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「や行え」の版間の差分

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{{記事名の制約|[[ファイル:Hiragana E 01.png|24px]]|disablerealtitle=yes}}
{{出典の明記|date=2012年12月}}
{{特殊文字}}
{{特殊文字}}
{{Infobox 仮名
本項では、[[五十音図]]において[[や行]][[え段]]に相当する音・[[仮名 (文字)|仮名]]について述べる。
|平仮名字源=江の草書

|Unicode平仮名=1B001
== 音価の歴史 ==
|JIS平仮名=
|片仮名字源=江の旁
|Unicode片仮名=30A8
|JIS片仮名=1-5-8
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|訓令式=
|JISX4063=
|アイヌ語=
|言語=ja
|IPA=jè
|音=清音
}}
{{仮名}}
{{仮名}}
[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]]''', エ'''は、[[五十音]]図で、ヤ行エ段に位置すべき[[仮名 (文字)|仮名文字]]とその[[音価]]である。現在その位置は空白にするか[[え|ア行エ]]の繰り返しで埋められるが、本来は別の仮名と音があった。
現代日本語において、この位置に相当する文字、音素は存在しない。五十音図を読む時は、「え」と読むか、または省略する。


== 文字の表記 ==
かつては、や行え段に相当する[[音素]]{{IPA|je}}が、「[[え]]」{{IPA|e}}とは別に存在した。たとえば「絶え」「映え」の「え」である。両者が混同され始めるのは[[10世紀]]ごろ、[[上代特殊仮名遣]]の消失から間もなくである。 これは[[い|イ]]と[[ゐ|ヰ]]、[[え|エ]]と[[ゑ|ヱ]]の混同が始まるより前の事である。
[[File:Hiragana E 01.png|100px|thumb|平仮名]]
[[File:Japanese Katakana E.png|100px|thumb|片仮名]]
[[File:Katakana obsolete ye.svg|100px|thumb|拡張仮名]]
借字([[万葉仮名]])の時代には𛀀(ア行エ)と[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ)の区別があった。しかし[[上代特殊仮名遣]]の消失から間もなく([[い|イ]]・[[え|エ]]と[[ゐ|ヰ]]・[[ゑ|ヱ]]より早く)、[[10世紀]]ごろには混同され始める。


仮名文字の誕生初期にはまだ区別があり、𛀀(ア行エ)と[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ)にはそれぞれ別の仮名が存在した。しかし仮名が完成したのちに発音上の区別がなくなると、それぞれの仮名は同じ音を表す複数の仮名文字という扱いになった(複数の仮名文字を持つ音は珍しくなかった)。
両者の区別はなくなり、[[戦国時代 (日本)|戦国]]・[[安土桃山時代|安土桃山]]・[[江戸時代]]初期には、{{IPA|je}}と発音されていたことが、西洋人による文献などから知られている。それが江戸中期から[[幕末]]にかけ、{{IPA|e}}に変化したとされる。<!--
現代では通常はどちらも{{IPA|e}}の発音がされるが、前の母音が{{IPA|e}}になるときは{{IPA|e}}の発音だと前の母音との組み合わせで長音{{IPA|e&#720;}}になるため、区別するために{{IPA|je}}の発音をすることもある。


[[明治]]33年([[1900年]])には、小学校で教えられる仮名文字が1音に対し平仮名・片仮名それぞれ1字ずつとなり、これが定着するとほかの仮名は[[変体仮名]]という扱いになった。として採用されたのは、もともと&#110592;(ア行エ)の平仮名だった文字と本来は[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ)の片仮名だった文字であ
「e-e」を「e-ye」と発音する事は無いように思いますので、コメント化。戻される時は出典付きでお願いします。
{|class="wikitable"
--><!-- なお、古い[[ローマ字]]の方式では、今日「え」に相当する音を「ye」と表す場合がある。
|-
! 音 !! &#110592;(ア行エ){{IPA|e}} !! [[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ){{IPA|je}}
|-
| 漢字 || 衣 || 江
|-
| 平仮名 || 衣の[[草書]](え) || 江の草書
|-
| 片仮名 || 衣の[[省画]] || 江の[[旁]](エ)
|}
明治期、五十音図の隙間を埋めるべく、[[ヤ行イ]]、ヤ行エ、[[ワ行ウ]]の片仮名(片仮名のみ)が作られ、<ref>[[ファイル:Ya-2.jpg|12px]]([[ヤ行イ]])は片仮名の「イ」を[[点対称]]にしたもの。[[ファイル:Wa-wu.jpg|12px]]([[わ行う]])は漢字の「宇」の[[ウ冠]]を外したもの。</ref>[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ)は、イとエの[[合字]]が使われた。


