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国会法

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第一章 国会の召集及び開会式

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第一条

  1. 国会の召集詔書は、集会の期日を定めて、これを公布する。
  2. 常会の召集詔書は、少なくとも十日前にこれを公布しなければならない。
  3. 臨時会及び特別会(日本国憲法第五十四条により召集された国会をいう)の召集詔書の公布は、前項によることを要しない。

第二条

常会は、毎年一月中に召集するのを常例とする。

第二条の二

特別会は、常会と併せてこれを召集することができる。

第二条の三

  1. 衆議院議員の任期満了による総選挙が行われたときは、その任期が始まる日から三十日以内に臨時会を召集しなければならない。但し、その期間内に常会が召集された場合又はその期間が参議院議員の通常選挙を行うべき期間にかかる場合は、この限りでない。
  2. 参議院議員の通常選挙が行われたときは、その任期が始まる日から三十日以内に臨時会を召集しなければならない。但し、その期間内に常会若しくは特別会が召集された場合又はその期間が衆議院議員の任期満了による総選挙を行うべき期間にかかる場合は、この限りでない。

第三条

臨時会の召集の決定を要求するには、いずれかの議院の総議員の四分の一以上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出しなければならない。

第四条

削除

第五条

議員は、召集詔書に指定された期日に、各議院に集会しなければならない。

第六条

各議院において、召集の当日に議長若しくは副議長がないとき、又は議長及び副議長が共にないときは、その選挙を行わなければならない。

第七条

議長及び副議長が選挙されるまでは、事務総長が、議長の職務を行う。

第八条

国会の開会式は、会期の始めにこれを行う。

第九条

  1. 開会式は、衆議院議長が主宰する。
  2. 衆議院議長に事故があるときは、参議院議長が、主宰する。

第二章 国会の会期及び休会(第10条 - 第15条)

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第十条

常会の会期は、百五十日間とする。但し、会期中に議員の任期が満限に達する場合には、その満限の日をもつて、会期は終了するものとする。

第十一条

臨時会及び特別会の会期は、両議院一致の議決で、これを定める。

第十二条

  1. 国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。
  2. 会期の延長は、常会にあつては一回、特別会及び臨時会にあつては二回を超えてはならない。

第十三条

前二条の場合において、両議院の議決が一致しないとき、又は参議院が議決しないときは、衆議院の議決したところによる。

第十四条

国会の会期は、召集の当日からこれを起算する。

第十五条

  1. 国会の休会は、両議院一致の議決を必要とする。
  2. 国会の休会中、各議院は、議長において緊急の必要があると認めたとき、又は総議員の四分の一以上の議員から要求があつたときは、他の院の議長と協議の上、会議を開くことができる。
  3. 前項の場合における会議の日数は、日本国憲法及び法律に定める休会の期間にこれを算入する。
  4. 各議院は、十日以内においてその院の休会を議決することができる。

第三章 役員及び経費

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第十六条

各議院の役員は、左の通りとする。
一 議長
二 副議長
三 仮議長
四 常任委員長
五 事務総長

第十七条

各議院の議長及び副議長は、各々一人とする。

第十八条

各議院の議長及び副議長の任期は、各々議員としての任期による。

第十九条

各議院の議長は、その議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表する。

第二十条

議長は、委員会に出席し発言することができる。

第二十一条

各議院において、議長に事故があるとき又は議長が欠けたときは、副議長が、議長の職務を行う。

第二十二条

  1. 各議院において、議長及び副議長に共に事故があるときは、仮議長を選挙し議長の職務を行わせる。
  2. 前項の選挙の場合には、事務総長が、議長の職務を行う。
  3. 議院は、仮議長の選任を議長に委任することができる。

第二十三条

各議院において、議長若しくは副議長が欠けたとき、又は議長及び副議長が共に欠けたときは、直ちにその選挙を行う。

第二十四条

前条前段の選挙において副議長若しくは議長に事故がある場合又は前条後段の選挙の場合には、事務総長が、議長の職務を行う。

第二十五条

常任委員長は、各議院において各々その常任委員の中からこれを選挙する。

第二十六条

各議院に、事務総長一人、参事その他必要な職員を置く。

第二十七条

  1. 事務総長は、各議院において国会議員以外の者からこれを選挙する。
  2. 参事その他の職員は、事務総長が、議長の同意及び議院運営委員会の承認を得てこれを任免する。

第二十八条

  1. 事務総長は、議長の監督の下に、議院の事務を統理し、公文に署名する。
  2. 参事は、事務総長の命を受け事務を掌理する。

第二十九条

事務総長に事故があるとき又は事務総長が欠けたときは、その予め指定する参事が、事務総長の職務を行う。

第三十条

役員は、議院の許可を得て辞任することができる。但し、閉会中は、議長において役員の辞任を許可することができる。

第三十条の二

各議院において特に必要があるときは、その院の議決をもつて、常任委員長を解任することができる。

第三十一条

  1. 役員は、特に法律に定めのある場合を除いては、国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。
  2. 議員であつて前項の職を兼ねている者が、役員に選任されたときは、その兼ねている職は、解かれたものとする。

第三十二条

  1. 両議院の経費は、独立して、国の予算にこれを計上しなければならない。
  2. 前項の経費中には、予備金を設けることを要する。

第四章 議員(第33条 - 第39条)

