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「Il-28 (航空機)」の版間の差分

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'''Il-28'''(イリューシン28;[[ロシア語]]:'''{{lang|ru|Ил-28}}'''<small>イール・ドヴァーッツァチ・ヴォースィェミ</small>)は、[[ソビエト連邦|ソ連]]の[[航空機]]設計機関である[[S・V・イリユーシン記念航空複合体|イリューシン設計局]]が開発した双発の[[亜音速]]で飛行可能な[[ジェット機|ジェット]]エンジンを有する[[軽爆撃機]]である。[[アメリカ国防総省|DoD]]が割り当てたコードネームはIl-28が'''Type 27'''、Il-28Uが'''Type 30'''。[[北大西洋条約機構]] (NATO) の用いた[[NATOコードネーム]]では、「ビーグル」("Beagle")と呼ばれた。軽快で扱い易く、安価で維持が楽であるため、ソ連のみならず[[東側諸国|共産圏]]に広く普及した。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[File:Il-28 NR-23.jpg|thumb|right|350px|尾部銃座と23mm連装機関砲塔]]
[[File:Il-28 NR-23.jpg|thumb|right|350px|尾部銃座と23mm連装機関砲塔]]


Il-28の原型機が初飛行したのは[[1948年]][[7月8日]]、イギリスの[[ロールス・ロイス ニーン]]を搭載した試作一号機が初飛行した。1948年12月30日に飛行した試作二号機では、[[クリーモフ VK-1|クリーモフ RD-45]] が搭載された<ref name="AE p46">Green and Swanborough 1988, p. 46.</ref>。1949年5月14日に発注された量産型では、RD-45の改良型である[[クリーモフ VK-1]] が搭載された<ref name="Nemecek">Nemecek 1986, p. 173.</ref><ref name="Gordon Il p117">Gordon, Komissarov and Komissarov 2004, p. 117.</ref>。[[1949年]]にソ連空軍に引き渡された。機体の特徴として、大きなエンジンが主翼に直接埋め込まれた双発[[レシプロ]]機のような形状をしていることである。[[パイロット]]は胴体前部上面に張り出したコックピットに搭乗し、銃手は装甲された尾部銃座に、航法士兼爆撃手は機首部にある風防部分に搭乗していた。このレイアウトは[[第二次世界大戦]]中の中型爆撃機と類似していたが、機体内部は[[与圧]]されるなど様々な新技術が導入されていた。
ソ連が第二次世界大戦後に本格的に生産した双発のジェット爆撃機で、西側のイギリスでいうところキャンベラに相当する機体である。故に、搭乗人数は少なく武装も搭載量も限られたものだったが、同期のMiG-15に通じる扱いやすさとエンジンがシンプルな構造だったこともあって大量生産が可能だった。当時はまだ実用して間もないジェット戦闘機に爆装する発想が無かったため爆撃任務に本機が重要視された。その後本国ではTu-16やTu-22といった大型機が配備されると性能面で足りない本機は諸外国へ輸出された。基本的には奇襲から偵察まで使用されたが、西側にはない大気圏を突破し静止衛星軌道上から爆撃するシステムも導入している。これは輸入国がアメリカのように単独で宇宙開発が出来ないため、当時の冷戦期の特徴である宇宙への進出を狙ったもの。結果として宇宙から攻撃するという大きな成果を収めたが宇宙空間での運用は限定的で静止衛星軌道ではエンジンをきれば20分弱で地球一周が出来るものの爆弾や魚雷などに精密誘導装置がないため照準機で目標を確認してから投下し後はしばらく漂うだけとなる。その生産性と機能性からイリューシン設計局の主力として扱われるようになり、退役した機体を持ち込めば近代改修を施して送り返すなどの仕事もこなしていた。


主翼は直線翼だが、尾翼は35度の後退翼を取り入れている。
=== 機体 ===
Il-28の原型機が初飛行したのは[[1948年]][[7月8日]]である。[[1949年]]にソ連空軍に引き渡された。機体の特徴として、大きなエンジンが主翼に直接埋め込まれた双発[[レシプロ]]機のような形状をしていることである。[[パイロット]]は胴体前部上面に張り出したコックピットに搭乗し、銃手は装甲された尾部銃座に、航法士兼爆撃手は機首部にある風防部分に搭乗していた。このレイアウトは[[第二次世界大戦]]中の中型爆撃機と類似していたが、機体内部は[[与圧]]されるなど様々な新技術が導入されていた。


機体が小型なので[[ミサイル]]類を誘導する各種機器を装備できず<ref>ただし[[電子機器]]の小型化が進んだ近年、北朝鮮軍などでは[[対艦ミサイル]]を運用可能に改修した機体も存在する模様。</ref>、[[自由落下爆弾]]が主兵装。標準爆弾搭載量は1,000kgで胴体内の爆弾倉に搭載する。機首下部には装弾数100発の23mm機関砲を2門搭載した。爆弾倉には4発の100kg爆弾や3000kgの爆弾を搭載することができた<ref name="AE36 p45-6">Green and Swanborough 1988, pp. 45–46.</ref><ref name="Gordon Il p140-4">Gordon, Komissarov and Komissarov 2004, pp. 140–144.</ref>。主翼他には[[ロケット弾]]架など機外搭載用の[[パイロン]]はない。このクラスの爆撃機としては搭載量は少ないが、過負荷なら最大3,000kgまで搭載可能。また、通常爆弾に代えて[[魚雷]]や[[核爆弾]]も選択できる。自衛火器として尾部に23mm連装[[機関砲]]塔があり、銃手は[[砲塔]]の上に位置する尾部銃座からこれを遠隔操作をする。一部には機首にも銃座を設け、航法士が人力操作する単装の23mm機関砲を搭載した機体もある。
主翼は直線翼だが、尾翼は35度の後退翼を取り入れている。エンジンは、初期量産型では[[イギリス]]製[[ロールス・ロイス ニーン]]のソ連生産版である[[クリーモフ VK-1|クリーモフ RD-45]]を、後の量産型ではRD-45の改良型である[[クリーモフ VK-1]]を装備した。このエンジンはシンプルで部品点数も少ないため本格的な工場や小規模な生産ライン上でも整備が可能で、この部分が周辺国から重要視された理由である。


高度な[[軍事機密]]を特に用いていないIl-28はソ連から見れば供与に手頃で、世界の多くの国に輸出されていた。ソ連側諸国が結成していた[[ワルシャワ条約機構]]の加盟国のほか、[[アフリカ]]諸国にも輸出されており、[[中華人民共和国|中国]]においても轟5・[[H-5 (航空機)|H-5]]としてライセンス生産された。
=== 兵装 ===
機体が小型なので[[ミサイル]]類を誘導する各種機器を装備できず<ref>ただし[[電子機器]]の小型化が進んだ近年、北朝鮮軍などでは[[対艦ミサイル]]を運用可能に改修した機体も存在する模様。</ref>、[[自由落下爆弾]]が主兵装。標準爆弾搭載量は1,000kgで胴体内の爆弾倉に搭載する。主翼他には[[ロケット弾]]架など機外搭載用の[[パイロン]]はない。このクラスの爆撃機としては搭載量は少ないが、過負荷なら最大3,000kgまで搭載可能。また、通常爆弾に代えて[[魚雷]]や[[核爆弾]]も選択できる。自衛火器として尾部に23mm連装[[機関砲]]塔があり、銃手は[[砲塔]]の上に位置する尾部銃座からこれを遠隔操作をする。一部には機首にも銃座を設け、航法士が人力操作する単装の23mm機関砲を搭載した機体もある。


