コンテンツにスキップ

「CELT」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
細部改変
m 外部リンクの修正 RFC -> {{IETF RFC}} (Botによる編集)
 
(15人の利用者による、間の20版が非表示)
1行目: 1行目:
{{Otheruses|音声圧縮コーデック|ケルト民族|ケルト人}}
{{infobox file format
{{Infobox file format
| name = CELT
| extension =
| name = CELT
| owner = Jean-Marc Valin, [[Xiph.Org Foundation]]
| icon =
| genre = 音声圧縮[[コーデック]]
| logo =
| screenshot =
| containedby = [[Ogg]]
| caption =
| extension =
| mime =
| type code =
| uniform type =
| magic =
| owner = Jean-Marc Valin, [[Xiph.Org Foundation]]
| released =
| latest release version =
| latest release date =
| genre = 音声圧縮[[コーデック]]
| container for =
| contained by = [[Ogg]]
| extended from =
| extended to =
| standard = [http://celt-codec.org/docs/ ドキュメンテーション]
| url =
}}
}}
{{lang|en|'''CELT'''}}(ケルト、{{lang-en|'''C'''onstrained '''E'''nergy '''L'''apped '''T'''ransform}})は、[[Xiph.Org Foundation]]が2007年末から開発が始まった、[[非可逆圧縮]]の音声[[コーデック]]である。{{lang|en|CELT}}はXiph.Orgの他のプロジェクトと同じく[[ソフトウェア特許]]に抵触せず、修正[[BSDライセンス]]で提供される[[フリーソフトウェア]]である。[[2011年]][[8月]]<ref>[http://lists.xiph.org/pipermail/opus/2011-August/001585.html CELT-dev CELT/Opus Status Update]</ref>に開発終了になり、後継の[[Opus (音声圧縮)|Opus]] ({{IETF RFC|6716}})に引き継がれた

{{lang|en|'''CELT'''}}(せると、{{lang-en|'''c'''onstrained '''e'''nergy '''l'''apped '''t'''ransform}})は、<code>[[Xiph.Org]]</code>が2007年末から開発中の、[[非可逆圧縮]]の音声[[コーデック]]である。{{lang|en|CELT}}は<code>Xiph.Org</code>の他のプロジェクトと同じく[[ソフトウェア特許]]に抵触せず、修正[[BSDライセンス]]で提供される[[フリーソフトウェア]]である。


== 概要 ==
== 概要 ==
すでに<code>Xiph.Org</code>は非可逆圧縮の音声コーデックだけでも、主に音楽に利用される汎用目的の{{lang|en|[[Vorbis]]}}と人声による通話用の{{lang|en|[[Speex]]}}という2種類を開発しているが、{{lang|en|CELT}}は両者の隙間を埋める役割を担っている。具体的には 32~128 kbps周辺の低ビットレート域での使用を想定して開発され、{{lang|en|[[VoIP]]}}アプリケーションでのリアルタイム通信やウェブでの[[ポッドキャスト]]などの用途が考えられる。また{{lang|en|CELT}}の最大の特徴として、遅延([[レイテンシ]])が極めて小さいことがあげられる。
すでにXiph.Orgは非可逆圧縮の音声コーデックだけでも、主に音楽に利用される汎用目的の{{lang|en|[[Vorbis]]}}と人声による通話用の{{lang|en|[[Speex]]}}という2種類を開発しているが、{{lang|en|CELT}}は両者の隙間を埋める役割を担っている。具体的には 32~128 kbps周辺の低ビットレート域での使用を想定して開発され、{{lang|en|[[VoIP]]}}アプリケーションでのリアルタイム通信やウェブでの[[ポッドキャスト]]などの用途が考えられる。また{{lang|en|CELT}}の最大の特徴として、遅延([[レイテンシ]])が極めて小さいことがあげられる。


2011年3月にHydrogenaudioで行われた、64 kbps帯域におけるリスニングテスト<ref>[http://listening-tests.hydrogenaudio.org/igorc/results.html Results of the public multiformat listening test @ 64 kbps (March/April 2011)]</ref>では、[[HE-AAC]]と同等もしくはそれ以上の性能を示した。
== IETFでの標準化 ==
<code>Xiph.Org</code>は[[IETF]]において{{lang|en|CELT}}の標準化を目指していが、その議論の中で、{{lang|en|[[Skype]]}}社が開発した無償の音声コーデック「{{lang|en|SILK}}」<ref>[http://developer.skype.com/silk {{lang|en|SILK: Super Wideband Audio Codec}}]</ref>を{{lang|en|CELT}}と併用させたコーデック「{{lang|en|'''Opus'''}}」の草案が、2010年9月に双方の開発者の連名でIETFに提出された。<ref>[http://tools.ietf.org/html/draft-ietf-codec-opus-00 {{lang|en|Definition of the Opus Audio Codec}}]</ref>