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第三十三条

各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。

第三十四条

各議院の議員の逮捕につきその院の許諾を求めるには、内閣は、所轄裁判所又は裁判官が令状を発する前に内閣へ提出した要求書の受理後速かに、その要求書の写を添えて、これを求めなければならない。

第三十四条の二

  1. 内閣は、会期前に逮捕された議員があるときは、会期の始めに、その議員の属する議院の議長に、令状の写を添えてその氏名を通知しなければならない。
  2. 内閣は、会期前に逮捕された議員について、会期中に勾留期間の延長の裁判があつたときは、その議員の属する議院の議長にその旨を通知しなければならない。

第三十四条の三

議員が、会期前に逮捕された議員の釈放の要求を発議するには、議員二十人以上の連名で、その理由を附した要求書をその院の議長に提出しなければならない。

第三十五条

議員は、一般職の国家公務員の最高の給与額(地域手当等の手当を除く。)より少なくない歳費を受ける。

第三十六条

議員は、別に定めるところにより、退職金を受けることができる。
第三十七条  削除

第三十八条

議員は、公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため、別に定めるところにより手当を受ける。

第三十九条

議員は、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官、副大臣、大臣政務官及び別に法律で定めた場合を除いては、その任期中国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。ただし、両議院一致の議決に基づき、その任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問、参与その他これらに準ずる職に就く場合は、この限りでない。

第五章 委員会及び委員

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第四十条

各議院の委員会は、常任委員会及び特別委員会の二種とする。

第四十一条

  1. 常任委員会は、その部門に属する議案(決議案を含む。)、請願等を審査する。
  2. 衆議院の常任委員会は、次のとおりとする。
    一 内閣委員会
    二 総務委員会
    三 法務委員会
    四 外務委員会
    五 財務金融委員会
    六 文部科学委員会
    七 厚生労働委員会
    八 農林水産委員会
    九 経済産業委員会
    十 国土交通委員会
    十一 環境委員会
    十二 安全保障委員会
    十三 国家基本政策委員会
    十四 予算委員会
    十五 決算行政監視委員会
    十六 議院運営委員会
    十七 懲罰委員会
  3. 参議院の常任委員会は、次のとおりとする。
    一 内閣委員会
    二 総務委員会
    三 法務委員会
    四 外交防衛委員会
    五 財政金融委員会
    六 文教科学委員会
    七 厚生労働委員会
    八 農林水産委員会
    九 経済産業委員会
    十 国土交通委員会
    十一 環境委員会
    十二 国家基本政策委員会
    十三 予算委員会
    十四 決算委員会
    十五 行政監視委員会
    十六 議院運営委員会
    十七 懲罰委員会

第四十二条

  1. 常任委員は、会期の始めに議院において選任し、議員の任期中その任にあるものとする。
  2. 議員は、少なくとも一箇の常任委員となる。ただし、議長、副議長、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官、副大臣及び大臣政務官は、その割り当てられた常任委員を辞することができる。
  3. 前項但書の規定により常任委員を辞した者があるときは、その者が属する会派の議員は、その委員を兼ねることができる。

第四十三条

常任委員会には、専門の知識を有する職員(これを専門員という)及び調査員を置くことができる。

第四十四条

各議院の常任委員会は、他の議院の常任委員会と協議して合同審査会を開くことができる。

第四十五条

  1. 各議院は、その院において特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するため、特別委員会を設けることができる。
  2. 特別委員は、議院において選任し、その委員会に付託された案件がその院で議決されるまで、その任にあるものとする。
  3. 特別委員長は、委員会においてその委員がこれを互選する。

第四十六条

  1. 常任委員及び特別委員は、各会派の所属議員数の比率により、これを各会派に割り当て選任する。
  2. 前項の規定により委員が選任された後、各会派の所属議員数に異動があつたため、委員の各会派割当数を変更する必要があるときは、議長は、第四十二条第一項及び前条第二項の規定にかかわらず、議院運営委員会の議を経て委員を変更することができる。

第四十七条

  1. 常任委員会及び特別委員会は、会期中に限り、付託された案件を審査する。
  2. 常任委員会及び特別委員会は、各議院の議決で特に付託された案件(懲罰事犯の件を含む。)については、閉会中もなお、これを審査することができる。
  3. 前項の規定により懲罰事犯の件を閉会中審査に付する場合においては、その会期中に生じた事犯にかかるものでなければならない。
  4. 第二項の規定により閉会中もなお審査することに決したときは、その院の議長から、その旨を他の議院及び内閣に通知する。

第四十八条

委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持する。

第四十九条

委員会は、その委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

第五十条

委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

第五十条の二

  1. 委員会は、その所管に属する事項に関し、法律案を提出することができる。
  2. 前項の法律案については、委員長をもつて提出者とする。

第五十一条

  1. 委員会は、一般的関心及び目的を有する重要な案件について、公聴会を開き、真に利害関係を有する者又は学識経験者等から意見を聴くことができる。
  2. 総予算及び重要な歳入法案については、前項の公聴会を開かなければならない。但し、すでに公聴会を開いた案件と同一の内容のものについては、この限りでない。

第五十二条

  1. 委員会は、議員の外傍聴を許さない。但し、報道の任務にあたる者その他の者で委員長の許可を得たものについては、この限りでない。
  2. 委員会は、その決議により秘密会とすることができる。
  3. 委員長は、秩序保持のため、傍聴人の退場を命ずることができる。