実戦では[[中東戦争]]から[[ベトナム戦争]]まで幅広い。
=== 輸出(ライセンス生産も含めて) ===
高度な[[軍事機密]]を特に用いていないIl-28はソ連から見れば供与に手頃で、世界の多くの国に輸出されていた。ソ連側諸国が結成していた[[ワルシャワ条約機構]]の加盟国のほか、[[アフリカ]]諸国にも輸出された。その後、時代はTu-16やTu-22が就役し輸出されていったが、この様な大型機を運用したり整備する設備を持たない国からはIl-28はとても重要視された。その後、イリューシン本社では爆撃機と輸送機の分野ではツポレフやアントノフに独占されてしまい、戦闘機の部門でもミコヤンとスホーイに占有されたためヤコヴレフと共に裏方とも言うべき哨戒機や民間機の生産に転向する流れになった。その結果、Il-28を近代改修する施策を始めた。諸外国の製造工場にもライセンス生産の話を持ちかけ、チェコのアヴィア社でB-228/CB-228として、[[中華人民共和国|中国]]の哈爾浜飛機製造公司社において轟5・[[H-5 (航空機)|H-5]]として生産された。その後、エンジンであるVK-1が時代と共にAM-3Aなど高性能なエンジンの増産を目的としたため終了し、それまで運用していた国では部品の確保が困難になったため、MiG-21bisのR-25-300に換装する様勧告が出された。更なる性能向上と整備性の良さを求められた際にはR15B-300に換装し速度性能を向上。ジェット戦闘機が西側に普及した際にはチャフ並びにフレアーを射出するディスペンサーが増設された。一部の国の機体はグラスコックピット化を導入し従来のアナログ計器から脱却している。Il-28が就役している間、Il-46やIl-54などが制作されたが量産には至らず、Il-28を近代改修するかIl-62を改造して爆撃機として用いるプランなどで社内は割れたが、Il-62は構造上4発機であり運動性能に難があったためIl-28の近代改修のほうが合理的と判断された。輸出された国では近代化が進められ、エンジン並びに内装の変更が度々行われた結果成層圏や静止衛星軌道を飛行可能にまで強化された。

=== 実戦 ===
第三次世界大戦そのものが起こらなかったため大量出撃こそなかったものの、輸出された機体は[[中東戦争]]から[[ベトナム戦争]]まで幅広い範囲で活躍した。アフガニスタン侵攻の際も投入されている。冷戦後はチェチェン紛争やウクライナ侵攻でもその姿を見せた。

=== 退役後の展開 ===
ソビエト連邦では1980年頃から無人標的機、標的曳航機など後方任務に当たる機体は留まったものの爆撃機型や偵察機型は退役した。


ソ連では1960年までに3000機程で生産を終了したが、中国では最近まで生産を続けていた。現在ではソ連や中国でも退役し、わずかに[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]で少数が戦術爆撃機として現役である。
ソ連では1960年までに3000機程で生産を終了したが、中国では最近まで生産を続けていた。現在ではソ連や中国でも退役し、わずかに[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]で少数が戦術爆撃機として現役である。


また[[アルバニア空軍]]や、[[西側諸国|西側]]にも広く公開されて有名であった[[ルーマニア空軍]]のH-5も、偵察型・複座型を含め全機が退役している。
また[[アルバニア空軍]]や、[[西側諸国|西側]]にも広く公開されて有名であった[[ルーマニア空軍]]のH-5も、偵察型・複座型を含め全機が退役している。

ロシアにおいては、大量生産された都合上格納庫や生産工場などに余った機体が多く残された。これらはソ連崩壊後の経済危機において処分する余地すらなく、他国は戦闘機でも充分な装備を運用可能になったためIl-28は民間のエアレース機として使われたものの依然として在庫処分に明け暮れた。チェチェン紛争でも動員され使い潰されていったが、決定打となったのはウクライナ侵攻で退役した機体やキューバから変換された機体を改造し無人機(UAV)として運用する流れになった。これらは人を乗せず全てを爆弾やミサイルにしたものでSu-27やMiG-29などで最前線に牽引し、目的地で切り離して遠隔操作を経て突入する代物であった。


=== 派生型 ===
=== 派生型 ===
[[File:Egyptian Il-28 Beagle.JPEG|300px|thumb|エジプト空軍のIl-28U。<br/>後部の本来のコクピットが練習生の席で、前にあるキャノピーが教官用の席である。]]
[[File:Egyptian Il-28 Beagle.JPEG|300px|thumb|エジプト空軍のIl-28U。<br/>後部の本来のコクピットが練習生の席で、前にあるキャノピーが教官用の席である。]]
==== 軍用(実戦配備型) ====
==== 軍用 ====
* '''Il-28''' - VK-1を搭載する3人乗りの爆撃機型<ref name="Gordon Il p118-9">Gordon, Komissarov and Komissarov 2004, pp. 118–119.</ref>。
* '''Il-28''' - 2000機配備された爆撃機型。通常の炸薬弾や焼夷弾並びにクラスター爆弾を運用する。他に生産された446機は輸出され、他の2機はテスト機に、142機は無人標的機に改造された。現在ロシア国内に残されているオリジナルのIl-28は6機のみである。その後に残された機体の中で794機は無人攻撃機型に改造された。残る2000機は現在も死蔵されている。
* '''Il-28N''' - 核爆弾を搭載可能な機体。爆弾倉とアビオニクスに改修が加えられている。Il-28Aとしても知られている<ref name="AE71 p17">Gordon and Komissarov 1997, p. 17.</ref>。
* '''Il-28N''' - 50機製造されたRDS-4タチアナ核爆弾を1発搭載可能な機体。初期はA型と呼ばれているが記号はNで統一された。その後、戦略爆撃を可能とするTu-16や超音速のTu-22の就役を受けて、この型式はこれ以上生産されなかった。主な識別部分は機体下部に丸い膨らみがついていて、ここに核爆弾の照準システムが搭載されていた。核攻撃を前提として配備されていたため、温存された機体が多く12機が国内で保存されている。残り38機は無人攻撃機型に改造された。
* '''Il-28PL''' - 対潜哨戒機型。ソノブイや誘導魚雷を搭載できる<ref name="AE71 p18">Gordon and Komissarov 1997, p. 18.</ref>。
* '''Il-28Sh''' - 900機製造された地上攻撃機(シュトルモヴィーク)型で対戦車並びに対人掃討戦用のロケット弾ポッド用のパイロンを12基装備している。
* '''Il-28R''' - 戦術偵察機型。3人乗りで爆弾槽に燃料タンクを増設し翼端タンクも装備する。更に前方の機関砲が1門省略されている。1950年4月19日に初飛行した<ref name="AI36 p49">Green and Swanborough 1988, p. 49.</ref><ref name="AE71 p14">Gordon and Komissarov 1997, p. 14.</ref>。
* '''Il-28T''' - 40機配備された[[雷撃機]]型でRAT-52ロケット推進魚雷を1本または小型魚雷2本搭載可能。他に生産された124機は輸出された。
* '''Il-28REB''' - 電子戦機型。
* '''Il-28PL''' - 200機配備された対潜哨戒機型。ソノブイや音響ホーミング魚雷を搭載している。他に生産された6機は輸出された。
* '''Il-28RTR''' - R型を元にしたERINT機型。
* '''Il-28R''' - 200機配備された戦術偵察機型。3人乗りで爆弾槽に燃料タンクを増設し翼端タンクも装備する。更に前方の機関砲が1門省略されている。他に生産された132機は輸出された。
* '''Il-28REB''' - 100機製造された電子戦機型。電子戦ポッドを搭載してい
* '''Il-28RM''' - Il-28RをもとにVK-5エンジンを搭載した型。生産されていない<ref name="AE71 p17"/>
* '''Il-28RTR''' - 100製造されたR型を元にたERINT機型
* '''Il-28Sh''' - 地上攻撃機型でロケット弾ポッド用のパイロン12基装備ている
* '''Il-28T''' - [[雷撃機]]型でRAT-52ロケット推進魚雷を1本または小型魚雷2本搭載可能。

