「パッションフルーツ」の版間の差分
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コロイド状の果肉で、やや固めの小さな[[種子]]が含まれている。可食部は果実の大きさからするとさほど多くはないが、芳醇な香りと鮮烈な酸味がある。甘味に比べて酸味が勝る酸っぱい果物であるが、追熟(皮の表面が皺になる程度)すると甘味が増す。 |
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世界の生産量の9割ほどが加工品として利用されており、[[菓子]]、[[ジュース]]の材料として流通している。[[ケーキ]]や[[ペイストリー]]の具材、[[ゼリー]]、[[カクテル]]用の[[リキュール]]や[[シロップ]]などが作られる。煮詰めて加糖した「希釈用ジュースの素」は[[東南アジア]]ほか、日本では[[南西諸島]]での人気が高い<ref>加工に当たっては、過度に加糖したり、フィリピン産の原産地表示を故意に怠るなど、問題も見られる。</ref>。 |
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東南アジアなどでは、多くはそのまま果肉を[[スプーン]]を使い、掻き出して食べる。[[種子|種]]は噛まずに喉ごしを楽しむ人々も多い。 |
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生の場合は、[[レモンスカッシュ]]と同じく、果汁を水で割り砂糖を加えて飲んだり、[[ヨーグルト]]や[[アイスクリーム]]に入れたり、[[カクテル]]材料にしたりする。このほか、果実をカットし果肉を[[スプーン]]ですくって[[種子|種]]ごと食べるが、この場合、種を分離するのは難しいため、通常は種を噛まずに喉ごしを楽しむことになる。酸味が強く、甘味が不足気味なので砂糖をまぶすこともある。 |
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日本国内では、生食以外、希釈用の[[ジュース]]や[[ジャム]]として特に[[南西諸島]]での人気が高い。世界の生産量9割が加工品として利用されており、[[香料]]・[[ジュース]]などとして流通している。主に他のジュースの香り付けや[[ケーキ]]、[[ゼリー]]などの洋菓子類、カクテルベース等需要が急増中である。 |
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加工に当たっては、過度に加糖したり、フィリピン産の原産地表示を故意に怠るなど、問題も見られる。 |
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== ギャラリー == |
== ギャラリー == |
2019年2月28日 (木) 05:05時点における版
クダモノトケイソウ | ||||||||||||||||||||||||
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パッションフルーツの果実
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Passiflora edulis Sims | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Passion fruit |
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 406 kJ (97 kcal) |
23.38 g | |
糖類 | 11.2 g |
食物繊維 | 10.4 g |
0.7 g | |
飽和脂肪酸 | 0.059 g |
一価不飽和 | 0.086 g |
多価不飽和 | 0.411 g |
2.2 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(8%) 64 µg(7%) 743 µg0 µg |
チアミン (B1) |
(0%) 0 mg |
リボフラビン (B2) |
(11%) 0.13 mg |
ナイアシン (B3) |
(10%) 1.5 mg |
ビタミンB6 |
(8%) 0.1 mg |
葉酸 (B9) |
(4%) 14 µg |
ビタミンB12 |
(0%) 0 µg |
コリン |
(2%) 7.6 mg |
ビタミンC |
(36%) 30 mg |
ビタミンD |
(0%) 0 IU |
ビタミンE |
