のアジトを襲撃した際、アリババに危害を加えたことでアラジンと交戦、圧倒的な魔法の力を見せつけるが、暴走状態となったウーゴに敗れ全身の骨を折る重傷を負う。その後、ウーゴが彼の自我だけを『聖宮』に連れ帰ろうとするも、マルッキオによって妨害される。夏黄文の眷属器の治療を受け回復し、王宮に現れ黒い「ジン」と化したカシムを魔力で押さえつけて操り、アリババと戦う。そして駆けつけてきたアラジンの『ソロモンの知恵』によって不利な形勢に持ち込まれ、さらに黒ルフの供給がなくなったことで力を失い、「銀行屋」によって回収される。
とある小さな東の村に生まれたが、その直後にアル・サーメンによって両親を殺され連れ去られてしまったという過去を持つ。しかし、現在の状況を楽しんでおり、アル・サーメンに対して恨みの感情を抱いているわけではない。
闇の眷属器使いたちがアラジンたちを襲撃したころ、シンドリアに現れ、「強大な力を持つシンドバッドとは殺しあった方が面白い」という理由から宣戦布告をする。その後、本国で玉艶に敗れた白龍に堕転という道を仄めかす。
魔法
降り注ぐ氷槍(サルグ・アルサーロス)
氷魔法。ジュダルの一番得意な魔法。上空から氷の槍で攻撃し、さらにそれが刺さったところから凍っていく。
「銀行屋」
声 - 三木眞一郎
顔の全面をベールで隠した男。ジュダルのお目付け役といった体でも有り、行動を共にすることが多い。
経済アドバイザーを名乗り、各国を渡り歩いて国々の財政顧問を請け負っている。
呂斎(りょさい)
声 - 飛田展男
煌帝国の千人将で初代皇帝の皇女である白瑛を監視する立場でもある。白瑛を将軍の器ではないと思っており、裏で独自に奴隷狩りを行っていた。西征部隊の将軍になりたかったが、白瑛がその任を受けたため、策略によって黄牙一族の手で白瑛を打ち取らせようとするが失敗。その後、伏兵を用いて白瑛を魔力切れに追い込み討とうとしたが、アラジンによって阻止され、逆臣として捕らえられる。
閻体(えんたい)
声 - 福原耕平
紅玉の「結納品」の一人。普段は人の姿だが、煌帝国の技術によって象のような姿に変身できる。マスルールと互角の力を持ち、王宮に現れたアリババを圧倒するが、「武器化魔装」を完成させたアリババにより真っ二つに斬られた。
閻心(えんしん)
紅玉の「結納品」の一人。人間の知能と分裂・再生能力を合わせ持つ猿のような迷宮生物のボス。集団戦闘とスピードの早い戦闘を得意とするが、本気を出したモルジアナのスピードの前に敗れる。
閻技(えんぎ)
声 - 勝沼紀義
紅玉の「結納品」の一人。人の姿から、豹のような姿に変身する。剣術が得意。アモンの剣の前に敗れる。

バルバッド

王宮

アブマド・サルージャ
声 - 宮田幸季
バルバッドの廃王(第23代国王)。アリババの長兄だが、彼が王宮にいたころは汚いものを見るように酷く避けており、現在に至っても弟だとは思っていない。
先王の死後バルバッドを治めるが、評判は良くなく、政治能力も低い。煌帝国から軍事力により貿易に圧力をかけられ国力が弱まり、さらにマルッキオの言いなりになり煌帝国の通貨「煌(ファン)」を大量に借り、結果、担保として海洋権・制空権・国土の利権・通商権を差し押さえられ、ついには王である自分さえいれば国は成り立つという考えから人民を担保にする「国民奴隷化計画」を打ち出し、国を崩壊させかねない事態を招いたため、王座を降ろされた。
肥満した体形で、周囲の人間からは「豚」と呼ばれることがある。
退位後、トランの民の島でシンドリアの考古学調査団として仕事をしている。いろいろと考えるきっかけがあり、自分ができることの中で、トラン文化の研究が最良のことだと思い定めている。
サブマド・サルージャ
声 - 野島裕史
バルバッドの元副王。アブマドの弟でアリババの次兄。アリババが王宮に来たばかりのころはアブマドの影に隠れて避けていたが、数年経つうちに彼の能力を認め、普通に接するようになった。
人前に出ることを極度に恐れて滅多に姿を現さず、政治にも全く関わっていなかったが、アブマドの計画を阻止しようと霧の団に内通、国軍の警備状況などの情報を流していた。煌帝国との条約調印が5日に迫り、そのことを知らせるために霧の団のアジトへ部下とともに赴く。その際に将軍であるバルカークも同行していたことから、アブマドより人望がある模様。アリババが単身で王宮に乗り込んだ際には、勇気を振り絞り兄の横暴を止めた。
革命後、兄と共にトランの民の島でシンドリアの考古学調査団として仕事をしている。人前で話すことを以前より恐れなくなっており、トランの村の村長の通訳も務める。
バルカーク
声 - 松本保典
バルバッド国軍の右将軍であり、アリババが王宮にいた頃に剣術を教えた師範。先王の代から仕えており、国の行く末を憂いている。そのため同じ思想のサブマドを陰ながら補佐していた。アリババを「若」と呼ぶ。
マルッキオ
詳細はマルッキオの項を参照。
ラシッド・サルージャ
声 - 土田大
バルバッド第22代国王で、アブマド、サブマド、アリババの父。物語本編の時点で既に故人。
正妻に教育を任せていたアブマドやサブマドに国王を継がせることに不安を覚えていたため、アリババを王宮に呼ぶ。アリババが王宮に来てから2年ほどで病に倒れ、アブマドに国政を任せるが、その後1年間で煌帝国の圧力により国が衰退したため、アリババに王になるように頼む。だが、アリババはスラム出身であることを理由にそれを断っている。この時、アリババの母であるアニスのことを身分違いゆえ結婚できなかったが愛していたと言っている。その数日後、王宮が霧の団の襲撃を受け、それが影響して死期が早まり病死する。
生前はシンドバッドとも交友があり、シンドリアの建国直後は彼に貿易や国のありかたについて教えている。また、シンドリアが戦乱に見舞われた際には、心を引き締める意味でバルバッドの宝剣をシンドバッドに授けている。
内乱の終了後、「ソロモンの知恵」で大いなるルフの流れから呼び出されアリババたち兄弟の前に現れた。

霧の団

国軍や貴族の屋敷を襲撃し、金や食糧を奪いスラムの住民に分け与える義賊。元は40人ほどで構成されていたが、王宮から盗み出した財宝を元手に規模を数百人にまで拡大した。アリババがバルバッドへ帰還する前からカシムを筆頭に暗躍しており、王族であるアリババを頭に据えている間も実質的にはカシムが支配していた。メンバーの多くが、パタのような武器を使う。

カシム
声 - 福山潤三瓶由布子(幼少期)
「霧の団」の幹部だが、実質的にはリーダー。面倒見がよく優れた統率力を持つ。魔法武器「黒縛霧刀」を使う。スラム街でアリババとともに兄弟のように過ごした。名前は「アリババと40人の盗賊」のアリババの兄カシムから。
酒に溺れて我が子に暴力を振るう父(声 - 間宮康弘)を持つ自身と、国王を父に持ち優しい母に育てられたアリババとを比べて劣等感を抱き続け、更にアリババが去った後に行われたスラムの住人達の隔離政策の末に、流行病で妹のマリアムを亡くして絶望に陥り、さらに何の手も差し伸べなかった王宮への憎しみを強めることになり、その感情をアル・サーメンに利用され、黒い「ジン」となる。かつて、失踪していたはずがふらりと帰ってきた父親をはずみで刺し殺してしまい、そのときに父から「お前も自分と同じクズ野郎だ」と言われたことも劣等感の一因だった。
王族を恨んでいるため、理性を失った「ジン」の姿となってからも王族や王政に関わった者を殺そうと執拗に狙う。ジュダルの力によって支配され、アリババの「アモンの剣」を折るが、最期はアラジンの「ソロモンの知恵」の力で「ジン」の内部に入ったアリババによって堕転した魂は救われ、「ジン」の消滅に伴って死亡した。
死後も、ルフの一部がアリババの体内に残っており、アリババがイスナーンから呪いを受けたときは、その浸食を食い止めていたがアリババの魔力が変質することの原因ともなった。なお、形見のピアスは現在もアリババが身につけている。
黒縛霧刀(コクバクムトウ)
魔法武器で、『闇の眷属器』の一つ。刀身から鉛の重さの黒い霧を出し、その霧で相手を捕縛する、巨大な球を作り押しつぶすといった攻撃をする。本来の力は、「黒い器」の持ち主が自らの体をそれで貫くことで、眷属が集まり核として黒い「ジン」が誕生するというものである。「ジン」の状態では、重力魔法や魔力を込めた重力刀を使う。
ザイナブ
声 - 渡辺明乃
「霧の団」の幹部。女性。魔法武器「赤幻霧刀」を扱う。ハッサンと付き合っており、よくケンカする。
赤幻霧刀(セキゲンムトウ)
魔法武器。刀身から赤い霧を出し、それを吸い込んだ人間の期待や不安をあおり、その幻を見せるが、心を強く冷静に保つ者には効果がない。カシムが「ジン」になったとき、彼に吸収された。
ハッサン
声 - 丹沢晃之秋保佐永子(幼少時代)
「霧の団」の幹部。魔法武器「黄侵霧刀」を扱う。左目に眼帯をしている。ザイナブと付き合っており、よくケンカする。
黄侵霧刀(オウショウムトウ)
魔法武器。傷をつけたものを黄色い酸の霧で、どんなものでも溶かす。建物への侵入などの時にも使われる。カシムが「ジン」になったとき、彼に吸収された。
SLM3兄弟
詳細はSLM3兄弟の項を参照。

スラムの住民

アニス
声 - 岡田栄美
アリババの母。アリババがまだ幼いころに病死している。もともとは王宮に仕える下女だったが、バルバッド先王のお手付きとなり、王宮から出されてスラムで娼婦をしていた。明るく優しい性格で、父親が蒸発したカシム兄妹を引き取って親代わりとなる。引き取られてからもしばらく悪事を繰り返したカシムのことも自分の子供のようにかばったため、一時的にとはいえカシムが悪事をやめることにつながった。
内乱後、「ソロモンの知恵」で大いなるルフの流れから呼び出され、バルバッド先王と共にアリババの前に現れた。
マリアム
声 - 中嶋アキ
カシムの妹。カシムより4歳ほど年下で、生きていればモルジアナと同年代。父親が蒸発したため、アニスに引き取られアリババとは兄弟のように育つ。アリババがスラムを出た翌年、そこで流行した病にかかり、国がとった隔離政策のため医者もおらず薬もない状況で死亡する。
内乱終結後、「ソロモンの知恵」で大いなるルフの流れから呼び出されカシムと共にアリババの前に現れた。