* '''Il-28U マスコット''' - 1950年3月18日に初飛行した練習機型<ref name="AE71 p11">Gordon and Komissarov 1997, p. 11.</ref>。
==== 軍用(非戦闘型) ====
* '''Il-28BM''' - 128機配備された標的曳航機型。他に生産された2機は輸出された。
* '''Il-28U マスコット''' - 100機配備された練習機型で非武装。他に生産された50機は輸出された。その後多くの機体が無人機に改造され、残された1機が記念碑として保存されている。
'''無人機型'''
* '''Il-28M''' - 142機の爆撃機型Il-28を改装して配備された無人標的機型。2000年までに全機が標的として処分された。
* '''M-28A-1''' - 6機のキューバ向けF-1を改造した無人爆撃機型。[[ウクライナ侵攻 (2022年)|ウクライナ侵攻]]において全機が精密爆撃に投入されたが撃墜された。
* '''M-28A-2''' - 6機のキューバ向けF-2を改造した無人偵察機型。ウクライナ侵攻において投入されたが全てが空戦で喪われた。
* '''M-28A-3''' - 30機のキューバ向けF-3を改造した無人爆撃機型。ウクライナ侵攻において全てが使用された。
* '''M-28B-1''' - 794機の本国仕様のIl-28を改造した無人攻撃機型。チェチェン紛争とウクライナ侵攻の両方で使用された。
*'''M-28N''' - 38機のIl-28Nを改造した無人攻撃機型。チェチェン紛争に投入された。

==== 輸出型 ====
合計760機(爆撃機型446機、雷撃機型124機、対潜哨戒機型6機、戦術偵察機型132機、練習機型50機、標的曳航機型2機)が輸出された。
* Il-28A - 20機輸出された北朝鮮向けの爆撃機型で空対艦ミサイル並びに空対地ミサイルの運用能力を付与。
* Il-28B - 45機輸出されたアフガニスタン向けの爆撃機型。胴体の強度が充分確保されたため機動性が向上した。

* Il-28C - 1機輸出されたアルバニア向けの爆撃機型。一部の装置が簡素化されたが静止衛星軌道上を飛行し爆撃することが出来る。。
* Il-28D - 14機輸出されたアルジェリア向けの爆撃機型。護衛用の戦闘機を牽引して移動させることが可能。
* Il-28E-1 - 14機輸出されたブルガリア向けの戦術偵察機型。撮影機能が自動化された。
* Il-18E-2 - 1機輸出されたブルガリア向けの練習機型。退役後は民間企業の郵便会社に委託された。
* Il-28F-1 - 6機輸出されたキューバ向けの爆撃機型。キューバ危機の際にも威嚇に用いられたが危機後に全機返還された。
* Il-28F-2 - 6機輸出されたキューバ向けの対潜哨戒機型。主翼に爆弾並びに魚雷を搭載可能。危機後に全機返還された。
* Il-28F-3 - 30機輸出されたキューバ向けの雷撃機型。核魚雷の運用能力が付与されたが危機後に全てが返還された。
* Il-28G - 30機輸出されたチェコスロバキア向けの戦術偵察機型。静止衛星軌道上まで上昇し偵察衛星のように使用することが可能。
* Il-28H-1 - 12機輸出された東ドイツ向けの爆撃機型だが標的曳航任務に使用された。エンジンを途中で換装した。
* Il-28H-2 - 1機輸出された東ドイツ向けの練習機型。退役後はエアショーなどでその姿が見られた。
* Il-28I-1 - 1機輸出されたフィンランド向けの爆撃機型だが標的曳航任務に使用された。
* Il-28I-2 - 3機輸出されたフィンランド向けの戦術偵察機型で、現地では海上偵察や地図作成に運用された。
* Il-28J-1 - 79機輸出されたハンガリー向けの爆撃機型。成層圏まで上昇し爆撃することが可能。
* Il-28J-2 - 2機輸出されたハンガリー向けの戦術偵察機型。空中給油機能を搭載。
* Il-28J-3 - 1機輸出されたハンガリー向けの練習機型。退役後はエアレースに供された。
* Il-28K-1 - 18機輸出されたインドネシア向けの爆撃機型。Tu-16が配備されたため榴弾砲を装備し対地攻撃任務に供された。
* Il-28K-2 - 14機輸出されたインドネシア向けの雷撃機型。退役後はミサイルの実験機として運用。
* Il-28K-3 - 6機輸出されたインドネシア向けの練習機型。退役後はエアレースに使用される。
* Il-28L-1 - 12機輸出されたイラク向けの爆撃機型。湾岸戦争で1機が撃墜され、2003年のイラク戦争の際は奇襲作戦に使用された。
* Il-28L-2 - 2機輸出されたイラク向けの練習機型。エンジンを換装し飛行性能が向上している。
* Il-28L-3 - 2機輸出されたイラク向けの標的曳航機型。多国籍軍への牽制に使用された。
* Il-28O - 2機輸出されたモロッコ向けの爆撃機型。宇宙空間の飛行には適していないが成層圏を滑空することが出来る。
* Il-28P - 6機輸出されたナイジェリア向けの爆撃機型。自動操縦機能を搭載し、離陸から着陸まで手を離した状態で搭乗可能。
* Il-28Q - 4機輸出された来たイエメン向けの爆撃機型。元はリビアに輸出予定だったのをTu-22に変更されて浮いた分である。
* Il-28S-1 - 70機輸出され配備されたポーランド向けの爆撃機型。他に輸出された10機はS-5型に改造。大気圏を突破することが可能。
* Il-28S-2 - 9機輸出されたポーランド向けの戦術偵察機型。静止衛星軌道上から撮影することが可能。
* Il-28S-3 - 40機輸出されたポーランド向けの雷撃機型。魚雷の代わりにエジェクターラックを取り付け爆弾を5tほど搭載可能になった。
* Il-28S-4 - 6機輸出されたポーランド向けの戦術偵察機型だが、洋上索敵レーダーなどを装備している。
* Il-28S-5 - 10機のS-1型を改造して配備されたポーランド空軍の電子偵察機型。
* Il-28S-5 - 16機輸出されたポーランド向けの練習機型。退役後は民間に放出された。
*Il-28V-1 - 11機輸出されたルーマニア向けの爆撃機型。バレルロール並びにコブラ機動を可能とする。
*Il-28V-2 - 3機輸出されたルーマニア向けの戦術偵察機型。
*Il-28V-3 - 6機輸出されたルーマニア向けの練習機型。
*Il-28W - 4機輸出されたソマリア向けの爆撃機型。大気圏上を飛行可能。
*Il-28X-1 - 1機輸出された南イエメン向けの爆撃機型。
*Il-28X-2 - 1機輸出された南イエメン向けの戦術偵察機型。
*Il-28X-3 - 2機輸出された南イエメン向けの練習機型。
*Il-28Y - 6機輸出されたシリア向けの爆撃機型。
*Il-28Z-1 - 12機輸出された北ベトナム向けの爆撃機型。
*Il-28Z-2 - 2機輸出された北ベトナム向けの戦術偵察機型。
*Il-28Z-3 - 2機輸出された北ベトナム向けの練習機型。
*Il-28RZ-1 - 30機輸出されたエジプト向けの爆撃機型。
*Il-28RZ-2 - 2機輸出されたエジプト向けの練習機型。
*Il-28MZ - 22機輸出されたハンガリー向けの爆撃機型。
*Il-28TW-1 - 60機輸出された中国向けの爆撃機型。
*Il-28TW-2 - 60機輸出された中国向けの戦術偵察機型。
*Il-28TW-3 - 40機輸出された中国向けの雷撃機型。
*Il-28TW-4 - 11機輸出された中国向けの練習機型。