第五十三条

委員長は、委員会の経過及び結果を議院に報告しなければならない。

第五十四条

  1. 委員会において廃棄された少数意見で、出席委員の十分の一以上の賛成があるものは、委員長の報告に次いで、少数意見者がこれを議院に報告することができる。この場合においては、少数意見者は、その賛成者と連名で簡明な少数意見の報告書を議長に提出しなければならない。
  2. 議長は、少数意見の報告につき、時間を制限することができる。
  3. 第一項後段の報告書は、委員会の報告書と共にこれを会議録に掲載する。

第五章の二 参議院の調査会

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第五十四条の二

  1. 参議院は、国政の基本的事項に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、調査会を設けることができる。
  2. 調査会は、参議院議員の半数の任期満了の日まで存続する。
  3. 調査会の名称、調査事項及び委員の数は、参議院の議決でこれを定める。

第五十四条の三

  1. 調査会の委員は、議院において選任し、調査会が存続する間、その任にあるものとする。
  2. 調査会の委員は、各会派の所属議員数の比率により、これを各会派に割り当て選任する。
  3. 前項の規定により委員が選任された後、各会派の所属議員数に異動があつたため、委員の各会派割当数を変更する必要があるときは、議長は、第一項の規定にかかわらず、議院運営委員会の議を経て委員を変更することができる。
  4. 調査会長は、調査会においてその委員がこれを互選する。

第五十四条の四

  1. 調査会については、第二十条、第四十七条第一項、第二項及び第四項、第四十八条から第五十条の二まで、第五十一条第一項、第五十二条、第六十条、第六十九条から第七十三条まで、第百四条、第百五条、第百二十条、第百二十一条第二項並びに第百二十四条の規定を準用する。
  2. 前項において準用する第五十条の二第一項の規定により調査会が提出する法律案については、第五十七条の三の規定を準用する。

第六章 会議

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第五十五条

  1. 各議院の議長は、議事日程を定め、予めこれを議院に報告する。
  2. 議長は、特に緊急の必要があると認めたときは、会議の日時だけを議員に通知して会議を開くことができる。

第五十五条の二

  1. 議長は、議事の順序その他必要と認める事項につき、議院運営委員長及び議院運営委員会が選任する議事協議員と協議することができる。この場合において、その意見が一致しないときは、議長は、これを裁定することができる。
  2. 議長は、議事協議会の主宰を議院運営委員長に委任することができる。
  3. 議長は、会期中であると閉会中であるとを問わず、何時でも議事協議会を開くことができる。

第五十六条

  1. 議員が議案を発議するには、衆議院においては議員二十人以上、参議院においては議員十人以上の賛成を要する。但し、予算を伴う法律案を発議するには、衆議院においては議員五十人以上、参議院においては議員二十人以上の賛成を要する。
  2. 議案が発議又は提出されたときは、議長は、これを適当の委員会に付託し、その審査を経て会議に付する。但し、特に緊急を要するものは、発議者又は提出者の要求に基き、議院の議決で委員会の審査を省略することができる。
  3. 委員会において、議院の会議に付するを要しないと決定した議案は、これを会議に付さない。但し、委員会の決定の日から休会中の期間を除いて七日以内に議員二十人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。
  4. 前項但書の要求がないときは、その議案は廃案となる。
  5. 前二項の規定は、他の議院から送付された議案については、これを適用しない。

第五十六条の二

各議院に発議又は提出された議案につき、議院運営委員会が特にその必要を認めた場合は、議院の会議において、その議案の趣旨の説明を聴取することができる。

第五十六条の三

  1. 各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。
  2. 前項の中間報告があつた案件について、議院が特に緊急を要すると認めたときは、委員会の審査に期限を附け又は議院の会議において審議することができる。
  3. 委員会の審査に期限を附けた場合、その期間内に審査を終らなかつたときは、議院の会議においてこれを審議するものとする。但し、議院は、委員会の要求により、審査期間を延長することができる。

第五十六条の四

各議院は、他の議院から送付又は提出された議案と同一の議案を審議することができない。

第五十七条

議案につき議院の会議で修正の動議を議題とするには、衆議院においては議員二十人以上、参議院においては議員十人以上の賛成を要する。但し、法律案に対する修正の動議で、予算の増額を伴うもの又は予算を伴うこととなるものについては、衆議院においては議員五十人以上、参議院においては議員二十人以上の賛成を要する。

第五十七条の二

予算につき議院の会議で修正の動議を議題とするには、衆議院においては議員五十人以上、参議院においては議員二十人以上の賛成を要する。

第五十七条の三

各議院又は各議院の委員会は、予算総額の増額修正、委員会の提出若しくは議員の発議にかかる予算を伴う法律案又は法律案に対する修正で、予算の増額を伴うもの若しくは予算を伴うこととなるものについては、内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。

第五十八条

内閣は、一の議院に議案を提出したときは、予備審査のため、提出の日から五日以内に他の議院に同一の案を送付しなければならない。

第五十九条

内閣が、各議院の会議又は委員会において議題となつた議案を修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。但し、一の議院で議決した後は、修正し、又は撤回することはできない。