シンドリア王国

シンドバッド
声 - 小野大輔
シンドリアの国王で、七海連合の長。14歳の時に第1迷宮「バアル」を攻略。以来、七つの海と迷宮を制覇し、七人の「ジン」の主となった『伝説の迷宮攻略者』。それと同時に現在世界で2人しかいない複数の金属器を所有する者でもある。通称『七海の覇王』。愛称はシン。名前は『船乗りシンドバードの物語』より。29歳で、八人将の若者と酒を飲んでいるとおじさん呼ばわりされることを気にしている。身長183cm。
バルバッドの前国王とは親交があり、貿易業を教わったり宝剣を授かっていた。船舶貿易の再開についての交渉のためにジャーファル・マスルールと共にバルバッドへ赴き、その途中でアラジン達と出会う。
名君として、八人将をはじめ臣下には心から尊敬されており、基本的に兄貴肌で面倒見が良く厳しい性格。ただし国王ながらいい加減で間の抜けた一面も併せ持ち、酒癖の悪さが災いし失態を犯すことが多いため(酔いつぶれて寝ているときに金属器をすべて盗まれるなど)、その点においては、幾度となく騒動に巻き込まれ、失態に付き合わされてきた八人将からは全く信用されていない。女性に絶大な人気を誇り、旅先でもたくさんの現地妻を持つ程女遊びは好きだが、国のために私心を砕いており、また生涯結婚をするつもりはないと決めている。
7体の「ジン」を従えていることからも伺えるように、超人的な魔力を秘めている。さらに、金属器の力とは別に、自分の魔力を操作し、他者の魔力攻撃を相殺して無効化する「魔力操作」も身につけている(これはかつて魔力の質が変化し思うように魔装できなくなったとき、ヤンバラの元で行った修行によって得たもの)。また、実は既に半分「堕転」しているため、白ルフと黒ルフの両方を使用することができ、黒ルフによる呪いの効果もない(シンドリアから逃亡したイスナーンと対峙した際、「すでに呪われた身」と自称している)。
力を得すぎたために、自分でも望まないものに変わってしまったことを自覚している。また、来たるべき戦いに備えて力を蓄えており、その一環でアラジンたちだけでなく、対立関係にある煌帝国の皇族である白龍や紅玉も味方につけようとしているため、その目的のためには多少なりともずるい手段を使っている。
シンドリア建国以前から、アル・サーメンと戦ってきた人物で、彼らにとっての警戒対象。同時にシンドバッドもアル・サーメンを警戒し続けており、「世界の異変」に気づいていた。アル・サーメンからは、『第一級特異点』と呼ばれる。
現在はレーム帝国と同盟を結ぼうと働きかけている。
外伝では主人公として描かれる。パルテビアの漁村・ティソン村に生まれ、生後間もないころから正しい運命を選ぶ力を持っていた。5歳の頃に父を戦争で失い母も病で倒れたため、母を支えるために護衛や荷運びなどの仕事をしていた。国民を見捨てるパルテビア王国に不信感を抱いており、14歳のころにユナンに誘われ世界を変える「王の力」を手にするために『バアル』の攻略に挑む。
バアル
第1迷宮の主、憤怒と英傑の精霊。14歳時のシンドバッドが初めて攻略した。
シンドバッドの剣に宿り、全身魔装では手足が鱗に包まれる。
8巻時は姿のみの登場でジンの紹介がなかったが、びっくりマギシールでバアルであったことが判明した。
雷光剣(バララークサイカ)
雷を取り込み、小島を覆い尽くすほど巨大な落雷を放つ。極大魔法ではないが銀行屋を圧倒的な力で粉砕する程の強力な魔法。
ブァレフォール
第6迷宮の主である精霊。当時15才のシンドバッドが2番目に攻略した。詳細不明。
ゼパル
第16迷宮の主である精霊。シンドバッドが3番目に攻略した。
シンドバッドが右手の中指に嵌める指輪に宿る。全身魔装では体が小さくなり、悪魔のような姿となる。精神に直接語りかける力を持つが、攻撃範囲が広い反面、技が大味となりうまく制御できない。
フルフル
第34迷宮の主である精霊。当時21才のシンドバッドが4番目に攻略した。詳細不明。
フォカロル
第41迷宮の主、支配と服従の精霊。シンドバッドが5番目に攻略した。
シンドバッドが右腕につけている腕輪に宿る。全身魔装では羽衣をまとった姿で、髪が羽毛になる。
風裂斬(フォラーズゾーラ)
両手から生み出した巨大な竜巻を相手にぶつける。岩山を丸ごと削り取るほどの威力を持つ。
ヴェパール
第42迷宮の主である精霊。当時24才のシンドバッドが6番目に攻略した。詳細不明。
クローセル
第49迷宮の主である精霊。当時25才のシンドバッドが7番目に攻略した。詳細不明。
ジャーファル
声 - 櫻井孝宏
八人将の一人。特殊な暗殺術の名手であり、眷属器『双蛇(バララーク・セイ)』を使う。シンドリアでは主に政務を担当する。年の割に童顔で、白い肌とそばかすが特徴。26歳、身長172cm。
元暗殺者。出会った当初はシンドバッドに差し向けられた刺客であった。しかし今ではシンドバッドに対し高い忠誠心を持ち、彼を侮辱した人間には我を忘れて殺意を向けるほど。だが、一方でシンドバッドの奔放ともいえる行動に頭を抱えたり、時には卒倒しそうになったりと気苦労が絶えない。
王であるシンドバッドがどんな道を進もうと付き従うことを明言しているが、一方でシンドバッドの目的のための手段に利用される者に対して少なからず心を痛めているような節も窺える。
仕事が趣味で、仕事が切れると蕁麻疹が出る。普段から官服を着ているため、私服は14歳の時にシンドバッドからもらった1着(もう小さくて着られない)だけしか持っていない[2]。好みのタイプはシンドリアに貢献してくれる女性。怒りっぽいところがある。
双蛇鏢(バララーク・セイ)
前述の眷属器の鏢にの形をした電撃を纏わせて攻撃する。
マスルール
声 - 細谷佳正
八人将の一人。20歳、身長195cm。
普段からあまり話さず、無表情かつ無愛想。モルジアナと同じくファナリスの出で、小さい頃はレーム大陸で流行っている格闘競技の戦士である剣闘士(剣奴)だった。よく先輩であるシャルルカンに絡まれる。しかし尊敬する人物の言うことしか聞かない(現在言うことを聞くと確定している人物はシンドバッドとジャーファル[2])。私室を与えられているが、頻繁にそこから抜け出す[2]。趣味は昼寝。好みのタイプは胸の大きくてショートカット、明るく特技が沢山ある女性。子供が弱点。
モルジアナの武術の師匠として、彼女の指導を行っており、彼女がズルムッドに殺されそうになったときには本気で怒っていた。モルジアナとはよく兄妹と間違われる。
金剛鎧甲(バララーク・カウーザ)
電流によって筋収縮のリミッターを外す。ファナリスとしての力を最大限発揮することができるが、筋肉への負担が大きく、使用後には動くこともままならない。よって使用はその発動が必要とされるとき、またはマスルールが激情に駆られたときのみである。
ヤムライハ
声 - 堀江由衣
八人将の一人で、天才魔導士。主に水の魔法を使用する。23歳、身長158cm。
アラジンのシンドリア滞在以降、彼の魔法の師匠となる。アラジンからは「ヤム(おねえ)さん」と呼ばれている。魔法には強い思い入れとプライドがあり、剣士であるシャルルカンとはしょっちゅう喧嘩をする。魔導士としての腕はまさに天才だが、教え方が大雑把で教え子の適性より自分の好みを優先するなど、指導者としての腕前は微妙なところ。意中の相手の前では魔法の話しか出来ない程緊張してしまうため、ピスティからは「魔法使いの男の人と付き合えばいい」と提案されていた[2]。魔法アイテム収集が趣味で、寝起きに弱い。好みのタイプは髭面で年上の男性。マグノシュタット出身。優秀すぎる魔導士だったがために両親から捨てられ、マグノシュタットの学長モガメットに育てられた。
かつてはマグノシュタット学園創始以来の天才といわれていたが、自身はムスタシム王家に忠誠を誓っており、10年前の反乱の際にはシンドバッドらが手を尽くしたことでシンドリアで保護された。
装身具はすべてが自身で発明した世界で唯一の魔力蓄蔵装置となっており、普段から身につけておくことで魔力を蓄え、組み合わせ次第では大魔法を発動することもできる。また、シンドバッドと共にシンドリア上空を覆う『防御結界』と『転送魔法陣』を発明している。
魔法
隠者の水膜(シャラール・マグド)
水蒸気による光の屈折を操り、他者の視界から姿を消す魔法。「水を集める」「水蒸気に変換する」「光の屈折を操作する」という3つの命令式をルフに与えることで使うことができる。
真実の水人形劇(シャラール・ラケーサ)
血を混ぜ込んだ水に魔法をかけ、あらかじめ作っておいた建物の模型の中で、ルフに語りかけ見えないものや離れた場所や昔のことを教えてもらう『透視魔法』の一種。
魔法道具
ルフの瞳(-ひとみ)
マグノシュタット学院在学中に考案した魔法道具。遠隔透視魔法が込められており、2人が同じものを持てば大気中のルフを介して情報を伝達できる。持つ者の魔力量に応じて交信できる距離が変わる。
シャルルカン
声 - 森久保祥太郎
八人将の一人。シンドバッドが煌帝国に滞在した際、共に付いて行った人物の一人。21歳、身長180cm。エリオハプト出身。
剣術の達人で、アリババのシンドリア滞在以降、彼の新たな剣術の師匠となり彼を厳しく指導する。目立ちたがり屋。勤務時間外は仕事をしない主義で終業後にはよく飲みに行く。楽観的な性格だが剣術の修行になると激烈な性格に変わる。先輩(年上)が苦手。剣術には並々ならぬ思い入れがあり、ヤムライハとよく衝突している。特にヤムライハに心から剣術バカと呼ばれている。幼い頃にはかっこいいところを見せたいあまり、好きな女の子を剣の鍛錬場へ連れて行く癖があった。
体内の魔力の量が少ないため、1日につき数分しか眷属器を発動できない。
流閃剣(フォラーズ・サイカ)
眷属器。一度放った斬撃を数秒間空間に留め、さらにその軌道をコントロールすることができる、鞭状の長くしなる剣である。
ピスティ
声 - 大久保瑠美
八人将の一人。笛を吹いて動物(主に鳥)とルフの波長を合わせて、懐柔する力を持つ。身長140cmと小柄で幼児体型だが、アリババより年上の18歳。歌が趣味。
その容姿からか、セクシーな女性への複雑な感情がある様子で、胸の大きさと意義についてモルジアナに語っていた。実は王宮内には多くの恋人がおり、手玉に取っている状態のオオカミ少女(嘘つきの意)で、宮中で問題の種となっている。一方で、女友達はヤムライハのみである。嘘泣きが得意だが、ジャーファルにはもう通用しない[2]。アラジンたちが第61迷宮「ザガン」に行くとき、途中まで同行している。アルテミュラ出身。
スパルトス
声 - 羽多野渉
八人将の一人。シンドバッドが煌帝国に滞在した際、共に付いて行った人物の一人。冷静沈着かつ真面目な性格。22歳、身長179㎝。
槍術を得意とする。祖国の教義の関係で、人付き合いの幅が狭くなりがちで、家族と許嫁以外の女性と目を合わせるべきではないとされている[2]ため、女性が苦手。趣味はお祈り。ササン出身。
ドラコーン
声 - 杉田智和
八人将の一人。パルテビア帝国の元軍人で、軍務が特技。29歳、身長226cm。趣味は部下の教育。
元々は普通の人間だったが、今は緑色の皮膚を持つ竜人のような姿をしている。シンドバッド曰く誠実な男。美人の妻がいるが妻が弱点でもある。
外伝でも登場。パルテビア将軍家の末子で、年少ながら西方辺境部隊小隊長を務める。総勢100名の部隊を率いて『バアル』攻略に臨むが、半数とは迷宮到着時にはぐれてしまい、残り半数も迷宮生物の攻撃によって全滅したため、シンドバッドとともに行動することになる。本名はドラグル・ノル・ヘンリウス・ゴビアス・メヌディアス・パルテヌボノミアス・ドゥミド・オウス・コルタノーンだが、あまりに名前が長いため、シンドバッドが勝手にドラコーンと略して読んでいる。
ヒナホホ
声 - 藤原啓治
八人将の一人。極北の秘境・イムチャックの戦士で見上げるほどの巨漢(身長240cm)。35歳。
子持ちの男やもめ[2]で、子供の世話が趣味。狩りが得意。出身地の関係からか、暑さに弱い。

マグノシュタット

上級魔導士

マタル・モガメット
声 - チョー
鷲鼻と黒い痘痕が特徴の老魔導士で、マグノシュタットの王にしてマグノシュタット学院学長。ヤムライハの養父でもある。ムスタシム王家が所持していた魔法の全権利の引き渡しを求め、国民を先導して反乱を引き起こさせた。
若い頃は魔導士は非魔導士の幸せのために存在するとして、ムスタシム王家に従属し人々に尽くしていた。魔導士たちはその功績を受け入れられ、貴族の称号を授かったが、魔導士の台頭を快く思わないムスタシムの貴族たちによって疫病の原因は魔導士にあるという汚名を着せられ、それを真に受けた国民たちにより次々と仲間の魔導士たちを虐殺される。王に嘆願しあらゆる権利を放棄することで難を逃れ、慎ましく研究を続けたモガメットだったが、長きにわたる戦争の影響で魔導士たちも戦場に駆り出されることとなり、その結果、教え子だった大勢の魔導士や実の娘までも失ってしまう。ついには当時のムスタシム王のある一言で、自分の信念を否定することになるほど非魔導士に絶望してしまう。これらの経緯から「知識のみを追い求める魔導士と、権力や戦乱を求める非魔導士は異なる生物なのではないか」という疑念が確信に変わり、「魔導士のための国」を作るべくムスタシムに反乱を起こした。その過去ゆえに魔導士ならば誰にでも好意的に接するが、非魔導士は家畜やペット程度の認識でしかなくなり、その営みがどうなろうと全く気にも留めていない。
12年前に、アル・サーメンと手を結び、イスナーンらと人工の魔法道具や黒い金属器を発明していたが、彼らが非魔導士に金属器を与えたため、手を切った。その過程で開発された魔法道具の不良品は盗賊たちに向けて売り払われている。
ティトスの体を借りたシェヘラザードにレームの属国になるよう言い渡されるが拒否、レームに対して開戦を決意する。
戦争中は三重の防壁魔法によって国を守りながら、遠隔透視魔法で戦況を見守る。戦いはアラジンの介入により休戦状態となったが、何らかの切り札を隠し持っているらしく、アラジンはシェヘラザードにモガメットを追い詰めてはならないと警告している。
マイヤーズ
声 - 井上喜久子
第3期編入生のコドル6(落第候補)を担当する上級魔術師。「雷鞭の魔導士」の異名を持ち、雷魔法を得意とする。巨乳。
かつてパルテビアの軍属魔導士だったといわれており、教育方針はスパルタ。しかし、涙もろい一面もあり、1か月間修行に耐えきったアラジンから礼を言われた時には涙をこぼし、さらに1か月後のイクティヤールで一気にコドル1にまで成長した際には号泣している。レーム戦では、水攻めと雷撃の組み合わせでファナリス兵団の戦力を減らすことに成功するが、ムーとロゥロゥの挟撃を受け防御魔法を破られ重傷を負いスフィントスの治療により一命を取り留めたものの戦線から離脱する。
ドロン
5等許可区の人間を管理する魔導士。非魔導士を家畜と断じる冷酷な男。命魔法で手にした鞭を怪物に変えて操ることを得意とする。しかし、姉であるマイヤーズには頭が上がらない。元々はアラジンたちのように五等許可区の制度に反発していた。
イレーヌ=スミルノフ
「ルフの特性と変質」の研究室を担当する上級魔導士。モガメットに心酔しており、部屋にはモガメットの肖像画が大量に飾られている。また、モガメットに見込まれているアラジンに対して嫉妬心を抱いている。
授業では、堕転した黒いルフおよびそこから生み出される人工生命体を扱う。
魔法
酸性雨(シャラール・メルア)
甲冑すら溶解する強酸の雨を広範囲に降らせる魔法。