==== 民間用 ====
==== 民間用 ====
* '''Il-28P''' - 1100機製造された[[アエロフロート]]の航空郵便機型。
* '''Il-28P''' - [[アエロフロート]]の航空郵便機
* '''Il-28ZA''' - 10機製造された大気上の微粒子の観測に用いていた気象観測機型。
* '''Il-28LL''' - 10機製造された空中で様々な実験を行うテスト機。
* '''Il-28ロングシャーシ''' - 3機製造された運用能力をテストするために胴体を延長した実験機型、

==== 試作型 ====
* '''Type0''' - 2機製造された試作機(プロトタイプ)。
* '''Il-28RM-1''' - 1機製造された特殊爆撃機型だが、航続力と搭載力の両方で優れたTu-16の部隊への配備を受けてテストのみに終わった
* '''Il-28RM-2''' - 2機の爆撃機型を改造した特殊爆撃機型だが、Tu-16の配備を受けて量産されなかった。
* '''Il-28TM''': 1機の雷撃機型を改造された改良型。エンジンをVK-5に換装したが量産されなかった。
* '''Il-28S''' - VK-5ターボジェットエンジンを搭載した後退翼型だが構想のみに終わった。
==== ライセンス生産型 ====
==== ライセンス生産型 ====
* '''H-5(轟五)''' - 中国のライセンス生産爆撃機。171機輸入した同機より得られたデータを元に再構築している。
* '''H-5(轟五)''' - 中国のライセンス生産爆撃機
* '''HJ-5(轟教五)''' - 中国製練習機
* '''HJ-5(轟教五)''' - 中国製練習機
* '''H-5R'''もしくは'''HZ-5(轟偵五)''': 中国製長距離写真偵察機
* '''H-5R'''もしくは'''HZ-5(轟偵五)''': 中国製長距離写真偵察機
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* '''H-5 Testbed''' - 中国製練習機
* '''H-5 Testbed''' - 中国製練習機
* '''B-5''' - H-5の海外輸出型
* '''B-5''' - H-5の海外輸出型
* '''B-228''' - 30機配備されたされたチェコスロバキアの爆撃機型。
* '''B-228''' - チェコスロバキア空軍におる名称

* '''CB-228''' - 1機配備されたチェコスロバキア向けの練習機型。他の5機はハンガリーに輸出。
* '''B-229''' - 50機輸出されたエジプト向けのB-228。
* '''CB-229''' - 4機輸出されたエジプト向けのCB-228。
* '''B-231''' - 10機輸出されたハンガリー向けのB-228。
* '''B-232''' - 5機輸出されたハンガリー向けのCB-228。
== Il-28の活動 ==
== Il-28の活動 ==
*[[スエズ動乱]](1956年)に[[エジプト]]空軍のIl-28が[[イスラエル]]空軍と戦った。

*[[キューバ危機]](1963年)には、ソ連が[[キューバ]]にIl-28を供与していた。
=== [[スエズ動乱]] ===
*[[ベトナム戦争]]では[[北ベトナム]]が運用していた機体もあった。

*[[ビアフラ戦争]]では[[ナイジェリア]]空軍が戦闘に使用した。
* 1956年にエジプトがイスラエル並びにイギリスとフランスの同盟軍と戦うためにIl-28を投入した。この戦いには前線に展開するイギリス陸軍のセンチュリオンを撃破する際に用いられているが、練習機型も改造され煙幕を放出し目くらましを行う言わば攪乱に用いられた。イギリスも同じ双発で小型のジェット爆撃機であるキャンベラを投入し爆撃を行っており同じ戦場に両機種が居合わせることになった。イスラエルもミーティアやマジステール、F-84Fを投入し大規模な空戦に発展した。Il-28には防御銃座が搭載されていたため当時まだ主流だったレシプロ戦闘機にも充分に対応できた。その後もIl-28は3ヶ国を相手に奮戦していたが最終的にイギリスとフランスが共同で上陸を敢行したため基地を移動せざるを得なくなった。しかし、冷戦期にそれぞれ対峙していたアメリカとソビエトが三国に停戦命令を出したため最終的にエジプトの勝利で終わった。本機は中東戦争にも投入されているが、Tu-16の配備を受けて別の偵察任務や傷病兵輸送任務に割り当てられた。
*[[イエメン]]の内戦に参加した機体があった。

