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*Dr.岩田の感染症アップグレード(第2巻) ISBN 4903331423 |
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2008年1月5日 (土) 01:09時点における版
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ニューキノロン(New Quinolone)とは、合成抗菌薬の系列の一つである。DNAジャイレースを阻害することにより、殺菌的に作用する薬剤である。キノロン系をもとに人工的に合成・発展させたものであり、作用機序はキノロンと同一である。
経口投与が可能で比較的副作用が少ないということで頻用されている。しかし感染症学の知識を用いて診断を行えば、ほとんどの場合ニューキノロン薬なしで治療は可能である。結核菌に効果があるため、軽はずみに処方すると診断が遅れる。
種類
- ノルフロキサシン
- エノキサシン
- 塩酸シプロフロキサシン(CPFX)
- オフロキサシン(OFLX)
- 塩酸ロメフロキサシン(LFLX)
- トシル酸トスフロキサシン(TFLX)
- スパルフロキサシン(SPFX)
- レボフロキサシン(LVFX)
- ガチフロキサシン
- モキシフロキサシン
- ガレノキサシン(GRNX)
副作用
- 中枢神経障害
- 頭痛やめまい、人格変化の報告がある。
- 軟骨毒性
- これにより妊婦や小児では使えない。
- 薬物相互作用
- NSAIDsとの併用で痙攣がおこることがあると言われているが近年は論争中である。テオフィリンやワーファリンの血中濃度を上昇させ、制酸剤や鉄剤、Mg製剤を併用するとニューキノロンの吸収が阻害される。
- 心電図異常
- QT延長症候群が起こることもある。
- 腱の異常
- 高齢者でアキレス腱断裂を起こすことがある。
- 血糖異常
- ガチフロキサシンでは起こりやすい。
使い分け
よく用いられる薬としてはオフトキサシン(OFLX、商品名タリビット)、シプロフロキサシン(CPFX、商品名シプロキサン)、レボフロキサシン(LVFX、商品名クラビット)、ガチフロキサシン(GFLX、商品名ガチフロ)があげられる。オフトキサシンやシプロフロキサシンは細菌が一回変異しただけで耐性化するがレボフロキサシンは2回以上の変異が必要であるので感受性試験の結果を解釈するのは注意が必要である。
これらの薬は好気性グラム陰性菌には著効するが、それ以外の効果には差がある。レボフロキサシンやガチフロキサシンは肺炎球菌に効果的でシプロフロキサシンは黄色ブドウ球菌によく効くと言われている。前述のようにシプロフロキサシンは体制化しやすいのでリファンピシンを併用することもある。
なおレボフロキサシンは濃度依存性の薬物なのでクラビットを処方するときは、100mgを三回飲むよりも300mgを一回飲んだ方が効果は高い。
関連項目
参考文献
- 感染症レジデントマニュアル ISBN 4260106600
- 抗菌薬の考え方、使い方 中外医学社 ISBN 4498017587
- Dos&Don'ts! Dr.青木の感染症大原則 ISBN 490333127X
- Dr.岩田の感染症アップグレード(第1巻)ISBN 4903331415
- Dr.岩田の感染症アップグレード(第2巻) ISBN 4903331423