== IETFでの標準化による終焉 ==
== 対応ソフトウェア ==
Xiph.Orgは[[IETF]]において{{lang|en|CELT}}の標準化を目指していが、その議論の中で、{{lang|en|[[Skype]]}}社(当時)が開発した無償の音声コーデック「{{lang|en|SILK}}」<ref>[http://developer.skype.com/silk {{lang|en|SILK: Super Wideband Audio Codec}}]</ref>を{{lang|en|CELT}}と併用させたコーデック「'''[[Opus (音声圧縮)|Opus]]'''」の草案が、2010年9月に双方の開発者の連名でIETFに提出された。この結果、2011年8月にCELTの開発は終了し、標準化作業も2012年9月に終了、{{IETF RFC|6716}}<ref>[https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc6716 {{IETF RFC|6716}} - Definition of the Opus Audio Codec]</ref>として登録された。
<!-- == 対応ソフトウェア ==
{{lang|en|CELT}}は開発中であり、まだ仕様が固まっていないが、対応しているソフトウェアがいくつか存在する。
{{lang|en|CELT}}は開発中であり、まだ仕様が固まっていないが、対応しているソフトウェアがいくつか存在する。
*{{lang|en|[[Ekiga]]}}
*{{lang|en|[[Ekiga]]}}
23行目: 40行目:
*{{lang|en|[[TeamSpeak]]}}
*{{lang|en|[[TeamSpeak]]}}
*{{lang|en|[[JACK Audio Connection Kit]]}}
*{{lang|en|[[JACK Audio Connection Kit]]}}
-->

== 関連項目 ==
* [[Opus (音声圧縮)]]

== 参照 ==
{{Reflist}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.celt-codec.org/ 公式サイト]
* [http://www.celt-codec.org/ The CELT ultra-low delay audio codec] 公式サイト
* [http://jmspeex.livejournal.com/ Jean-Marc Valin's random rants on DSP, Speex, open-source] 開発者Valinのブログ。Valin氏はSpeexの開発者でもある
* [http://jmspeex.livejournal.com/ Jean-Marc Valin's random rants on DSP, Speex, open-source] 開発者Valinのブログ。
* [http://people.xiph.org/~xiphmont/demo/celt/demo.html {{lang|en|next generation audio: CELT update 20101223}}] {{lang|en|CELT}}の技術的詳細が掲載されている。他のコーデックの聴き比べもできる。
* [http://people.xiph.org/~xiphmont/demo/celt/demo.html {{lang|en|next generation audio: CELT update 20101223}}] {{lang|en|CELT}}の技術的詳細が掲載されている。他のコーデックの聴き比べもできる。

== ==
<references/>


{{圧縮フォーマット}}
{{圧縮フォーマット}}
37行目: 58行目:
[[Category:音声ファイルフォーマット]]
[[Category:音声ファイルフォーマット]]
[[Category:音声処理ソフト]]
[[Category:音声処理ソフト]]

[[en:CELT]]
[[fr:CELT]]


{{Software-stub}}
{{Software-stub}}

2023年11月7日 (火) 14:44時点における最新版

CELT
開発者Jean-Marc Valin, Xiph.Org Foundation
種別音声圧縮コーデック
包含先Ogg
国際標準ドキュメンテーション

CELT(ケルト、英語: Constrained Energy Lapped Transform)は、Xiph.Org Foundationが2007年末から開発が始まった、非可逆圧縮の音声コーデックである。CELTはXiph.Orgの他のプロジェクトと同じくソフトウェア特許に抵触せず、修正BSDライセンスで提供されるフリーソフトウェアである。2011年8月[1]に開発終了になり、後継のOpus (RFC 6716)に引き継がれた。

概要[編集]

すでにXiph.Orgは非可逆圧縮の音声コーデックだけでも、主に音楽に利用される汎用目的のVorbisと人声による通話用のSpeexという2種類を開発しているが、CELTは両者の隙間を埋める役割を担っている。具体的には 32~128 kbps周辺の低ビットレート域での使用を想定して開発され、VoIPアプリケーションでのリアルタイム通信やウェブでのポッドキャストなどの用途が考えられる。またCELTの最大の特徴として、遅延(レイテンシ)が極めて小さいことがあげられる。

2011年3月にHydrogenaudioで行われた、64 kbps帯域におけるリスニングテスト[2]では、HE-AACと同等もしくはそれ以上の性能を示した。

IETFでの標準化による終焉[編集]

Xiph.OrgはIETFにおいてCELTの標準化を目指していたが、その議論の中で、Skype社(当時)が開発した無償の音声コーデック「SILK[3]CELTと併用させたコーデック「Opus」の草案が、2010年9月に双方の開発者の連名でIETFに提出された。この結果、2011年8月にCELTの開発は終了し、標準化作業も2012年9月に終了、RFC 6716[4]として登録された。

関連項目[編集]

参照[編集]

  1. ^ CELT-dev CELT/Opus Status Update
  2. ^ Results of the public multiformat listening test @ 64 kbps (March/April 2011)
  3. ^ SILK: Super Wideband Audio Codec
  4. ^ RFC [https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc6716 6716 - Definition of the Opus Audio Codec]

外部リンク[編集]