=== [[キューバ危機]] ===
*1961年にソビエト連邦は従来から[[キューバ]]にB-26を置き換える目的でIl-28を供与した。いずれも爆撃機型と対潜哨戒機型を6機ずつである。これらの機体は洋上に展開するアメリカ海軍の艦隊を襲撃する目的で運用していたが、既に時代は大型のTu-16やTu-22が主流で地続きの国ならまだしも海洋国家であるキューバでは制約が大きかった。しかし、キューバは粘り強く改造を続け周辺国を凌駕するほどの実力を身に付けた。こうして、アメリカによる本格的な介入を恐れたソビエトによりそれ以上の大型機が供与できなくなったため主力として使われていたが、キューバ危機が終了した後は再度の衝突を恐れたソビエトによって全機返還された。

=== [[ベトナム戦争]] ===
*当時、少数の練習機とヘリコプターしかなかった[[北ベトナム]]に対して同機がソビエトより供与された。供与されたのは16機で全機が連合国との戦闘に用いられた。小型であるIl-28は武装も搭載量も劣ったが航続性能は充分にあるため何度も前線から後方へと行き来した。高頻度で爆撃したり編隊を組んで対地攻撃を実施するなど使い道は多かったが、F-4やF-8といったマッハ2級の戦闘機が相手では分が悪く次第に撃墜された。昼間飛行は危険であるため夜間爆撃に重点が置かれたので被害は激減したがベトナムが統一した直後に残っていた機体は戦術偵察機型3機、爆撃機型6機、練習機型2機のみであった。

=== [[ビアフラ戦争]] ===
*ビアフラ共和国並びに[[ナイジェリア]]連邦共和国との戦争においてナイジェリア側が戦闘に使用した。もとはエジプト空軍が運用していたIl-28で自動操縦装置を追加し低高度でも手放しで飛行できる様に改造されたIl-28Pが6機導入された。同空軍には戦闘機こそあったものの当時すでに旧式化が進んでいた2機のUTI-MiG-15と8機のMiG-17だけであり(いずれも他国で使われていた中古機で同じエジプト経由である)お世辞にも戦える状態ではなかった。しかし戦闘機以上に高速で敵地を爆撃するIl-28はむしろ高性能だったので同空軍では重要視された。ビアフラ共和国では最終的にジェット戦闘機を導入できない状態で開戦したためナイジェリア側はすぐに制空権を確保することができた。さらに海軍も貧弱だったので洋上飛行もさして問題なく実施できた。結局ビアフラ共和国軍は小規模な陸軍と温存していたレシプロの双発機を爆装させナイジェリア国内に突撃し混乱を誘い、資源を根こそぎいただく作戦を実施したがナイジェリア陸軍の攻勢とIl-28Pによる1900ソーティに及ぶ爆撃の末に戦争は終息へ向かい、現代戦では数少ない戦後間もない兵器による勝利につながった。

=== [[:en:Yemenite_War_of_1972|イエメン内戦]] ===
*1972年に勃発した戦争である。この戦いには北イエメンの戦力としてわずか4機のIl-28Qが投入された。もとはリビア軍が運用する予定だったのを諸般の事情で入手したものである。他に加わっていたのは既に博物館に置かれていたMiG-17戦闘機9機やUIT-MIG-15練習機2機でほかにはAn-2複葉機などがあった。南イエメンはジェット機こそあるもののプロヴォストT.52A練習機8機やストライクマスターMk.81軽攻撃機4機というわずかな戦力しか持っていなかったので空戦は数度となく行われた。この時のストライクマスターは攻撃機といえど十分な武装を持っていたので数か月足らずで北イエメンの戦力はそぎ落とされたがIl-28Qは巧みな運動性能とジェット後流の発生により次々と南イエメンの戦力を削り、最終的に戦闘は北イエメン側の勝利で終わった。

=== 戦闘以外 ===
*西側でも[[フィンランド]]が[[1961年]]から[[1964年]]にかけて導入し、[[1980年]]まで実戦配備していた。その後も[[標的曳航機]]として使用された。
*西側でも[[フィンランド]]が[[1961年]]から[[1964年]]にかけて導入し、[[1980年]]まで実戦配備していた。その後も[[標的曳航機]]として使用された。
*[[1965年]][[11月11日]]に[[中国人民解放軍]]所属のIl-28のパイロットが台湾に亡命飛行し、乗員1名は追撃機による攻撃で死亡したが、乗員2名は[[台湾]]に到着した。かれら2人にたいして台湾当局は「[[反共義士]]」として表彰し、2名に金塊35kgずつを与えたという。
*[[1965年]][[11月11日]]に[[中国人民解放軍]]所属のIl-28のパイロットが台湾に亡命飛行し、乗員1名は追撃機による攻撃で死亡したが、乗員2名は[[台湾]]に到着した。かれら2人にたいして台湾当局は「[[反共義士]]」として表彰し、2名に金塊35kgずつを与えたという。
*[[2008年]][[10月8日]]に[[黄海]]の演習で[[P-15 (ミサイル)|スティックス]]改良型と見られる[[空対艦ミサイル]]の発射を行うなど北朝鮮においては、2013年現在もH-5と推測される機体が実戦配備されている<ref>{{Cite news
*[[2008年]][[10月8日]]に[[黄海]]の演習で[[P-15 (ミサイル)|スティックス]]改良型と見られる[[空対艦ミサイル]]の発射を行うなど北朝鮮においては、2013年現在もH-5と推測される機体が実戦配備されている<ref>{{Cite news
|url=http://sankei.jp.msn.com/world/news/130412/kor13041219330005-n1.htm
|url=https://web.archive.org/web/20130413025245/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130412/kor13041219330005-n1.htm
|title=北の基地、旧式爆撃機ズラリ.戦闘姿勢誇示か
|title=北の基地、旧式爆撃機ズラリ.戦闘姿勢誇示か
|work=産経ニュース
|work=産経ニュース
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|accessdate=2013-04-13
|accessdate=2013-04-13
}}</ref>。
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[[ファイル:World operators of the Il-28.png|サムネイル|327x327px|採用国]]

== 使用国 ==
== 使用国 ==
{{DPRK}}


=== 民間 ===
* [[アエロフロート]]

=== 軍用機 ===
{{col|
* {{AFG}}
* {{ALB}}
* {{ALG}}
* {{BUL}}
* {{PRC}}
* {{CUB}}
* {{CSK}}
* {{DDR}}
* {{PRK}}
* {{EGY}}
* {{FIN}}
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|
* {{IDN}}
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* {{YEM}}
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}}
== 要目 ==
== 要目 ==
[[File:Iljusin Il-28.svg|right|300px]]
[[File:Iljusin Il-28.svg|right|300px]]
232行目: 92行目:
*航続距離: 2,180 km
*航続距離: 2,180 km
*武装: [[NR-23 (機関砲)|NR-23]] 23 mm機関砲 × 2(3)、兵装1,000kg(標準)から3,000 kg(最大)
*武装: [[NR-23 (機関砲)|NR-23]] 23 mm機関砲 × 2(3)、兵装1,000kg(標準)から3,000 kg(最大)

