「タブロイド」の版間の差分
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'''タブロイド''' |
'''タブロイド'''({{lang-en-short|Tabloid}})とは、[[新聞]]判型のひとつである。元々このサイズを採用していた新聞がセンセーショナルな事件報道や[[噂#ゴシップ|ゴシップ]]報道などに力を入れる大衆紙であったことから、転じて大衆紙の報道スタイルを指す語としても用いられる。'''タブロイド判'''とも呼ばれる<ref>{{Cite web |title=タブロイド判とはどういうものでしょうか? |url=https://www.jagat.or.jp/archives/12896 |website=JAGAT |access-date=2023-11-21 |date=2014-08-17}}</ref>。 |
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==歴史== |
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[[1880年代]]後半、[[ロンドン]]と[[アメリカ]]に本社を置く[[製薬会社]] |
[[1880年代]]後半に、[[ロンドン]]と[[アメリカ合衆国]]に本社を置く[[製薬会社]]である[[グラクソ・スミスクライン|バロウズ・ウェルカム・アンド・カンパニー]]が、それまで一般的だった粉薬を圧縮整形して服用を容易にした固形製剤の[[錠剤]] ({{En|tablet}}) を開発し、「タブロイド」({{En|Tabloid}}) の商品名で発売した。 |
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「タブロイド」錠剤はイギリスで広く普及したことから、小型複葉スポーツ飛行機 |
「タブロイド」錠剤はイギリスで広く普及したことから、[[1914年]]に英[[ソッピース]]社が生産した小型複葉スポーツ飛行機が「[[ソッピース タブロイド|ソッピース・タブロイド]]」と命名されるなど、[[20世紀]]初めにかけて小型のものを示す言葉として「タブロイド」が流行語となり、紙面など内容をまとめて簡略化した短い報道記事も「タブロイド」と称された。 |
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[[1896年]]、イギリスで最初の[[大衆紙]]として『[[デイリー・メール]]』が創刊されたが、同紙は1970年代までブロードシート判を採用した。新聞判型としての「タブロイド判」が登場したのは[[1918年]]で、大衆紙『[[ザ・サン]]』『デイリー・スター』『[[デイリー・ミラー]]』などに広く採用された。 |
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これらのレッドトップス |
タブロイド判を採用したイギリスのこれらの新聞は、題字が赤いことにちなんで「'''レッドトップス'''」({{En|Red tops}}) とも呼ばれ、犯罪やスポーツ、[[セックス|性]]、[[ゴシップ]]記事などを、虚報も交えて扇情的に報道することで部数を獲得する編集スタイルを現代に至るまで貫き、名誉棄損で訴えられるケースも少なくない。結果としてイギリスでは、これらの報道機関や報道姿勢を示す言葉として「タブロイド・プレス」({{En|Tabloid press}}) の語が定着した。 |
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[[アメリカ合衆国]]でも[[1920年]]前後にタブロイド判を採用した『[[デイリーニューズ (ニューヨーク)|デイリーニューズ]]』『ニューヨーク・デイリー・ミラー』『ニューヨーク・イヴニング・グラフィック』の各紙が誕生し、当時の大手メディアが醜聞と考え避けていた犯罪報道や性、ゴシップ記事を競って掲載したが、アメリカでは扇情的な過熱報道は次第に影をひそめた。 |
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===コンパクト・タブロイド紙=== |
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==タブロイド判 |
== タブロイド判の新聞 == |
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* [[ニュース・オブ・ザ・ワールド]]<ref group="注釈">[[ニューズ・インターナショナル電話盗聴スキャンダル]]により2011年に[[廃刊]]。</ref> |
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* ガーディアン・ウイークリー - 2007年にタブロイド判から[[ベルリナー判#ハーフ・ベルリナー判|ハーフ・ベルリナー判]] (235mm×315mm) に移行。本紙の[[ガーディアン]]は2006年に[[ベルリナー判]]を採用。 |