学生

ティトス=アレキウス
声 - 松岡禎丞
第12期生で、アラジンたちの学年で短期間のうちに目覚ましい成績を上げ、首席をとって2年生に進級したレーム帝国からの留学生。声が高く尻が大きめなので、アラジンは初見で女性だと勘違いした。
優れた魔法複合技術を持ち、魔法の決闘で負けたことの無いと豪語するにふさわしい抜きん出た才能を持つ。
実は密命によって送り込まれたシェヘラザード配下の魔導士。当初は取り巻きが横暴な態度をとっており、アラジンと敵対していたが、実戦試験を経て自身の目的をアラジンに伝え、彼と共にマグノシュタットの謎を追うこととなる。研究所は「魔法道具の生産」を選択。
その正体はシェヘラザードの肉体から生み出された複製体。それゆえ寿命が短くアラジンたちと共に未来を歩むことができないことで思い悩み、そのために堕転しかけるも、モガメットの説得でレーム帝国と決別し、上級魔導士として戦列に加わる。戦争では、ムーと交戦し、自分が誰とも違う化け物だと告げられるが、アラジンの言葉で再起する。停戦後、シェヘラザードから本体の寿命が尽きかけているためにどうやっても生きながらえることができないことを告げられる。
魔法
大閃光(デストロクシオン)
水魔法・熱魔法・力魔法を組み合わせた超律魔法。火山の噴火原理をもとに、高圧力で圧縮した水蒸気を一気に解き放つことで大爆発を起こし、巨大なクレーターを穿つ魔法。最低でも180の魔法式が含まれる。
スフィントス=カーメン
声 - 逢坂良太
アラジンと同室になったエリオハプトからの留学生。第3期生。15歳。喫煙者。特技は料理。
祖父が対抗勢力の暗殺を拒んだために宮廷を追放されたという没落貴族の跡取り息子。おしゃべりで、アラジンを無理やり話し相手にさせている。入学時はコドル4で、格下のアラジンを見下していたが、一気にコドル1になった彼に対して一目置くようになる。後に、コドル1まで上り詰め、アラジンと共に進級を果たす。2年次もアラジンと同室になったため、彼とティトスに巻き込まれる形で5等許可区の謎に迫ることとなる。レーム戦では国外へ脱出せずに戦列に加わり、負傷兵の治療を担当する。
治療魔法特化型の魔導士であり、研究室も「8型高度医療魔法」を選択する。
魔法
安息香(ヨア・レーグ)
体内の細かい器官に絞って回復魔法をかけ、その時に生じる強い入眠作用によって対象を強制的に眠らせる魔法。
ククルカン
スフィントスがいつも連れている相棒の蛇。名前の由来はスフィントスが尊敬するエリオハプトの偉大な英雄王から。
ネロ
レーム帝国からの留学生。アラジンと共にマイヤーズの厳しい指導の下、コドル6の修行を潜り抜けた。青魔導士の素質を持つ。18歳、身長170cm。
才凛(さいりん)
煌帝国からの留学生。おさげ髪が特徴。コドル6の中で唯一残った女子生徒。白魔導士の素質を持つ。ネロに恋をしている。17歳、身長162cm。

住民

ゲオルガ
5等許可区・第1階層西地区の地区長。
マルガ
5等許可区に住む少女。学者を目指しており、外の世界に憧れている。肉親はすでに死亡、自身も病弱でマクバラーで処分されそうになったところをティトスによって救われ、モガメットの許可で5等許可区を出てティトスと共に生活している。
不治の病にかかっているが、複数の上級魔導士の定期的な治療により、年相応の元気を取り戻した。

レーム帝国

シェヘラザード
声 - 坂本真綾
レーム帝国の最高司祭。「生ける伝説」と呼ばれる魔導士であり、200年もの間レーム帝国を支え続けている「レームのマギ」。268歳。少女の姿をしているが、これはは離れた場所にいるシェヘラザード本体の意思で操作される複製体。本体は人目につかないところで眠っているが、寿命が尽きかけており開戦時点で余命1カ月ほどの状態だった。
対外的には「マギ」であるという確証はないが、帝国に過去最大の繁栄と何人もの「迷宮攻略者」をもたらしているとみられている。魔法道具の出所を探るために、マグノシュタットの内情を探るためにティトスを学院に送り込んだ。
長年レームのマギであり続けた結果、レーム帝国を愛し、我が子の様に考えるようになった。それゆえに、マギでありながら世界全体から目をそらしており、自国の剣闘士や奴隷など負の部分をやむを得ない事だと自分に言い聞かせている。「人」の力を信じ、金属器などによる魔法に頼った不自然な戦力増強よりも国民が自分の意思で道を選びとることを望んでおり、魔法使いでありながら「化学」の発展にも目を向けている。
カシムのルフが混じったアリババを感知した他、練紅徳の死を感じ取っていた様子だが、複製体では金属器所有者を発見する能力は使えない。
ティトスをレームへ連れ戻そうとするも、モガメットとの交渉が決裂したためマグノシュタットへの進攻を決意する。モガメットに対し挑戦的な言動を繰り返し、化学の力とファナリス兵団の力で戦いを優位に進めるが、戦争の中で現れたアラジンからモガメットを追い詰めないよう説得され、一時休戦を受け入れる。休戦中、アラジン、アリババ、ティトスと対話し、世界全体から目を背けたことやティトスに自分の考えを押し付けた事を反省する。
ネルヴァ・ユリウス・カルアデス
現レーム皇帝の子息。第44迷宮「シャックス」の攻略者。
イグナティウス・アレキウス
レーム帝国軍最高司令官。第20迷宮「ブルソン」の攻略者。

ファナリス兵団

ムー・アレキウス
声 - 宮野真守
ファナリスの青年で、レーム帝国軍「ファナリス兵団」の団長。自他共に認める「レーム最高の剣士」。迷宮攻略者。
シェへラザードに心服しており、彼女の剣となることを厭わない。アレキウスの名の元、各地で奴隷となっていたファナリスたちを集め「ファナリス兵団」を組織した。気さくで、社交界などでは完璧なレーム貴公子ぶりを発揮する。
純血のファナリスではないため、腕力的には他のファナリス兵団のほとんどの者に劣る。また、ファナリスゆえに魔力量も少なく魔装は1分が限度で極大魔法を使えば1歩も動けないほどに消耗してしまう。
バルバトス
第8迷宮の主であるジン。狩猟と高潔の精霊。力魔法を操り、衝撃を遠くへ飛ばすことができる。
魔装すると剣の柄が伸びて三叉戟状になり、銀髪と化し脚部を中心に人馬のような装甲で覆われ足首付近に車輪と翼のようなものが生える。使用者は超常の堅さと速度を得る。
バルバトスの槍剣(バルド・ロムフ)
槍を携え、目にもとまらぬスピードで相手に突進する。
ミュロン・アレキウス
声 - 高垣彩陽
ファナリス兵団団員。ムーの妹。
紅茶をたしなみ、兄のメンツを守るために上品な振る舞いを心掛けているが、戦闘中および兄や兵団の悪口を言われた際には凶暴な姿を見せることもある。ロゥロゥとは犬猿の仲。前述の性格ゆえに社交界は苦手。
飛衝手甲(バルド・カウーザ)
バルバトスの眷属器。拳による衝撃を飛ばし、遠くの相手を攻撃することができる。ミュロンの物は右手用。
ロゥロゥ
声 - 谷山紀章
ファナリス兵団団員。
元奴隷で、口の左側が大きく裂けている。かつて家族を人質に取られて薬漬けにされ、奴隷として使役されていたため、自身を奴隷身分から解放したムーに忠誠を誓っている。レーム~カタルゴ間の海峡を泳いで渡ることができるほどの体力の持ち主で、ミュロンからは「脳筋」と揶揄される。妹がいる。
飛衝手甲(バルド・カウーザ)
ミュロンの物と同系だが、こちらは左手に装着している。

ヤンバラ五剣士

シャンバル・ラマー
「シャンバル剣闘士養成所」の主催者で、他のヤンバラ達からはお師匠と呼ばれている。ギャンブル好きだがあまり強くないらしく、負けこんで文字通り身ぐるみを剥がされることもある。鍼治療も得意。
トト
声 - 阿澄佳奈
五剣士の一人。大剣と小さな楯を操り、魔力操作で「気功剣(きこうけん)」を使う。アリババの腕試しで彼と戦うが、そのときに恥をかかされたため彼に対する行動に若干の悪意が感じられることもあるが、その実力は認めている。見かけによらず料理が得意。好みの男性のタイプは面倒見がよくワイルドで、皆から兄貴と呼ばれるようないわゆるB型的な性格の男(本人いわくボス猿のような男)。

その他

SLM3兄弟(エスエルエムさんきょうだい)
バルバッド国境付近に拠点を構える採掘砦の盗賊団の頭領でバルバッドからの難民を捕らえて奴隷としてファティマーに売るという協力関係を結んでいたが、アラジンとモルジアナの活躍により盗賊団が壊滅させられる。その後、軍資金を得るためにオアシスで酔いつぶれていたシンドバッドから金属器をすべて盗んでバルバッドに入国、追いはぎをして日銭を稼いでいたところ、「武器商人」に誘われて霧の団に入団する。カシムが内乱を起こした際に国外へ逃亡しようとするも、煌帝国の包囲により脱出できなくなっていたため、状況を打開するためにシンドバッドに金属器を返却する。
その後、レームに渡って賭博場経営で賭博場王と呼ばれるまでの大成功を収めており、レームに到着したものの行き倒れていたアリババを保護する。
S・ナンド(エス・ナンド)
声 - 志村知幸
長男。小柄で小太り、左目に眼帯をしている。悪党とはいえ、チンピラの悪事を止めるといった男気もある。必殺技はチンピラ程度なら一撃で昏倒させる「独眼流内臓殺し(エスナンド・ボディーブロー)」。
L・ナンド(エル・ナンド)
声 - 福原耕平
次男。辮髪の巨漢で、大の男を片手で持ち上げる膂力の持ち主。口調が幼い。
M・ナンド(エム・ナンド)
声 - 赤羽根健治
三男。中肉中背の優男。盗賊にしては口調がかなり丁寧。
ガルダ
100人以上の剣闘士を殺した巨大なマウレニアヒヒ。強力な拳の攻撃力と厚い筋肉による高い防御力を誇る。闘技場でアリババと交戦、当初は戦いを優位に進めるものの、牙と左拳を封じられ冷静さを失い失血のために敗北。その後、アリババが報奨金を使ったことで闘技場から解放され、彼をボスとして認めるようになる。
ダライアス
外伝に登場。レーム帝国軍の諜報員で、本編から24年ほど前にパルテビアに潜入するも国軍に追われることとなり、自らを商人と偽ってシンドバッドの家に滞在し、シンドバッドに様々な外国の話をする。追手が迫ったことで彼を人質に取り逃亡を図ったためにバドルの怒りに触れ、殺害された。

パルテビア帝国

ダバシャディール4世
外伝に登場。第31代パルテビア王。
セレンディーネ・ディクメンオウルズ・ドゥ・パルテビア
外伝に登場。パルテビア帝国第1皇女。
お転婆が過ぎて「パルテビアの毒蜘蛛姫」とあだ名されているが、自分ではその呼び名を気に入っている。幼い頃から供をしていたドラコーンにとっては姉貴分のような存在で、迷宮に向かう彼に対して必ず生きて帰るように命じた。
バドル
外伝に登場。シンドバッドの父親。
ティソン村の漁師で、シンドバッドが3歳の頃に出兵した際には、全身に傷を負い左足を失いながらも村から出た兵士の中で唯一生き残ったため英雄扱いされていた。しかし、出兵により戦争がもたらす虚しさを知り、家族を守るためにパルテビアの国策に異を唱え戦争を否定したため非国民の誹りを受けるようになる。シンドバッドが5歳の頃、スパイであるダライアスを匿ったことで家族に罪が及ばないようにするため、戦争に出兵しそのまま帰らぬ人となるが、その命を懸けた教えはシンドバッドと他の村人たちに受け継がれた。
エスラ
外伝に登場。シンドバッドの母親。
夫の死後、息子と共に村人たちを説得し反戦の意識を広めたが、病に倒れ薬がなければ数日と持たない体になってしまう。自分の身を案じて迷宮に旅立つことを諦めようとしていたシンドバッドに、夫の形見の剣を託し彼の背中を押した。

アル・サーメン

「世界の異変」を起こしている「八芳星」の名を持つ組織。単に「組織」とだけ呼ばれることも多い。かなりの昔から存在し、時に貿易商、政治顧問、官女など様々な姿で国々の中枢に入り込み、影から歴史を操ろうとしている。一味の者が共通した一つの組織名を名乗ることはなく、組織の名はシンドバッドらによって仮に名付けられたものである。煌帝国も建国時から彼らの息がかかっている。「計画書(アジェンダ)」と呼ばれるものに従い、運命のレールから逃れるために運命を逆流させ(堕転)、黒い「ジン」や黒いルフなどを用いて、世界に暗黒を作り続けることを目的とする。また、理想郷以来ソロモンとの対立が続いており、数世紀ごとに起こるソロモンの「傲慢なる妨害」と呼ばれるものに抗っている。