== 現存する機体 ==
{| class="wikitable"
|+北朝鮮において運用されている機体は含まない。
!型名
!番号
!機体写真
!所在地
!その他写真
!公開状況
!状態
!備考
|-
|Il-28
|04
|[[ファイル:Il-28 at Central Air Force Museum Monino pic1.JPG|フレームなし]]
|ロシア連邦のモニノ空軍博物館
|
|一般公開
|静態保存
|多数のジェット爆撃機と共に保存されている。
|-
|Il-28
|01
|[[ファイル:Ilyushin Il-28 Beagle (01 red) (8457300544).jpg|フレームなし]]
|ヴァディム・ザドロニー技術博物館
|
|一般公開
|静態保存
|単独で保存されている。塗装は剥げ落ちているが微かに運用時の番号が残る。なお、この機体は引き渡された1号機というわけではない。元はロシアのホディンカ空軍博物館で展示されていたものを閉鎖に伴い引き取ったもの([https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/69/Ilyushin_Il-28_Ilyushin_IL-28_cn_36603807_Khodinka_Air_Force_Museum_Sep93_2_%2816964703660%29.jpg ホディンカで展示されていた頃])。
|-
|Il-28
|16
|[[ファイル:Ilyushin Il-28 ’16 red’ (37995220605).jpg|フレームなし]]
|モスクワ 中央空軍博物館
|
|一般公開
|静態保存
|近年再塗装され、部品も一部交換するなど状態が良くなるようにしている。
|-
|Il-28N
|無し
|[[ファイル:Skulte pie Rīgas, piemineklis - lidmašīna 2006-08-18.jpg|フレームなし]]
|ロシア連邦 リガ
|
|一般公開
|静態保存
|野外展示のため状態は悪いが、車輪が展開しているため地上に降ろして移動させることが可能。
|-
|Il-28N
|無し
|[[ファイル:Бомбардировщик Ил-28. Музей гражданской авиации. Ульяновск. Ноябрь 2013 - panoramio.jpg|フレームなし]]
|ロシア連邦 ウリヤノフスク民間航空史博物館
|
|一般公開
|静態保存
|MiG-25の脇に保存されている。塗装もされており状態は良い。
|-
|Il-28N
|96
|[[ファイル:Ил-28, Новоселицы, Новгородская область.JPG|フレームなし]]
|ロシア連邦・ノヴゴロド州。ツェルカフィ・ミハイラ・アルハンゲラ地方
|
|一般公開
|静態保存
|塗装が剥げ落ちているが移動は可能である。
|-
|Il-28N
|無し
|[[ファイル:Ильюшин Ил-28-30 36603807, Москва - Ходынское поле (им. Фрунзе) RP1083.jpg|フレームなし]]
|ロシア連邦 モスクワのフルンゼ
|
|一般公開
|静態保存
|塗装は剥げ落ちている上、車輪がパンクしているため移動するには交換が必要。
|-
|Il-28
|無し
|[[ファイル:Чайкино ил-28.jpg|フレームなし]]
|インドネシア スマトラ島
|
|一般公開
|静態保存
|射撃標的に使われる予定だったものをひきとったもの。台座に完全に固定され一部がくりぬかれるなど状態は悪い。
|-
|Il-28N
|40
|[[ファイル:Airplane monument.jpg|フレームなし]]
|キルギス チュイスカ州
|
|一般公開
|静態保存
|翼端増槽が取り付けられた状態だが、台座に完全に固定されており塗装はされているものの運用は不可能である。
|-
|Il-28N
|無し
|[https://gpvn.ru/files/2017/07/vn01249.jpg 台座に半分固定された状態]
|ロシア連邦 クレチェヴィツィ市
|
|一般公開
|静態保存
|台座に固定されているが、車輪が展開しているため移動が可能。近年は再塗装された。
|-
|Il-28N
|無し
|[[ファイル:Ilyushin Il-28 monument in Petrovsk.jpg|フレームなし]]
|ロシア連邦 ペトロパブロフスク市
|
|一般公開
|静態保存
|台座に半分固定されているので移動が可能。脇にはT-44中戦車も保存されている。
|-
|Il-28N
|無し
|[[ファイル:Samolet IL28 in Chkalovske.JPG|フレームなし]]
|ウクライナ チカロフスク市
|
|一般公開
|静態保存
|2022年のウクライナ侵攻により大きく変化した模様。
|-
|Il-28N
|30
|[[ファイル:Шагол самолет.jpg|フレームなし]]
|ロシア連邦 チェリャビンスク市
|
|一般公開
|静態保存
|台座に後ろの部分のみ固定されており、爆弾層以外は加工された痕跡があるので車輪の出し入れは困難である。
|-
|Il-28N
|01
|[https://russiatrek.org/images/photo/orsk-city-jet-fighter-monument.jpg 現在の状態]
|ロシア連邦 ボルゴグラード
|
|一般公開
|静態保存
|機体下部が完全に加工されているため移動は困難。
|-
|Il-28N
|96
|[https://c8.alamy.com/zooms/9/b5e54b026d364acdb47c963ca282a145/2h17nn2.jpg 現在の状態]
|台湾 高雄市
|
|一般公開
|静態保存
|領空侵犯したところをF-104で撃墜したもの。修復されているが番号は違うものに書き換えられている。トラス構造の台座によって完全に固定されており移動は困難。
|-
|Il-28U
|無し
|[[ファイル:Ил-28У Вологда пам.jpg|フレームなし]]
|チェコ共和国 プラハ市
|
|一般公開
|静態保存
|現在まで保存されている2機のU型の内の1機。台座に半分固定されているのみで移動が可能。
|-
|Il-28
|無し
|[https://farm2.staticflickr.com/1847/43724354254_49fb700bc0_b.jpg 現在の状態]
|ソマリア共和国
|
|一般公開
|静態保存
|塗装が剥げ落ちており落書きまでされている。
|-
|Il-28U
|無し
|[https://cdn.jetphotos.com/full/5/55316_1658645345.jpg 現在の状態]
|ロシア連邦 ボログダ州
|
|一般公開
|静態保存
|現在まで保存されている2機の内の1機。一部腐敗防止のために特殊な塗料が塗られている。
|-
|Il-28G
|26
|[[ファイル:Iljusin Il-28 Czech airforce 6926, ex BA-11, serieno 56926 pic6.JPG|フレームなし]]
|チェコ共和国
プラハ航空博物館
|
|一般公開
|静態保存
|成層圏上まで飛行して偵察も行っていた機体。就役中にBA-11、BA-51、26と3度も機体番号を変えた。一時期RTRという名称が与えられていた。
|-
|B-228
|2107
|[[ファイル:Ilyushin Il-28B Beagle 2107 (8281383063).jpg|フレームなし]]
|チェコ共和国
プラハ航空博物館
|
|一般公開
|静態保存
|本国でライセンス生産されたIl-28だが一時期B型と呼ばれていた。
|-
|CB-228
|CB-10
|[[ファイル:Letecké muzeum Kbely (199).jpg|フレームなし]]
|チェコ共和国
民族戦線解放記念館
|
|一般公開
|静態保存
|国内に残る練習機型。
|-
|Il-28G
|2404
|[[ファイル:Ilyushin Il-28RT Beagle 2404 (8128775993).jpg|フレームなし]]
|チェコ共和国
民族戦線解放記念館
|
|一般公開
|静態保存
|成層圏において偵察を行っていた機体。翼端に増槽を装備した状態で保存されている。
|-
|Il-28H-1
|408
|[[ファイル:"Frontbomber" Iljuschin Il-28 "Beagle".jpg|フレームなし]]
|ドイツ連邦共和国
連邦軍博物館
|
|一般公開
|静態保存
|比較的状態は良いが後部の銃座が欠損している。運用当時は薄暗い黄土色の迷彩だったが、次第に塗装が剥げ落ちたため就役当時の銀色に再塗装された。運用時の記号はC/N 55006448。[https://www.airport-data.com/images/aircraft/001/451/001451664.jpg 現在は細部も修復されている]。
|-
|Il-28I-2
|NH-4
|[[ファイル:Iljušin IL-28R (NH-4) Keski-Suomen ilmailumuseo 8.JPG|フレームなし]]
|フィンランド共和国
空軍博物館
|
|一般公開
|静態保存
|屋内展示であり、数少ない天井から吊した状態で保存されている。
|-
|Il-28J-1
|55
|[https://www.planephotos.net/photos/25667_Ilyushin-Il-28_55.jpg 現在の状態]
|ハンガリー共和国
空軍博物館
|
|一般公開
|静態保存
|静止衛星軌道上から試験的に爆撃したことで有名。
|-
|Il-28L-1
|無し
|[[ファイル:II-28 Beagle Iraq 2.jpeg|フレームなし]]
|イラク
空軍基地跡地
|
|非公開
|静態保存
|3機あるIl-28L-1の内の1機。2003年のイラク侵攻の際にアメリカ海軍の空母打撃群に対して5,400ソーティを記録。空戦機動をかましつつミサイル駆逐艦9隻に爆弾を命中させるも被弾し基地へと帰投。やがて部品が枯渇したため飛行不能になった。現在は展示というよりは国内の治安の悪化により基地に放棄された状態。同基地には合計4機が存在する。
|-
|Il-28L-1
|無し
|[https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3d/Ilyushin_Il-28.jpg 現在の状態]
|イラク
空軍基地跡地
|
|非公開
|静態保存
|3機あるIl-28L-1の内の1機。1991年、2003年と相次いでアメリカ空軍相手に出撃を行った。
|-
|Il-28L-1
|無し
|[https://c1.vgtstatic.com/pic/285.jpg 現在の状態]
|イラク
空軍基地跡地
|
|非公開
|静態保存
|3機あるIl-28L-1の内の1機。アメリカ海軍の空母打撃群に対して爆撃を行った。
|-
|Il-28L-2
|無し
|[https://web.archive.org/web/20161012052754if_/http://static.panoramio.com/photos/large/17073149.jpg 現在の状態]
|イラク
空軍基地跡地
|
|非公開
|静態保存
|唯一残されている練習機型。
|-
|Il-28S-1
|65
|[[ファイル:Ił-28 MPTW 03.jpg|フレームなし]]
|ポーランド
ワルシャワ軍事技術博物館
|
|一般公開
|静態保存
|大気圏を突破し爆撃訓練を行った機体。一時期、ポーランド空軍飛行学校に保存されていたが、同校の閉鎖に伴い移動された。
|-
|Il-28S-1
|4
|[[ファイル:Il-28 RB2.jpg|フレームなし]]
|ポーランド
ツィダテラ公園
|
|一般公開
|静態保存
|隣には戦術地対地ミサイルが置かれている。更に第二次大戦中の戦車の部品も置かれている。
|-
|Il-28S-1
|64
|[[ファイル:Ilyushin IL-28E '65' (13433506923).jpg|フレームなし]]
|ポーランド空軍記念博物館
|
|一般公開
|静態保存
|旧番号64だったが、大気圏突破による爆撃訓練に従事した65と同じ塗装が施されている。
|-
|Il-28S-2
|69
|[[ファイル:Ilyushin IL-28R '69' (13415049973).jpg|フレームなし]]
|ポーランド空軍記念博物館
|
|一般公開
|静態保存
|大気圏を突破して高高度偵察を行っていた機体。
|-
|Il-28S-2
|72
|[[ファイル:Ilyushin Il-28R ‘72’ (21873225999).jpg|フレームなし]]
|ポーランド航空博物館
|
|一般公開
|静態保存
|西ドイツに対して領空侵犯を行っていた機体。
|-
|Il-28S-5
|S3
|[[ファイル:Ilyushin SIl-28 ‘S3’ (22067888425).jpg|フレームなし]]
|ポーランド航空博物館
|
|一般公開
|静態保存
|アクロバット飛行に従事していた機体。
|-
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|一般公開
|静態展示
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|}