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* [[日刊サン]]<ref group="注釈">[[カリフォルニア]]・[[ハワイ]]・[[ニューヨーク]]で発行する[[邦字新聞]]。</ref> |
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* プレス『民主』 - 政党機関誌([[民主党 (日本 1998-)|民主党]]) |
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* 週刊新社会 - 政党機関誌([[新社会党]]) |
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* [[東京レディコング]] ([[1990年]] - [[1991年]]) |
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* ショッパー ([[1971年]] - ) |
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** [[東京都]][[八王子市]]・[[日野市]]・[[町田市]]、[[神奈川県]][[相模原市|相模原市で]]配布する無料地域情報紙<ref>{{Cite web|和書|title=ショッパー 媒体資料 |url=https://shopper-news.jp/shopper-ad/ |website=八王子、日野、町田、相模原の地域情報 「ショッパー」 |date=2022-02-09 |access-date=2022-12-24 |language=ja |last=八王子、日野、町田、相模原の地域情報 「ショッパー」}}</ref>。2014年に[[地域新聞社]]が発行元の[https://www.b-mall.ne.jp/CompanyDetail-DYbqCQezGQft.html 東京新聞ショッパー社]の子会社化を決定<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.chiikinews.co.jp/liv/20141219-M%26A.pdf |title=株式会社東京新聞ショッパー社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ |access-date=2022.12.25 |publisher=地域新聞社}}</ref>。 |
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日本ではブランケット判の[[スポーツ新聞]]が大衆紙の地位を築いている。特に「[[東京スポーツ]]」とその系列紙は高度な「[[タブロイド思考]]」の編集スタイルで知られる。 |
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* The Pyongyang Times - 英字紙 |
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2024年4月17日 (水) 06:17時点における最新版
タブロイド(英: Tabloid)とは、新聞判型のひとつである。元々このサイズを採用していた新聞がセンセーショナルな事件報道やゴシップ報道などに力を入れる大衆紙であったことから、転じて大衆紙の報道スタイルを指す語としても用いられる。タブロイド判とも呼ばれる[1]。
概要
[編集]国際的にはおよそ285×400ミリメートル (mm) (11¼×15¾インチ) 前後の判型をタブロイド判と称し、大型の新聞判型であるブロードシート判 (375×600mm) やノルディッシュ判 (400×570mm) にちなみ、「ハーフ=ブロードシート」(Half-broadsheet) 、「ノルディック・ハーフ」(Nordic half) などと称する場合もある。
ハーフ・ベルリナー判 (235×315mm前後) を広義のタブロイド判に含める場合も見られる。
日本では、主に輪転印刷機に用いるロール紙の国内ローカルサイズに基づく判型である「ブランケット判」(406×545mm) の半分にあたる273×406mmを「タブロイド判」と称している。また、1950年に施行された公職選挙法では、選挙運動のために使用するポスターは「タプロイド型(長さ四十一センチメートル、巾二十八センチメートル)を超えてはならない。」と規定されていた。
歴史
[編集]1880年代後半に、ロンドンとアメリカ合衆国に本社を置く製薬会社であるバロウズ・ウェルカム・アンド・カンパニーが、それまで一般的だった粉薬を圧縮整形して服用を容易にした固形製剤の錠剤 (tablet) を開発し、「タブロイド」(Tabloid) の商品名で発売した。
「タブロイド」錠剤はイギリスで広く普及したことから、1914年に英ソッピース社が生産した小型複葉スポーツ飛行機が「ソッピース・タブロイド」と命名されるなど、20世紀初めにかけて小型のものを示す言葉として「タブロイド」が流行語となり、紙面など内容をまとめて簡略化した短い報道記事も「タブロイド」と称された。
レッドトップス・タブロイド紙