魔導士

黒い八芒星を中心に同じ姿の者たちが10種類ほど存在している。致命傷を受けるとマトリョーシカ人形のような姿に変わり行動不能になる。本体が無事なら復活できるが、人形が破壊されると同じ姿の者たちも全員が消滅する。

マルッキオ
「銀行屋」で、現在はバルバッドで財政の顧問を請け負っている。アル・サーメンの一員。霧の団の『武器商人』とは一心同体の存在である。ジュダルの意識を聖宮に呼ぼうとするウーゴの動きを妨害した後、『武器商人』と一体化する。黒縛霧刀に似た「闇の金属器」の一つを持っていた。「暗黒点」を生み出すため内乱を引き起こさせようとするも、「ソロモンの知恵」による妨害により失敗。その後、撤退しようとしたところでシンドバッドたちに倒され、同時に金属器も消滅する。
武器商人
『霧の団』に武器を供給していた男。カシムに革命を起こすよう唆し、反乱民のための武器を用意する。「銀行屋」のもう一つの姿だったが、元に戻った後にシンドバッドによって倒される。
イスナーン
声 - 三木眞一郎
ターバンや仮面で顔を隠し、仮面のような形状の飾りがついた杖を持つ男。ドゥニヤを連れて第61迷宮に現れ、アラジンたちと交戦。雷魔法でドゥニヤ達をサポートする。ビョルン曰く「ドゥニヤびいき。」
一時はアリババによって倒されたかと思われたが、白龍の体内に侵入しその左腕を食い破って復活する。その後、シンドバッドとアリババに「我らが父の意志」による「他人のルフを黒ルフによって犯す呪い」をかけて逃走しようとするも、シンドバッドに本体を消され、アリババの体内に残った呪いの核もアラジンの「ソロモンの知恵」によって消滅した。なお本体は『理想郷』から存在しており、ソロモン王を裏切り敵対したことを悔やんでもいた。
かつてはムスタシム王国での革命直前にマグノシュタット学院と手を組み、魔法道具や金属器についての情報を流していたが、非魔導士の手下に作製した金属器を与えたことがモガメットの逆鱗に触れ、数年前に決別した。

黒き王とその眷属

ドゥニヤ・ムスタシム
声 - 中村繪里子
ムスタシム王国王女。23歳。
幼いころに母を失ったためにイサアクの母に育てられ、イサアクを本当の兄のように思っていた。政情安定化のため隣国に嫁ぐこととなっていたが、10年前のマグノシュタット校の反乱で水泡に帰した。王族貴族、さらにイサアクを「運命」として平然と目の前で殺されたことで、自らの「運命」を恨み「堕転」してしまった(『ソロモンの知恵』発動時のコマには手を差し伸べるイスナーンが描かれており、反乱からは彼に助けられたと思われる)。
「組織」の命令で「ザガン」を手に入れるため、商人と偽ってトランの村へ赴き迷宮内では闇の金属器を使ってアラジンと戦った。圧倒的な攻撃力でアラジンたちを追い詰め、極大魔法を放つも躱(かわ)されて敗北。アラジンの「ソロモンの知恵」の力で呼び出されたイサアクのものだったルフを受け取り、ルフが白くなり正気に戻った。
迷宮から生還後、シンドリアの王宮に保護されたが、マグノシュタット学院の天才であったヤムライハがいることからシンドリアとマグノシュタットに国交があると思い込んでおり、イサアクに会わせてくれたアラジン以外のシンドリアの人々には心を開かなかった。更に闇の金属器の副作用が残り、ヤムライハらの懸命な治療にもかかわらず衰弱死してしまった。組織に利用された末の死はアラジンにマグノシュタットへの留学を改めて決意させ、白龍にも影響をおよぼした。
黒磁槍(アル・カウス)
闇の金属器。磁力を操り、岩や砂などの鉱物を自在に引き合わせ、反発させることができる。通常状態では、岩を大雑把につなぎ合わせて操る程度だが、黒い「ジン」の状態では磁力で集めた砂鉄で指や拳を槍のように鋭くして攻撃する。その威力は、「マギ」の防壁魔法を打ち破るほど。さらに、全身魔装をすることによって「ジン」の状態の攻撃力のまま、砂鉄を槍に集め様々な形状の武器に自在に変化させることができる。
無限剣舞陣(レアバルド)
極大魔法。上空に作り出した八芒星の陣から、無数の剣を標的に向かって降り注がせる。発動までに時間がかかるのが難点。
イサアク
声 - 竹内良太
ドゥニヤの騎士。髪を一筋前にたらした目つきの悪い男。第61迷宮内でアリババと戦う。剣技そのものはアリババ以上である。
アリババによって何度も切られそのたびに何事もなかったかのように立ち上がるが、それは彼がドゥニヤの魔法によって動く砂鉄の人形だったからである(とは言うものの感情が存在するなど、「命令式」は複雑だったと思われる)。イスナーンが倒された後もアラジンらに立ち向かったが、極大魔法の発動でドゥニヤの魔力が切れたため、砂鉄に戻ってしまった。
本物はムスタシム王国の近衛騎士。人形とは違い、明るい顔つき。幼くして母親を亡くしたドゥニヤを守ることを誓っていたが、10年前に国だけのために仕えることを約束させられる。その後、マグノシュタットの反乱時にドゥニヤを国外へ逃そうとするも失敗、最期は寝返った近衛騎士団からドゥニヤを庇って23歳の若さで命を落とした。「ソロモンの知恵」により「大いなるルフの流れ」から呼び出され、ドゥニヤの前に現れ彼女の幸せを願っていることを伝えた。
黒磁鎧甲(アルカウス・カウーザ)
闇の眷属器。鎧と地面を強力な磁力で反発させることで超人的な加速を生み出す。そのため、踏込の動作を省略することができる。
ズルムッド
声 - 星野貴紀
ザガンの前でアラジンたちを待ち構えていた黒き王の一人。元パルテビアの軍人。筋肉質で髭面の男だが、口調やしぐさは女性的。男女差別はしない主義と言うが女性(女の子)だけを嬲(なぶ)る。アラジンらを極大魔法で行動不能にし、立ち向かってきたモルジアナを執拗に嬲って殺そうとした。しかしそれが災いしてマスルールの怒りを買い、最期は眷属器を発動させた彼の貫手を受けて敗死。
名称は不明だが、闇の金属器は腰に巻いたベルトでそこから何本もの黒い腕をはやす。攻守に優れており、さらにそれを1本にまとめて振るうことも可能。
全身魔装「千手回転(アルフ・アルヤツド)」は黒ずくめで光背を付けたような姿。光背のような部分から六本指で掌に八芒星が光る腕を大量にはやし、その手の間に挟まれたものを瞬時に消滅させる。この能力を利用して竜巻を引き起こすことも可能。
神撫手旋回(アルヤツド)
極大魔法。上空に作り出した八芒星の陣から生じさせた腕を回転させ、竜巻で対象を薙ぎ払う。ビョルン曰く「大ざっぱ」。
ビョルン
声 - 興津和幸
ザガンの前でアラジンたちを待ち構えていた黒き王の一人。西方の海賊団の出身で、羽根つきの帽子をかぶり、左目に眼帯をした男。剣術を得意としている。言動は比較的丁寧だが、相手を斬り刻むことを想像して興奮する危ない性格をしている (シャルルカンからも気持ち悪いと言われている)。自分を上回る剣術の腕を持つシャルルカンに対し闇の金属器を発動して彼に傷を負わせたが、極大魔法で仕留めにかかったところを眷属器で一網打尽にされ死亡。
名称は不明だが剣が闇の金属器となっており、自分の影から自らと同じ力を持つ分身を作り出すことができる。
万華影陣(ゼツルゼツル・ザラーム)
極大魔法。無数の分身を作り出し対象を全方位から攻撃する。描写を見る限りでは魔装なしでも使用可能。
アポロニウス
声 - 飛田展男
ザガンの前でアラジンたちを待ち構えていた黒き王の一人。車椅子に乗った小柄な老人。かつてはレーム帝国の学者だった。自分の能力を認めようとしない組織の魔導士たちを嫌っているため、魔力の切れた魔導士を嬲り殺すことを楽しんでいる。ヤムライハと交戦するが、彼女の挑発に乗って放った極大魔法を鏡の大魔法によって跳ね返されて焼死。
黒光球(アル・フラーシュ)
闇の金属器。数珠状の首飾りを空中に浮かべ、光魔法による光線で攻撃する。光線を一点に集中させると強力な魔導士の防壁魔法も破ることができる。全身魔装では牙を持つ巨大な蟲の頭部に人が乗った姿となる。なお本誌掲載時は『黒光珠』という表記もあったが単行本で統一されている。
黒光球 光蟲型(アル・フラーシュ ハバーヘブ)
金属器を集合させ、のような形にする。腹部にある八芒星から魔導士の防御魔法では防ぎきれない威力の光線を発する。
焼夷光葬砲(フラーシュ・アルアラーフ)
極大魔法。蟲の口内にある八芒星から巨大な光線を発する。攻撃は広範囲に及ぶ。

大聖母(だいせいぼ)

アクティア王国西方の近海に現れる海賊団。絶壁に囲まれた沖合の小島に砦を構え、大量の魔法道具を所有する。その砦は鯨のような形になり海中を自由自在に動きまわることができる。大聖母以外の構成員はすべて16歳以下の子供だった。壊滅後、構成員はアクティア王国との話し合いでシンドリアに引き渡された。

大聖母(オーム・マドーラ)
首領を務める妙齢の女。襲撃した先で母から捨てられた魔力の高い子供を奪い、魔法道具の力で思うままに操り配下としている。集めた子供たちに自分のことを「母さん(マドーラ)」と呼ばせていたが子供達へ愛情を注いではおらず、魔法道具の魔力の供給源として扱っていた。ゆくゆくは世界中の未来の施政者を子供のうちに支配し、世界征服をもくろんでいた。
討伐に来たアラジン達も操ろうとするが、呪縛を断ち切られやむなく逃亡するも重い腰を上げたアクティア海軍により配下の子供達共々捕縛される。全く反省の色を示さず一番魔法の影響を受けていた白龍を呼び掛けて縄を斬らせようとするが、実母に対して殺意を抱いていた彼に首をはねられ死亡した。
冷気咆哮砲(れいきほうこうほう)
強力な冷気を放つ魔法道具。移動形態となった砦の口部に設置され、多数の子供たちの魔力を吸い上げて発動する。水中で発射されるとジュダルの「降り注ぐ氷槍」と同様の効果が表れる。
聖母後光扇(せいぼごこうせん)
精神攪乱系の魔法道具。扇状に広がった魔法陣から発せられる特殊な光で刷りこみを行い、「母親」の存在を認識しようとする本能行動を引きつける強力な雌性ホルモンを信号に変えて相手の脳に送り込み、母への憧れや郷愁によって操ることができる。肉体が子供であっても精神が自立した大人であれば無効化されることもある。
オルバ
大聖母実働部隊のリーダー格の少年。右手を失っており、鉤爪を装着している。一味の中で最も体内の魔力の量が多く、襲撃・戦闘時には一味の中心となって行動する。大聖母の死後、生きる意味を見失い堕転しかけるが、アリババの必死の説得により思いとどまる。シンドリアに引き渡される前に、命の恩人であるアリババの頼みで弟分たちの面倒を見ることとなる。大聖母を殺害した白龍のことは許すつもりはないようである。
浮遊包弾(アラ・ラサース)
シャボン玉のような空気弾を作りだす魔法道具。人間だけでなく小型の船舶まで包んで持ち上げることができるが強度は低い。包まれた船は海中に潜ることもでき、上空から乗り込む以外での砦に入る唯一の方法となっている。
その他の魔法道具
水弾(シャラール・ラサース)
水の塊を発射する刀身が筒になったサーベルのような形状の魔法道具。「大聖母」のメンバーの標準装備。通常でも人を吹き飛ばすほどの威力だが、魔交虫により地面を大きくえぐるほど巨大な水塊に強化される。また、移動形態の砦の動力ともなる。アリババは、これを逆用して水中での高速移動を行った。
魔交虫(まこうちゅう)
魔法道具を連結させて威力を上げることができる魔法道具。

マギ

アラジン
「4人目のマギ」。
ジュダル
煌帝国のマギ。
シェヘラザード
レームのマギ。
ユナン
声 - 石田彰
「さすらいのマギ」と呼ばれる「マギ」。『第1迷宮』を出現させた。その後も誰につくこともなく、気の向くまま「迷宮」を生み出しては1人で世界をさまよっている謎の人物。かつてシンドバッドを第1迷宮へと導いた。現在は大峡谷の底で「守り人」をしており、谷の中とその両岸のすべての音を耳で聞くことができるという。