== 音価 ==
この文、出典もなしに「いぇ」と発音されていた証拠、などと書かれるのを避ける事を目的に付記した。本文に入れるのもはばかられるので最初からコメント。 -->
本来の音価は、&#110592;(ア行エ)は{{IPA|e}}、[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ)は{{IPA|je}}であった。


[[戦国時代 (日本)|戦国]]・[[安土桃山時代|安土桃山]]・[[江戸時代]]初期には、西洋人による文献などから、&#110592;(ア行エ)と[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ)は統合され{{IPA|je}}であり、&#110592;(ア行エ)が[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ)に統合されたことが知られる。江戸中期から[[幕末]]にかけ、 統合されたエは{{IPA|je}}から{{IPA|e}}に変化した。つまりヤ行エからア行エに変化したことになる。現代では通常はどちらも{{IPA|e}}の発音がされるが、前の母音が{{IPA|e}}になるときは{{IPA|e}}の発音だと前の母音との組み合わせで長音{{IPA|e&#720;}}になるため、区別するために{{IPA|je}}の発音をすることもある。
== 仮名の歴史 ==
[[万葉仮名]]の時代から[[仮名文字]]の誕生初期には、や行え段に相当する音価と「え」とは、別の文字が使われていた。しかし音の混同・統合にともない、仮名の区別も無くなり、両者を表した仮名は同じ音を表すようになった。明治半ばまでは、一つの音を表す仮名は複数あったので、これは特異な事では無い。[[変体仮名]]も見よ。<!--


== 使用例 ==
[[明治]]33年([[1900年]])には、小学校で教えられる仮名文字が1音に対し平仮名・片仮名それぞれ1字ずつとなり、これが定着するとほかの仮名は[[変体仮名]]という扱いになった。この時に「え」すなわちあ行え段の仮名として採用されたのは、平仮名は「衣」の草書体片仮名「江」の[[|つくり]]である。万葉仮名では「衣」は{{IPA|e}}を表し、「江」は{{IPA|je}}を表す仮名であった
「[[あめつちの詞]]」は、「[[いろは歌]]」同様、すべての仮名を1文字ずつ使った誦文である。『[[広辞苑]]』には[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ)の平仮名を使って引用されている。いろは歌より古く&#110592;(ア行エ)と[[ファイル:Hiragana E 01.png|16px]](ヤ行エ)を区別しているため、いろは歌より1文字多い48文字からなる。ただしいろは歌についても、本来&#110592;(ア行エ)が含まれていた可能性が指摘されている。


方向を示す助詞〈へ〉に対して〈江〉を使う場合があり、色紙などに揮毫する際に、「○○さん江」のように贈る相手の宛名のあとに使われる。
この点について加筆する前に、[[ノート:ヤ行エ]]の2012年12月14日頃のAhoraによる注意をご覧下さい。-->


== 文字コード ==
明治になり、五十音図におけるや行い段、え段、わ行う段の隙間が埋める試みがなされた事がある。詳しくは[[五十音#明治初期の動き]]を見よ。
Unicodeでは2010年10月11日に公開されたバージョン6.0で、[[追加多言語面]]のU+1B000 - U+1B0FFに新設されたKana Supplementブロック(直訳「仮名補助集合」)に、U+1B001 (Hiragana Letter Archaic Ye) として、昔の片仮名ア行エ(衣に由来する文字、&#110592;、U+1B000, Katakana Letter Archic E)とともに追加された。使用するには、サロゲートペアに対応している必要がある。


字形が似ており元になった漢字でもある「江」で代用されることもある。
== 文字コード ==
{{観点|date=2012年12月|理由=これらの文字は、50音図の「え」およびや行え段に置かれるものであり、この記事での言及が望まれるもの、であるのかどうかが不明。}}
[[Unicode]]では2010年10月に公開されたバージョン6.0で、[[追加多言語面]]のU+1B000 - U+1B0FFに新設されたKana Supplementブロック(直訳「仮名補助集合」)に、U+1B001 (Hiragana Letter Archaic Ye) として&#x1B001;」が追加された。草書の「江」に基づく。使用するには、サロゲートペアに対応している必要がある。


なお、片仮名のヤ行エは、現代のエと同一の字形のため統合されている。イとエの合字は今のところ追加予定はない。
同時に、昔のあ行え段の片仮名として、衣に由来する文字、&#110592;、(U+1B000, Katakana Letter Archic E)も追加されている。