第六十条

各議院が提出した議案については、その委員長(その代理者を含む)又は発議者は、他の議院において、提案の理由を説明することができる。

第六十一条

  1. 各議院の議長は、質疑、討論その他の発言につき、予め議院の議決があつた場合を除いて、時間を制限することができる。
  2. 議長の定めた時間制限に対して、出席議員の五分の一以上から異議を申し立てたときは、議長は、討論を用いないで、議院に諮らなければならない。
  3. 議員が時間制限のため発言を終らなかつた部分につき特に議院の議決があつた場合を除いては、議長の認める範囲内において、これを会議録に掲載する。

第六十二条

各議院の会議は、議長又は議員十人以上の発議により、出席議員の三分の二以上の議決があつたときは、公開を停めることができる。

第六十三条

秘密会議の記録中、特に秘密を要するものとその院において議決した部分は、これを公表しないことができる。

第六十四条

内閣は、内閣総理大臣が欠けたとき、又は辞表を提出したときは、直ちにその旨を両議院に通知しなければならない。

第六十五条

  1. 国会の議決を要する議案について、最後の議決があつた場合にはその院の議長から、衆議院の議決が国会の議決となつた場合には衆議院議長から、その公布を要するものは、これを内閣を経由して奏上し、その他のものは、これを内閣に送付する。
  2. 内閣総理大臣の指名については、衆議院議長から、内閣を経由してこれを奏上する。

第六十六条

法律は、奏上の日から三十日以内にこれを公布しなければならない。

第六十七条

一の地方公共団体のみに適用される特別法については、国会において最後の可決があつた場合は、別に法律で定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票に付し、その過半数の同意を得たときに、さきの国会の議決が、確定して法律となる。

第六十八条

会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。但し、第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案及び懲罰事犯の件は、後会に継続する。

第六章の二 日本国憲法の改正の発議

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第六十八条の二

議員が日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)の原案(以下「憲法改正原案」という。)を発議するには、第五十六条第一項の規定にかかわらず、衆議院においては議員百人以上、参議院においては議員五十人以上の賛成を要する。

第六十八条の三

前条の憲法改正原案の発議に当たつては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする。

第六十八条の四

憲法改正原案につき議院の会議で修正の動議を議題とするには、第五十七条の規定にかかわらず、衆議院においては議員百人以上、参議院においては議員五十人以上の賛成を要する。

第六十八条の五

  1. 憲法改正原案について国会において最後の可決があつた場合には、その可決をもつて、国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)の発議をし、国民に提案したものとする。この場合において、両議院の議長は、憲法改正の発議をした旨及び発議に係る憲法改正案を官報に公示する。
  2. 憲法改正原案について前項の最後の可決があつた場合には、第六十五条第一項の規定にかかわらず、その院の議長から、内閣に対し、その旨を通知するとともに、これを送付する。

第六十八条の六

憲法改正の発議に係る国民投票の期日は、当該発議後速やかに、国会の議決でこれを定める。

第七章 国務大臣等の出席等

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第六十九条

  1. 内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官は、内閣総理大臣その他の国務大臣を補佐するため、議院の会議又は委員会に出席することができる。
  2. 内閣は、国会において内閣総理大臣その他の国務大臣を補佐するため、両議院の議長の承認を得て、人事院総裁、内閣法制局長官,公正取引委員会委員長及び公害等調整委員会委員長を政府特別補佐人として議院の会議又は委員会に出席させることができる。

第七十条

内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人が、議院の会議又は委員会において発言しようとするときは、議長又は委員長に通告しなければならない。

第七十一条

委員会は、議長を経由して内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人の出席を求めることができる。

第七十二条

  1. 委員会は、議長を経由して会計検査院長及び検査官の出席説明を求めることができる。
  2. 最高裁判所長官又はその指定する代理者は、その要求により、委員会の承認を得て委員会に出席説明することができる。

第七十三条

議院の会議及び委員会の会議に関する報告は、議員に配付すると同時に、これを内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人に送付する。

第八章 質問

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第七十四条

  1. 各議院の議員が、内閣に質問しようとするときは、議長の承認を要する。
  2. 質問は、簡明な主意書を作り、これを議長に提出しなければならない。
  3. 議長の承認しなかつた質問について、その議員から異議を申し立てたときは、議長は、討論を用いないで、議院に諮らなければならない。
  4. 議長又は議院の承認しなかつた質問について、その議員から要求があつたときは、議長は、その主意書を会議録に掲載する。

第七十五条

  1. 議長又は議院の承認した質問については、議長がその主意書を内閣に転送する。
  2. 内閣は、質問主意書を受け取つた日から七日以内に答弁をしなければならない。その期間内に答弁をすることができないときは、その理由及び答弁をすることができる期限を明示することを要する。

第七十六条

質問が、緊急を要するときは、議院の議決により口頭で質問することができる。

第七十七条及び第七十八条

削除

第九章 請願(第79条 - 第82条)

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第七十九条

各議院に請願しようとする者は、議員の紹介により請願書を提出しなければならない。

第八十条

  1. 請願は、各議院において委員会の審査を経た後これを議決する。
  2. 委員会において、議院の会議に付するを要しないと決定した請願は、これを会議に付さない。但し、議員二十人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。

第八十一条

  1. 各議院において採択した請願で、内閣において措置するを適当と認めたものは、これを内閣に送付する。
  2. 内閣は、前項の請願の処理の経過を毎年議院に報告しなければならない。

第八十二条

各議院は、各別に請願を受け互に干預しない。

第十章 両議院関係(第83条 - 第98条)

