「や行い」の版間の差分
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この項目では、[[五十音図]]の'''や行い段'''について述べる。 |
この項目では、[[五十音図]]の'''や行い段'''について述べる。 |
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== 発音 == |
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古来日本語では「i」と「yi」の区別は存在しなかった。 |
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古来日本語では「あ行のい」と「や行のい」の区別は存在しなかったが、[[江戸時代]]に両者を区別すべきだという説が起き、[[白井寛蔭]]『音韻仮字用例』(1860年刊)では新たな仮名を創作している。明治初年の教科書の中にも書きわけているものがある<ref name="ma">{{cite book|和書|author=[[馬渕和夫]]|title=五十音図の話|year=1994|origyear=1993|publisher=[[大修館書店]]|isbn=4469220930|pages=17-24,93}}</ref>。 |
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[[1873年]]([[明治]]6年)の国語教科書では文字教育に[[五十音図]]を使用したが、その中で、や行い、[[や行え]]、[[わ行う]]に、[[あ行]]の「い・う・お」とは別の仮名を載せたものがあった。[[片山淳吉]]「綴字篇」や、文部省編纂『小学校教授書』(師範学校)では五十音図のすべての升目に異なる文字が埋まっている。同じ1873年に出版された『小学読本』の五十音図ではこれらの仮名を使っておらず、その後の教科書でも使われていないが、語法書などではその後もこれらの仮名を使うことがあった<ref name="ma"/>。 |
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== 文字 == |
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明治前期にこのような事が見られるが、後期以降につくられた書物はや行い、や行え、わ行うの表記は無く、い、え、うに書き変えられている<ref>[{{NDLDC|987633}} 近代デジタルライブラリー - かなづかひ教科書]</ref>。 |
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[[江戸時代]]から[[明治時代]]の間に、「yi」の音を表す字が考え出された。字の形は文献によってまちまちである。「[[File:Hiragana_I_01.svg|20px]]」と「[[File:Ya-yihira.JPG|20px]]」はその内の二つに過ぎない。 |
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いずれも[[五十音図]]の穴を埋めたり、特殊な音を表したりするための記号である。日常の文章では使わない。 |
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*既にある仮名を転用したもの |
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[[ファイル:Tuzurizi12.jpg|300px]] |
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**い (平仮名) |
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[[ファイル:Syougaku11.jpg|300px]] |
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**[[File:Hiragana_I_01.svg|20px]] (「い」の変体仮名。平仮名) |
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**イ (片仮名) |
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*新しく作られた仮名 |
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== ヤ行イの用法 == |
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**い<sup>〻</sup><ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/863888/8 小学日本文典入門. 巻之1]</ref>(点付きの「い」。平仮名) |
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* [[音韻]]: 「[[い]]」と同じ |
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**[[File:Ya-yihira.JPG|20px]]<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/868800/8 新式漢文捷径初歩]</ref>(「以」の省画。<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/868800/8 新式漢文捷径初歩]</ref>逆さにした「イ」の活字で代用することがある。片仮名) |
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* [[五十音順]]: 第37位 |
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**イ<sup>〻</sup><ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/863888/8 小学日本文典入門. 巻之1]</ref>(点付きの「イ」。片仮名) |
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* [[いろは順]]: なし |
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* [[平仮名]]「以」の字形: 「以」の[[草書体]](𛀆) |
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* [[片仮名]]「以」の字形: 「以」の左の部分[{{NDLDC|862191}}]([[ファイル:ya-yihira.JPG|20px]]) |
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明治の語法書で射る、鋳るなどに使われることがあった<ref>{{cite book|和書|url={{NDLDC|862200/9}}|author=村山自彊|author2=中島幹事|title=仮名遣|year=1891|publisher=開新堂|page=9}}</ref>。 →[[上一段活用| ヤ行上一段活用]] |
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== 文字コード == |
== 文字コード == |
2021年6月27日 (日) 08:46時点における版
かな | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
仮名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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濁点つき
半濁点つき
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この項目では、五十音図のや行い段について述べる。
発音
古来日本語では「i」と「yi」の区別は存在しなかった。
文字
江戸時代から明治時代の間に、「yi」の音を表す字が考え出された。字の形は文献によってまちまちである。「」と「
」はその内の二つに過ぎない。
いずれも五十音図の穴を埋めたり、特殊な音を表したりするための記号である。日常の文章では使わない。
文字コード
平仮名については、2017年6月20日公開のUnicodeバージョン10.0で仮名補助(Kana Supplement)ブロックに追加された計285個の変体仮名の中のU+1B006「“𛀆”」(HENTAIGANA LETTER I-1)を使うことができる。[5]
片仮名についてはまだUnicodeに存在しないが、2021年9月公開予定のUnicode 14.0においてU+1B120の符号位置に追加される[6]。
表示するには追加多言語面の変体仮名に対応しているフォントが必要である。
脚注
- ^ 小学日本文典入門. 巻之1
- ^ 新式漢文捷径初歩
- ^ 新式漢文捷径初歩
- ^ 小学日本文典入門. 巻之1
- ^ Kana Supplement, Unicode, Inc.
- ^ Kana Extended-A, The Unicode Standard, Draft Version 14.0