== 関連項目 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}{{Reflist}}
* [[あめつちの詞]] - [[いろは歌]]と似たものだが、や行え段の音素が使われていると見られる。


{{DEFAULTSORT:やきようえ}}
{{DEFAULTSORT:やきようえ}}


[[Category:日本語の音韻]]
[[Category:仮名文字|や]]
[[Category:日本語の歴史]]
[[Category:仮名]]


[[ko:Ye (가나)]]
[[ko:Ye (가나)]]

2012年12月21日 (金) 15:19時点における版

平仮名
文字
𛀁
字源 江の草書
Unicode U+1B001
片仮名
文字
字源 江の旁
JIS X 0213 1-5-8
Unicode U+30A8
言語
言語 ja
ローマ字
発音
IPA
種別
清音

, エは、五十音図で、ヤ行エ段に位置すべき仮名文字とその音価である。現在その位置は空白にするかア行エの繰り返しで埋められるが、本来は別の仮名と音があった。

文字の表記

平仮名
片仮名
拡張仮名

借字(万葉仮名)の時代には𛀀(ア行エ)と(ヤ行エ)の区別があった。しかし上代特殊仮名遣の消失から間もなく(より早く)、10世紀ごろには混同され始める。

仮名文字の誕生初期にはまだ区別があり、𛀀(ア行エ)と(ヤ行エ)にはそれぞれ別の仮名が存在した。しかし仮名が完成したのちに発音上の区別がなくなると、それぞれの仮名は同じ音を表す複数の仮名文字という扱いになった(複数の仮名文字を持つ音は珍しくなかった)。

明治33年(1900年)には、小学校で教えられる仮名文字が1音に対し平仮名・片仮名それぞれ1字ずつとなり、これが定着するとほかの仮名は変体仮名という扱いになった。エとして採用されたのは、もともと𛀀(ア行エ)の平仮名だった文字と、本来は(ヤ行エ)の片仮名だった文字である。

𛀀(ア行エ)[e] (ヤ行エ)[je]
漢字
平仮名 衣の草書(え) 江の草書
片仮名 衣の省画 江の(エ)

明治期、五十音図の隙間を埋めるべく、ヤ行イ、ヤ行エ、ワ行ウの片仮名(片仮名のみ)が作られ、[1](ヤ行エ)は、イとエの合字が使われた。

音価

本来の音価は、𛀀(ア行エ)は[e](ヤ行エ)は[je]であった。

戦国安土桃山江戸時代初期には、西洋人による文献などから、𛀀(ア行エ)と(ヤ行エ)は統合され[je]であり、𛀀(ア行エ)が(ヤ行エ)に統合されたことが知られる。江戸中期から幕末にかけ、 統合されたエは[je]から[e]に変化した。つまりヤ行エからア行エに変化したことになる。現代では通常はどちらも[e]の発音がされるが、前の母音が[e]になるときは[e]の発音だと前の母音との組み合わせで長音[eː]になるため、区別するために[je]の発音をすることもある。

使用例

あめつちの詞」は、「いろは歌」同様、すべての仮名を1文字ずつ使った誦文である。『広辞苑』には(ヤ行エ)の平仮名を使って引用されている。いろは歌より古く𛀀(ア行エ)と(ヤ行エ)を区別しているため、いろは歌より1文字多い48文字からなる。ただしいろは歌についても、本来𛀀(ア行エ)が含まれていた可能性が指摘されている。

方向を示す助詞〈へ〉に対して〈江〉を使う場合があり、色紙などに揮毫する際に、「○○さん江」のように贈る相手の宛名のあとに使われる。

文字コード

Unicodeでは2010年10月11日に公開されたバージョン6.0で、追加多言語面のU+1B000 - U+1B0FFに新設されたKana Supplementブロック(直訳「仮名補助集合」)に、U+1B001 (Hiragana Letter Archaic Ye) として、昔の片仮名ア行エ(衣に由来する文字、𛀀、U+1B000, Katakana Letter Archic E)とともに追加された。使用するには、サロゲートペアに対応している必要がある。

字形が似ており元になった漢字でもある「江」で代用されることもある。

なお、片仮名のヤ行エは、現代のエと同一の字形のため統合されている。イとエの合字は今のところ追加予定はない。

脚注 

  1. ^ ヤ行イ)は片仮名の「イ」を点対称にしたもの。わ行う)は漢字の「宇」のウ冠を外したもの。