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第八十三条

  1. 国会の議決を要する議案を甲議院において可決し、又は修正したときは、これを乙議院に送付し、否決したときは、その旨を乙議院に通知する。
  2. 乙議院において甲議院の送付案に同意し、又はこれを否決したときは、その旨を甲議院に通知する。
  3. 乙議院において甲議院の送付案を修正したときは、これを甲議院に回付する。
  4. 甲議院において乙議院の回付案に同意し、又は同意しなかつたときは、その旨を乙議院に通知する。

第八十三条の二

  1. 参議院は、法律案について、衆議院の送付案を否決したときは、その議案を衆議院に返付する。
  2. 参議院は、法律案について、衆議院の回付案に同意しないで、両院協議会を求めたが衆議院がこれを拒んだとき、又は両院協議会を求めないときは、その議案を衆議院に返付する。
  3. 参議院は、予算又は衆議院先議の条約を否決したときは、これを衆議院に返付する。衆議院は、参議院先議の条約を否決したときは、これを参議院に返付する。

第八十三条の三

  1. 衆議院は、日本国憲法第五十九条第四項の規定により、参議院が法律案を否決したものとみなしたときは、その旨を参議院に通知する。
  2. 衆議院は、予算及び条約について、日本国憲法第六十条第二項又は第六十一条の規定により衆議院の議決が国会の議決となつたときは、その旨を参議院に通知する。
  3. 前二項の通知があつたときは、参議院は、直ちに衆議院の送付案又は回付案を衆議院に返付する。

第八十三条の四

  1. 憲法改正原案について、甲議院の送付案を乙議院が否決したときは、その議案を甲議院に返付する。
  2. 憲法改正原案について、甲議院は、乙議院の回付案に同意しなかつた場合において両院協議会を求めないときは、その議案を乙議院に返付する。

第八十三条の五

甲議院の送付案を、乙議院において継続審査し後の会期で議決したときは、第八十三条による。

第八十四条

  1. 法律案について、衆議院において参議院の回付案に同意しなかつたとき、又は参議院において衆議院の送付案を否決し及び衆議院の回付案に同意しなかつたときは、衆議院は、両院協議会を求めることができる。
  2. 参議院は、衆議院の回付案に同意しなかつたときに限り前項の規定にかかわらず、その通知と同時に両院協議会を求めることができる。但し、衆議院は、この両院協議会の請求を拒むことができる。

第八十五条

  1. 予算及び衆議院先議の条約について、衆議院において参議院の回付案に同意しなかつたとき、又は参議院において衆議院の送付案を否決したときは、衆議院は、両院協議会を求めなければならない。
  2. 参議院先議の条約について、参議院において衆議院の回付案に同意しなかつたとき、又は衆議院において参議院の送付案を否決したときは、参議院は、両院協議会を求めなければならない。

第八十六条

  1. 各議院において、内閣総理大臣の指名を議決したときは、これを他の議院に通知する。
  2. 内閣総理大臣の指名について、両議院の議決が一致しないときは、参議院は、両院協議会を求めなければならない。

第八十六条の二

  1. 憲法改正原案について、甲議院において乙議院の回付案に同意しなかつたとき、又は乙議院において甲議院の送付案を否決したときは、甲議院は、両院協議会を求めることができる。
  2. 憲法改正原案について、甲議院が、乙議院の回付案に同意しなかつた場合において両院協議会を求めなかつたときは、乙議院は、両院協議会を求めることができる。

第八十七条

  1. 法律案、予算、条約及び憲法改正原案を除いて、国会の議決を要する案件について、後議の議院が先議の議院の議決に同意しないときは、その旨の通知と共にこれを先議の議院に返付する。
  2. 前項の場合において、先議の議院は、両院協議会を求めることができる。

第八十八条

第八十四条第二項但書の場合を除いては、一の議院から両院協議会を求められたときは、他の議院は、これを拒むことができない。

第八十九条

両院協議会は、各議院において選挙された各々十人の委員でこれを組織する。

第九十条

両院協議会の議長には、各議院の協議委員において夫々互選された議長が、毎会更代してこれに当る。その初会の議長は、くじでこれを定める。

第九十一条

両院協議会は、各議院の協議委員の各々三分の二以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

第九十一条の二

  1. 協議委員が、正当な理由がなくて欠席し、又は両院協議会の議長から再度の出席要求があつてもなお出席しないときは、その協議委員の属する議院の議長は、当該協議委員は辞任したものとみなす。
  2. 前項の場合において、その協議委員の属する議院は、直ちにその補欠選挙を行わなければならない。

第九十二条

  1. 両院協議会においては、協議案が出席協議委員の三分の二以上の多数で議決されたとき成案となる。
  2. 両院協議会の議事は、前項の場合を除いては、出席協議委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

第九十三条

  1. 両院協議会の成案は、両院協議会を求めた議院において先ずこれを議し、他の議院にこれを送付する。
  2. 成案については、更に修正することができない。

第九十四条

両院協議会において、成案を得なかつたときは、各議院の協議委員議長は、各々その旨を議院に報告しなければならない。

第九十五条

各議院の議長は、両院協議会に出席して意見を述べることができる。

第九十六条

両院協議会は、内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人の出席を要求することができる。

第九十七条

両院協議会は、傍聴を許さない。

第九十八条

この法律に定めるものの外、両院協議会に関する規程は、両議院の議決によりこれを定める。

第十一章 参議院の緊急集会

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第九十九条

  1. 内閣が参議院の緊急集会を求めるには、内閣総理大臣から、集会の期日を定め、案件を示して、参議院議長にこれを請求しなければならない。
  2. 前項の規定による請求があつたときは、参議院議長は、これを各議員に通知し、議員は、前項の指定された集会の期日に参議院に集会しなければならない。