== 登場作品 ==
== 登場作品 ==
712行目: 105行目:
: 北朝鮮軍の爆撃機として登場する。
: 北朝鮮軍の爆撃機として登場する。
;『[[Warthunder]]』
;『[[Warthunder]]』
:IL-28IL-28shがソ連空軍ツリーに配置されている。
:IL-28がドイツ、ソ連、イタリア(ハンガリー)空軍ツリーに、IL-28shがソ連空軍ツリーに配置されている。


== 脚注・出典 ==
== 脚注・出典 ==

2024年4月6日 (土) 14:55時点における最新版

ソビエト連邦の旗Il-28

Il-28の基本型(ポーランド空軍使用機)

Il-28の基本型(ポーランド空軍使用機)

Il-28(イリューシン28;ロシア語:Ил-28イール・ドヴァーッツァチ・ヴォースィェミ)は、ソ連航空機設計機関であるイリューシン設計局が開発した双発の亜音速で飛行可能なジェットエンジンを有する軽爆撃機である。DoDが割り当てたコードネームはIl-28がType 27[1]、練習機型のIl-28UがType 30[1]北大西洋条約機構 (NATO) の用いたNATOコードネームでは、Il-28が「ビーグル」("Beagle") [2]、Il-28Uが「マスコット」("Mascot")と呼ばれた[3][4]。軽快で扱い易く、安価で維持が楽であるため、ソ連だけでなく東側諸国に広く普及した。

概要

[編集]
尾部銃座と23mm連装機関砲塔

Il-28の原型機が初飛行したのは1948年7月8日、イギリスのロールス・ロイス ニーンを搭載した試作一号機が初飛行した。1948年12月30日に飛行した試作二号機では、クリーモフ RD-45 が搭載された[5]。1949年5月14日に発注された量産型では、RD-45の改良型であるクリーモフ VK-1 が搭載された[6][7]1949年にソ連空軍に引き渡された。機体の特徴として、大きなエンジンが主翼に直接埋め込まれた双発レシプロ機のような形状をしていることである。パイロットは胴体前部上面に張り出したコックピットに搭乗し、銃手は装甲された尾部銃座に、航法士兼爆撃手は機首部にある風防部分に搭乗していた。このレイアウトは第二次世界大戦中の中型爆撃機と類似していたが、機体内部は与圧されるなど様々な新技術が導入されていた。

