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2016年11月11日 (金) 00:56時点における版

ジョン・ピム (1640年)

ジョン・ピム(John Pym、1584年 - 1643年12月8日)は、17世紀イングランドの政治家。清教徒革命の初期において主導的な役割を果たした1人である。

略歴と生涯

サマセットシャージェントリの息子として生まれ、敬虔なピューリタンであった義父に育てられた。1599年オックスフォード大学に入り、3年後にミドル・テンプル法曹院に進んだ。この学生時代に火薬陰謀事件が発生し、彼に強い反カトリック感情を生み出す一因となった。フランシス・ラッセルと家族ぐるみの交際があり、その支援を受けて1614年庶民院議員に選出され、1621年にも再選されている。彼はカトリックへの弾圧を支持して、全イングランド国民に忠誠の誓いを求める一方、ジェームズ1世に対しては、忠誠と引換にイングランド人の諸権利を国王が保証すべきことを強く求めた。

チャールズ1世の代の1626年に起きたバッキンガム公ジョージ・ヴィリアーズの弾劾ではその失政を追及して、反国王派から注目を受けるようになる。1629年にチャールズ1世が議会を解散して無議会状態となると、プロヴィデンス島会社の収入役に就任した。これは表面上、新大陸における植民地建設のための会社であったが、裏では反国王派を政治的弾圧から保護する目的を有していた。

1640年短期議会によって議会が再開されたとき、チャールズ1世に人民の政治的権利の保障要求と国王の政治運営に対する追及を行った。続いて、長期議会において彼は王妃ヘンリエッタ・マリア・オブ・フランスカンタベリー大主教ウィリアム・ロード、政権指導者のストラフォード伯トマス・ウェントワースらの糾弾を行った[1]。これに対してチャールズ1世は、先のスコットランドにおける主教戦争にピムら反国王派が関与したと非難して孤立化を謀り、さらにアイルランドにおける反乱の発生でイングランド国内に挙国一致的な空気が生まれたことが、ピムを苦境に追い込んだ。ピムに率いられたグループは1641年11月に「大諫議書」(大抗議文)を辛うじて議会で通して、これに対抗した[1][注釈 1]

1642年1月3日、チャールズ1世は貴族院に対してピムやジョン・ハムデンら急進的な5人の庶民院議員の逮捕を要請したが、失敗に終わった[2]。これを知った5人は、翌1月4日に議会に登院してチャールズを挑発して、遂にチャールズ自らが兵を率いて庶民院に乗り込む事態となった[2]。だが、5人はその直前にロンドン市内に逃げ込んだ。5人の引渡しを求めるチャールズに対して、ロンドン市民は抵抗の姿勢を見せたために、チャールズは身の危険を感じてロンドンを脱出、1月11日に5人は議会に復帰した[2]

イングランド内戦発生後は、議会側の財務担当者となり、国王派と戦うための民兵と新税の必要性を唱えて、反対派を説いた他、オリバー・クロムウェルら各地の有力な指揮官を議会側に引き入れた。さらに翌1643年には、スコットランドとの同盟交渉に成功した。その際、全てのイングランド人に対し、同盟の遵守を通じて議会への忠誠義務を誓約させた。これは国民大衆の議会のもとにおける一致団結を求めたものであった。だが、彼は既にに冒されており、同年12月に逝去した。12月15日ウェストミンスター寺院に葬られた。

脚注

注釈

  1. ^ 「大抗議文」は議会を通過したものの、わずか11票差というきわどいものであった。岩井(1998)p.191

出典

参考文献

  • 岩井淳ほか 著「第5章 革命の時代」、川北稔 編『イギリス史』山川出版社〈新版世界各国史11〉、1998年4月。ISBN 978-4-634-41410-5 
  • ジェームス・E・ファーネル「ピム」(『世界伝記大事典 世界編8』(ほるぷ出版、1981年))
  • 松村赳・富田虎男 『英米史辞典』(研究社、2000年)ISBN 476743047X

関連項目