第百条

  1. 参議院の緊急集会中、参議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、参議院の許諾がなければ逮捕されない。
  2. 内閣は、参議院の緊急集会前に逮捕された参議院の議員があるときは、集会の期日の前日までに、参議院議長に、令状の写を添えてその氏名を通知しなければならない。
  3. 内閣は、参議院の緊急集会前に逮捕された参議院の議員について、緊急集会中に勾留期間の延長の裁判があつたときは、参議院議長にその旨を通知しなければならない。
  4. 参議院の緊急集会前に逮捕された参議院の議員は、参議院の要求があれば、緊急集会中これを釈放しなければならない。
  5. 議員が、参議院の緊急集会前に逮捕された議員の釈放の要求を発議するには、議員二十人以上の連名で、その理由を附した要求書を参議院議長に提出しなければならない。

第百一条

参議院の緊急集会においては、議員は、第九十九条第一項の規定により示された案件に関連のあるものに限り、議案を発議することができる。

第百二条

参議院の緊急集会においては、請願は、第九十九条第一項の規定により示された案件に関連のあるものに限り、これをすることができる。

第百二条の二

緊急の案件がすべて議決されたときは、議長は、緊急集会が終つたことを宣告する。

第百二条の三

参議院の緊急集会において案件が可決された場合には、参議院議長から、その公布を要するものは、これを内閣を経由して奏上し、その他のものは、これを内閣に送付する。

第百二条の四

参議院の緊急集会において採られた措置に対する衆議院の同意については、その案件を内閣から提出する。

第百二条の五

第六条、第四十七条第一項、第六十七条及び第六十九条第二項の規定の適用については、これらの規定中「召集」とあるのは「集会」と、「会期中」とあるのは「緊急集会中」と、「国会において最後の可決があつた場合」とあるのは「参議院の緊急集会において可決した場合」と、「国会」とあるのは「参議院の緊急集会」と、「両議院」とあるのは「参議院」と読み替え、第百二十一条の二の規定の適用については、「会期の終了日又はその前日」とあるのは「参議院の緊急集会の終了日又はその前日」と、「閉会中審査の議決に至らなかつたもの」とあるのは「委員会の審査を終了しなかつたもの」と、「前の国会の会期」とあるのは「前の国会の会期終了後の参議院の緊急集会」と読み替えるものとする。

第十一章の二 憲法審査会

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第百二条の六

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するため、各議院に憲法審査会を設ける。

第百二条の七

  1. 憲法審査会は、憲法改正原案及び日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案を提出することができる。この場合における憲法改正原案の提出については、第六十八条の三の規定を準用する。
  2. 前項の憲法改正原案及び日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案については、憲法審査会の会長をもつて提出者とする。

第百二条の八

  1. 各議院の憲法審査会は、憲法改正原案に関し、他の議院の憲法審査会と協議して合同審査会を開くことができる。
  2. 前項の合同審査会は、憲法改正原案に関し、各議院の憲法審査会に勧告することができる。
  3. 前二項に定めるもののほか、第一項の合同審査会に関する事項は、両議院の議決によりこれを定める。

第百二条の九

  1. 第五十三条第五十四条第五十六条第二項本文、第六十条及び第八十条の規定は憲法審査会について、第四十七条(第三項を除く。)、第五十六条第三項から第五項まで、第五十七条の三及び第七章の規定は日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案に係る憲法審査会について準用する。
  2. 憲法審査会に付託された案件についての第六十八条の規定の適用については、同条ただし書中「第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案」とあるのは、「憲法改正原案、第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案」とする。

第百二条の十

第百二条の六から前条までに定めるもののほか、憲法審査会に関する事項は、各議院の議決によりこれを定める。

第十二章 議院と国民及び官庁との関係

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第百三条

各議院は、議案その他の審査若しくは国政に関する調査のために又は議院において必要と認めた場合に、議員を派遣することができる。

第百四条

  1. 各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。
  2. 内閣又は官公署が前項の求めに応じないときは、その理由を疎明しなければならない。その理由をその議院又は委員会において受諾し得る場合には、内閣又は官公署は、その報告又は記録の提出をする必要がない。
  3. 前項の理由を受諾することができない場合は、その議院又は委員会は、更にその報告又は記録の提出が国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の内閣の声明を要求することができる。その声明があつた場合は、内閣又は官公署は、その報告又は記録の提出をする必要がない。
  4. 前項の要求後十日以内に、内閣がその声明を出さないときは、内閣又は官公署は、先に求められた報告又は記録の提出をしなければならない。

第百五条

各議院又は各議院の委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、会計検査院に対し、特定の事項について会計検査を行い、その結果を報告するよう求めることができる。