その他の人物

ライラ
声 - 池澤春菜
オアシス都市ウータンでアラジンが出会った商人。優しくない方のおねえさん。各地を回る商人。元々は盗賊で、砂漠で行き倒れになっていたところをサアサに助けられたことを切っ掛けに彼女と友達になり、それからは嘘をつかずに生きていく決心をするが、自身の過去については打ち明けられずにいた。その後、かつて盗賊であったことを知られ、誤解によって一度は隊商のメンバーから離れるが、誤解が解けた後に再び同じ隊商に復帰した。その後チーシャンを訪れた際にモルジアナを仲間に加えており、その道中でアラジンとも再会する。少しアリババに似ており、寝ぼけたアラジンが間違えたことがある。酔うと絡み酒になる。
サアサ
声 - 佐藤聡美
ライラが所属する隊商の娘。ライラの一番の友達。優しいおねいさん。
ブーデル[注 2]
声 - 岡野浩介
ブドウ酒造の大豪農。性格は非常に悪く、人命よりも自分の扱う商品である酒の安全を優先する。しかし、財力と権力にはどこまでも従順で、たとえ以前に蔑んでいた者であろうとも、相手が富と力を手に入れたなら躊躇なく態度を180度反転できる等、妙に器用な一面も持つ。
ふくよかな体型のため、アラジンには「おっぱいおじさん」と呼ばれている。
エリザベス
声 - 進藤尚美
アラジンとアリババが迷宮攻略前に行ったチーシャンの店のNo.1実力派ホステス。かなりの巨体で筋骨隆々としており、手刀で瓶の口を切り落とす。生き別れの妹を探しているという。出番がわずかながら、作者がファンレターにイラストとして描く頻度の高い人気キャラクター。
マルガレータ
アラジン、アリババ、モルジアナが別れる前にアラジンとアリババが入ったアクティア王国の店のNo.1実力派ホステス。エリザベスと瓜二つの風貌でやはり筋骨隆々としている。生き別れの姉を探しているという。
ファティマー
声 - 置鮎龍太郎
ナンド三兄弟が頭を務める採掘砦の盗賊団を拠点とする奴隷商人。女言葉のような口調で話すが、男性。盗賊団と結託して誘拐や人身売買を執り行う。
過去にファナリス出身の奴隷を売買した経験があり、爪から大牛も即座に昏倒させる猛毒を発する砂漠カラスなど、砂漠や暗黒大陸産の猛獣を数種飼い慣らしている。
彼自身も元は奴隷で、旅の途中で主人を殺害し、以来、身分を隠して奴隷商人となった経緯を持つ。
ナージャ
声 - 小幡記子
採掘砦の盗賊団に捕まり、同じ部屋に閉じ込められたモルジアナと仲良くなった少女。バルバッドの内紛によって家族とともに国外へ脱出しようとしていたところを捕まってしまった。病気になって砂漠ハイエナの餌として処分されそうになったが、足枷を破壊したモルジアナによって助けられ、家族と再会することができた。
ティアレ
声 - 種田梨沙
シンドリア近海のトラン族の村の村長の孫娘。名前はアニメ版より。
第61迷宮に囚われた父母を助けようとしてアラジンたちについてきてしまう。その後、迷宮植物に捕まってしまったがモルジアナの奮闘で救出され、白龍がザガンと契約し迷宮を攻略したことで父母と再会することができた。
ソロモン王
声 - 清水秀光
ジンと迷宮を造ったとされる存在。『理想郷』の大魔導士で、物語の中で度々「偉大なる大王」と呼ばれ、その名を冠した用語も多く存在するものの、詳細は不明。世界の統一を目前にしながらも、魔導士たちの反乱で世界が滅んだとされる。その世界のすべてが滅びる前に現在人々が暮らす世界を新たに創造し、生き残りをこの世界へ避難させた。アル・サーメンとは対立関係にあたるようだ。

登場用語

重要語

ジン
ジンの金属器』と呼ばれる道具に封印されている、神話に登場する精霊。「迷宮」の支配者としてその奥深くに眠っており、持ち主である『迷宮攻略者』の呼び出しに応じ強大な力を与える。
実体の無い存在のため、身体の大きさは自由に変えられる。自分たちを作り出したソロモンの移し身であるマギに指図することは許されていないため、アラジンに必要以上のことを教えることは出来ない。
彼らは、攻略者を見た瞬間に「ジン」を使役するのに必要な器である人間の魔力の内容量がわかる。また、彼らは「迷宮」内で死ぬことはないという。迷宮のゴールである「宝物庫」から出ることはできない。
地上の「王」が使う純粋な「力」として、ソロモン王によりルフから作り出された人工生命体(ゆえに、地上で実体化すべきではないとされる)。実体化するためにはマギが持つのと同等の魔力を得なければならない。本来はルフに愛される魔法使いのみが作ることができるが、アル・サーメンは、黒ルフにより、黒い「ジン」を練成する技術を編み出した。
モデルはソロモン72柱の悪魔。
金属器
迷宮攻略者が手に入れるジンが宿る道具で、最強の魔法道具で他の魔法道具とは次元の異なる強力な力を持つ。別名「ソロモンの金属器」。金属器の所持者は「金属器使い」とも呼ばれる。所持者はジンの持つ強大な力を行使することが可能だが、人間の持つ魔力の総量では限りがあるため、通常は「魔装」と呼ばれる方法で扱う。どこかに八芳星が刻まれている。仮にマギの莫大な魔力で使用した場合は、ジンそのものの顕現が可能である。
普段は所持者が身に着けることで、次第に魔力が蓄積されるが、それを使い切ると無力になってしまう。ただし、ジンが巻き起こす能力と同質の現象を利用して一瞬だけ力を使うことができる(例えば、炎熱を司るアモンであれば炎を取り込む)。自然現象を取り込み、防ぐことのできない極大魔法攻撃をそれぞれにつき1つだけ発揮できる増幅装置の機能を持つ。
主と一体化して力を発揮するという特性上、「金属器」とする金属は主によく馴染んだものが好ましいとされる。
金属器の登場により、いかにそれを手に入れ活用するかが戦争の要に変わってしまっている。
魔装
金属器に宿る「ジン」の力で体を薄く覆って自己と同化させることで、実体化した「ジン」に近い力を得ること。「ジン」の使用法の本質。魔装した所持者の姿は、それがより強くなり全身に広がるほど、「ジン」本来の姿に近くなる。
武器化魔装
「ジン」に最も近い、核となる金属器から肉体(主に武器を持つ手)にかけて魔装すること。全身の魔装に比べて容易。金属器は「ジン」本体が持つ武器そのものの姿になる。
眷属器
金属器から力を分け与えられた魔法道具。名の通り、主の金属器と共闘するうちにジンに認められた者(眷属)がその能力を得る。眷属器の所持者は「眷属器使い」とも呼ばれる。金属器と同じく、蓄えられた魔力には限りがある。金属器とジンの恩恵による強力な力を持ち、一般にある魔法道具とは一線を画する魔力を持つが、主が金属器を遠くに離してしまうとその力を行使できなくなる。金属器と同じく、使用者に馴染んだ金属が好ましい。
闇の金属器
アル・サーメンによって黒いルフを糧に作られた金属器。「ソロモンの金属器」と同様の全身魔装をすることができるほか、使用者が自分の体を貫くことで、自らを黒い「ジン」へと変えることもできる。ジンの状態では黒いルフの供給があれば無限に再生することができるが、黒ルフがないところでは理性を失っているが故に大威力の攻撃を繰り返して次第に弱体化していく。極大魔法の威力は「ソロモンの金属器」に劣る。モガメット達と共に創られたものであるため、内部にマグノシュタット学園で魔法道具を精製する際に刻まれる「魔力痕」が刻まれている。また、使用者は使用後に生き残っていたとしても後遺症によって次第に衰弱していき、最終的に干からびた黒炭のようになり死亡する(治療法はまだ見つかっていない)。
迷宮(ダンジョン)
およそ14年ほど前[注 3]から世界各地に出現した古代王朝の遺跡群。内部には貴金属製品や宝石類など通常の財宝のほか、魔法道具などが共に眠っており、その頂点に立つのが「ジンの金属器」である。また、一度でも誰かが攻略すると消滅してしまう。マギの力で出現する。
一度入り口である「迷宮の聖門」をくぐると完全攻略するまでは外に出ることができない。攻略者の強さに応じて姿を変える。「迷宮」内部はルフの濃度が高いため、地上よりも少ない魔力で「ジン」たちが実体化することができる。
迷宮を攻略した人物のことを『迷宮攻略者』と呼ぶ。二箇所以上の迷宮を攻略したのは、世界でもシンドバッドと練紅炎の二人のみで、彼らは『複数迷宮攻略者』とされる。また、迷宮攻略者そのものがジンの主となるため、「王の器」の持ち主ということにもなる。
シンドバッドは自身の経験から、力を得すぎた迷宮攻略者およびその眷属は「十分な力を得た」と判断されるために、迷宮に入ることが出来なくなるのではないかと推測していた。
ルフ
人の肉体が土に還るように、魂が還るところ。世界の魂を繋ぐ「世界の血潮」。またルフが生み出す世界の"流れ"、生命があるがままに生き、前に進み続けることを示す"ルフの導き"が存在しており、それこそが「運命」と呼ばれる。
鳥の姿をしており、堕転するときに黒く染まる。引き起こす現象が個性によって異なり、その違いによりマグノシュタット学院では大きく8つに分類されている。本来なら魔法使いでなければその形を認識することはできないが、マギがルフを集めた場合や迷宮内部のようにルフの濃度が高い場所では非魔導士であっても視認することが可能。
魔力(マゴイ)
ルフが生み出すエネルギーで、生命に至るまであらゆる自然現象を引き起こす。ヤンバラの民や東方の人々はこれを「」と呼ぶ。人間の場合、魔法道具などの過度の使用で大量に魔力を消耗すると自力では回復できなくなり、非常に危険な状態になる(この状態をマクバラー(魔力切れ間近)という)。それを集めてそのまま打ち出したものを魔力弾といい、威力が低くせいぜい壁や床に小さな穴を開ける程度だが、相手を拘束するときに役立つ。
魔力操作(マゴイそうさ)
ヤンバラの民が得意とする、自らの体内の魔力を操作し相手の力を相殺する技術で、魔法道具だけでなく魔装すら解除することができる。また、その一部を武器に宿して強化することや、生物に直接使うことで相手を失神させることもできる。特殊な修行が必要であるため、使用できる者はそう多くない。自らの命を削るため、使いすぎると寿命が縮んでしまう。
ソロモンの知恵
運命の逆流を超える「奇跡」の力。「ルフの意志を聞かせる力」「預言の力」ともされる。他者のルフと語らい、さらに「大いなるルフの流れ」の源へアクセスしあらゆる人々のルフを呼び出すことができる。また銀行屋の言によれば「ジン」の錬成術などの知識も含まれているらしい。
聖宮の先にある「莫大な知識が集荷されている空間」において、アラジンが手に入れた。ルフを集めることで発動し、そのとき、額に八芳星が現れる。連続使用後は立っているのがやっとなほどに体力を消耗してしまう。なお、その本質である『全知』を、アル・サーメンも手に入れようと画策している。
魔法
ルフに命令式を与え、それが生み出す魔力によって熱・氷・雷・重力など様々な現象を引き起こす現象。どのような命令をルフに与えれば何が起こるかは、見えない真理として定まっており、それらを解き明かし組み合わせる。魔力の総量が多い者ほど、良く複雑で難解な式を組み続けられるので、より高度な魔法を解くことが出来る。使用する際には体に負荷がかかるため、肉体が弱いと無意識のうちにリミッターがかかり出力が低下するが、体を鍛えることでそのリミッターは解除されていく。
ルフと同様にマグノシュタット学院では8つに分類され、1から順に8角形の頂点に配置したとき、自分の最も得意とする魔法の対角線上にある魔法が次に素質があるとされ、全ての種類の魔法をまんべんなく学ぶことで得意な魔法の出力も上昇する。
防壁魔法(ボルグ)
魔力で自分の周囲を覆い、外部からの悪意ある攻撃(ほとんどの物理攻撃とある程度の魔法攻撃)を防ぐ。魔法使いなら誰でも生まれつき素質が備わっているが、魔力量によって強度に個人差があり、マギの物ならば金属器や眷属器でなければ破壊できない。
超律魔法
ごく希少な条件下でしか起こりえない天災をルフに命じて強制的に引き起こさせる魔法で、「災厄」とされる。
魔法使い
道具を使わず、自分の魔力を別のものに変換できる人間。生まれつきルフと語らうことができ、ルフに特別な伝令を送り、様々な自然現象を引き起こすことができる。幾つかの階級に分かれており、頂点に「マギ」、次いで「魔導士」、そしてその下に「占い師」や「まじない師」などが存在する。
肉体が「魔力」を魔法に使うことに特化しているため常人よりやや脆弱。それをカバーするため、魔法使いであれば「防壁魔法」を使う能力が元々備わっている。攻撃力に関して「金属器使い」には及ばないものの、様々な魔法を使い分けることで「金属器使い」や「眷属器使い」のサポートを行う。ルフと同様個性があり、ひかれあうルフの種類により得意な魔法も変わる。
「ジン」自体が魔法使いのような存在である影響で、お互いの魔法が混線して何が起こるか分からず危険であるため、「眷属器」の使用はできない。
魔法に関する知識が未成熟な国は数多く、現在もその能力を気味悪がられ迫害を受けている。
マギ
王となる者を選び、導く役目を持つ魔法使いのこと。『創世の魔法使い』とも『愛しきソロモンの移し身』とも呼ばれる。その具体的な意味や役割は不明だが、黄牙民族にはかつての大黄牙帝国の建国に関わったマギの神話が語り継がれている。
歴史の節目に現れ、それぞれの時代に3人しかいないもので、この物語の時代のマギはジュダル、ユナン、シェヘラザードだけのはずだったが、歴史上初めて「4人目のマギ」であるアラジンが存在している。
魔法使いの階級の1つであり、その頂点に君臨する存在。そのため下記の魔導士であるヤムライハはマギであるアラジンとの初対面の際、かなり敬意を払っていた。
普通の人間は自分の中のルフが生む一定量のエネルギーしか使えないが、マギは自分以外のルフを使役し、その魔力を体力が続く限り、ほぼ無限に使うことが可能。そのため、大量の魔力を必要とするので通常の人間にはできない「ジン」の実体化も可能である。ルフの加護を受けているため、魔力弾は打ち消され効果がない。また、迷宮を出現させ、そこに王の器と見込んだ人間を導くことができる。堕転し逆流する運命を変える「奇跡」を起こすことが使命の一つである。
ルフと同様、ジュダルのように堕転したものは、黒く染まっていく。
魔導士
魔法使いの階級の一つ。自分の体内の魔力の量が多く、いろいろな魔法が使える。マギからは一段階下の階級となる。ここ1世紀のうちに命令式が体系化されたことでより効率的に魔力を変換できるようになった。
さらに、マグノシュタット学院の上級魔導士は研究の結果として、最も効率の良い命令式を最短でくみ上げることができるため、一人で1個中隊に匹敵する力を有している。魔導士がこのような高い戦闘能力を持つようになったのは最近のことで、かつては「防壁魔法」による盾代わりに使われ、現在も一般的には戦う力はない存在と認識されている。
1型魔導士
炎を操る1型のルフと特にひかれあう魔導士で、自然現象を起こす際にルフが赤く輝くため「赤魔導士」ともいう。熱魔法(ハルハール)を得意とする。
2型魔導士
水を操る2型のルフと特にひかれあう魔導士で、自然現象を起こす際にルフが青く輝くため「青魔導士」ともいう。水魔法(シャラール)を得意とする。
3型魔導士
光を操る3型のルフと特にひかれあう魔導士。光魔法(フラーシュ)を得意とする。
4型魔導士
雷を操る4型のルフと特にひかれあう魔導士で、自然現象を起こす際にルフが黄色く輝くため「黄魔導士」ともいう。雷魔法(ラムズ)を得意とする。
5型魔導士
風を操る5型のルフと特にひかれあう魔導士で、自然現象を起こす際にルフが白く輝くため「白魔導士」ともいう。風魔法(アスファル)を得意とする。
6型魔導士
音を操る6型のルフと特にひかれあう魔導士。
7型魔導士
力を操る7型のルフと特にひかれあう魔導士。自然現象を起こす際、ルフは黒く輝く。物体や空間自体に働きかける力魔法(ゾルフ)を得意とする。
8型魔導士
命を操る8型のルフと特にひかれあう魔導士。自然現象を起こす際、ルフは紫に輝く。
魔法道具
使用者の魔力を与えることによりさまざまな魔法を行使できる道具。眷属器とは違い、魔導士でも使用できる。
本来ならば迷宮内にしか存在しないはずだが、アル・サーメンからマグノシュタットに本物が提供され、その研究の結果近年魔導士によって人工的にも作り出されるようになった。
聖宮
アラジンがかくまわれていた場所。番人はウーゴ。アラジンは「頑丈な部屋」と呼んでいた。内部には様々な文献がある。ある時期が来るまでアラジンは絶対に外に出られない仕組みになっていた。外には「死者達の街(ネクロポリス)」が広がっている。
七海連合
シンドバッドが作った7か国同盟。どの加盟国も小国ながら強大な力を秘めている。「不侵略」を理念とする。連合に加盟しているのが分かっているのは、エリオハプト国、アルテミュラ国、イムチャック国、ササン。
堕転
運命」に逆らい、進化を退化に、有を無にというようにすべてを陰なるものに逆流させること。そのとき、ルフやマギはその身を黒く染める。人間が自らの運命を恨んだときにも起こる。
逆流する運命を変えるためには、闇を打ち晴らす「奇跡」が必要であり、それを起こすのが「マギ」の使命でもある。
暗黒点(あんこくてん)
大量の魔力と黒いルフを糧に作られる世界の穴で、アル・サーメンが世界を無秩序なものに変えるために必要としている力。その穴からは白いルフを喰い尽くす悪意の化身が現れるという。
八人将
シンドリア王国内で最強の8人の戦士。有事には先頭に立って戦う。シンドリアの守護神として国民の人気が高い。同盟国からの食客が多い。
謝肉宴(マハラガーン)
シンドリアで行われる祭り。南海生物の撃退を八人将がパフォーマンス化することで、国民たちの恐怖心を和らげ、国外からの客人を楽しませている。
シンドバッドの冒険書
作者はシンドバッド。アリババが迷宮攻略の際に参考にした。巻を追うごとに脚色がひどくなり、八人将の活躍を描いた「その22」ではジャーファルが7本の角をはやし火を吹き、マスルールは巨大化している。
理想郷(アルマ・トラン)
詳細は不明だが、運命を乗り越え前へと進む力を失ったために滅びてしまったという世界。ソロモンとアル・サーメンの対立はこのころから始まっている。