(0%) 0.02 mg |
ビタミンK |
(1%) 0.7 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(2%) 28 mg |
カリウム |
(7%) 348 mg |
カルシウム |
(1%) 12 mg |
マグネシウム |
(8%) 29 mg |
リン |
(10%) 68 mg |
鉄分 |
(12%) 1.6 mg |
亜鉛 |
(1%) 0.1 mg |
セレン |
(1%) 0.6 µg |
他の成分 | |
水分 | 72.93 g |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
パッションフルーツ(和名:クダモノトケイソウ(果物時計草))は、アメリカ大陸の亜熱帯地域を原産とするトケイソウ科の果物である。
名称
和名は時計のように見える特徴のある花のトケイソウの仲間で、果物を実らせる種である事に由来する。 英語では、トケイソウを passion flower と呼ぶことから passion fruit の名がある。 なお、この passion に「情熱」の意味はない。詳しくはトケイソウ#名前を参照のこと。
本場ブラジルでは maracujá(マラクジャ)と呼ぶほか、中南米各地で granadilla (グラナディリャ)、ハワイでは lilikoʻi (リリコイ)などと呼ばれ、土地それぞれの栽培品種が流通している。中国語名は、英語名の「パッション」の当て字+「果」で 百香果 (パイシャングオ、拼音: )。
植物学上の特徴と分布
500種類以上もあるトケイソウ科の仲間で、南米を中心に分布している。熟したパッションフルーツは球状又は卵形で、堅い表皮は滑らかで黄色か濃紫色、赤色など、内部に小さくて堅い種を多く含み、黄色いゼリー状の果肉と果汁がある。果汁及び果肉は強い香気をもつものが多い。
栽培
2010年現在では、実を食用とする数十種の中から選抜され品種改良された種が、世界の熱帯から亜熱帯地域の広範囲で栽培されている。ブラジルが最大の生産国で、その周囲の中南米での栽培が主流になっている。近年、ミャンマー北部のゴールデントライアングルでケシ(アヘン)の代替作物として栽培が増えており、ヨーロッパ市場へ進出している。また、台湾、インドネシアなど東南アジア圏でも栽培されている。
日本では、古くは奄美を中心とした南西諸島や東京の島嶼部、鹿児島県、沖縄県を中心に栽培されている(栽培面積・生産高ともに鹿児島県が日本一)が、熊本県、岐阜県、東京都、長野県、栃木県、福島県など各地で栽培が盛んになっている。これら栽培はほとんどがハウスを利用したものだが、露地栽培も可能であり、昔から各地で栽培されていた。近年は、千葉県や岐阜県でも露地栽培されている。
日本国内の栽培は概ね紫玉、黄玉、中間交配種の3つに分かれ、生食用では甘みの強い紫玉の需要が多い。黄玉は性質強健で果汁の多い物が多く、世界的に加工用原料としての栽培が多い。
生育には一定の温度が必要で、越冬には最低でも4℃以上の温度が必要である。亜熱帯植物のわりに高温を嫌い、30℃以上の気温が続くと、高温障害を起こし、花芽や未熟果を落下させることがある。
開花・受粉から14日で玉伸びを終え、その後45日で完熟、自然落下する。収穫は自然落下したものを回収する(もしくは軽く触れると落下する程度)。蔓ごとに一番花は、人工授粉で、確実に受粉を行うのが栽培の要諦であり、開花を誘導する技術、多収量の元苗の作り方などにノウハウが形成されている。自然界では、トケイソウ科の花の花粉媒介者はクマバチ類が有力であるケースが多いことが知られ、パッションフルーツの花にもよく訪花し、受粉を手伝っている[1]。
食利用
コロイド状の果肉で、やや固めの小さな種子が含まれている。可食部は果実の大きさからするとさほど多くはないが、芳醇な香りと鮮烈な酸味がある。甘味に比べて酸味が勝る酸っぱい果物であるが、追熟(皮の表面が皺になる程度)すると甘味が増す。
世界の生産量の9割ほどが加工品として利用されており、菓子、ジュースの材料として流通している。ケーキやペイストリーの具材、ゼリー、カクテル用のリキュールやシロップなどが作られる。煮詰めて加糖した「希釈用ジュースの素」は東南アジアほか、日本では南西諸島での人気が高い[2]。
生の場合は、レモンスカッシュと同じく、果汁を水で割り砂糖を加えて飲んだり、ヨーグルトやアイスクリームに入れたり、カクテル材料にしたりする。このほか、果実をカットし果肉をスプーンですくって種ごと食べるが、この場合、種を分離するのは難しいため、通常は種を噛まずに喉ごしを楽しむことになる。酸味が強く、甘味が不足気味なので砂糖をまぶすこともある。