第百六条

各議院は、審査又は調査のため、証人又は参考人が出頭し、又は陳述したときは、別に定めるところにより旅費及び日当を支給する。

第十三章 辞職、退職、補欠及び資格争訟

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第百七条

各議院は、その議員の辞職を許可することができる。但し、閉会中は、議長においてこれを許可することができる。

第百八条

各議院の議員が、他の議院の議員となつたときは、退職者となる。

第百九条

各議院の議員が、法律に定めた被選の資格を失つたときは、退職者となる。

第百九条の二

  1. 衆議院の比例代表選出議員が、議員となつた日以後において、当該議員が衆議院名簿登載者(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第八十六条の二第一項に規定する衆議院名簿登載者をいう。以下この項において同じ。)であつた衆議院名簿届出政党等(同条第一項の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう。以下この項において同じ。)以外の政党その他の政治団体で、当該議員が選出された選挙における衆議院名簿届出政党等であるもの(当該議員が衆議院名簿登載者であつた衆議院名簿届出政党等(当該衆議院名簿届出政党等に係る合併又は分割(二以上の政党その他の政治団体の設立を目的として一の政党その他の政治団体が解散し、当該二以上の政党その他の政治団体が設立されることをいう。次項において同じ。)が行われた場合における当該合併後に存続する政党その他の政治団体若しくは当該合併により設立された政党その他の政治団体又は当該分割により設立された政党その他の政治団体を含む。)を含む二以上の政党その他の政治団体の合併により当該合併後に存続するものを除く。)に所属する者となつたとき(議員となつた日において所属する者である場合を含む。)は、退職者となる。
  2. 参議院の比例代表選出議員が、議員となつた日以後において、当該議員が参議院名簿登載者(公職選挙法第八十六条の三第一項に規定する参議院名簿登載者をいう。以下この項において同じ。)であつた参議院名簿届出政党等(同条第一項の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう。以下この項において同じ。)以外の政党その他の政治団体で、当該議員が選出された選挙における参議院名簿届出政党等であるもの(当該議員が参議院名簿登載者であつた参議院名簿届出政党等(当該参議院名簿届出政党等に係る合併又は分割が行われた場合における当該合併後に存続する政党その他の政治団体若しくは当該合併により設立された政党その他の政治団体又は当該分割により設立された政党その他の政治団体を含む。)を含む二以上の政党その他の政治団体の合併により当該合併後に存続するものを除く。)に所属する者となつたとき(議員となつた日において所属する者である場合を含む。)は、退職者となる。

第百十条

各議院の議員に欠員が生じたときは、その院の議長は、内閣総理大臣に通知しなければならない。

第百十一条

  1. 各議院において、その議員の資格につき争訟があるときは、委員会の審査を経た後これを議決する。
  2. 前項の争訟は、その院の議員から文書でこれを議長に提起しなければならない。

第百十二条

  1. 資格争訟を提起された議員は、二人以内の弁護人を依頼することができる。
  2. 前項の弁護人の中一人の費用は、国費でこれを支弁する。

第百十三条

議員は、その資格のないことが証明されるまで、議院において議員としての地位及び権能を失わない。但し、自己の資格争訟に関する会議において弁明はできるが、その表決に加わることができない。

第十四章 紀律及び警察

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第百十四条

国会の会期中各議院の紀律を保持するため、内部警察の権は、この法律及び各議院の定める規則に従い、議長が、これを行う。閉会中もまた、同様とする。

第百十五条

各議院において必要とする警察官は、議長の要求により内閣がこれを派出し、議長の指揮を受ける。

第百十六条

会議中議員がこの法律又は議事規則に違いその他議場の秩序をみだし又は議院の品位を傷けるときは、議長は、これを警戒し、又は制止し、又は発言を取り消させる。命に従わないときは、議長は、当日の会議を終るまで、又は議事が翌日に継続した場合はその議事を終るまで、発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。

第百十七条

議長は、議場を整理し難いときは、休憩を宣告し、又は散会することができる。

第百十八条

  1. 傍聴人が議場の妨害をするときは、議長は、これを退場させ、必要な場合は、これを警察官庁に引渡すことができる。
  2. 傍聴席が騒がしいときは、議長は、すべての傍聴人を退場させることができる。

第百十八条の二

議員以外の者が議院内部において秩序をみだしたときは、議長は、これを院外に退去させ、必要な場合は、これを警察官庁に引渡すことができる。

第百十九条

各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。

第百二十条

議院の会議又は委員会において、侮辱を被つた議員は、これを議院に訴えて処分を求めることができる。

第十五章 懲罰

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第百二十一条

  1. 各議院において懲罰事犯があるときは、議長は、先ずこれを懲罰委員会に付し審査させ、議院の議を経てこれを宣告する。
  2. 委員会において懲罰事犯があるときは、委員長は、これを議長に報告し処分を求めなければならない。
  3. 議員は、衆議院においては四十人以上、参議院においては二十人以上の賛成で懲罰の動議を提出することができる。この動議は、事犯があつた日から三日以内にこれを提出しなければならない。

第百二十一条の二

  1. 会期の終了日又はその前日に生じた懲罰事犯で、議長が懲罰委員会に付することができなかつたもの並びに懲罰委員会に付され、閉会中審査の議決に至らなかつたもの及び委員会の審査を終了し議院の議決に至らなかつたものについては、議長は、次の国会の召集の日から三日以内にこれを懲罰委員会に付することができる。
  2. 議員は、会期の終了日又はその前日に生じた事犯で、懲罰の動議を提出するいとまがなかつたもの及び動議が提出され議決に至らなかつたもの並びに懲罰委員会に付され、閉会中審査の議決に至らなかつたもの及び委員会の審査を終了し議院の議決に至らなかつたものについては、前条第三項に規定する定数の議員の賛成で、次の国会の召集の日から三日以内に懲罰の動議を提出することができる。
  3. 前二項の規定は、衆議院にあつては衆議院議員の総選挙の後最初に召集される国会において、参議院にあつては参議院議員の通常選挙の後最初に召集される国会において、前の国会の会期の終了日又はその前日における懲罰事犯については、それぞれこれを適用しない。