迷宮(ダンジョン)

第1迷宮『バアル
ユナンの手により14年前に出現した1つ目の迷宮。レームとパルテビアとの国境線上に出現し、シンドバッドによって攻略された。総死者数約12000人。
第7迷宮『アモン
チーシャンに存在した7つ目の迷宮。10年以上攻略されていなかったが、アリババによって攻略された。総死者数約10000人。
第61迷宮『ザガン
シンドリア南西沖のトラン族の島に現れた61つ目の迷宮。約2年前に出現した。近づくだけで村人は引きずり込まれていた。実はそれらの村人はザガンに似せて作られた迷宮植物が魔法で木にし、魔力を吸い取って迷宮生物を生み出していた。『アモン』に比べ迷宮生物たちには人間味があるが、迷宮植物の歌声で凶暴化する。練白龍によって攻略され消失、捕らわれの身となった人々も元の姿に戻され解放された。
第6迷宮『ブァレフォール』、第16迷宮『ゼパル』、第34迷宮『フルフル』、第41迷宮『フォカロル』、第42迷宮『ヴェパール』、 第49迷宮『クローセル
シンドバッドによって攻略された迷宮。

地理

チーシャン
第7迷宮の出現以降、その攻略を目指す冒険者が集まり発展したオアシス都市。
バルバッド
東南にある海洋国家。本土は街ほどの大きさだが、数百に及ぶ島々を支配し、各地方との交易の中心地として栄えている。サルージャ王家が代々治めていたが、煌帝国の圧力や組織の暗躍によって国力が衰退、王侯貴族が豊かな暮らしを続ける中、貧困層は重税で苦しむこととなったため、アリババによる革命ののち、煌帝国の傘下で、共和国として自治を行っている。サンデー掲載時は「バルバット」だったが、単行本掲載時より現名称に変更された。
シンドリア王国
シンドバッドが作った国家。南海の島国で「未開」と呼ばれる極南地帯にある。かつて、人を寄せつけない絶海の孤島をシンドバッドが開拓し、国を興した。「迷宮攻略伝説」の末に作り上げられた「夢の都」として広く知れ渡っている。北大陸には見られない地形、気候、動植物と共に人々は暮らし、国は貿易と観光で栄えている。身につけている服や装飾品、髪や肌の色も異なった人々が対立も無く、支えあって暮らしている多民族国家であり、アラジンは小さい島だが大きな国だと称している。
また、国の海域には「南海生物」と呼ばれる超巨大な海獣が生息しており、年に数度、島を襲ってくるが、王の配下の「八人将」が撃退し、それをパフォーマンス化して国民の不安を緩和している。仕留めた南海生物は国中で食べ、その収穫祭を「謝肉宴(マハラガーン)」という。
シンドバッドとヤムライハによって作り上げられた、敵を判別し侵入を拒む『防御結界』と、侵入した敵の居場所を追跡し50里以内ならそこへ瞬間移動できる『転送魔法陣』によって守られている。
煌帝国(こうていこく)
極東を制し、急に拡大している国家。帝政時代の中国風の国。少し前までは極東の小国にすぎなかったが、ジュダルの力を借り、数年で広大な中原を平定。5名もの迷宮攻略者を抱え、北方および西方々の周辺小国に攻略者を送り込み、侵略している。最近では迷宮怪物軍団もできた。
レーム帝国
西方にあり、暗黒大陸にも属州を持つ大国。最高司祭にはシェヘラザードが就いており、彼女によって過去最大の繁栄と何人もの「迷宮攻略者」がもたらされている。街は道路・水道が整備され、国が市民の生活を保障するため、飢えることはない。一方で奴隷が仕事や娯楽提供をさせられており、SML三兄弟から「市民にとってはいい国」と称される。賭け事が盛んである。『個』の集積、『人』の力を重んじる。また、科学技術も進歩しており、火薬兵器も実用化されている。
パルテビア
バルバッドと貿易をしていた大国。だが、近年衰退してきている。ドラコーンが軍人をしていた。シンドバッド・ズルムッド・マイヤーズの出身地。
外伝では、本編より30年程前から諸外国と戦争を繰り返している。
エリオハプト国
七海連合の加盟国。シャルルカンの出身地。女性は胸を隠さない風習があり、身分の高いものは体に蛇を巻きつける。
アルテミュラ国
七海連合の加盟国。ピスティの出身地。
イムチャック国
七海連合の加盟国で極北の秘境にある国家。この国に住む人間は身丈が非常に大きく、子供でも他地域の成人男性に並ぶ身長を持つ。ヒナホホの出身地。
カシュガン
中央砂漠の都市国家。人種・家柄・所得にかかわらず誰もが平等に政治に携わることのできる徹底民主政治に移行した。アリババがバルバッド共和国の政治形態の参考にしようとしていた。
ササン
七海連合の加盟国。厳格な教義を持つ国として知られる。スパルトスの出身地。
ムスタシム王国
花と泉の楽園と呼ばれた西方の割合が大きかった国。魔法の真理に迫るため国を挙げて努めてきた魔導国家で、70年以上前から当時では珍しく王家に魔導士が使えていた。しかし魔導士自体は差別されており、40年前に起こったパルテビアとの戦争では最前線に送られ楯の代わりにされるなど不当な扱いを受けていた。以来徐々に力を高めていたマグノシュタット校の反乱によりドゥニヤを除く王族・貴族が皆殺しにされ、10年ほど前に滅んだ。
マグノシュタット
ムスタシム王国滅亡後に新たに建てられた魔導国家。元はムスタシム王国にあった一学問機関だったが、シンドリア編の10年前に軍隊級の力を持ち国軍や一部の貴族官僚を取り込み、祖国に対して反乱を起こすことで誕生した国家。首都は「迷宮」にしかない筈の魔法道具に溢れ、国境周辺に現れる盗賊は貴重なはずの魔法道具を大量に所有している。近年では隣接する国へ攻め込み吸収して領土を拡大し続けており、そのことからレーム帝国に警戒されている。
レームと煌に挟まれているため、籠城に適した都市となっており、外縁部は3層の防御魔法に覆われ内部では完全に自給自足の体制が整っている。
国民等級制度により全ての国民は5階級に分けられ、1~3等級には様々な特権が与えられている。学長および上級魔導士は1等、学院2学年以上および魔導士が2等、魔導士を両親に持つ非魔導士および特殊技能や官職に就く非魔導士は3等、通常の非魔導士が4等、納税を果たせない非魔導士が5等。総人口は30万人で、その3分の2に当たる20万人が地下に造られた落伍者の掃き溜めと蔑まれる5等許可区で生活しており、地上で使用される魔法道具の動力源として恒常的に魔力を吸い取られている。5等の人々の扱いに関しては賛否両論があるが、そこの人々に労働の義務はなく、病気の治療も魔導士が行っていることでムスタシム王国の頃より死亡率は低下しているため、現状を受け入れている5等民も多い。
魔法使い以外の人間の入国を原則として禁じており、国内の人間の数を制限、「魔導士」と普通の人間とで差別するという国家体制を敷いている。シンドバッドからは、アル・サーメンともつながりがあるという疑惑が持たれている。煌帝国の皇族からも急速な発展・迷宮道具の量産などから同じく「組織」の関与を疑われていたが、交渉においてそれがない可能性も浮上。魔導士のみによる発展は紅炎に「恐ろしい国」と言わしめた。入国の際は防御魔法のテストをしている他、生徒たちを成績別にコドル1〜6に振り分けて学ばせている。
アクティア王国
東西の大陸をつなぐ重要な窓口となる国家。北方のマグノシュタットとの国境線に兵力を集中しているため、南方の港が手薄になり海賊「大聖母」が横行することとなった。
暗黒大陸
「レーム帝国南方属州以南は未開発」という意味で外部の人間によって付けられた、現地民が『カタルゴ』と呼ぶ地の蔑称。北端部はレーム帝国の属州として開けており、直行便で誰でも渡ることができる。
大峡谷
レーム帝国属州最南端に広がる巨大な峡谷。まるで世界がそこで終わっているかのように深く広大で、渡れば2度と帰って来られないと言われており、太陽を遮るものは何もないはずだが底に行くほど暗くなっていく。現在はマギ・ユナンがここの「守り人」をしている。