[編集]1896年、イギリスで最初の大衆紙として『デイリー・メール』が創刊されたが、同紙は1970年代までブロードシート判を採用した。新聞判型としての「タブロイド判」が登場したのは1918年で、大衆紙『ザ・サン』『デイリー・スター』『デイリー・ミラー』などに広く採用された。
タブロイド判を採用したイギリスのこれらの新聞は、題字が赤いことにちなんで「レッドトップス」(Red tops) とも呼ばれ、犯罪やスポーツ、性、ゴシップ記事などを、虚報も交えて扇情的に報道することで部数を獲得する編集スタイルを現代に至るまで貫き、名誉棄損で訴えられるケースも少なくない。結果としてイギリスでは、これらの報道機関や報道姿勢を示す言葉として「タブロイド・プレス」(Tabloid press) の語が定着した。
アメリカ合衆国でも1920年前後にタブロイド判を採用した『デイリーニューズ』『ニューヨーク・デイリー・ミラー』『ニューヨーク・イヴニング・グラフィック』の各紙が誕生し、当時の大手メディアが醜聞と考え避けていた犯罪報道や性、ゴシップ記事を競って掲載したが、アメリカでは扇情的な過熱報道は次第に影をひそめた。
コンパクト・タブロイド紙
[編集]20世紀後半になると、紙面改革に取り組み始めた欧米の高級紙が、通勤中にも読みやすい小型の判型としてタブロイド判に着目した。1970年代にイギリスの『デイリー・メール』と『デイリー・エクスプレス』がブロードシート判からタブロイド判に移行し、『デイリー・メール』は旧来のレッドトップス紙のイメージから脱却を企図して新しい判型に「コンパクト判」(Compact) の名称を提唱した。
小型の判型は現代的で特徴的な紙面作りに有利で、イギリスでは2007年以降に『スコッツマン』や『タイムズ』などが相次いでタブロイド判へ移行し、紙面デザインを刷新した。アメリカでも『ニューヨーク・ポスト』『フィラデルフィア・デイリー・ニュース』『ボストン・ヘラルド』などがタブロイド判へ移行したが、「地下鉄版」や「地方版」だけをタブロイド判にしている社もある。
タブロイド判の小ささを避け、イギリスの『ガーディアン』やフランスの『ル・モンド』など、タブロイド判より一回り大きいベルリナー判で紙面の小型化を実現する社も増えている。
日本の全紙タブロイド化
[編集]1947年(昭和22年)、学童用教科書の用紙不足が深刻化したため、同年3月9日、日本新聞協会所属の116社は週2回(日・月)の新聞をタブロイド判で発行することとした。この措置は同年5月まで続けられた[2]。
タブロイド判の新聞
[編集]イギリス
[編集]レッドトップス紙
[編集]- ザ・サン
- ニュース・オブ・ザ・ワールド[注釈 1]
- デイリー・スター
- デイリー・ミラー
- サンデー・ピープル
- デイリー・スポーツ
コンパクト紙
[編集]- デイリー・メール - 1971年にブロードシート判からタブロイド判に移行。
- デイリー・エクスプレス
- インディペンデント
- タイムズ
- ガーディアン・ウイークリー - 2007年にタブロイド判からハーフ・ベルリナー判 (235mm×315mm) に移行。本紙のガーディアンは2006年にベルリナー判を採用。
- スコッツマン
アメリカ合衆国
[編集]- ナショナル・エンクワイアラー
- ウィークリー・ワールド・ニューズ
- ザ・スター
- ザ・グローブ
- ザ・エグザミナー
- ニューヨーク・ポスト
- デイリーニューズ
- ニューズデー
- シカゴ・サンタイムズ
- ボストン・ヘラルド
- 日刊サン[注釈 2]
- ミラ
日本
[編集]- 夕刊フジ - 大衆紙
- 日刊ゲンダイ - 大衆紙
- SANKEI EXPRESS - ダイジェスト。2016年に休刊
- フジサンケイ ビジネスアイ - 経済紙。2021年に休刊
- しんぶん赤旗日曜版 - 政党機関紙。週刊紙では発行部数最多
- 東海日日新聞 - 地方紙
- プロスポーツ - 競輪の専門紙。2019年に休刊
- TOKYO HEADLINE - 東京23区で配布する無料紙
- 萬朝報 (1892年 - 1940年)
- 東京レディコング (1990年 - 1991年)
- ショッパー (1971年 - )
台湾
[編集]中国
[編集]- 新京報 - 環球時報
北朝鮮
[編集]- The Pyongyang Times - 英字紙
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “タブロイド判とはどういうものでしょうか?”. JAGAT (2014年8月17日). 2023年11月21日閲覧。
- ^ 世相風俗観察会『増補新版 現代世相風俗史年表 昭和20年(1945)-平成20年(2008)』河出書房新社、2003年11月7日、19頁。ISBN 9784309225043。
- ^ 八王子、日野、町田、相模原の地域情報 「ショッパー」 (2022年2月9日). “ショッパー 媒体資料”. 八王子、日野、町田、相模原の地域情報 「ショッパー」. 2022年12月24日閲覧。
- ^ “株式会社東京新聞ショッパー社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ”. 地域新聞社. 2022年12月25日閲覧。