第百二十一条の三

  1. 閉会中、委員会その他議院内部において懲罰事犯があるときは、議長は、次の国会の召集の日から三日以内にこれを懲罰委員会に付することができる。
  2. 議員は、閉会中、委員会その他議院内部において生じた事犯について、第百二十一条第三項に規定する定数の議員の賛成で、次の国会の召集の日から三日以内に懲罰の動議を提出することができる。

第百二十二条

懲罰は、左の通りとする。
一 公開議場における戒告
二 公開議場における陳謝
三 一定期間の登院停止
四 除名

第百二十三条

両議院は、除名された議員で再び当選した者を拒むことができない。

第百二十四条

議員が正当な理由がなくて召集日から七日以内に召集に応じないため、又は正当な理由がなくて会議又は委員会に欠席したため、若しくは請暇の期限を過ぎたため、議長が、特に招状を発し、その招状を受け取つた日から七日以内に、なお、故なく出席しない者は、議長が、これを懲罰委員会に付する。

第十五章の二 政治倫理

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百二十四条の二

議員は、各議院の議決により定める政治倫理綱領及びこれにのつとり各議院の議決により定める行為規範を遵守しなければならない。

百二十四条の三

政治倫理の確立のため、各議院に政治倫理審査会を設ける。

百二十四条の四

前条に定めるもののほか、政治倫理審査会に関する事項は、各議院の議決によりこれを定める。

第十六章 弾劾裁判所

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百二十五条

  1. 裁判官の弾劾は、各議院においてその議員の中から選挙された同数の裁判員で組織する弾劾裁判所がこれを行う。
  2. 弾劾裁判所の裁判長は、裁判員がこれを互選する。

百二十六条

  1. 裁判官の罷免の訴追は、各議院においてその議員の中から選挙された同数の訴追委員で組織する訴追委員会がこれを行う。
  2. 訴追委員会の委員長は、その委員がこれを互選する。

百二十七条

弾劾裁判所の裁判員は、同時に訴追委員となることができない。

百二十八条

各議院は、裁判員又は訴追委員を選挙する際、その予備員を選挙する。

百二十九条

この法律に定めるものの外、弾劾裁判所及び訴追委員会に関する事項は、別に法律でこれを定める。

第十七章 国立国会図書館、法制局、議員秘書及び議員会館

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百三十条

議員の調査研究に資するため、別に定める法律により、国会に国立国会図書館を置く。

百三十一条

  1. 議員の法制に関する立案に資するため、各議院に法制局を置く。
  2. 各法制局に、法制局長一人、参事その他必要な職員を置く。
  3. 法制局長は、議長が議院の承認を得てこれを任免する。但し、閉会中は、議長においてその辞任を許可することができる。
  4. 法制局長は、議長の監督の下に、法制局の事務を統理する。
  5. 法制局の参事その他の職員は、法制局長が議長の同意及び議院運営委員会の承認を得てこれを任免する。
  6. 法制局の参事は、法制局長の命を受け事務を掌理する。

百三十二条

  1. 各議員に、その職務の遂行を補佐する秘書二人を付する。
  2. 前項に定めるもののほか、主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する秘書一人を付することができる。

百三十二条の二

議員の職務の遂行の便に供するため、議員会館を設け、各議員に事務室を提供する。

第十八章 補則

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百三十三条

この法律及び各議院の規則による期間の計算は、当日から起算する。

附則

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  1. この法律は、日本国憲法施行の日[1]から、これを施行する。
  2. 議院法は、これを廃止する。
  3. この法律施行の際現に在職する衆議院の議長及び副議長は、この法律により衆議院の議長及び副議長が選挙されるまで、その地位にあるものとする。
  4. この法律施行の際現に在職する衆議院及び貴族院の書記官長は、この法律により衆議院及び参議院の事務総長が選挙されるまで、夫々事務総長としての地位にあるものとする。
  5. 参議院成立当初における参議院の会議その他の手続及び内部の規律に関しては、参議院において規則を定めるまでは、衆議院規則の例による。
  6. 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故について、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長及び委員の推薦、その要請を受けて国政に関する調査を行うこと等のため、附則第十項の法律がその効力を有する間、国会に、東京電力福島原子力発電所事故に係る両議院の議院運営委員会の合同協議会(以下「両院合同協議会」という。)を置く。
  7.  両院合同協議会は、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の要請を受けた場合において必要があると認めるときは、当該要請に係る事項について、国政に関する調査を行うことができる。
  8.  第百四条の規定は、前項の規定による国政に関する調査を行う場合における両院合同協議会について準用する。
  9.  前二項に定めるもののほか、両院合同協議会の組織、運営その他の事項については、両議院の議決によりこれを定める。
  10.  国会に、別に法律で定めるところにより、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会を置く。
  11.  内閣は、当分の間毎年、国会に、前項の法律の規定により送付を受けた東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の報告書を受けて講じた措置に関する報告書を提出しなければならない。

脚注

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  1. 昭和22年5月3日



関連項目

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両院共通

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衆議院

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参議院及び貴族院

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