民族

ファナリス
暗黒大陸で伝説と語られる戦闘民族。目元が特徴的で赤髪と強靱な脚力を有し、その脚力は獅子の胴を一撃で蹴り貫き、成人男性ともなれば、その身に幾重にも巻かれた鎖を引きちぎるほどの強大な力を発揮する者も存在する。毒の回りも遅い。しかし、その一方で身体能力に反比例するかのように体内の魔力の量は常人より少ない。
奴隷狩りにあったかさらに奥地へと移ったかは不明だが、現在の暗黒大陸には一人も残っていないという。ユナンによると大峡谷の「向こう岸」にはまだ残っているらしい。
黄牙一族
モンゴル風の国に住む一族。かつては最も栄えた騎馬民族で、初代大王チャガン・ハーンが築いた「大黄牙帝国」は歴史上最大の帝国だった。チャガン・ハーンは「マギ」にいざなわれ迷宮攻略をし、強大な力を得たという言い伝えがある。現在は衰退し、民衆は遊牧などを日々の生業として生活している騎馬民族だが、戦士はの機動力を活かした高い戦闘能力を持ち、また独特な剣を携えている。ババ曰く、「草原で我々から逃れられる者はいない」という。ゴルタスやドルジという名前が多い。上記の戦士だけでなく一族の人間は剣で斬られてもなかなか死なないなど総じて身体的に頑丈であり、そのため女子供を中心に何度も奴隷狩りの対象にされている。
白瑛とババの尽力で平和的に煌帝国の傘下に入り、白瑛の志に納得したことで騎馬兵百余名が白瑛の「眷属」となっている。
トランの民
現在の世界共通言語と全く違う言語、「トラン語」を話す世界中に広く分布する少数民族(トラン語は会話では横書きで表現される)。なお、このトラン語は世界各地の太古の石版や、迷宮内部に記されている謎の言語である。遅れた部族として迫害され、南へ追いやられている。作中確認されているのは暗黒大陸やシンドリア近くの島にすむ部族で、シンドリアの駐屯地のおかげで安全な公開と商売ができるので市場が賑わっている。
ヤンバラ
魔力操作を得意とする東方の少数民族。「魔力操作の村」と呼ばれる場所に住むが、彼らが流浪の民で住処を転々とするためその場所は誰にもわからない。レームの「闘技場」をはじめ、世界各地で武者修行をしている。

異生物

砂漠ヒヤシンス
作品中に登場する、砂漠・ユリ科の巨大な肉食植物。捕食部に酒を浴びることで酔い、活動が鈍くなる。
スライム
第7迷宮に棲む半流体状の怪物。普段はアリの姿をしているが、自分より強い相手がいる時は変形して相手の特徴をコピーする。また相手がさらに強敵であれば、複数の個体が寄り集まって巨大な集合体となり、戦う。人間の言葉をまねて話すことができる。
砂漠カラス
爪から、大牛をも眠らせる即効性の強毒を出す。ファティマーに飼われている。
砂漠ハイエナ
ファティマーが飼育しており、病気などで弱った奴隷の処分に使われていた。
マウレニアサーベルタイガー
暗黒大陸に生息する肉食動物。牙にかすっただけで人間なら一瞬で死ぬほどの猛毒を持つ。競売用にファティマーが飼っていた。
ナミディアコンドル
暗黒大陸に生息する肉食動物。爪にかすっただけで人間なら一瞬で死ぬほどの猛毒を持つ。競売用にファティマーが飼っていた。
エウメラ鯛
バルバッド近海にしか生息しない珍魚。鯛であるが、骨まで軟らかい。これのバター焼きは、モルジアナの好物。
パパゴラス
アリババの好物の鳥。珍味として好む者もいるが、岩をも砕くクチバシと自分より大きな相手にも挑むという攻撃的な性格のため捕獲は困難。群れで生息し、一番強い個体をボスとする習性を持ち、パパゴラス以外の強い動物の庇護下に入りつき従うこともあるため、現在のボスはマスルールとなっている[2]
南海生物
南海に住む巨大な海洋中で凶暴な種類が多い。シンドリア国民が勝手につけた呼称であり、研究はあまり進んでいない。上陸できる形態のものもいる。「アバレ~」という名前が付けられている。
アバレウツボ
樹木よりも巨大なウツボ。棘のついた胸鰭を手のように使って岸壁をよじ登ることができる。
アバレオトシゴ
タツノオトシゴの形をした生物。アバレウツボほど巨大ではないものの、海中から帆船の甲板まで届くほどの大きさはある。
アバレウミガメ
ウミガメと呼ばれてはいるが、鰭ではなくリクガメのようにしっかりした手足がついている。
アバレウミウシ
擬態能力を持つ大きなウミウシ。死亡すると擬態は解ける。
パパゴレッヤ
シンドリア特産の果物。大陸の商人との間で高額で取引される。
オラミー
リスに似ている。人懐っこく市街地に出没し、食べ物をくすねる。母親の尾の中で守られて子どもが育つ。
バオバロブ
シンドリア近海全域に群生する植物。特徴はウネウネと伸びた幹。
ザガンの迷宮植物
ジン・ザガンが自身に似せて作りだした迷宮植物。地上に現れている「花」の部分はザガンが仮面をつけたような姿をしている。ザガンの手を離れ、第61迷宮に近づいたトランの民たちを迷宮に引きずり込み、迷宮生物を生み出す養分へと変えていた。ザガンのふりをしてアラジンたちの前に現れる。歌声で他の迷宮生物を狂暴化させる能力を持つ。「花」の部分を攻撃されてもすぐに回復し、アラジンたちを追い詰めるも、地下にあった本体をモルジアナの炎翼鉄鎖に焼き払われ、小さな子供の姿をした最後の「花」を一つ残すだけとなってしまい、命を助けてもらう代わりに宝物庫へと向かう道を教えたが、直後にドゥニヤによって殺される。
ゴーレム
第61迷宮に棲むザガンによって非常に硬い鉱物から作り出された岩の巨人。モルジアナの蹴りが通じないほどの強度を誇るが、互いにぶつかり合うと砕けてしまう。
ネツメグサ
香草としても使われるマメ科の根の長い植物。

書誌情報

単行本

公式ガイドブック

公認アンソロジー

単行本未発売

  • 『マギ まじかるギャグ学園』
    • 月刊コロコロコミック』(小学館)2012年11月号から2013年1月号まで連載された。作者は河本けもん。4コマ漫画を中心とした短編ギャグ漫画。

マギ シンドバッドの冒険

登場人物の一人・シンドバッドを主人公とし、本編に至るまでの彼の半生を描いた外伝作品。『MAGI シンドバッドの冒険』、『マギ〜シンドバッドの冒険〜』、あるいは単に『シンドバッドの冒険』と表記される場合もある[5]。『週刊少年サンデー』2013年23号 - 30号まで短期連載した後、裏サンデーに移籍し、同年9月18日より隔週連載として再開し現在連載中である。漫画は大寺義史が担当している。既刊1巻。

また、テレビアニメ第1期のBlu-ray Disc / DVD 第1巻の完全生産限定版には、本作のプロトタイプとなる、70ページの描き下ろし漫画が特典としてついていた。

テレビアニメ

第1期は2012年10月7日から2013年3月31日までMBSTBS系列全国ネットにて原作の「シンドリア編」までが放送された。全25話。副題は『The labyrinth of magic』。

MBS製作アニメでは『おそ松くん(第1作)』[注 4]以来実に45年ぶり、TBS系列としても『ウメ星デンカ[注 5]以来43年ぶりの『週刊少年サンデー』連載漫画原作のアニメ作品となり、日5枠では初の週刊連載漫画原作のアニメ作品となる。なお、作品には「小学館創業90周年記念企画」と銘打たれている。

連動データ放送において、全国同時ネットのテレビアニメ作品では史上初となるTwitter連動を実施。ハッシュタグ“ #magi ”を用いたツイートの一部が(若干フィルタリングされて)随時表示される。

第1期最終回で続編「マグノシュタット編」の制作が発表。当初、媒体は未定で2013年秋にリリース予定とされていたが、後にTVシリーズ第2期としての放送が決定し、第1期同様にMBS・TBS系列全国ネットにて2013年10月6日より放送中[6]。また、副題が『The kingdom of magic』に変更された。

スタッフ

  • 原作 - 大高忍小学館週刊少年サンデー」連載中)
  • 監督 - 舛成孝二
  • 企画 - 夏目公一朗、植田益朗、沢辺伸政、遠藤正樹、太布尚弘、柳村努(第1期)→旦悠輔(第2期)、竹田青滋
  • シリーズ構成 - 吉野弘幸
  • シリーズ演出 - 林直孝(第1期)→倉田綾子(第2期)
  • 助監督 - 林直孝(第2期)
  • キャラクターデザイン - 赤井俊文
  • 総作画監督 - 赤井俊文(第1期)→落合瞳・小松麻美(第2期)
  • コンセプトデザイン - 竹内志保
  • エフェクトアニメーション - 橋本敬史
  • クリーチャーデザイン - 神宮司訓之(第1期・第13話 - 第25話)
  • 美術監督 - 川本亜夕、前塚太一(第1期)
  • 美術設定 - 谷内優穂
  • 色彩設計 - 鈴木依里
  • プロップ設定(第1期)→プロップデザイン(第2期) - 宮川治雄
  • 撮影監督 - 関谷能弘
  • 3DCGディレクター - 長澤洋二(第1期・第13話 - 第25話)→塩野英光(第2期)
  • 編集 - 三嶋章紀
  • 音響監督 - 菊田浩巳
  • 音楽 - 鷺巣詩郎
  • プロデューサー - 斎藤朋之、清水博之、落越友則、斎藤俊輔、丸山博雄前田俊博(第2期)
  • アニメーションプロデューサー - 清水暁
  • 制作 - A-1 Pictures
  • 製作 - マギ製作委員会(アニプレックス小学館電通ムービックGyaO(第1期)→アニマティック[注 6](第2期))、MBS

主題歌

オープニング映像およびエンディング映像の下部には歌詞字幕が表示される。

第1期
オープニングテーマ
V.I.P」(第1話 - 第12話)
作詞 - マオ / 作曲 - 御恵明希 / 編曲・歌 - シドキューンミュージック
瞬く星の下で」(第13話 - 第24話)
作詞・作曲 - 新藤晴一 / 編曲 - 田中ユウスケ、立崎優介、Porno Graffitti / 歌 - ポルノグラフィティSME Records
第25話のみエンディングテーマに使われた。
エンディングテーマ
指望遠鏡」(第1話 - 第12話)
作詞 - 秋元康 / 作曲 - 北室龍馬 / 編曲 - 木村有希 / 歌 - 乃木坂46N46Div
The Bravery」(第13話 - 第24話)
作詞・作曲・編曲 - ryo / 歌 - supercell(Sony Music Records)
第2期
オープニングテーマ
「ANNIVERSARY」
作詞 - マオ / 作曲 - 御恵明希 / 編曲・歌 - シド(キューンミュージック)
エンディングテーマ
「エデン」
作詞・作曲 - 太志 / 歌 - Aqua TimezEPIC Records Japan

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 原作 放送日
第1期
第1夜 アラジンとアリババ 吉野弘幸 舛成孝二 林直孝 赤井俊文 迷宮編 2012年
10月7日
第2夜 迷宮組曲 林直孝 間島崇寛
高橋英俊
酒井智史、近岡直
吉田尚人、南伸一郎
倉田綾子
10月14日
第3夜 創世の魔法使い 中山奈緒美
関谷真実子
近藤一英 宇佐美皓一、佐藤篤志
藤原利恵
10月21日
第4夜 草原の民 加藤陽一 小寺勝之 清水一伸 田中紀衣 草原編 10月28日
第5夜 迷宮攻略者 柿村イサナ 林直孝 服部憲知 11月4日
第6夜 戦闘民族ファナリス 横谷昌宏 小島正幸 高島大輔 濱口頌平、中島美子 盗賊砦編 11月11日
第7夜 その名はシンドバッド 吉野弘幸 神戸守 柳屋圭宏 小松麻美、酒井智史 バルバッド編 11月18日
第8夜 守れない約束 横谷昌宏 山本寛 高橋英俊 藤原利恵、河野真貴 11月25日
第9夜 王子の責任 吉野弘幸 豊増隆寛 かわこしたかひろ 清山滋崇、鈴木信一
林恰君
12月2日
第10夜 その名はジュダル 加藤陽一 こでらかつゆき 長町英樹 宇佐美皓一、坂本龍典
崎本さゆり
12月9日
第11夜 新たなる来訪者 柿村イサナ 村山靖 清水恵蔵、島田英明 12月16日
第12夜 決意と決別 吉野弘幸 倉田綾子 佐藤篤志、黒木美幸 12月23日
第13夜 反逆の王子 岡村天斎 間島崇寛 井嶋けい子、酒井智史
関口雅浩
2013年
1月6日
第14夜 アリババの答え 横谷昌宏 沢村塁 若野哲也 田中紀衣 1月13日
第15夜 カシムの答え 加藤陽一 竹内浩志 西澤千恵、宇佐美皓一 1月20日
第16夜 ソロモンの知恵 柿村イサナ 柳瀬雄之 関口雅浩 1月27日
第17夜 笑顔 吉野弘幸 倉田綾子 藤澤俊幸、落合瞳 2月3日
第18夜 シンドリア王国 林直孝 西澤千恵、酒井智史
熊谷勝弘、宇佐美皓一
シンドリア編 2月10日
第19夜 ホシの名はシンドバッド 加藤陽一 小寺勝之 長町英樹 栗原優、海堂ヒロユキ
石井ゆみ子
2月17日
第20夜 王子と皇子 横谷昌宏 稲垣隆行 中杉徹 熊膳貴志 2月24日
第21夜 迷宮ザガン 柿村イサナ 福田道生 間島崇寛 村田俊治、黒木美幸 3月3日
第22夜 炎の眷属 吉野弘幸 小寺勝之 若野哲也 田中紀衣、熊谷勝弘 3月10日
第23夜 鬨の声 玉川真人 高橋英俊 井嶋けい子、酒井智史
海堂ひろゆき
3月17日
第24夜 堕転 竹内浩志
増井壮一
竹内浩志
春藤佳奈
宇佐美皓一、折井一雅
西澤千恵、大河内忍
栗原優、石井ゆみ子
藤部生馬
3月24日
第25夜 アリババとアラジン 倉田綾子
舛成孝二
倉田綾子
長町英樹
赤井俊文 3月31日
第2期
第1夜 旅立ちの予感 吉野弘幸 倉田綾子 倉田綾子
岩月甚
赤井俊文 マグノシュタット編 10月6日
第2夜 旅立ち 福田道生 高橋英俊 栗原優、折井一雅 10月13日