主翼は直線翼だが、尾翼は35度の後退翼を取り入れている。

機体が小型なのでミサイル類を誘導する各種機器を装備できず[8]自由落下爆弾が主兵装。標準爆弾搭載量は1,000kgで胴体内の爆弾倉に搭載する。機首下部には装弾数100発の23mm機関砲を2門搭載した。爆弾倉には4発の100kg爆弾や3000kgの爆弾を搭載することができた[9][10]。主翼他にはロケット弾架など機外搭載用のパイロンはない。このクラスの爆撃機としては搭載量は少ないが、過負荷なら最大3,000kgまで搭載可能。また、通常爆弾に代えて魚雷核爆弾も選択できる。自衛火器として尾部に23mm連装機関砲塔があり、銃手は砲塔の上に位置する尾部銃座からこれを遠隔操作をする。一部には機首にも銃座を設け、航法士が人力操作する単装の23mm機関砲を搭載した機体もある。

高度な軍事機密を特に用いていないIl-28はソ連から見れば供与に手頃で、世界の多くの国に輸出されていた。ソ連側諸国が結成していたワルシャワ条約機構の加盟国のほか、アフリカ諸国にも輸出されており、中国においても轟5・H-5としてライセンス生産された。

実戦では中東戦争からベトナム戦争まで幅広い。

ソ連では1960年までに3000機程で生産を終了したが、中国では最近まで生産を続けていた。現在ではソ連や中国でも退役し、わずかに北朝鮮で少数が戦術爆撃機として現役である。

またアルバニア空軍や、西側にも広く公開されて有名であったルーマニア空軍のH-5も、偵察型・複座型を含め全機が退役している。

派生型

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エジプト空軍のIl-28U。
後部の本来のコクピットが練習生の席で、前にあるキャノピーが教官用の席である。

軍用

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  • Il-28 - VK-1を搭載する3人乗りの爆撃機型[11]
  • Il-28N - 核爆弾を搭載可能な機体。爆弾倉とアビオニクスに改修が加えられている。Il-28Aとしても知られている[12]
  • Il-28PL - 対潜哨戒機型。ソノブイや誘導魚雷を搭載できる[13]
  • Il-28R - 戦術偵察機型。3人乗りで爆弾槽に燃料タンクを増設し翼端タンクも装備する。更に前方の機関砲が1門省略されている。1950年4月19日に初飛行した[14][15]
  • Il-28REB - 電子戦機型。
  • Il-28RTR - R型を元にしたERINT機型。
  • Il-28RM - Il-28RをもとにVK-5エンジンを搭載した型。生産されていない[12]
  • Il-28Sh - 地上攻撃機型でロケット弾ポッド用のパイロンを12基装備している。
  • Il-28T - 雷撃機型でRAT-52ロケット推進魚雷を1本または小型魚雷2本搭載可能。
  • Il-28U マスコット - 1950年3月18日に初飛行した練習機型[16]

民間用

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ライセンス生産型

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  • H-5(轟五) - 中国のライセンス生産爆撃機
  • HJ-5(轟教五) - 中国製練習機
  • H-5RもしくはHZ-5(轟偵五): 中国製長距離写真偵察機
  • HD-5(轟電五) - 中国製電子戦機
  • HG-5(轟干五) - 中国製電子妨害機
  • H-5 Testbed - 中国製練習機
  • B-5 - H-5の海外輸出型
  • B-228 - チェコスロバキア空軍における名称

Il-28の活動

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使用国

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朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国

要目

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  • 乗員: 3 名
  • 全幅: 21.45 m
  • 全長: 17.65 m
  • 高さ: 6.70 m
  • 翼面積: 60.80 m2
  • 機体重量: 12,890 kg (28,418 lb)
  • 最大離陸重量: 21,200 kg
  • エンジン: クリーモフ設計局 VK-1 遠心式ターボジェットエンジン × 2
  • 推力: 2,700 kg × 2
  • 最大速度: 902 km/h 4,500 m (14,764 ft)
  • 巡航速度: 770 km/h 10,000 m (32,808 ft)
  • 航続距離: 2,180 km
  • 武装: NR-23 23 mm機関砲 × 2(3)、兵装1,000kg(標準)から3,000 kg(最大)

登場作品

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アニメ・漫画

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第二次朝鮮戦争ユギオⅡ
大韓民国の首都であるソウルを爆撃するために登場する。

旧式機であるがソウルまで数分で到達できる位置に配備されており、 一度に多数の機体を飛ばす飽和攻撃により韓国空軍は防ぎきれず爆撃を許してしまう。

ゲーム

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『Wargame: Red Dragon(英語版)』
北朝鮮軍の爆撃機として登場する。
Warthunder
IL-28がドイツ、ソ連、イタリア(ハンガリー)空軍ツリーに、IL-28shがソ連空軍ツリーに配置されている。

脚注・出典

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  1. ^ a b Parsch, Andreas and Aleksey V. Martynov. "Designations of Soviet and Russian Military Aircraft and Missiles." Archived 2017-10-11 at the Wayback Machine. designation-systems.net, 2008. Retrieved: 22 August 2011.
  2. ^ Parsch, Andreas and Aleksey V. Martynov. "Bomber designations." Archived 2017-10-11 at the Wayback Machine. designation-systems.net, 2008. Retrieved: 22 August 2011.
  3. ^ Parsch, Andreas and Aleksey V. Martynov. "Listings: Miscellaneous." Archived 2017-10-11 at the Wayback Machine. designation-systems.net, 2008. Retrieved: 22 August 2011.
  4. ^ Gunston 1995, pp. XXX–XXXI.
  5. ^ Green and Swanborough 1988, p. 46.
  6. ^ Nemecek 1986, p. 173.
  7. ^ Gordon, Komissarov and Komissarov 2004, p. 117.
  8. ^ ただし電子機器の小型化が進んだ近年、北朝鮮軍などでは対艦ミサイルを運用可能に改修した機体も存在する模様。
  9. ^ Green and Swanborough 1988, pp. 45–46.
  10. ^ Gordon, Komissarov and Komissarov 2004, pp. 140–144.
  11. ^ Gordon, Komissarov and Komissarov 2004, pp. 118–119.
  12. ^ a b Gordon and Komissarov 1997, p. 17.
  13. ^ Gordon and Komissarov 1997, p. 18.
  14. ^ Green and Swanborough 1988, p. 49.
  15. ^ Gordon and Komissarov 1997, p. 14.
  16. ^ Gordon and Komissarov 1997, p. 11.
  17. ^ “北の基地、旧式爆撃機ズラリ.戦闘姿勢誇示か”. 産経ニュース (産経新聞社). (2013年4月12日). https://web.archive.org/web/20130413025245/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130412/kor13041219330005-n1.htm 2013年4月13日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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