放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
第1期
日本国内 毎日放送製作局)・
TBS系列計28局
2012年10月7日 - 2013年3月31日 日曜 17:00 - 17:30 TBS系列 字幕放送
連動データ放送
韓国全域 ANIPLUS 2012年10月9日 - 2013年4月2日 火曜 23:00 - 23:30 CS放送
IP放送
ケーブルテレビ
ネット配信
15歳以上視聴可で放送
韓国語字幕あり
日本全域 みんなでストリーム 2012年10月14日 - 2013年4月7日 日曜 16:30 - 17:00 ネット配信
GyaO! 2012年10月27日 - 2013年4月20日 土曜 24:00 更新
バンダイチャンネル 2012年10月28日 - 2013年4月21日 日曜 12:00 更新
香港 J2 2012年11月 - 木曜 22:00 - 22:30(UTC+8 地上波放送 広東語日本語二ヶ国語放送
リピート放送あり
繁体字字幕あり
日本全域 アニマックス 2013年2月25日 - 4月29日
2013年5月10日 - 8月23日
月曜 19:00 - 19:30
金曜 19:00 - 19:30
アニメ専門BS/CS放送 リピート放送あり
第2期
日本国内 毎日放送(製作局)・
TBS系列計28局
2013年10月6日 - 日曜 17:00 - 17:30 TBS系列 字幕放送
連動データ放送
韓国全域 ANIPLUS 2013年10月8日 - 火曜 22:30 - 23:00 CS放送
IP放送
ケーブルテレビ
ネット配信
15歳以上視聴可で放送
韓国語字幕あり
日本全域 GyaO! 2013年10月20日 - 日曜 更新 ネット配信
バンダイチャンネル 2013年10月27日 - 日曜 12:00 更新
アニマックス 2013年11月19日 - 火曜 19:30 - 20:00 アニメ専門BS/CS放送 リピート放送あり

第1期の放送開始1週間前の9月30日には、特別番組話題沸騰!! マンガ『マギ』に魅せられた人、大集合SP』が放送された[7]

出演は山里亮太南海キャンディーズ)、松井玲奈SKE48)、ヒデペナルティ)、鈴木奈々金子貴俊喜屋武ちあき。進行は山本匠晃(TBSアナウンサー)。この特別番組でメインキャストが初めて発表された。

関連商品

Blu-ray / DVD

第1期のBlu-ray、およびDVDが 2013年1月30日から順次発売。全10巻予定。各巻Blu-ray Disc完全生産限定版、DVD完全生産限定版、DVD通常版の3種リリースである。完全生産限定版の映像特典として、アニメの声優陣によるオーディオコメンタリー、ノンクレジットオープニングおよびノンクレジットエンディング(第1巻)を収録。各巻完全生産限定版にはマギシール3枚、8Pブックレット、描き下ろし漫画(第1巻、70P)を同梱。

巻数 発売日 収録話 オーディオコメンタリー 規格品番
BD限定版 DVD限定版 DVD通常版
第1期
1 2013年1月30日 第1話 - 第2話 石原夏織、梶裕貴、戸松遥 ANZX-6911/12 ANZB-6911/12 ANSB-6911
2 2013年2月6日 第3話 - 第4話 石原夏織、水樹奈々、瀬戸麻沙美 ANZX-6913/14 ANZB-6913/14 ANSB-6913
3 2013年2月27日 第5話 - 第7話 小野大輔、櫻井孝宏、細谷佳正 ANZX-6915/16 ANZB-6915/16 ANSB-6915
4 2013年3月27日 第8話 - 第10話 石原夏織、梶裕貴、木村良平 ANZX-6917/18 ANZB-6917/18 ANSB-6917
5 2013年4月24日 第11話 - 第13話 小野大輔、花澤香菜、鈴村健一 ANZX-6919/20 ANZB-6919/20 ANSB-6919
6 2013年5月22日 第14話 - 第15話 石原夏織、森川智之、三木眞一郎 ANZX-6921/22 ANZB-6921/22 ANSB-6921
7 2013年6月26日 第16話 - 第17話 梶裕貴、福山潤、木村良平 ANZX-6923/24 ANZB-6923/24 ANSB-6923
8 2013年7月24日 第18話 - 第20話 小野大輔、森久保祥太郎、堀江由衣 ANZX-6925/26 ANZB-6925/26 ANSB-6925
9 2013年8月21日 第21話 - 第23話 石原夏織、梶裕貴、戸松遥 ANZX-6927/28 ANZB-6927/28 ANSB-6927
10 2013年9月25日 第24話 - 第25話 石原夏織、梶裕貴、戸松遥、小野賢章 ANZX-6929/30 ANZB-6929/30 ANSB-6929
第2期
1 2014年1月22日予定 第1話 - 第2話 ANZX-9251/52 ANZB-9251/52 ANSB-9251

CD

発売日 タイトル 規格品番
2012年12月26日 マギ キャラクターソング01 SVWC-7916
2013年3月27日 MAGI SOUNDTRACK 〜Up to the volume on Balbad〜 SVWC-7939

原作からの主な変更点

  • アニメ第1夜の時点からチーシャンでの物語が始まっており、原作第1話の内容がカットされている。そのため、ライラとサアサの登場は第6夜となっているが、2人とアラジンの過去の接点については僅かに語られている。
  • 迷宮「アモン」が巨塔となっている他、内部構造やトラップも炎を基調としたものに変更されている。
  • 白瑛の全身魔装が登場している。
  • 武器商人が原作に登場する「イスナーン」の姿になっており、シンドバッドの攻撃を受けた際もマルッキオのみ人形に戻っている。またジャミルの先生がイスナーンだったことになっており、全話を通してイスナーンの活躍が非常に多くなっている。
  • シンドリア編の構成が変更され、原作よりも展開が派手になっている。シンドリアに攻め込んできたアル・サーメン軍とシンドリア八人将の全面対決が描かれたり、アリババが一度完全に堕転してからアラジンに元に戻されるなど。なおアル・サーメン軍はヤムライハがアポロニウスの極大魔法を跳ね返した際半分が死滅し、練紅玉の極大魔法により残りも殲滅。アポロニウスはスパルトスに刺殺された。

WEBラジオ

マギラジ 〜キャラバン〜』のタイトルで、2012年10月7日から2013年4月21日まで、アニメイトTVにて配信された。日曜のアニメ本放送終了後に更新される。開始1週間前の9月30日には第0夜がプレ配信された。

パーソナリティは毎回アニメのキャストの交代制で行われる。

パーソナリティ
回数 パーソナリティ
第0夜 石原夏織(アラジン 役)、梶裕貴(アリババ・サルージャ 役)
第1夜
第2夜 梶裕貴、木村良平(ジュダル 役)
第3夜
第4夜 森川智之(ウーゴくん 役)、近藤孝行(ドルジ 役)
第5夜
第6夜 石原夏織、小野大輔(シンドバッド 役)
第7夜 小野大輔、赤羽根健治(Mナンド 役)
第8夜 志村知幸(Sナンド 役)、福原耕平(Lナンド 役)、赤羽根健治
第9夜 戸松遥(モルジアナ 役)、渡辺明乃(ザイナブ 役)
第10夜 石原夏織、木村良平
第11夜
第12夜 野島裕史(サブマド 役)、松本保典(バルカーク 役)
第13夜
第14夜 櫻井孝宏(ジャーファル 役)、細谷佳正(マスルール 役)
第15夜
第16夜 梶裕貴、福山潤(カシム 役)
第17夜
第18夜 森久保祥太郎(シャルルカン 役)、堀江由衣(ヤムライハ 役)
第19夜 小野大輔、森久保祥太郎
第20夜 梶裕貴、小野賢章(練白龍 役)
第21夜 小野賢章、高橋広樹(ザガン 役)
第22夜 石原夏織、三木眞一郎(イスナーン 役)
第23夜
第24夜 石原夏織、梶裕貴、戸松遥
第25夜
第26夜 石原夏織、梶裕貴

ゲーム

コンシューマーゲーム

マギ はじまりの迷宮
ニンテンドー3DS用ソフトとして、2013年2月21日にバンダイナムコゲームスから発売。ジャンルはアクションRPG
マギ 新たなる世界
ニンテンドー3DS用ソフトとして、2014年春にバンダイナムコゲームスから発売予定。ジャンルはアクションRPG。

ソーシャルゲーム

マギ 運命の迷宮
MobageDeNA)において、ネクソンによるソーシャルゲームが、2012年11月21日より携帯電話フィーチャーフォン)向けとスマートフォン向けに提供されている。ジャンルはカードバトルゲーム。

脚注

注釈

  1. ^ 酔った勢いでバルバッド王宮に入る抜け道を話してしまう、飲み屋で出てくる女性がなぜか大柄で筋骨隆々としている、煽てられて泥酔したところで金属器以外の荷物をすべて奪われるなど。
  2. ^ 単行本表記。雑誌掲載では『ブーゲル』。
  3. ^ 第2夜時点から。
  4. ^ ただし当時はNET系列(近畿のTBS系列はABC)だった。なお、当時はNET系列局が少なかったため、TBS系列局で放送された地域もある。
  5. ^ 当時、近畿ではABCで放送。
  6. ^ GyaOグリーの共同出資による、アニメーションの製作・著作権管理を主な事業とする日本の企業。(公式サイト

出典

  1. ^ アニメ『マギ』、今秋続編制作決定 舞台はマグノシュタット”. ORICON STYLE. オリコン. 2013年6月26日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j 作者の手書きブログより。
  3. ^ 『マギ』コミックアンソロジーのご案内”. ふゅーじょんぷろだくと. 2013年6月21日閲覧。
  4. ^ 12月に入りました”. COMIC Be狂騒曲 (2011年12月10日). 2013年6月21日閲覧。
  5. ^ MAGI シンドバッドの冒険 1”. 小学館. 2013年8月24日閲覧。
  6. ^ 「マギ」TVアニメ続編、10月より放映!先行上映イベントも”. コミックナタリー (2013年7月17日). 2013年9月23日閲覧。
  7. ^ 【9月30日放送『マギ』特別番組】番組タイトル&出演者決定!”. 『マギ』公式サイト. 2012年9月18日閲覧。

小学館:コミック

  1. ^ 『マギ 1』”. 2012年9月19日閲覧。
  2. ^ 『マギ 2』”. 2012年9月19日閲覧。
  3. ^ 『マギ 3』”. 2012年9月19日閲覧。
  4. ^ 『マギ 4』”. 2012年9月19日閲覧。
  5. ^ 『マギ 5』”. 2012年9月19日閲覧。
  6. ^ 『マギ 6』”. 2012年9月19日閲覧。
  7. ^ 『マギ 7』”. 2012年9月19日閲覧。
  8. ^ 『マギ 8』”. 2012年9月19日閲覧。
  9. ^ 『マギ 9』”. 2012年9月19日閲覧。
  10. ^ 『マギ 10』”. 2012年9月19日閲覧。
  11. ^ 『マギ 11』”. 2012年9月19日閲覧。
  12. ^ 『マギ 12』”. 2012年9月19日閲覧。
  13. ^ 『マギ 13』”. 2012年9月19日閲覧。
  14. ^ 『マギ 14』”. 2012年9月19日閲覧。
  15. ^ 『マギ 15』”. 2012年11月17日閲覧。
  16. ^ 『マギ 16』”. 2013年2月18日閲覧。
  17. ^ 『マギ 17』”. 2013年5月17日閲覧。
  18. ^ 『マギ 18』”. 2013年9月18日閲覧。
  19. ^ 『『アルフ・ワイラ・ワ・ライラ』〜マギ千夜一夜物語〜』”. 2012年11月17日閲覧。
  20. ^ 『マギ シンドバッドの冒険 1』”. 2013年9月18日閲覧。

外部リンク

MBS製作・TBS系列 日5枠
前番組 番組名 次番組
機動戦士ガンダムAGE
(2011年10月9日 - 2012年9月23日)
マギ(第1期)
(2012年10月7日 - 2013年3月31日)
宇宙戦艦ヤマト2199
(2013年4月7日 - 9月29日)
宇宙戦艦ヤマト2199
(2013年4月7日 - 9月29日)
マギ(第2期)
(2013年10月6日 - )
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